裏ポケモンバトル   作:花那 澪

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分かりにくい表現、稚拙な文書等ございますが、お手柔らかにお願いします!少しご都合主義な点がありますが、そちらも何卒……orz


プロローグ

 

プロローグ

 

月の輝く夜、静かになったトキワシティ周辺のある山の中、そこには今日も二人の強面の男が立っていた。二人が着ている服には共にRの文字。そして、男たちの後ろには地下へと続く階段がある

 

そこに、茂みの中からスーツ姿の怪しい男が現れた。その男は二人の間の向こう側、階段へ堂々と歩みを進める

 

「お疲れ様です」

 

そう言って、入口に立っていた男たちはその男に道を空ける。男は何も言わずに、階段の先のドアへと消えていった

 

 

階段の先のドアを開けると、そこには熱気と血生臭い悪臭が充満する暗がりと、怒号のような歓声が広がる。広い地下空間の中心で事が起きる毎に声は大きくなり、地響きとなって地下空間を揺らした

 

『さあさあ! 今宵のメインディッシュ……血肉躍る"裏ポケモンバトル"の開宴だぁー!!』

 

地下空間の中心には鉄網で囲まれた無機質なバトルフィールドが広がり、頭上から響き渡る実況者の下品な煽り文句に呼応するように、狂気を孕んだ観客たちの罵声が熱を帯びる

 

「殺せ! 殺せぇっ!」

「いいぞ!今日こそあいつをぶっ潰すんだ!!」

「俺の金を無駄にしたらタダじゃ置かねえぞ!!」

 

ギラついた目で札束を握りしめ、欲望のままに叫ぶ大勢の人間たち

中央で行われている、人間とポケモンがペアを組んで戦う普通のポケモンバトルとは似ても似つかぬ光景に、全員が釘付けとなっていた

 

『ルールは至ってシンプル!

人とポケモンがタッグを組み、二対二でお互いが削り合うのみ!!

ちなみに、ポケモンから人への攻撃は禁止なので、ご注意を!』

 

実況者の声は中央のバトルの激化に伴い、さらに大きくなっていった

 

『……おっと!鉄パイプで相手のガオガエンへの顔面一発!これは容赦ない! 流石のガオガエンでも、これは耐えられないでしょう!!』

 

鉄パイプを持ったトレーナーはこの隙を見逃さない。すぐさま相棒であるドテッコツで追い討ちをかけた

 

「行けドテッコツ!!〈たたきつける〉だ!そのまま吹き飛ばせ!!!」

 

 

ガシャァァァーーーーン!!!!!

 

 

『おおぉぉーーーーーとっ!!?ここでドテッコツ!!ガオガエンを鉄骨で弾き飛ばしたぁ!!!!素晴らしいコンボ!!素晴らしい連携!!!』

 

吹き飛ばされたガオガエンは鉄網に叩き付けられ、そのまま動かなくなってしまう

顔からは血が流れ、鉄網はガオガエンの形に歪んでいた

 

「うおおぉぉぉーー!!すっげぇー!!」

「良いぞお!良いぞお!」

「あいつ…死んでないよな……?」

 

ドテッコツの大技に観客からは悲鳴と歓声が湧き上がった

 

「なーーはっはっはっ!!武器を使わないとオレらに勝てないとは、腑抜けたヤツめ!!」

 

ガオガエンのトレーナーである男、大きな体格と顔に被る覆面が目立つ彼は、余裕そうに相手を挑発した

 

「減らず口を……!すぐにお前も、動けなくなったあのガオガエンと同じ目に合わせてやる!!」

 

血に塗れた鉄パイプを、覆面男に向けた

しかし、そのような絶望的な状況においても、彼の余裕そうな態度は健在であった

 

「貴様じゃ相手にならん!今すぐ降参しろ!命が欲しければなぁ!!」

 

「ふざけるなっっ!!!!」

 

二度目の挑発に耐えきれなかった男は、遂に鉄パイプを持ち覆面男へと襲いかかった

思いのままに振りかぶった鉄パイプは、弧を描き覆面男の側頭部へ叩きつけられる

そうして、観客の声では消しきれない程の音が、空間に響き渡ることとなった

 

 

音が声を消し、観客の声が鎮まり返る

 

 

鉄パイプを叩き付けられた覆面男は、そのまま動かなくなってしまった

 

 

「ははっ……!!どうだ………!!」

 

 

鉄パイプを持った男は不敵な笑みを浮かべたが、それは相手も同じであった

 

 

「ふん………その程度……か………?」

 

 

瞬間、男が持っていた鉄パイプが音を立てて壊れた

 

 

「なに……!?ドテッコツ!!」

 

間にドテッコツを挟み、距離を取ろうとしたが、それも覆面男には効果は無かった

 

「貴様の相手はオレではない!!

ガオガエン!DDラリアット!!」

 

走る態勢に入った覆面男は、ドテッコツが間に入ってもそれを変えない

指示に応えるべくガオガエンは、覆面男の後ろから突如として現れ、技を放つ

 

ドテッコツは鉄骨を構える暇も無いまま、ガオガエンの腕に飛ばされていった

 

「ドテッコツーー!!!」

 

そう呼ばれたドテッコツであったが、もう動けないことは明白である

先程のガオガエンよりも高い位置で、さらに激しく鉄網を歪ませていた

 

「ぐっ……!!まだまだぁぁーー!!」

 

鉄パイプは持っていた男は、今度はその身一つで相手に走り出す

覆面男の方は既に走り出していたため、人間同士がお互いに走り合う形になり、両者はリングの中心で激突した

 

「ふんっ!!!」

 

覆面男はほぼ中心から動くことはなく、反対に鉄パイプを持っていた男は鉄網まで弾き飛ばされた

 

「はっ!他愛ない……!!」

 

覆面男は倒れた相手を無理矢理持ち上げ、構えをとる

 

「おっと!これは……!!」

「来るぞ来るぞ!!」

「あぁくそっ!またお金がぁ!」

 

 

「やはり最強は!!このオレだぁ!!!」

 

 

覆面男は頭から背中を下にして持った相手を、そのまま下へ叩き付けた

先程の鉄パイプよりも凄まじい音が会場に鳴り響く

 

『決まったぁぁぁーーーー!!!急転直下のサイドバスター!!!

やはり今宵もこの男!ヴァルカン選手が!!得意技にて相手を沈めましたぁ!!』

 

「がーはっはっ!!もっと骨のあるヤツを連れてこい!!」

 

ヴァルカン選手、と呼ばれた男は四方の観客席に向かって高らかに笑う

その目線は観客席の少し奥、会場入口付近のスーツ姿の男にも届いていた

 

「あーあ、ヤツも駄目か。今回も"頭取"のお眼鏡には適わなかったっつー訳ですかい」

 

スーツ姿の男は関係者以外立ち入り禁止のドアの方へ静かに消えていった

 

「うおおぉぉーーー!!!」

「またお前かぁぁぁ!!!」

「今回は勝つと思ってたのにぃぃぃ!!」

 

一方観客では、己の結果を喜ぶ者と悔しがる者で騒がしい時間が続いていた

 

『勝敗が確定致しました!皆様、お手元の投票権を大切にお持ちください!

カウンターAからDにて払い戻しとなります!!

今夜の裏ポケモンバトル!これにて閉幕!!』

 

観客たちは絶頂を迎えたかのように狂喜乱舞し、ヴァルカンと呼ばれた男の頭上からは欲望に塗れた着外の雨が降り注いでいた

 

 

 

光の届かない地下にて行われる闇の遊戯

 

その名も"裏ポケモンバトル"

 

暴力と欲望だけが全てを支配し、命をも顧みない者が挑む無謀な勝負のことである

 

 

 

観客から人が少なくなり静かになったリングに、ヴァルカンは立ち尽くしていた

 

「なぁ、ガオガエン……」

 

「…………?」

 

ガオガエンはヴァルカンの方を見る

 

「本物の強者って……なんだろうな……」

 

ガオガエンは質問に答える代わりに、低く唸って首を傾げた

 

「すまんな、変な事聞いた。行くぞ」

 

ヴァルカンは我に返り、ゆっくりとリングを後にする

それに続こうとするガオガエンであったが、不意にこちらを見る怪しい人影に気付いた

 

「……っっ!!」

 

怪しい人影は目を合わせるなりすぐに走り去って行った

大きい服と深々と被ったフードのため誰かは分からなかったが、気にする事でもない、と考えヴァルカンの後を追うことにした

 

 

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