フェイト育成計画   作:ヴィヴィオ

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出会い

 

 

 

 皆、初めまして。転生特典を持ってなのはの世界に転生した。俺の名前はペルゼイン・エレミア。エレミアの名前が示す通り、古代ベルカ時代のエレミア一族の血族だ。記憶継承もされているし、エレミアの神髄も使える。身長は253cmで筋肉隆々だ。イメージとしてはFateのバーサーカー(ヘラクレス)。というか、それを人間にしたもの。レアスキルとして十二の試練(ゴッドハンド)と射殺す百頭(ナインライブズ)を所持。デバイスはアルフィミィ。ユニゾンするとなんと、ペルゼイン・リヒカイトになれる優れものだ。まあ、基本は拳で戦うだけなのだがな。ちなみにアルフィミィは休眠状態だ。それがかれこれ数年。クリーングオフしたい気分だが、出来ない。魔力はAランクを持っているので魔導士としても一応戦える。拳の方が強いのだが。

 この世界に転生してはや31年。この世界でも魔法使いになってしまった。こんな巨体では女は逃げるし拒否する。どう考えても怖いに決まっている。そもそも力のコントロールは大変だったしな。つまり、幼女時代のジークリンデと同じくぼっちなのだよ。管理局でも単身で戦場に放り込まれて暴れて虐殺を繰り返すだけだ。これを可能としているのは俺の持つBランク以下の攻撃が無効にする十二の試練(ゴッドハンド)という宝具。FATEではBランクだが、なのはの世界ではSランクに相当する。S+以上の攻撃を喰らわなければどうという事はないのだ。S+以上の攻撃も一度喰らえば一切喰らわなくなるのでまずし死なない。それに加えて500年以上続くエレミアの記憶継承が生きてくる。つまり、大概の攻撃は既に喰らっている事になるのだ。よって、戦場を一人で歩いても問題無し。お陰で執務官の資格を得てからは休む暇すらあまりない。もっとも、階級はかなり上がって少将になっている。他世界に影響を及ぼすような世界規模の紛争を防ぐために単身で幾つも叩き潰せばそうなる。むしろ、階級が上がらなければ最高評議会に文句を言ってやる。

 

「とはいえ、寂しいものだな」

 

 自宅は俺の大きさもあってかなり広い一軒家なのだが、殆ど他世界を飛び回っているので埃が積もっているし、生活跡がない。だが、これからここで過ごさねばならない。何故なら大量に溜まった有給休暇の消費をせねばならない。現状、俺の仕事が無くなったので大人しくしていろという事だ。さて、ここで大量の酒を飲みながら考える。権力は手に入れた。次は女が欲しい。それも俺を怖がらない女で綺麗か可愛いのが。しかし、権力に寄ってくる女なんて要らない。最高評議会の連中みたいに刺されそうだしな。そうなると光源氏みたいに作るしかないのかも知れない。

 

「やれやれ、面倒だが……」

 

 管理局の資料を見ていると発掘されたジュエルシードが紛失という事が書かれていた。どうやら無印が始まったようだ。これから高町なのはとフェイト・テスタロッサは出会う。これは面白そうだ。

 

「なのはにフェイト・テスタロッサ……俺はどちらかといえば金髪のフェイト派だな。成長したらかなりの美人だな。よし、見に行ってみるか」

 

 携帯を取り出して第97管理外世界に行くための渡航許可を貰う。権力を使ってさっさと手に入れた。これで楽しい旅行が出来る。

 

 

 

 そう思っていたのだが、いざ行ってみると目立つ目立つ。身長253cmの筋肉隆々の大男が歩いていればそりゃ目立つさ。まあ、気にせずに久しぶりの日本を楽しむ。夜まで楽しんでいたら近所迷惑も考えないほど激しい戦闘を近くで確認した。そちらに行ってみると俺と同じ転生者共が楽しそうに戦ってやがる。それにしてもギルガメッシュとか面倒だぞ。他にもキョウスケを子供化した奴まで居るし。

 

「やめだやめ。帰ろ」

 

他の連中に見つかるのも面倒だし、諦めて帰ろう。俺にはまだ親戚の関西弁ホームレスっ子が居る。期待薄だが。

という訳でさっさと元の世界、ミッドチルダに戻る事にする。転送ゲートで帰る時、膨大な魔力とジュエルシードの発動を感じたが、放置して帰った。

 

「お帰りなさいませ。お早いお帰りですね」

「酒を飲んだだけだ」

 

転送ポートの出た先に居たのはメガーヌ・アルピーノ。同期のゼストと同じ部隊に所属している女で、既に人妻。人妻じゃなければな。ちなみにゼストとは知り合い程度だ。

 

「すいません、転送ポート内にまだ生命反応があるんですが」

 

アルピーノが端末を見ながら教えてくれる。

 

「何?」

 

振り返るとそこには転送の光が集まっていた。それはやがて人の姿を取る。しばらくして光が消えると、残されていたのは気を失っているフェイト・テスタロッサの姿だった。

 

「誘拐ですか?」

「違う」

「知ってます。転送時に横から強引に入って来ていますね。そのせいで転送時間も変わったようです」

「つまり」

「転送事故ですね。原因は分かりますか?」

「それなら、恐らく魔力暴走……いや、こいつが原因かも知れんな」

 

フェイト・テスタロッサの近くに転がっていた結晶体、ジュエルシードを拾い上げる。

 

「繋いだ先は管理外世界97番目でしたね。軽度の次元振動が確認されていますし、間違いないですね」

 

アルピーノがフェイト・テスタロッサの状態を調べていく。

 

「虐待の跡がありますが、出血などは無し。治療を行う為に医務室に運んでください」

「わかった」

「では、よろしくお願いします」

「一緒に来ないのか?」

「無理です。今から別世界へ仕事ですから。エレミアさんは休暇ですよね。よろしくお願いします」

「……わかった」

 

フェイトを抱き上げて腕に乗せ、医務室へと向かう。超忙しそうな医務室にフェイトを預けて精密検査を受けさせる。その間に遺失物管理部にジュエルシードを届けに向かう。面倒な書類手続きを終えてジュエルシードを渡しておく。それが終われば医務室に戻る。

 

「どうだ?」

「虐待の跡は治療しておきましたので身体に異常はありません。健康体ですね。寝かせておいたら目覚めるでしょう」

「そうか。ではどうするか」

「引き取ってください」

「おい」

「今、うちに受け入れられる空きなんてありません。負傷した局員が多いですから」

「何があった?」

「新種の魔法生物が発見されたそうです。ですが、まだ分かっていません。それと早く連れて行ってください」

「退いて退いて!」

 

通行の邪魔になっているようだ。仕方ないのでフェイトを連れて自宅に戻る。まあ、当初の予定とは違うが、いい事に……ならんか。他の連中が居るんだから面倒にしかならんな。

 

 

 

 自宅に到着して数時間も経つと寝かせたフェイトから動く反応があった。覗いてみるとぼーっとした瞳でフェイトがこちらを見ている。

 

「おじさん、誰?」

「ペルゼイン・エレミア。倒れていた所を連れてきた」

「そう、なんだ……あ、あの、私は……あれ?」

「どうした?」

「お、思い出せない……何も、何も思い出せないんです……」

「落ち着け」

 

 どうやら記憶を失ったか。ジュエルシードの次元振動に巻き込まれて記憶が無くなるくらいで済んだのなら幸いだな。恐らく時間が経てば他も思い出せるだろう。だが、よく考えたらフェイトはまだ自分が作られた人形だという事を知らない。思い出して辛い思いをしなくていいんじゃないかとは思うな。

 

「あ、あの、どうすれば……」

「お前はどうしたい? 思い出したいか、思い出したくないか……俺は思い出す事をオススメしない」

「え? どうして……」

「君の体には虐待の跡があったからだ。日常的に暴力を振るわれていたようだな」

 

フェイトは自分の震える身体を抱きしめた。覚えていなくても身体が覚えているんだろう。

 

「あっ……で、でも……行く場所も……ないですから……」

「拾った責任もあるからな。お前次第で面倒はみてやる。どうする?」

「い、痛いのは嫌……です」

「ここは、安全な場所だ。俺の下に居るなら守ってやる。どうする?」

「お、お願いします。ここにいさせてください」

「わかった。今は休め。明日には病院に連れて行く」

「はい」

 

 俺はフェイトを寝かせてからこれからの事を考える。さて、どうするか。明らかに面倒事なんだよな。まあ、手放す気にはなれんが。ヘラクレスのせいかも知れんが。それと気になる情報があるな。新種の魔法生物。厄介な事になりそう――いや、なるな。確信できる。何故なら不気味に光るアルフィミィが寝ている場所があるからだ。あえて言おう。新種の魔法生物ってアインストじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

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