さて、皆大好きフェイト・テスタロッサの事だ。一応、本局で調べて貰ったが念の為にミッドチルダ地上にある病院へと連れて行こうと思う。それと養子縁組も組んでおかないとな。いや、それ以前に衣類か。あと、問題があるとすればソファーで座っていた俺の膝の上にいつの間にかフェイトが居た事だ。
「おい、起きろ」
「んっ、んんっ……」
「おはよう」
眼をパチパチとした後、顔を真っ赤にして離れる。
「ご、ごめんなさい」
「ベットを使わせた訳だが、どうかしたのか?」
「そ、その……一人でいると……不安で……」
「そうか。それは悪かったな」
フェイトの頭を力を入れずに撫でてやる。下手に力を入れたら潰してしまいそうだからな。いや、確実に潰れるだろう。
「それならこれからは一緒に寝るか?」
「め、迷惑じゃ……」
「一緒に寝ろ。これは命令だ」
「は、はい」
フェイトを抱き上げて洗面所に移動する。
「顔を洗え」
「うん」
互いに顔を洗った後、タオルで拭いてやる。手洗いうがいを行なってから食事だ。フェイトを抱き上げて移動し、大きな椅子に座らせる。この家は250cmを超える俺に合わせてあるので子供のフェイトからすれば大きすぎるのだ。
「自炊なんてしないから買い物を……いや、それ以前にハウスキーパーを呼ぶか」
ハウスキーパーをお願いした後、食事に出かけよう。
「何か思い出したか?」
「な、何も……」
「そうか。まあ、無理はするな。それより服だな」
今のフェイトの姿は病院着だ。巻き込まれた時にバリアジャケットだけでなく服もひどい状態だったからだ。
「寒くはないか?」
「へ、平気……です……」
「それじゃあ、名前を決めないとな。名前は何がいい?」
「名前……名前……」
「ふぇ」
「……ふぇ……ふぇいと……フェイトがいいです」
誘導成功だ。
「じゃあ、今日からお前はフェイト・エレミアだ」
「フェイト・エレミア……」
「それじゃあ、出掛けるぞ」
「は、はい」
携帯端末からハウスキーパーを呼んで依頼する。それから外に出て俺用に特注させた軍用車に乗って移動する。先ずはバーガーショップのドライブスルーで朝食をテイクアウトして病院に向かう。
「ほら、気にせず食え」
「は、はい。い、頂きます……」
お腹が空いていたのか急いで食べるフェイト。
「ゆっくり食べろ。あと飲み物もあるからな」
「ご、ごめんなさい」
「謝らなくていい。それよりも喉に詰まらせないようにな」
「は、はい」
食事をしながら移動し、病院に到着する。駐車場に車を止めたらフェイトを椅子のようにした腕に乗せて移動する。大男に生まれてから一回やってみたかったんだよな。バーサーカーとしては外せない。まあ、こんな格好で病院に入ると視線が集まってくる。本来なら今のフェイトの格好から不審者として見られてもおかしくないのだが、管理局の制服を着ているから問題は無い。やって来た職員に要件を告げて預ける。ついでにここの看護師にフェイトの身長や体重、スリーサイズを調べて貰う。待っている時間に書類を作成して正式にフェイトをフェイト・エレミアに変えてしまう。調査の際、彼女が人造魔導師素体だと判明した事もあげておく。もっとも、少将の地位にあるので問題にもしない。本日の検査で詳細が判明するのだから後はタイミングを合わせるだけだ。
数時間後、受け取った書類を持ってフェイトと共に外に出る。フェイトは不安そうにしているが、頭をわしゃわしゃと撫でてやる。
「何を言われたか知らんが、気にするな」
「は、はい……」
人造魔導師素体の事を誰かが漏らしたのかも知れない。まあ、俺はそんな事を気にしないし、そのままフェイトを抱き上げて車で高級ブティックへと向かう。
到着したら店の前に車を止めてフェイトを連れて入る。
「あ、あの、お客様?」
「この子に似合う服を用意しろ」
「は、はい!」
「フェイト、車を移動してくるから服を選んでろ」
「う、うん」
フェイトと別れてから車を駐車場に移す。それから店に入って店員に下着類も用意させる。支払いは全てカードで行い十数着を購入した。金額が結構な額になったがそれ相応の給料を貰って……それより少ないがかなり貰っているのでどうとでもなる。とりあえず、フェイトに似合うゴシックロリータファッションを着せて連れていく。髪の毛はストレートにして白と黒のワンピースドレスを着るフェイトは可愛く、まさにお嬢様といった感じだ。購入した物は車に積んで靴を買いにいく。それが終われば食事をして日用雑貨を購入する。
「料理は出来ないよな?」
「うん」
「しばらくは外食だな」
「覚える」
「料理教室に行くといい」
管理局の本局に出向き、書類を提出する。それからフェイトにも答えて貰って正式にフェイト・エレミアとなる。親戚連中が絶対に介入してくるだろうからフェイトにはエレミアの技術を覚えて貰わないといけない。そんな事を考えながら管理局の中を歩いていると声をかけられた。
「あ、エレミア少将」
「アルピーノか。どうした?」
「その子の事が気になったのと、こちらを」
「デバイスか」
「その子のだと思います。破損が酷くて手掛かりにもなりませんが」
「一応、貰っておく。新しいデバイスは……いや、これを元にして作ってやるか」
「では、確かにお渡し致しました。さて、名前は……」
「挨拶しろ」
俺の後ろに隠れているフェイトに促すと、顔をちょっとだけだした。
「ふぇ、フェイト……エレミア……」
「引き取る事にしたんですか?」
「そうだ。どうせ一人だからな」
「大丈夫なんですか?」
「なんとかする。お前も手伝え」
「夫の許可があれば。私はメガーヌ・アルピーノ。よろしくね」
「よ、よろしく……お願いします……」
直ぐに隠れてしまったフェイトを抱き上げてアルピーノと目線を合わせてやる。
「お前は料理が得意だったか?」
「ある程度はですが」
「フェイトに教えてやってくれ」
「いいですよ。私も生まれてくる子の練習になりますし」
「頼む」
「メガーヌ!」
「あ、呼ばれたので行きますね。また連絡します」
「ああ」
「バイバイ」
アルピーノと別れてからフェイトを連れてデバイスショップに出向いて必要な素材を購入していく。それから自宅に戻る。ハウスキーパーの人が綺麗にしてくれていたおかげでかなり綺麗になった。
「食べたい物を選べ。出前を取る」
「なんでもいいよ……?」
「そうか」
お子様ランチなど適当に注文しておく。それからデバイスを作っていく。ガントレットタイプのデバイスでベルカ式を用意する。ミッドは問題無いだろうし先ずはベルカ式から教えよう。そもそもフェイトのタイプからしてベルカ式の方が相性がいいはずだしな。