Blue Archive:A story about youth   作:R2017

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pixivにて綴っていたものをこちらにも掲載することにしました。序盤の方は若干リメイクしつつの投稿になると思います。
キャラ崩壊等ありましたら申し訳ありません。
https://www.pixiv.net/novel/series/12975540


プロローグ

 僕の人生は、今まで全て間違いを選択してきた。だから、兄さんも、相棒も、親友も、家族も、何もかも失った。他の世界線との交わりも絶たれた。助けも呼べないし、逃げる場所も無い。何より、僕自身に生きる気力が無い。だが、人を救えという誰かが言った遺言に縛られて、自分の身体を捨てる覚悟で戦ってきたんだ。

 

 現在、彼は渋谷で能力犯罪者集団と交戦していた。戦況は史上最悪であった。既に左手は氷や衝撃波に当てられて感覚がほぼ無く、動くか怪しい。右足は火傷によって皮膚が大きく爛れていた。更には貧血で意識もハッキリしている訳ではなかった。彼の身体は強い、しっかりと栄養を取り、休息すれば回復はするだろうが……そんな余裕も暇も、今の彼には全く無かった。

 …結構倒した気がするけど…残りの敵は…何人だ?見えずらいな…約10人…?本当なら見えるはずなのにッ…クソ、貧血のせいか、血がめにかかったせいか……全く確認できない…!!渋谷の明かりを消して不意打ちなんかしやがって……!

 

「クソっ…!!!」

 

 廉は自らの右手に太刀を作り出す。突如として周囲に出現し、不規則な軌道を描く5本のナイフを全てかいくぐり、首に向けて斜めに振るわれる剣と地面から放たれるナイフを同時に太刀で破壊する。暗闇に蠢く何かを目視し、前に跳躍して接近して喉元を切り裂く。立て続けに、鋭い氷柱がいくつか降り注がれるのと同時に足に雷を纏った人物が近付いてくるのを確認した。直線距離で雷を纏った敵に最も近い氷柱を、わざと太刀で切り裂きながら振るう。雷の彼はそれを目視して跳躍することで刀を回避しようと試みた。それこそ、廉の罠であった。その跳躍を呼んだ彼は感覚のない左手にハンドガンを作り出し、頭を正確に撃ち抜いた。

 

「2人目…っ…後何人なんだよ…!!」

 

 氷柱が降ってきたということは近くに氷使いが居るはずだ…一体、どこにッ……!?

 

 そんなことを考える暇すらなく、突如として彼の足元の地面に氷が張られる。足ごと凍らされないように軽く跳躍した彼は、建物の壁を蹴り、建物の上へと壁を蹴って登ってゆく。その先で見つけたのは、氷使いであろう能力者。その瞬間に廉は首に使って刀を振るうが、氷使いは氷の刃を生成してなんとか受け流す。

 

「無駄に反応速度良いですね。」

 

「黙ってろ、バケモン!!」

 

 廉の顔面に向かって、氷の刃を突く。だが、廉はそれを嘲笑うかのように仰け反って回避すると共に腹に蹴りを放ち、空中へと追い出す。自身も空中へと飛び込んで腹に刀を突き刺した瞬間、彼は地面へと急速に落ちていく。

 

「っ…重力操作!?」

 

 重力が強まったことによって、彼は時点へと高速で落下しようとしていた。それを回避しようと、建物に刃を突き立てて落下速度を緩める。その落下する真下に、ナイフを両手に持った人間が1人、廉を狙っていた。恐らく、重力使いの能力者。

 

「っ……ぶねぇ!!」

 

 突き出されたナイフに対し、彼は壁を蹴っての宙返りで回避する。その回避先に左手のナイフが向かってゆくが、それも腕を腕にぶつけることで防ぐ。重力使いが繰り出した足払いを、廉は敵の足に刃が当たるように刀を地面に突き刺すことで足払いの動き気を止めて左手で正拳突きを繰り出す。それに対し、重力使いは右手のナイフを首元に投げつけ、正拳突きを受け止めた。たった1秒の近接戦闘での出来事である。その一進一退の攻防を無に帰すかのように、廉は一瞬で右手に刀を作り出し、ノーモーションで斬撃を飛ばして重力使いの胴を落とす。足元に刺した刀を消去し、右手に再生成したのだ。

 

「はあっ…はぁっ……無駄に強いっ………はっ?」

 

 重力使いを倒した直後、銃弾が彼の腹に1発、撃ち込まれる。

 

「どこ、から…ぐっ……がぁっ……ぁッ…」

 

 炎を纏った拳が僕の腹にめり込み、吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。痛みはない。が、身体が呼吸を出来ないと悲鳴をあげている。

 

「っ…能、力が。」

 

 能力で作り出した刀が消滅した。能力上昇効果も無くなった…詰みだ。最早彼に戦う力など残っていない。

 

「…あ…あ、最…悪だよ…ほんと。」

 

 人を助けるという判断をした過去の自分も間違いだと、彼はそう思わざるを得なかった。そのお陰で、彼は今死の淵に立っている。それどころか、もう時期死ぬだろう。日本に蔓延る能力犯罪者によって、トドメを刺されてお終いだ。

 

「…嫌な、人生だった。」

 

 動けない身体の前に、燃え盛る炎が灯る。彼はゆっくりと目を瞑り、只管に、希う。

 

 このまま、このまま終わらせて欲しい。やっと、やっと…人を救え、という言葉に囚われている自我が無い自分に嫌気が差すことも無くなるんだ。辞めるべきだとも思ったことはある。でも…全てを失った僕に、残されたものは強大な能力。それを活かすには、自分がどうして存在しているのかを証明するためには、誰かを助けることしかできなかった…結局、誰かを助けても、僕は自分の存在意義なんて、なかった。僕はこの世界には存在しなかった。生きている意味が分からなかった。だから…もう…二度と、めが、さめないこと…を…

 

 炎が放たれることもなく、彼の意識はゆっくりと落ちてゆく。出欠多量による失血死で。ゆっくり…ゆっくりと……。

 

 

 

 

 再び、目を覚ますなんてことは無いはずだった。それでも、瞼の奥の眩しい光に当てられて、彼は不思議に思った。

 

「あ!良かった…目が覚めたんだね。」

 

 目を覚ますと、彼はベッドに横たわっていた。隣には、廉のことを優しく見守る男性が居た。彼の全身の傷は見事に完治していて、生きている。隣に助けてくれた人物が居る。故に、心の内は吐露できない。それでも、心の中で何度も反芻し続ける。死ねなかった、と。

 

「…助けて…下さったんですか…?」

 

「うん、治療を手伝ってくれた子は行っちゃったんだけどね。血だらけで事務室の前に倒れていたからびっくりしたけど…回復しきったみたいだね。傷もあまり深く無かったようだし。」

 

「ご親切にありがと…う。…事務室の前に…倒れていた…?」

 

「あぁ、私がいつも事務作業をしている場所なんだけど、コンビニに行こうとしたら倒れている君を…」

 

 状況が可笑しいのだ。攫われるにしても、わざわざ彼を全快させる理由がない。冷静に考えても、噛み合わない部分が多い。

 

 僕が意識を失ったのは廃れた路上で、目の前にはあいつが炎を撃とうとしていたはず…。…室内の雰囲気も僕の居た世界とは多少異なっている気がする…。僕の身に一体何が起こったんだ…?あの意識を失っている間に助けて貰った…は無い。この男性は事務室の前で倒れていた僕を発見したと言っていた…。意識を失っている間に…

 

「大丈夫?」

 

「え!?あぁ、はい!大丈夫です。」

 

 思考がぐるぐると巡り、考え込むことを辞められない。それでも、この状況を把握するために、彼は質問する。

 

「…ここは一体どこなんですか?僕は何故事務室の前で…?」

 

「事務室の前で倒れていた経緯は私にも分からないけど、ここはシャーレ…シャーレはこの建物なんだけど、この中にある医務室だよ。更にスケールの大きい話をすると…ここは学園都市キヴォトスと言うんだ。」

 

「学園都市…キヴォトス…」

 

 初めて聞く言葉だ、と頭の中でこんがらがっていると、男性は分かりやすく説明を始めた。沢山の学園が集った学園都市キヴォトス。その統括をしているのが連邦生徒会。更に、この男性が顧問を務めているのが連邦捜査部S.C.H.A.L.Eと言うらしい。そこまでは良かった。そこまでは。

 

「ヘイローを持った生徒は頑丈で……銃撃戦が日常茶飯事…そんな…最悪だ…なんでよりにもよってこんな治安が……」

 

 彼にとって、本当に嫌な世界だった。人を傷つけるような行為が日常茶飯事な世界き来るなど、彼にとっては死んでおけば良かったという大後悔の念しかない。だが、逆に言えば、彼の死に場所は探しやすいと言える。

 

「…君の様子を見るに、君は…やっぱり別の場所から来たのかな?」

 

「…そうですね。厳密に言えば…異世界からの転生…だと考えています。僕はここの存在を全く知りませんでした。」

 

「ということは…今、君に帰る場所って…」

 

「ない…ですね。全く考えていませんでした。でも大丈夫ですよ!適当に生きて…」

 

 死に場所を見つけなければ。

 

「君が嫌じゃなければ、連邦捜査部の補佐になって一緒に暮らさない?」

 

「…はい?」

 

 彼は衝撃を受けた。初対面で素性も分かってない人間を身内に引き入れるという狂った行為、到底廉が真似できる行動ではない。本当ならば、彼は断りたいところ。だが、人の善意を無碍にするなんて真似は出来るはずもなく。

 

「…分かりました。よろしくお願いします!僕は、一 廉にのまえ れんと申します。気軽に廉とでもお呼び下さい。」

 

「うん、よろしくね!私のことは先生と読んでね。実はこの話は一応リンちゃんに通しておいたんだよ。君が会いに行って軽い手続きをすれば所属できる。」

 

「お仕事が早い…ありがとうございます。」

 

 彼が愛想良く笑うと、先生も優しそうに微笑みかける。本当に、心の底から良い人なんだろうな、と廉は思う。自分の姿を見返したら彼は苦笑いしながら言葉を放つ。

 

「申し訳ないんですが…服を貰えると嬉しいです…ボロボロで…」

 

「ふふ、実はね…もう作って貰ったんだ。」

 

「お仕事がほんとに早いですね!?」

 

「手続きは私がやっておくよ。服を着たらリンちゃんに顔を合わせに行こう。」

 

「本当にありがとうございます…。」

 

 深々とお辞儀し、彼は着替えに行った。先生の手続きは早く終わり、リンとの顔合わせも平穏に終わった。住まいもあっという間に手に入り、彼は不安が隠せない面持ちでベッドに倒れ込んでいた。

 

 …ふわふわだな。ベッド。本当なら、熟睡できるぐらいには。でも…

 

「…多分、熟睡できないだろうな……。」

 

 トントン拍子に物事が進んだが…この状況になってしまうと自死は難しい。流石に先生にお世話になっている中で死にに行くのは流石の僕でも気が引ける…。と、考え事をしていると扉がノックされる。

 

「あ、はい?」

 

「ゆったりできてるかな、廉。」

 

「できてますよ!住み心地最高です、先生。」

 

 先生だった。様子を見に来てくれたようだ。ほんとに優しいよこの人。

 

「明日の予定について話したくてね。明日は、アビドス高等学校の方に行こうと思ってるんだ。」

 

「アビドスは…確か砂漠の方の…」

 

「うん、対策委員会の依頼を受けている最中だからね。廉も挨拶しておいた方が良いと思って。」

 

「そうですね。体力も万全なので、明日は頑張りましょう!」

 

「元気で良かったよ。じゃあお休み、廉。」

 

「はい、お休みなさい。」

 

 扉を閉めて、ベッドに横たわる。銃が蔓延るのが普通なこの世界で、彼はこの漠然とした不安を抱えて、布団にくるまる。

 

「これから、どうなるんだろう……。」

 

 今宵はきっと、眠れぬ夜になるだろう。




オリキャラについて

一 廉(にのまえ れん)

年齢:18歳
身長:159cm
体重:45.5kg
性別:男
種族:人間
好きなもの:コーヒー、平和
嫌いなもの:人を傷つけるもの、虫

能力 『武器生成』
 自分を中心に半径10mの範囲にのみ武器を生成することができる。銃なども構造を理解すれば生成できるが、半径10mを越えると撃った弾丸は消滅するので意味が無い。太刀程の大きさのものは2つまでしか作れない。

『絶対切断』
 現在は機能していない能力。キヴォトスの神秘によるものか、はたまた廉の精神によるものか…。発動さえすれば、斬れないものは存在しない。

『身体能力上昇効果』
 自身が作り出した武器を手に持つと、全体的にステータスが上昇する。特にスピードや瞬発力、動体視力などが大きく上がる。耐久力、防御力等は一切変化なし。

『悪魔の眼』
 彼が前世界で悪魔と契約した際に手に入れた能力。発動する出力に応じてスピードと瞬発力、反射神経、動体視力が飛躍的に向上する。しかし、使用後は身体が動かしにくくなったり、動かなくなったりしてしまうリスクを抱えているため、乱発は不可能だ。

人物
 他者に迷惑や心配をかけないように、物事を1人で抱え込んでしまう癖がある。基本的に明るく、元気に振る舞い、なるべくコミュニケーションを取って良い関係を気付こうと努めている。戦うことは苦手で、平和に人生を謳歌したいと考える、思考は普通の青年だ。その癖、最終手段に必ず戦闘が組み込まれている。能力を使わずとも動体視力が普通よりも優れていて、虫を目で追うことは容易だ。ちなみに彼は虫が嫌いである。
 彼の弱点としては、1度深く信じた相手には相手には少し依存気味になってしまうことが挙げられる。彼自身、自覚しているので気をつけようと考えてはいるが、本能的なものに近いので難しい。一般人と比べれば劣ってはいないが持続(スタミナ)面が脆かったり、栄養が取れていないがために痩せすぎであり、筋力は乏しい。
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