この超常社会Live2Dのイケメンアバターより『疲れ切った23歳男の地声を持つロリ美少女』の方が需要あるのバグ以外の何物でもないでしょ   作:九咲

8 / 8
第8話「身バレ直後の文化祭、ナビちゃんゲリラライブ(経営科主導)」

 

## ■ 『絶対に人が集まりすぎるお悩み相談室』

 

「(……胃が痛い。文化祭って、生徒たちが主役のイベントじゃなかったっけ……?)」

雄英高校文化祭の当日。

 

俺は経営科の生徒たちが「一攫千金!!」と目を血走らせて設営した特設テントの中で1台の配信用マイクを前に頭を抱えていた。

 

テントの入り口に掲げられた看板には大文字でこう書かれている。

【緊急開催! 国家公認バ美肉教師・割内駆先生の『おつナビー!生イケボ防犯お悩み相談室』※入場料500円】

 

「割内先生! チケット、一般公開から3分で完売しました!! 転売対策に個性の『ウィンドウ』で電子認証の警備お願いします!!」

 

「物販の『ピンクゴールド仕様・公式催涙スプレー』、ファットガム事務所のインターン生が箱買いしていきました!!」

 

「経営科の諸君、商魂が逞しすぎるだろ!! 俺、一応同僚の先生(相澤先輩)の圧力で公式講師として雇われてる身なんだけど!? 完全に客寄せパンダ(バ美肉)扱いじゃないか!」

 

俺が(※最高にセクシーで疲れ切った地声の低音で)ツッコミを入れると、テントの外から凄まじい大歓声が響いた。入場開始の合図だ。

一番乗りでテントに飛び込んできたのはやはりA組のヘビーリスナーたちだった。

 

「先生!!! いや、ナビの兄貴!!!」

 

切島鋭児郎がキラキラした目で俺のデスクに両手を突いた。

「昨日の『身バレ開き直り生雑談』最高に漢気溢れてました! 今日は生で兄貴の防犯講義が聴けるって聞いてA組のバンド隊の朝練抜けてきました!」

 

「切島くん、ありがとう。でも耳郎ちゃん(バンド隊のリーダー)が後ろでガチの形相でプラグを構えて君を睨んでるから、今すぐ練習に戻りなさい。あと、隣のショートくん、なにそのポーズ」

轟焦凍はマイ枕を小脇に抱えテントのパイプ椅子に神妙な面持ちで腰掛けていた。

 

「……割内先生。……今日は文化祭で人が多くて騒音のせいでさっきから軽い偏頭痛がするんだ。……頼む、A組のステージが始まるまでこの特設テントの端で先生の『おすすめの蕎麦屋紹介(CV:極上重低音ウィスパー)』を聴きながら寝かせてくれ。入場料は3倍払う」

 

「轟くん、君は雄英の文化祭を何だと思ってるの!? プレミアム安眠セラピー会場じゃないんだよ! あと実家(エンデヴァーさん)がそこの模擬店で烈火のごとく睨みつけてるから早く行きなさい!!」

 

その時テントの入り口から「どけコラァ!!」と、掌から火花を散らした爆豪勝己が割り込んできた。

 

「おい、陰キャバ美肉教師!! てめぇ、身バレしたからって、昨日ナビちゃんねるのコミュニティ欄に『これからは生身の姿も愛してね(はぁと)』とかいうクソ舐め腐った告知文出しやがったな!? ガワ(ロリ美少女)のあざとさを生身のジャージ姿で再現しようとしてんじゃねぇぞブチ殺すぞ!!」

 

「爆豪くん、あれは俺じゃなくてMt.レディ(岳山優)がウチの事務所のパソコンハッキングして勝手に書いた誤爆第2弾なんだよ!! 俺だって朝起きて自分のジャージ姿の自撮り(※顔はスタンプ)がアップされてるの見て、恥ずかしさでブルーウィンドウ出して気絶したわ!!」

 

カオスを極める相談室。

デクにいたってはノートを片手に「割内先生の生声の周波数はやはりマイクを通した時と比べて0.3ヘルツほど低音の響きが……。これがLive2Dのキツネ耳モーションと完全に同期していた時の心理誘導効果についてだけど……」と、ブツブツ呟きながらガチのストーカープロファイリングを再開している。

 

「はぁ……(※全リスナーの脳髄を揺らす、最高にセクシーで、最高に諦めに満ちた低音のため息)」

俺はマイクを引き寄せ、テントの外――長蛇の列を作っている全校生徒と一般のお客さんたちに向けて、国家公認の「あの声」で囁いた。

 

「――……静かに。……悪い子は、誰かな……?

せっかくの文化祭なんだ。そんなに大きな声を出すと、相澤先生の個性の餌食になっちゃうよ……?

今夜はみんな、A組のバンドとエリちゃんの笑顔だけを見て、良い夢を見るんだよ。……おつナビー(吐息)」 

 

テントの外から「ギャァァァァァ!!! 生ナビーーー!!!」「耳が溶けたーーー!!!」と、地鳴りのような悲鳴が上がり、経営科のブースに設置された『スパチャ用賽銭箱』に500円玉が雨のように投げ込まれる。

横で腕を組んで見ていた相澤先生が、あきれ果てた目で「……合理的だが、やはりシンプルに気持ち悪いぞ割内。終わったら売上の3割を雄英の警備費に回せ」と呟いたが、もうどうにでもなれだ。

身バレした底辺ヒーロー割内駆の文化祭は、生徒たちの圧倒的な「推し活の熱量」に包まれながら、家賃の心配が完全に消え去るほどの大盛況で幕を閉じるのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ん?AFO?ああ、あの顔面が金◯みたいな奴のこと?(作者:猫川立人)(原作:僕のヒーローアカデミア)

中学生の時に会ったよ。"個性"よこせって言ってきて触ろうとしてきたから怖くてつい右腕取っちゃったんだよね▼謝ったんだけどなんか右腕ごとどっか行っちゃったからなぁ。元気かなあの人。元気じゃないといいな。だって───▼───訴えられたくないし。▼これは、知らぬ間にラスボスとコンタクトを取ってしまっていた、一人のヒーロー志望の少年のお話。▼──…


総合評価:215/評価:6.25/連載:6話/更新日時:2026年08月01日(土) 10:00 小説情報

個性、海賊。ヒーロー向きじゃないって?これ以上ない英雄の個性だろ!(作者:紡縁永遠)(原作:僕のヒーローアカデミア)

事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤児が産まれた』というニュースだった。▼ 以降各地で「超常」は発見され、いつしか「超常」は「日常」に、「架空(ゆめ)」は「現実」となった。世界総人口の約八割が何らかの「特異体質」である現在、個性を悪用する敵(ヴィラン)により混乱渦巻く世の中で、かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が、脚光を浴びていた。そう、「ヒーロー」と呼ば…


総合評価:626/評価:6/連載:6話/更新日時:2026年07月15日(水) 00:00 小説情報

シューターのヒーローアカデミア(作者:なかりょた)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ハイスぺの体と個性『射手』で転生した主人公がおくる物語。なお全方位にさわやかスマイルを振りまいて、脳破壊をしていく模様。


総合評価:740/評価:6.11/連載:26話/更新日時:2026年06月08日(月) 14:43 小説情報

個性図書館によるヒーローアカデミア(作者:ヨガマスター)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ヒロアカを見ながらLibrary of ruinaをやってたら死んだっぽい。▼そしたらなんかヒロアカの世界に転生した。▼しかも個性図書館。▼……どうしよ?▼ヒロアカ世界で図書館の機能を使えるように拡大解釈と強化が施されてるのでそこで無理になった人は素直に見るのをやめましょう。▼あと作者は割とヒロアカのにわかだから設定に矛盾があったらごめん▼ちなみに個性図書館…


総合評価:2189/評価:8.05/連載:25話/更新日時:2026年07月31日(金) 12:03 小説情報

雄英高校の闇、伝説の性癖・尊厳破壊ヒーロー『ミッキー』(作者:青梅子)(原作:僕のヒーローアカデミア)

爆豪ママの個性って凶悪すぎんか…


総合評価:391/評価:8.29/連載:43話/更新日時:2026年06月10日(水) 05:46 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>