途中までのを読ませてしまった人たちはすまない……
あとがき全部吹き飛んでて萎え萎え
あとがきも自動保存機能欲しい
0時29分に自動保存された文章、誤字修正あった箇所の適応をしました(ガコン)
と言ってもそんなに変わってないんですけどね
ゴールデンウィークも瞬く間に過ぎ去り……とは言い難いほどに僕には色々とあったが、4月末の新入生とのペアを組んでの筆記試験以降は新たな特別試験が始まることはなく穏やかな時間が流れていた。
オールA+の生徒として騒がれていたのも6月になれば落ち着いており、新入生から敬意の眼差しで見られ、同級生と上級生には一目置かれる存在。
そのくらいの立ち位置に僕は落ち着いている。
とはいえ、日常生活は去年とあまり変わらない。
僕を凄いやつだと勘違いした下級生に告白されることもありそうだったが、監視カメラに映らない程度に掻い潜り、ラブレターに関してはいつも通りの対処をした。
そうすれば、斉木楠雄が恋愛する気は誰かと付き合う気はないと噂が広がり、僕に声をかけてくる女生徒は減っていた。
そこには顔の広い一之瀬さんや櫛田さんの呼びかけ、頼んだ覚えは無いが新入生の女子を威嚇する坂柳さんや鬼龍院さんの影もあったりしたが……僕は知らないふりをしてやり過ごしている。
「おはようっ、斉木くん!」
知り合いを除いては。
朝から明朗快活な挨拶をしてくる櫛田さんに温帯低気圧の日本特有の湿度を含んだような視線を向ける。
「どうしたの? (歳下にバンバン告られて振りまくってるドSの王子様って言われるのが耳に入って機嫌が悪いのかな?)」
それは今初めて聞いたし、知ったことでちょっとテンションが落ちたな。
リョーマか跡部あたりが呼ばれてそうなあだ名だと思いつつ、櫛田さんになんでもないと首を振って並木道を歩いていく。
その横に並ぶようにして櫛田さんが続く。
「そろそろ夏休みだね。今年もまた無人島試験があるのかな?」
あぁ、あるぞ。
とびっきりめんどくさいのがな。
しかし、テレパシーのない櫛田さんには知る由もないし、僕が知っているなんてことがバレれば、櫛田さんの好奇心と他人の秘密を知りたいという欲望の餌食になってしまう。
そういえば、櫛田さんと話すようになったのは夏休み前に佐倉さんのカメラが壊れた時だったか。
知り合って1年経つが、まさかこうして隣に並んで歩くようになるとは思わなかったな。
無人島試験の話はしにくいので、この話をしてやると櫛田さんは目を丸くした。
「え? あ、そう、だね……。そういえばそっか。あの時はちょっとしか話さなかったね(佐倉さんのカメラ直しにいくには変なメンツだったから同行したけど、そっか斉木と話したのってあの時か。てっきり船上試験の時が初めてだと思ってた)」
よく話すようになったというか、僕が手伝い始めたのがその時期だからな。
そっちの方が印象が強いのだろう。
「なんか意外だね。初めて会った時のこととか覚えてるの」
僕は記憶力が無いとかそんなことはないんだがな。
仲良くしたいとかはないが、一応それぞれの知り合いとの思い出は覚えている。
初めて会った時のことから今日に至るまで。
1年前は関わり合うのはクラスメイトくらいで、他クラスや先輩後輩との関わりはあまり想像していなかった。
1度しか話していないやつもいれば櫛田さんのように今も関係が続いているやつもいる。
人生とはよく分からないものだなと思いつつ、櫛田さんの話を聞いていると前方に知り合い2人が話していた。
当然、櫛田さんも気づく。
「綾小路くんと、七瀬さんだったかな? 何話してるんだろう?」
空がどうして青いか知っているか? みたいな話をしているとかではなく、2人が会うのはパートナー筆記試験以来のようで、改めて七瀬が謝罪しているところだった。
聞き耳を立てずとも、2人の会話は僕の耳に届いてくる。
「恨んでいますか? 私のこと」
「恨む理由はないだろう。七瀬達にとっては特別試験だったらしいし、あの時は斉木がほとんど何とかしてくれたしな。謝るなら斉木の方がいいんじゃないか(この前鬼龍院先輩をオレに押し付けてきたし、お返しに七瀬を押し付けられるといいんだが、そうはいかないんだろうな)」
「斉木先輩、ですか」
根に持ってるのかあいつ。
鬼龍院さんは綾小路のことは面白いと思ったみたいだが、まだ保留中と言っていた。
そのためまだ品定めの途中なのだろう。
「そうですね。斉木先輩にも折を見て謝っておきます(ただ、あの日に謝罪も感謝もいらないと言われたので望まれているかどうかは分かりませんが……)」
「(そういえば)期限は聞いていなかったが、あの特別試験はもう終わったのか?」
「いいえ、まだ続いています。期限は2学期が始まるまでです」
(その割には七瀬や宝泉、他にも集められたという1年生が動いていないのは気になるな)
この1ヶ月半警戒はしていても、特に動きのない1年生に引っ掛かりを覚えていた綾小路は少し顔を顰める。
「私や宝泉くんが接触してこなかったことが気がかりですか?」
「気にならないと言えば嘘になるな」
「策を講じても簡単に通用しないということは私も宝泉くんも確信できましたから。特に斉木先輩と仲のいい綾小路先輩を日常生活で退学に追い込むのはほぼ不可能だと思いますし」
他学年が絡む特別試験を待っている様子の七瀬に綾小路は問いかける。
「他の1年生はどうなんだ?」
「何かしら宝泉くんが仕掛けたことは察しているみたいですが、斉木先輩に返り討ちにされたと知っているのは私だけです」
「じゃあ宝泉が失敗した理由までは知らないが、不用意には動けないと判断してくれたってことか」
1年生の中では良くも悪くも注目されている宝泉が最初に行動に移し、最初に砕け散ったことは綾小路にとっては幸運だったのかもしれない。
ただ、綾小路はまだ表向きにされていない特別試験に関して、誰が把握しているのかを知らない。
七瀬に聞こうと試みているようだが、彼女の態度からそれは無理と判断して別の話題に切り替えていた。
それを遠目から見ていると、櫛田さんの視線が刺さっていた。
どうかしたかと聞いてみるも、櫛田は「別になんでもないよ」と笑顔を浮かべている。
(七瀬さんの方見てたけど、やっぱり髪長いのがタイプなのかな? 堀北が切ったし、伸ばしてみようとは思ってたから伸ばしてみようかな)
いや、七瀬を見ていたのは言えないことが多くて大変だなと同情していただけなんだが。
「そういえば、聞いた? 1年生は5月の末に特別試験があったんだって」
僕たちの時にはなかったな。
ちょうど綾小路たちもその話をしており、1年Cクラスから退学者が出たことについて言及していた。
今回の退学騒動の首謀者は八神なのだが、証拠を残さずに敵ながらも味方の振りをして同級生を退学にしていた。
その目的は宝泉のせいにして、他のクラスと結託するためという狡猾なものだが、後で自分の首を絞めることにならないといいがな。
「1年生は早くも退学者が出ちゃったから色々と苦労しそうだね」
実際はまだまだこれからだと思うがな。
八神が綾小路にバレないように好き勝手やるそうだが、綾小路にバレる前に他の同級生に潰されたり、追い込まれたりする可能性はある。
ただホワイトルームとやらの仕込みもあるため、戦闘などになると八神に分があがってしまうため、完全降伏させるのは難しいかもしれないな。
「この前は1年生と手を取り合う試験だったけど、いずれは1年生たちとも戦うことになるのかな(そうなったら八神くんもどうにか出来るかもしれないんだけどなぁ)」
南雲の方針と月城の思惑がカチリとハマってしまったがためにその日はすぐにやってくる。
校舎が近づくと、七瀬と綾小路が別れて、七瀬が一足先に下駄箱へと向かう。
僕らもそれを見て、変に噂になっても面倒だからと櫛田さんを先に行かせる。
とはいえ、並木道にはそこそこ人がおり、僕はOAAで顔が割れてしまい、櫛田さんは学校中に顔が利く。
そんな2人が歩いていたため、噂になるかと思いきや、2年生や3年生からの目線はそこまで大したことはなかった。
(櫛田先輩くらいになると高育最強と付き合えるのかな?)
(どっちも誰かと付き合う気はないって言ってるけどもしかして……)
(OAAでオールA+取ったら俺も斉木先輩みたいにモテモテに……!?)
まぁ新入生は余計な邪推をしているようだが、これも放っておけば時期に収まるだろうと僕も校舎へと入っていった。
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いつものホームルームと同じように始まった朝、この日は星之宮先生がタブレットを持って登壇した。
それを見て何人かの生徒は察する。
特別試験が近づいてきたのだと。
「みんなもまぁなんとなくは察してるだろうけど、この後特別試験の話をすることになってまーす。けど、それはちょっと長いから先に夏休みの話をするね」
そう言うと星之宮先生はタブレットに視線を落とし、操作をするとモニターに映像が映し出される。
一番最初に映し出されたのは見覚えのある豪華客船の写真だった。
(斉木が原因不明の病と言って船酔いだったヤツか)
(楠雄くんが原因不明の病って言ってたけど結局船酔いだったね)
君らの去年の船の記憶どうなってるんだ。
まぁあの時は船に乗ったのが初めてということで動揺して、頭痛と吐き気を催して迷惑をかけてしまったことは認めるが。
「みんなにはひと足早い夏休みのバカンスについて説明するね」
日程は8月4日から8月11日までの7泊8日間で、僕たちは画面に映る豪華客船で自由に夏休みを満喫できるそうだ。
劇を見るのも、食事に舌鼓を打つのも、船にあるプールで遊ぶのも自由らしい。
今回は船上で特別試験を行うこともしない。
つまりは純粋なバカンスが1週間は約束されているということになる。
しかし、察しのいい生徒8月4日からという微妙な時期であることに違和感を覚える。
「しかしみんながこの船旅を存分に楽しむには、次の特別試験を無事に終えないといけません」
ほよよと残念そうな顔で語る星之宮先生は画面を切り替えて船の写真を消して、画面を真っ暗にする。
まるでこのクラスを現実に引き戻してくる。
「次の特別試験は夏休みに行われるよ。ただ準備期間自体は今日からとも言えるかな」
(ということはつまり)
(今年も無人島……?)
含みのある言い方をする星之宮先生に神崎や一之瀬さんは質問を投げかけはせず、彼女から続きの説明がされるのを待つ。
「みんなには無人島サバイバルに参加し、競い合ってもらう」
(負けたクラスは消えるのか……?)
柴田、それは宇宙サバイバル編だ。
しかし、夏休み、特別試験、無人島と聞くと全員が思い出したのは1年生の時のことだ。
各クラスが与えられたポイントを使い、いかに残し、他クラスのリーダーが誰であるかを当てたり、拠点の占有でのポイントを取得して最終的なポイントの合計点を競い合った試験。
一応はBクラス当時に勝利しており、このクラスがさらにまとまることになった試験であるため苦い記憶ということはないが、全員またやるのかという顔を隠せない。
みんなを代表してか神崎が問いかけた。
「今年も去年と完全に同じというわけではないんですよね?」
「うん。今年行われるのは一線を画したもの。今まで行われてきたどの特別試験よりも過酷で厳しいものになると思うよ」
二日酔いの時くらいしか見せない真剣な眼差しで星之宮先生が言うと神崎含め他の生徒は息を呑んだ。
「その分得られるクラスポイント、プライベートポイントは破格なものになるよ。まずは日程から説明していくね」
7月16日が終業式となり、その3日後である7月19日にグラウンドに集合してバスで出発し、去年と同じように港から客船に乗り込んで移動。
一夜明けた7月20日に特別試験が始まる。
その前に試験の説明や、テントや食料といった必要な物資の受け渡しがある。
8月3日に特別試験は終了し、順位の発表を船内で行って、毎月1日に支給されるプライベートポイントは8月のみ無人島試験の結果を反映した報酬を支給する。
以降、8月11日まで自由行動となり、港に到着し、下船後学校へと戻って解散という流れだ。
(サバイバルの期間結構長いんだな)
(冬休みと春休みはずっと敷地内だったし、少しでも外の世界に出れるのはいいかも)
学校の敷地内という壁に囲まれた世界で暮らしている生徒たちにとって、外の世界は新鮮で刺激的なものになるだろう。
外の世界には自由が広がっているといいなと思いつつ先生の説明を聞く。
「去年もやった無人島サバイバル試験だけど、前回と異なるのはその規模。試験期間が2週間なのと、使用する無人島も面積が大きいんだって」
上空からヘリかドローンで撮影したのであろう海上に浮かぶ無人島が映し出される。
「今回は同学年だけじゃなく全学年で競い合うことになるから、戦わなければならない相手も過去最大級の数になるね」
知ってた。
南雲から学年を超えた戦いの示唆はあったし、綾小路潰しをしたい月城としては刺客のいる1年生を綾小路にぶつけられる場を用意したかったため、このような大規模な試験になった。
予算の工面のためか、1年生が入学時に支給されたプライベートポイントは8万と僕らの時より2万少ない。
「戦う相手が他学年もいるって……1年生は不利になりませんか?」
「3年生は有利だよね。特に南雲会長の代は学年全体にまで支配が及んでるんでしょ?」
浜口と安藤さんが言うと星之宮先生は苦笑する。
「まぁねー、どんな試験も完全な平等は不可能だし、学校はハンディキャップを設けることで同じ土俵で戦わせる気みたい」
低学年ほど受け取れる報酬が増えて、受けるペナルティが少なくなる他、試験開始のタイミングも低学年が優先される措置がある。
そんなことよりと星之宮先生はタブレットを操作する。
「今から無人島サバイバルの新しいルールとその概要の一部を紹介するよ」
「一部ってことは」
「全部は教えてくれないんですね」
「はい、そうでーす」
小橋さんと姫野さんが文句ありげに言うとそれをサラッと星之宮先生は受け流す。
「無人島サバイバルでのルールを知っていくには、グループに関することを理解してもらう必要があるのでよく聞いてね」
今回の試験の説明はかなり長くなりそうだ。
攻略wikiとか掲示板に概要だけ貼っておいて貰えないものだろうか。
「前回はクラス単位で行動してもらっていたけど、今回の無人島サバイバルでは最大6人までのグループを組んで、協力できるルールを採用しています。そして大グループは同学年であればクラスを問わずに組むことが可能だという点を覚えておいてね」
「てことは、同学年の2年は龍園だろうが葛城だろうが味方ってことか(同じ宇宙の出身なら味方だった宇宙サバイバル編と同じじゃん)」
龍園がフリーザで葛城が17号という想像をしている柴田に、あまり言いたくは無いが髪の量的に逆の方がいいんじゃないかと思う。
まあ性格的には合っているんだが。
「みんなには今日から7月16日の金曜日いっぱいまでの約4週間、2年生には好きな相手を2人まで選んで大グループの元である最大3人の小グループを作る権利が与えられます。けど、好きな相手と組めるとは言ったけどここにもルールがあります」
1つ目は組むメンバーが同学年であること。
2つ目は男女混合の場合は3分の2以上が女子を占める必要があるということ。
ハンディキャップとして1年生は4人までの小グループが作れるが、2年生と3年生は告知通り3人までの小グループになる。
そのうち、3分の2以上が女子を占めなければならないため、同性が1〜3人のグループか、男子1人と女子2人の7パターンのグループしか作れない。
「グループを作る権利って言ってたのは単独行動も可能だから、ということですね」
「そういうこと。メリットは減るけど特に問題はないかな。1人で挑戦したいって人でも次の特別試験に支障は出ないようになっているから」
ただし、グループの人数は多いに越したことはないと星之宮先生は言う。
単純に数の多い方が有利であることもあれば、特典も用意されており、安易に1人で戦うという選択肢は最後まで選ばないことが推奨される。
1人のデメリットは試験中の体調不良や試験続行不可能な状態に陥れば、グループが失格となりペナルティを受けることになる。
「1度確定したグループはどんな理由があっても変更できないから気を付けてね」
「でも特別試験では最大6人までのグループが作れるんですよね?」
網倉さんが尋ねると星之宮先生は頷いた。
「特別試験が始まると今度は小グループ同士が集まれるようになるの。最大6人までを満たしていれば、3人グループが2つ、2人グループが3つ、単独行動者が6人集まってOKだよ。けど、4人以上の大グループは女子の割合が5割以上を占めてる必要があるから気をつけてね」
小グループの時は3分の2だったのが、大グループでは2分の1か。
試験中に合流できるのであれば大グループになることを見越した編成も出来るかもしれない。
「ここまで聞いたら特別試験が始まってからグループを組めばいいやと思ってる子もいるかもしれないけど、一筋縄ではいかないんだな〜。自由に組んでいいとは言われてるけど、試験本番中に希望の大グループを組む難易度はめちゃくちゃ高いよ。6人グループを望んでも作ることすら出来ないケースが出てくる可能性の方が高いくらい」
次の特別試験の具体的な内容は教えられないが、今年の試験では全ての能力が必要とされるらしい。
学力、身体能力、精神力、コミュニケーション能力。
これら以外にも活かせる能力がある。
適材適所、自分の短所を補ってくれるメンバーと組むことが大切と語る。
途中で何人離脱しても、グループは最後の1人になるまで不都合なく機能するため、人数が多いほど単純に残機も多くなる。
極端な話、神崎、柴田、浜口、渡辺、別府とグループを組んでいたとして、全員が離脱しても僕さえ残っていれば試験は続けられるということだ。
「グループの重要性がわかったところで気になる報酬について説明しちゃうぞ」
1位のグループには300クラスポイント、100万プライベートポイントに加えて1プロテクトポイントという破格の報酬……と言いたいが、堀北元会長から1500万貰った身としては安く感じてしまうな。
まあ1プロテクトポイントは2000万に相当するわけだから破格ではあるのだろうが。
2位からはプロテクトポイントはないが3位まではクラスポイントが入り、上位入賞するだけでも5万から1万プライベートポイントが貰えるようだ。
ただクラスポイントは人数に関係なくクラス数で均等に四捨五入して分配される。
「注意して欲しいのは同学年以外じゃグループを組めないから、必然的に学年別の争いになること。けど報酬とペナルティの影響はグループ毎になるから、Aクラス(例えば斉木くん、一之瀬さん、姫野さん)で組んだグループが1位になったら報酬は全部Aクラスのものになる。逆に3クラス混合のグループが1位になると3クラスで均等に報酬を分配することになるよ」
各クラスから選りすぐりのメンバーを集めた最強のグループを作れたとしても4クラス混合になってしまうと、クラスポイントの変動はないということか。
これが可能なのは4人までの小グループが許された1年生のみの話だが。
というか、なんだその組み合わせは。
思うだけに留めているから許してやるが。
「あとは……上位3グループに与えられる合計で600にもなるクラスポイントは、下位3グループに沈んだ学年から均等に徴収することになってるよ。もし1位が2年生のグループで、最下位が1年生のグループなら、1年生の各グループからクラスポイントが回収される仕組みだね。2位の場合は下位から2番目、3位の場合は下位から3番目のグループって感じ」
本当に他学年との戦いにするようだな。
同学年同士が1位と最下位の場合は特殊な形となり、1位が得られる300ポイントは変わりないが、単独最下位になってしまうと100ポイント差し引かれて結局はクラスが得られるのは200ポイントになる。
徴収するクラスポイントが報酬額に届かない時は学校が補填してくれるらしい。
ペナルティに関しては先程のマイナスポイントと、下位5グループに属する結果になればその生徒たちは退学することになる。
最小5人、最大30人の退学者が出る可能性のある試験と分かれば、2年Aクラスといえど動揺せざるを得ない。
「もし、2年Aクラスだけが退学の対象になった場合はなにか救済の手立てなどはあるんですか?」
「万が一ペナルティを受けた時は600万プライベートポイントを支払うことで救済されるよ。この金額はグループの人数で割られるから、6人グループだと1人当たり100万プライベートで済むね」
いつもの2000万ポイントではないと聞いて一安心といきたいが、試験が始まってからはプライベートポイントの貸し借りは出来ない。
そのため、乗船前の段階で自分の携帯に必要な救済ポイントを所持している必要がある。
所持金さえ足りていれば、どんなグループに入っていてもプライベートポイントを払えば退学を免れるシステムになっている。
「他クラスと組めば報酬を分け合うルール……か(結局自クラスで組んだ方が良さそうに見えるが、報酬を独占しようとすると、寄せ集めになったグループが苦戦を強いられて下位グループになったり、最悪退学というリスクも孕んでいる。これは難しいな)」
神崎が心の内で頭を抱えているのが伝わってきた。
上位を目指すなら優秀な人間を集め、安定した報酬を狙うなら各グループにそれなりの人材を置いておく必要がある。
「ここまででも結構長いんだけど、今日はもう一つ大事なお知らせがあるんだよねぇ」
話題を区切り、再びモニターに8項目が表示される。
基本カード一覧
先行▶︎試験開始時に使えるポイントが1・5倍される
追加▶︎所有者の得るプライベートポイント報酬を2倍にする
半減▶︎ペナルティ時に支払うプライベートポイントを半減させる
このカードを所持する生徒のみ反映される
便乗▶︎試験開始時に指定したグループのプライベートポイント報酬の半分を追加で得る
指定したグループと自身が合流した場合効果は消滅する
保険▶︎試験中に体調不良で失格した際、所有者は一日だけ回復の猶予を得る
不正による失格などは無効とする
特殊カード一覧
増員▶︎このカードを所有する生徒は7人目としてグループに存在できる
本試験開始後から効力が発揮され、男女の割合にも左右されない
無効▶︎ペナルティ時に支払うプライベートポイントを0にする
このカードを所持する生徒のみ反映される
買い集め1人で複数所持することもできるが、同じ効果の重複や倍増はしないので同じカードを2枚持つメリットはない。
ただし上位30%のグループに入れなかった場合グループはペナルティを受ける
また増加分の報酬は学校側が補填するものとする
突如並んだ文字列に白波さんが当惑する。
「えっと……なんですかこれ?」
「これは無人島サバイバル特別試験に影響を与える、ざっくり言うとお助けアイテム的な? 一部を除いて持っていて損をすることは無いかなぁ。効果を見れば大体理解できると思うよ」
各生徒はこの8種類の中から1枚をランダムに得る。
配布のタイミングは明日の朝7時で、得たカードは特別試験開始までの間なら、他のクラスの同じ学年に限り譲渡やトレードすることができる。
誰が何のカードを持っているかはOAAで確認できるため、欲しいカードがあれば貰ったり、買い取ったりしてもいい。
買い集め1人で複数所持することもできるが、同じ効果の重複や倍増はしないのめ同じカードを2枚持つメリットはない。
特殊カードは学年毎に1枚しか存在しないレアカード的存在でランダム配布。
そのため1つのクラスが偶然特殊カードを3枚持つことも有り得るらしい。
「こんなものかな? 今回の説明の内容は昼休みまでにタブレットに転送されてるから、わからなかった人や確認したい人はそれで見てね」
全ての説明を終えた星之宮先生が時計を見てあと2分ほど猶予があることに安堵する。
「どうやってグループの戦略を立てていくか、そもそもどんな戦略でグループを作るのか。それらをゆっくりと考えてね。時間はたっぷりあるから(思ってたよりスムーズだったなぁ。質問もそんなに多くなくて助かったぁ)」
早いけど終わりますと言って星之宮先生が教室を出る。
そうしてすぐに授業終了を知らせるチャイムが鳴ると共にクラスメイトはそれぞれ一之瀬さんや神崎のもとへと集まり出す。
Aクラスを走る一之瀬さんとしては、他のクラスから狙い撃ちにされるのは避けたい。
その為にどこかと手を組むことも視野に入れたいが、そもそもどういった戦略で試験に臨むのかを決めていかねばならない。
次回の特別試験のグループ作りが解禁されたこの日、学年、クラスを問わずに様々な人間の思惑が交錯し、大きく状況が動き出すことになる。
アニメよりはちゃんと書いた気もするけど、ルール端折りましたので詳しくは調べるなどしてくれると助かります。
この巻は無人島試験の説明やグループ決めの準備に過ぎないのでそんなに見所は多くないかもです
途中、星之宮先生が例えで内心思い浮かべていたグループは本人の願望です
組んでくれないかな〜っていう
とりあえずくーちゃんがプライベートポイントマンやってた時に連絡先を聞いてなかった同級生はクソ後悔してもろて
1000ポイントで学内最強と知り合える機会だったのにねぇ
多く語りすぎると先の展開を予想されるかもしれないのでさっさと終わりますね
とりあえずくーちゃんは高育を包む大きな渦に巻き込まれたのかもしれない
次回は早く書けたらいつも通り
無理そうなら2時とか日中に出します
無理はしてないですよ
皆様から貰った贈り物をぺろぺろして生きてます
俺は生きる! 他人の生き血を啜ってでもなぁ!
てことでまた次回