とは言いつつも本日の投稿はこれまで
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前半櫛田と後半ひより目線
綾小路が龍園と屋上バトルしてないからCクラス目線だとまだ数学満点取ったやつくらいなのが災いしてる……くーちゃんの方に。
無人島サバイバルのグループ決めが解禁された翌日、先生の言う通り、朝には個人のメールに学校からの通知が届いていた。
私に届いたカードは先行、試験が始まった時に使えるポイントが1.5倍にされるもの。
去年と同じ感じなら物資はポイントでの購入制になるんだろうけど、去年みたいに残しておいたらそのまま自分のポイントになるのかが気になるところ。
それよりも気になるのは私の目の前を歩いているパッと見地味ながらもこの学校最高の評価をされてしまっている斉木だ。
昨日は多くの生徒が声をかけようとしていたみたいだけど、そのほとんどが連絡先を持っていなかった。
理由は本人がそこまで社交的じゃないのと、連絡先を拡散していなかったから。
……というよりは、プライベートポイントマンってのをやってる時にみんなが連絡先だけでも近づいてなかったのが原因だと思う。
まあ、あれは大抵の人なら変なことやってんなで片付いちゃうから仕方ない部分もあるかもしれないけど。
そんなことよりと、私は目の前をスタスタ歩く斉木に目を向ける。
春休みに私の過去のことと、斉木が好きだってことを告白してから3ヶ月くらい経つけど、斉木の私に対する行動や言動に変化はない。
好きって言っただけで、付き合いたいとかそういうのじゃないって言ったからってのもあると思うけど、私も斉木もいつも通りそのものだ。
斉木の登校時間は結構バラバラだったけど、最近は私と登校時間が被ることが増えてきた。
「おはよう、斉木くん」
少し駆け足で斉木に追いついて、声をかける。
すると、斉木は『おはよう』とだけ返してくる。
これが並の男子なら「おっ、おっ、おはようっ! 櫛田さん!」とキョドりどもりを併せたような返答をしてくるだろうけど、そこは流石というべきか変わらず落ち着いている。
それはそれで悔しい気もするけど、これは私が求めた結果だからしょうがないか。
「斉木くんは今度の無人島試験、誰と組むかとか決めた?」
私が訊くと斉木は決めてないと首を振る。
斉木は良くも悪くもマイペースだし、学校から強制的にグループを組めと言われない限りは1人な気がする。
それにこいつと足並みを揃えられる人間はそう多くないだろうし。
ただ、斉木が誰と組むかを気にしている人は多い。
堀北も「彼が単独にしろ誰かと組むにしろ厄介なことになるわね」と呟いていた。
平田くんは手を取り合えるなら組んでみたいと言っていたけど……平田くんの性格なら斉木も別に気にしないとは思うけど、斉木のマイペースぶりについていけるかが分からない。
こいつ僕はまともですよみたいな顔しといて割と私情で動くし……いやそのおかげで助かってる時もあるけど……!
『君はどうなんだ?』
「え、私?」
斉木の方から訊かれるとは思っていなくて、少しだけびっくりする。
おそらくはクラスの誰かと組むことになるだろうけど、具体的に誰かというのは決めていない。
堀北は誰と組んでもいいけど、連絡して欲しいと言ってただけだし。
特に組みたいって人もいないし……まぁ斉木から組んで欲しいって言うなら? 組んであげてもいいけど?
(なんでこんなに上からなんだこの子。本当に僕のこと好きなのか?)
「一応は斉木くんと一緒でまだ決めてないんだよね。……それがどうかしたの?」
もしかして私と組みたいの? と含みを持たせて訊いてみると、斉木は少し先を歩く篠原さんと池くんへと目線を向ける。
『あの2人が似たような会話をしていたから、何となく聞いてみた』
あー、そうですか。
てか、斉木、耳いいな。
ここからじゃそんなに聞こえないんだけど。
少し後ろにいる綾小路くんなら聞こえていそうだ。
「池くんと篠原さんかぁ」
見たところ池くんが篠原さんとグループを組むために勧誘しているみたいだ。
池くんは去年の無人島試験でキャンプ経験者ということもあって貢献していたから、それをアピールして好きな篠原さんと一緒にいたいのだろう。
「池くんも篠原さんも素直じゃないから、上手くいくかなぁ?」
(君が言うのかそれ)
私が言うと斉木はジトっとした目を向けてくる。
まるで君が言うのかそれと言われてるみたいだったけど(言ったな)、私はちゃんと好きって言ったからあっちより上だし。
あと、グループになりたいかは別。
斉木と四六時中一緒とか…………まぁ、悪くないんだろうけど、迷惑とかかけたら嫌だし、他の子達に変な目で見られるのも嫌だ。
1年生の間ではなんか私と斉木が付き合ってるんじゃないかと噂になっていたりもするけど、はっきり言っていい迷惑だ。
おかげで佐藤さんや森さんからも付き合ってるのか聞かれたりするし。
『……離れた方がいいか?』
「え? なんで? ていうか近づいたのは私だから斉木くんは気にしなくていいよ」
私は好きで一緒にいるだけだから、誰かにとやかく言われても構わない。
けど、私のせいで斉木が変なことに巻き込まれるのは……今に始まったことじゃないし、巻き込まないようにしてても少しでも話したら首を突っ込むどころか勝手に終わらせて『あとはよろしく』と丸投げしてくる。
ほんと意味わかんない。
「さつきー!」
そのまま無言で歩いてると、背後から篠原さんを下の名前で呼ぶ生徒の声が聞こえる。
龍園くんと同じクラスの小宮くんで、須藤くんと同じバスケ部に入っている。
その小宮くんは池くんと篠原さんの間に割り込むと「池もおはよう」と声をかけて、池くんがぎこちないながらも挨拶を返す。
「篠原さん、モテモテだね」
『そうみたいだな』
篠原さんはワンチャン狙えそうな女子だからってのもあってか可のない男子からのウケはいい。
篠原さんも池くんとは違うタイプの小宮くんからの誘いは満更でもないのか、それとも池くんを試しているのか。
このままだと篠原さん取られちゃうねと思って見ていると、そういえばと斉木の方を見る。
「帆波ちゃんと春休み何かあった?」
『何も』
即答してきたけど、食い気味なところを見るに何かあったのは間違いない。
というか、こっちは何かあったという確証があるから聞いているんだけどな。
「そうなんだ、帆波ちゃんが斉木くんのこと楠雄くんって呼んでたから何かあったのかと思って」
まぁ斉木に何か無くても、帆波ちゃんに何かあったのは確実だよね。
それに斉木が気づいてないってことはないだろうし。
でも付き合う気がないから上手くはぐらかしたりしてるんだろうな。
帆波ちゃんも何考えてるかわかんない無愛想だけどなんだかんだ良い奴というか変なやつというか……とりあえず厄介な相手を好きになっちゃって………………それは私もか。
そんなことを考えていると校舎が見えてきたから、いつも通り「じゃあまたね」と言って私は一足先に下駄箱へと向かった。
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夏休みの無人島サバイバル試験が発表された翌日、私は石崎くんと山田くんと共に斉木くんのところに来ています。
昨日、連絡はしたのですが電源が切れていたため返信が遅くなり、今日の朝に返ってきました。
放課後でいいなら時間が取れるとの事なので、石崎くんたちと一緒に待ち合わせ場所の特別棟に来ると斉木くんは先に着いていました。
「よう、斉木! 悪いな時間取らせて!」
石崎くんがそう挨拶をして、私と山田くんが小さく頭を下げると斉木くんは『気にするな』といつも通りの表情で言います。
斉木くんはそのまま、用件はなんだと今回の話の発案者と目をつけた石崎くんに目を向けます。
「用件は、ここなら人通りもないけど……あちぃな!」
「Yes」
確かにここは監視カメラもなく、用がなければ立ち寄るところでもないので人の行き来どころか気配もありません。
ただ人の出入りが少ないということは空調設備の取り付けの意義もないからか、気温と湿度の高い空間に4人で向かい合う形で立っています。
『目立つわけでもないしいいだろ』
「まぁ、そうだけどよ……熱中症とか脱水症状になったらどうすんだよ」
「俺らはいいけどよ」とちらりと私の方に目線を向けてくる石崎くんに、斉木くんは肩を竦めます。
『移動するにしてもどこへ行くんだ』
「では、発案者の石崎くんのお部屋はどうでしょうか?」
とりあえず歩こうと特別棟を出るために歩きながらそう訊いてきた斉木くんに私が返すと、石崎くんが慌てて拒否します。
「お、俺の部屋はちょっと……無理だ無理!」
「どうしたんですか? なにか不都合が?」
「そ、そりゃその、色々あるんだよ。男の子にはな……」
「はぁ。お部屋が少し散らかってるくらいなら気にしませんよ? ですよね、山田くん、斉木くん?」
同意を求めるように山田くんと斉木くんに訊くと2人とも顔を縦に動かします。
「少しどころじゃないっていうか、足の踏み場もないっていうかさ! いやぁ残念だぜ!」
「別に片付けくらいなら手伝いますよ?」
「えっ? いやいやいや! ティッシュとかアレとか、女子に掃除なんてさせられねぇよ! なぁ!? 斉木!」
『僕に振るな』
ティッシュ……?
アレとはなんのことでしょうか?
それがどうかしたのかと尋ねてみますが男性陣からの反応はありません。
「と、とにかくっ! 俺の部屋はちょっと……そ、そうだ、斉木の部屋は!? お前の部屋片付いてそうだし」
『呼び出しておいて僕の部屋に来るのか……図々しいな』
「うえぇっ!?」
鋭く言い返した斉木くんに石崎くんは驚いた声をあげます。
まぁ、これは斉木くんの言う通りですね。
ただ、斉木くんのお部屋には少し興味があります。
どんな本を持っていて、いつも貸していただけるDVDの源泉はどこなのか。
『(実家から持ってきているから、ない事がバレると面倒だな)僕の部屋も夏休み部屋を空けることを見越して掃除道具で溢れていてな。出来れば遠慮して欲しい』
それは残念です。
となると山田くんか私の部屋になりますが、山田くんがOKしてくれたので山田くんの部屋に行くことになりました。
では、と私は斉木くんの腕を自分の方に引き込みます。
そうすると、斉木くんは『なんだこれは』と無表情ながらも困った様子が伝わってきます。
「おー……」
「oh……」
『僕は別に逃げたりしないが……連行するなら山田が運べばいいんじゃないのか?』
何故か感嘆している2人に斉木くんが
提案しますが、山田くんは首を縦に振ります。
確かに異様に目立つ光景になってしまいますが、斉木くんは私たちのクラスと協力関係を結ぶと周囲が取ってくれる可能性があります。
そうなれば、斉木くんに声をかけてくる生徒も減るでしょうし。
お互いに悪いことはあまりないと思います。
しかし、石崎くんが山田くんに待ったをかけました。
「わりぃ、椎名って斉木のこと好きだったんだな……知らなかったぜ」
はい??
確かに好きは好きですけど……どうしていきなりそんなことを?
私が戸惑っていると斉木くんが『やれやれ』とばかりに肩を竦めます。
『大人しく連れていかれるから周囲に誤解されるようなアピールはしない方がいいぞ』
『僕と椎名さんはただの読書仲間だからな』と斉木くんは山田くんと石崎くんに念押しすると、私の胸の前にある自身の左手を見てから、私へと目線を合わせて来ます。
『とりあえず、これは解いてくれるか?』
「は、はい。わかりました」
言われて腕を離すと斉木くんは山田くんの後ろに続いて歩き出します。
それを見ていると、石崎くんに声をかけられます。
「何してんだ椎名、早く行こうぜ」
「あ、はい」
石崎くん達が何を勘違いしたのか、斉木くんがどうして少し困っていたのか、そして何より彼と手が離れたことを惜しんでいる自分がよく分からないまま、私は慌てて寮の方へと歩き出しました。
そして、私たちは山田くんのお部屋に到着しました。
部屋に入ると、私たちよりも遥かに身体の大きい山田くんでも部屋の間取りや作りは同じで、部屋のコーディネートが違うことで別の寮に来たような感覚でした。
大きな星条旗と日本の国旗が部屋の中央に大きく飾られていて、他にも中国やイタリア、アフリカ、あげたらキリがないほどに様々な国々の国旗が、辺り一面に飾られています。
『国旗マニアなのか』
「あぁ、驚いただろ?」
何度か部屋に来たことがある石崎くんが落ち着いた様子でした。
山田くんに適当に座るように促されて斉木くんは着座すると石崎くんに視線を向けます。
「ん? なんだ? 茶か?」
『違う』
察しの悪い石崎くんに代わって私が斉木くんが聞きたいことを代弁します。
「どうして石崎くんが斉木くんを呼び出したのかを聞きたいんですよね」
私の言葉に斉木くんが頷くと、石崎くんが口を開きます。
「ズバリ、これは俺が考えたことなんだが……次の特別試験でグループを組もうぜ!」
『断る』
「はやっ!?」
予想通りの提案だったのか斉木くんはノータイムで拒否してきます。
「なんでだよ! 別に誰でもいいからさ、俺らCクラスの中の誰かと組んでくれよ」
『何言ってるんだこいつ』
私に向かって問いかけてきますが、私にもわかりません。
石崎くんは私たちCクラスのグループに斉木くんを引き入れたい。
それだけしか分かりません。
『石崎は特別試験のルールを把握しているのか?』
「なんだバカにしてんのか? 俺だってルールは当然把握済みだぜ。男子だけのグループか、女子を入れるなら女子の割合が多くなるように3人グループを組める。で、試験が始まったら6人グループになれる。だろ?」
『うん。幼稚園からやり直せ』
「そこまで!?」
山田くんが「斉木は機嫌が悪いのか?」と英語で訊いてきますが、一応彼にとってはこれはいつも通りです。
私にはあまり言いませんが、龍園くんにはかなり辛口でした。
なので、龍園くんに近しく男子の石崎くんになら歯に衣着せぬ言い方になるのでしょう。
斉木くんは仕方なさそうに石崎くんに、石崎くんの提案の杜撰さを指摘していきます。
特別試験が始まって直ぐに小グループ同士が合流できる保証がないことから、組めたとして知り合いの少ない斉木くんでは他のCクラスの生徒が嫌がるのではないかと。
「それは大丈夫だ。斉木のすごさはみんなもう分かってるからな」
『別に僕は大したことないぞ』
「テストで全教科満点でOAAでオールA+のやつが大したことないなら俺らはなんなんだよ」
石崎くんに言われて、斉木くんはすぐに言い返そうとしましたが、少し間を空けて言います。
『……仮に僕がちょっぴりすごいとしてもだ、それはそれで他の奴らから僻みや妬みを集めることにならないか?』
ちょっぴりでは済まされないと思いますが、謙遜する斉木くんに石崎くんは笑顔で答えます。
「そん時は俺がみんなを説得するし、しなくても大丈夫だろ」
『お前のその根拠はどこから来るんだ……』
「なんたってお前は龍園さんが認めた男だからな! それに俺もこの前、1年の宝泉をシメたのを見て確信したぜ。お前はすげぇやつだってな」
私は斉木くんに言われてすぐに教室に戻ったから見ていませんが、宝泉くんという1年生に伊吹さんが首を掴まれて持ち上げられていたのを助けたそうです。
膝カックンで助けたというのがなんとなく斉木くんらしくて笑ってしまいました。
ただ、それのおかげで今まで龍園くんが斉木くんを認めている理由に懐疑心を持っていた石崎くんが、斉木くんを認めることになりました。
オマケにこの前のテストでは全教科満点と来れば、石崎くんが全面的に信頼するというのも自然な流れでしょう。
それは私と山田くんも同じ気持ちです。
「べた褒めされていますね。私と山田くんも同じ気持ちです」
私の言葉に山田くんも素早く頷いてくれます。
『僕は損得で動くわけじゃないが、クラスのこともある。Cクラスのグループに入るのは難しいな』
確かにAクラス側としては、仮に斉木くんの入ったグループが1位になっても、得られるクラスポイントは半減。
しかも主戦力として期待できる斉木くんが抜けるのはデメリットの方が大きい。
「んだよ、お前に損はねぇぞ? 俺たちが一之瀬のクラスを追い抜くことになっても、2000万ポイント渡してクラスに迎え入れるからよ。な?」
自信満々に言う石崎くんに斉木くんは呆れ顔のまま、一応は石崎くんの主張を最後まで聞きます。
「つまりお前は、自分のクラスがAクラスのままでも、俺たちのクラスがAクラスになっても良い。半々の確率で無事にAクラスで卒業できるってわけだ。どうだ?」
これ以上ない今日一番の笑顔で提案する石崎くんに斉木くんはキッパリと言います。
『僕はAクラス卒業に興味ないぞ』
「えっ、そうなのか!?」
まあ、斉木くんの能力を考えれば別にAクラスで卒業しなくても国内国外問わずに行きたい進学先に行けるので、そう思っても不思議ではありません。
「マ、マジかぁ〜……」
これは想定外だったのか狼狽える石崎くんは「どうしよう」と私に助けを求めてきます。
私としては斉木くんがCクラスと手を組んでくれるのは喜ばしいことではあるので、一応手助けします。
「今回の試験の肝は2年生の保有するクラスポイントを取られないようにすることです。当然ながら総合順位で上位を狙う必要があるので、そのためには斉木くんの力が必要不可欠です」
「そういうことだ」
とはいえ、この提案は斉木くんばかりに負担をかけてしまうので私としてはあまりしたくありませんが、クラスのことを思えばこれぐらいはアピールするべきでしょう。
私は続けて言います。
「斉木くんに対して提示する条件としては弱いと思うので、そうですね、私でよければ毎週何かしら和菓子を作ってお持ちする……は弱いですよね……」
言っていて2000万ポイントにも劣る提案をしていることに気づいて声が消え入るようになっていきます。
けれども、斉木くんは『ふむ……』と顎に手をやり、真剣に考えているようでした。
「あ、あの、斉木くんは今のはその、冗談みたいなものなので……」
『いや石崎のカスみたいな提案に比べればグッときた』
『いちご大福も悪くなかったしな』と付け加えた斉木くんに、なんの事か分かるはずのない石崎くんと山田くんが疑問符を浮かべます。
「あー……とりあえず、椎名が毎日飯つくるとかなら乗ってくれるってことか?」
「ま、毎日……?」
私は毎週と言いましたし、ご飯ではなく和菓子と言ったはずなんですが……。
コホンと咳払いをして本来の話に戻します。
「石崎くんは斉木くんがCクラスの誰とでも組んでいいと言っていましたが、無人島サバイバルは個人戦ではないので、上位を狙うなら強力なメンバーと組んだ方がいいと思います」
「お、おう……でも、それなら龍園さんとかか? けど……」
この作戦のことを話していないということもあれば、そもそも龍園くんは斉木くんとは組まないのではと心配する石崎くんですが、龍園くんには林間学校で自ら斉木くんの班に入っていったため、可能性としては0ではありません。
0ではないだけですが。
「2つ返事とはいかないと思いますね」
「だよなぁ……じゃあ、俺とアルベルトか……?」
さっきとはうって変わって自信のない声で石崎くんが尋ねると斉木くんは無言で腕をクロスしてバツを作ります。
「うぐ……」
「今日のところは石崎くんや私たちの想いを伝える場にできた、ということで満足しておくべきです」
「……わかったよ。斉木には斉木の事情があるしな……」
元々は斉木くんが誰かとグループを組むとは思えなかったので石崎くんは組みたいという意思を見せるためにこの場を作った訳ですし、目的は達したと言っていいでしょう。
それに龍園くんに頼まれていた斉木くんが誰かと組む可能性の検討も出来ましたし。
山田くんも納得したのか石崎くんの肩を優しく叩きます。
少しして綾小路くんから石崎くんへと連絡が入り、聞きたいことがあるとのことで、石崎くんは寮の入口へと向かいます。
「斉木、さっきの話、前向きに考えといてくれよ」
『検討に検討を重ねておく』
石崎くんにとっては当たり障りのない返答をして、山田くんの部屋を出た私たちはそれぞれ解散します。
石崎くんは階段で下に降りていき、山田くんとフロアが同じ斉木くんはそのまま廊下を歩いていきます。
その前にと、私は斉木くんに時間を取らせたことを謝ります。
「斉木くん、貴重な時間をいただいてすみませんでした」
『気にしなくていい。どうせ帰ってテレビを見るか本を読むかだったからな』
片付けがどうとか言っていた気もしますが、本心からそう思っているようでした。
「それなら良かったです。前向きな返事が貰えるとは思っていませんが、無人島サバイバル、お互いに実りのある結果になることを祈ってます」
『ああ。また図書室で』
斉木くんにそう言われて、私は自然と笑顔を浮かべていました。
「はい、また」
エレベーター前まで見送ってくれた斉木くんにそう返して、私はエレベーターに乗り込みました。
石崎くんの勧誘に付き合った意味はあったのか今のところは分かりません。
でも、この世に意味の無いことなんてないという言葉に従うのであれば、これもいつかきっと何かしらの意味を持つのでしょう。
「テストで全教科満点でOAAでオールA+のやつが大したことないなら俺らはなんなんだよ」
のあと原作くーちゃん並みの毒を吐こうとしてたけどひよりがいたので言うのをやめたから間が空いた。
優しいね。
櫛田さんと斉木くんカップル説は1年生少数で広がってる
一之瀬さんと斉木くんカップル説はあんまりないが、一之瀬さんが斉木くんに惚れてるのでは説は結構広がってる
呼び方が変わればそりゃそう
ちなみに一之瀬は南雲に下の名前で呼ばれそうになると普段は南雲会長呼びなのに、「南雲先輩」と圧をかけるので、今作では南雲は未だに一之瀬呼びのまま。
今回はここまで。
いつかは連続投稿を見たいと思い、ハーメルンを眺めていたなぁ……投稿されるといいなぁ