ようこそ超能力者のいる教室へ -2年生編-   作:オールF

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斉木空助、闇堕ち夏油と羂索のセリフピッタリ説を証明する時が来た。


マッドΨエンティスト現る!!

 現在の科学も常識も定説も全て無意味にしてしまう。

 特異点を作り出し、全ての人の努力を無に帰させる存在。

 それが天才というもの。

 僕の名前は斉木空助。

 地球一優しくて怒ると怖い母親と、靴を舐めて媚びへつらうことに特化した才能を持つ父親、そして超能力者の弟がいる以外は至って普通の凡人だ。

 生後1ヶ月で「把握した」と初めて言葉を発し、それから日常会話を流暢に話すようになった。

 小学校低学年までに習う文字の読み書きや簡単な計算などは2歳でマスター。

 知能テストの結果はIQ218、早い話が天才だった。

 けれど、僕の幼少の頃の一番古い記憶は敗北感だった。

 補助輪付きとはいえ3歳で自転車に乗れるようになった僕に襲いかかった敗北感、それは。

 

「くーちゃんダメよ!!」

 

 くーちゃん、弟を叱責する母親の声。

 否……。

 

「くーちゃん危ないから降りなさい!! それは子供が乗るものじゃないのよ!!」

 

 補助輪自転車に乗れたことに浮かれていた僕の精神をへし折るかのように弟は1歳では到底乗り回すことが出来ないであろう大型バイクを乗り回していた。

 

「どうしたのこのバイク!? 直結したの!? ダメじゃない直結しちゃ! 直結めっ!」

 

 僕は天才なんかじゃなかった。

 天才なのは弟であり、僕は普通の凡人。

 3歳のその日に僕は悟った。

 楠雄に劣っていた恐怖を……井の中に囚われていた屈辱を……。

 弟を持つ人なら分かるであろう兄が弟に負けることなどあってはならないという暗黙の了解。

 だから僕は必死に勉強した。

 受けるテストは全て満点、通知表の評価も全て最高評価のオール5。

 それに対して弟のテストの点数は9億点。

 しかも1教科でだ。

 それでも僕は諦めることはしなかった。

 夏休みの工作で、壊れた電化製品の廃材を集めてコントローラーで操作すれば二足歩行で歩くことができるロボットを作った。

 そして弟はお菓子の箱で作った小学生の工作みたいな電気で動かないガラクタ。

 そのガラクタに僕のロボットは負けた。

 それからも僕は何度も諦めずに弟に挑んだ。

 時にはゲームで、時には温泉で我慢比べ、時には釣り上げた魚の大きさなど、楠雄が僕のことを煩わしく思っていようがお構いなしに僕は挑んで負けた。

 一度も勝てなかった。

 凡人の僕でも正攻法では勝てないと気づいた13歳の時、僕は弟の脳や体を調べあげて超能力を弱体化させる装置を作り上げた。

 僕が強くなる必要はない。

 弟を弱くする、逆転の発想は成功すると思った。

 

『僕が弱くなったところで、お前が強くなったわけじゃないだろ』

 

 だがそれでも勝てなかった。

 顔面に一撃食らわされた僕はあっという間に敗北。

所詮凡人では天才には敵わないのか……と独りごちり、凡人のまま14歳になった僕は自暴自棄になり高校を飛び級。

 逃げるようにイギリスのケンブリッジ大学に留学し、僕は抜け殻のように毎日を自堕落に過ごして一昨年に修士号を取得。

 次は博士号取得の為研究に明け暮れていた。

 そんな時、僕が研究の過程で弟のテレパシーを封じる方法を閃いた。

 弟を読めなくするんじゃなくて、僕が読まれなくなればいい。

 そんな発想をしていた時に、僕の研究を邪魔する奴がやって来たけど片手間で帰国してもらったよ。

 その時でもあるかな。

 ホワイトルームと高度育成高等学校ってのがあるって知ったのは。

 人為的に弟のような天才を作り出す施設と聞いて蓋を開けてみれば……ふっ……と鼻で笑ってしまうような税金と資産の無駄遣いをしているような施設だった。

 ガッカリだ、普通すぎるというのが僕の感想だった。

 わざわざ潰す気にもならない。

 高度育成高等学校も同じだった。

 未来ある若者を学校内を競争社会の縮図にして社会に高度に適応した人間を作ると謳いつつも、やっていることは夢を叶えるチケットという人参をぶら下げて、その為なら軽犯罪の受容と暴力問題の放置に加えて生徒の尊厳を踏みにじる行為、それに何より、そんなものに釣られて入学してくる連中に国が総力を上げて教育を施しても凡人未満の量産機ができるだけだ。

 凡人しかいない普通の学校、僕はそんな高度育成高等学校の生徒たちを下に見ていた。

 けれど、日本全国から政府の調査員や学校が推薦した生徒が集まる学校に、天才である弟を放り込んだらどうなるか、見てみたくなった。

 進化した人類である弟の影響を受けて、凡人未満から凡人へと至るのか、それとも本物の天才を目の当たりにして凡人未満よりも遥かに下の楠雄を知らずにいただけの凡夫へと成り下がるか。

 僕は生まれて初めて白い画用紙の前でクレヨンを握りしめた時の気持ちを思い出しながら、高度育成高等学校に入学してからの弟を見ていた。

 実力を出さなければ淘汰され、自分自身やクラスメイトが退学になる異常な学校でどう立ち回るのか。

 僕の思考が弟に届くことを防ぐテレパスキャンセラーを開発し、余裕のできた僕は高度育成高等学校の監視カメラ映像をハッキングして、弟の様子を見た僕は目を見開いた。

 弟は目立つことを極端に嫌う。

 それは幼稚園、小学校、さらには中学時代に超能力が原因で家族や自分、友達になれるかもしれなかった人に迷惑をかけてしまったから。

 誰かに注目されるということは超能力がバレるリスクを孕んでいる。

 それにその超能力を利用しようとする人間がいることも。

 これに関してはママがあの性格だから今までその発想にならなかったというのもあるかもしれないが、弟……もう楠雄って言ってもいいか。

 楠雄は超能力を極力、家族の前以外では使わなかった。

 それなのにだ。

 

「何してるのさ楠雄は……」

 

 僕が見たのは体育祭で楠雄が髪の長い男の子をぶっちぎりで置き去りにする映像だった。

 恐らくは100~200メートル走だろうけど、楠雄は超能力を使っていた。

 ただ速く走るだけのことだが、楠雄は学校の全員が注目している中で大々的に超能力を使った。

 その後も女の子との二人三脚だったり、最後のリレーでもコケた女の子のために世界記録を更新する走りを見せていた。

 

「あっはっは!! すごいよ! 楠雄にここまでさせるなんて!」

 

 凡人と天才が交差する学校が楠雄を変えた。

 凡人は楠雄と関わることで天才に近づくために努力し、楠雄の存在は間違いなく高度育成高等学校という凡人たちを底上げしていた。

 凡人の集まりだった学校が、楠雄が入学してきてからどんどん変わっていく。

 こうしちゃいられないと、世界記録の映像は破壊して、僕は数ヶ月前に高育の理事長から貰った招待状を使って非常勤講師として楠雄の様子を間近で見ようと思った。

 2月にテレパスキャンセラーを完成させて、久しぶりに楠雄と勝負できる。

 3月の末にやって来たら僕を呼びつけた理事長は停職してたけど、それくらいはどうとでもなる……いやその方が好都合だ。

 僕が高育側にいると楠雄に知られることなく高育に潜入する大義名分ってのを得たんだから。

 そこから僕は綾小路くんとやらを守るためと言ってOAAってやつを改竄したり、ペア特別試験ってやつの穴を塞いだりしてあげた。

 そして夏休みの特別試験、無人島サバイバルの日を待ち……ついに試験がやって来た。

 生徒たちが向かう指定エリアの指示はコンピューターがやっているけど、それを掌握して僕の思い通りに指示を出すことができる。

 そして、楠雄の超能力の限度や仕様を改めて確認する課題を用意し、コーヒーゼリーという餌をぶら下げて、J5に来るように仕向けるだけでいい。

 課題が終わり、案の定楠雄のグループが1位になったけど、思いのほか苦戦したようだ。

 特に触覚を試す試験で簡単な箱の中身を当てるクイズでは、ヘラクレスリッキーブルーっていう超珍しいヘラクレスオオカブトを用意してあげたのに、楠雄は高円寺くんに出番を譲っていた。

 幾重もの箱を重ねて透視で中身が見えないようにしたのに直感なのかな。

 それとも僕が用意したものだから警戒したのかもしれない。

 ただヘラクレスリッキーブルーって当てれた高円寺くんも大概だな。

 とりあえず楠雄の超能力はだいたい把握出来たけど、僕がこれで終わらせるわけないよね。

 イケさんからの結果発表が終わり、参加賞の水と食糧が渡されていくのを見てから僕は楠雄の目の前に出るため外に出た。

 楠雄の近くにいるんじゃないのかって? 

 流石にテレパスキャンセラーをつけてるとはいえ他の超能力は対策できないからね。

 イケさんや試験官として雇った人は僕の居場所を知らないし、知ったところでみんなの目がある楠雄にはテレポートで飛んでくることもできない。

 どこかに隠れてると思って透視、千里眼を使ってるみたいだけど、千里眼は見たことがある場所じゃないと無理だからね。

 この島の全ての場所を見てても、まさか潜水艦にいるとは楠雄も思わないんじゃないかなって意外と考えそうだな。

 まぁいいや、そろそろご対面といこうかな。

 

 

 ###

 

 

 やっとくだらない課題が終わった……。

 なんだか久しぶりに喋っている気分だが、それもこの課題中はずっと黙らされていたからかもしれないな。

 趣味の悪い課題ではあったが、収穫はあった。

 2年生になってから感じていた学校側の違和感にようやく納得がいったんだからな。

 そもそも学校側が僕の潜在能力……というか運動能力はA+にできたとしても、学力、社会貢献性や機転思考力の部分は学校が開示している判断基準に沿うならそこまで上げられるはずがない。

 あんなクソみたいな評価値にするやつ……というか認めたくはないが国が運営している高校のサーバーに侵入してまで僕の評価値に手を出してくる人間はこの世界で1人しかいない。

 

「や、楠雄」

 

『は?』とは言わないが、よくもまぁ堂々と僕の前に姿を現せたものだと感服する。

 それもジェットパックをつけてとは派手な登場だ。

 

「久しいね」

 

 そこにいたのは、斉木空助。

 高校を飛び級しケンブリッジ大学に在籍している2つ年上の僕の兄。

 頭にアンテナのようなものがついた変なカチューシャをつけているが僕の目に映る情報は全て斉木空助だと言っている。

 偽物でも変身で誰かが空助に化けているわけじゃない。

 周りに僕を拘束したり封印するようなものはない。

 だが、空助が何の策も準備もなしに僕の前に現れるだろうか。

 それも僕の同級生や先輩後輩がいる前で。

 

(あれは……斉木空助!?)

(ふむ、楠雄の知り合い……顔の作りが少し似ていることから親族かな?)

(斉木と似たようなアクセサリーをつけているが知り合いか?)

(なんだあの斉木の2Pモドキは?)

 

 名前と顔を知っている石上は驚き、他の奴らは知らないのか高円寺や綾小路、南雲は首を傾げていた。

 しかし、やはりな……会った時から思っていたがコイツ……。

 

「ダメじゃないか楠雄、僕の前で考え事なんて」

 

 さっきからしているその偽夏油ムーブの理由がわからないのもそうだが、コイツの思考が全く読み取れない……! 

 

「あぁ、これ? キャラ付けだよキャラ付け」

 

 なわけないだろ。

 大方、僕が心を読めないようにする道具といったところか。

 透視が機能するところを見ると、封じられているのはテレパシーだけだな。

 しかし、こんな機械を作るってことはやはりあの頃から変わってないんだろうな。

 

「楠雄、試験中に悪いんだけどさ、この後少し時間はあるかな?」

 

 時間? あるわけないだろ。

 これから僕はこのコーヒーゼリーを……。

 

「あっ、それ中身は全部空だよ?」

『は?』

(あっ)

(おいおい死んだわアイツ)

 

 綾小路と龍園が何か言っているがどうでもいいな。

 そんなことより、どういうことだコノヤロウと胸ぐらを掴みにいこうとすると空助は笑顔を浮かべたままある提案してきた。

 

「楠雄、じゃんけんしないか?」

『は?』

「じゃんけんしてくれたらコーヒーゼリーの中身の在処を教えるからさ」

 

 チッ、めんどくさいな……。

 

「最初はグー! じゃーんけーん……」

 

 しょうがないな乗ってやるとするか。

 テレパシーで読み取れずとも、空助の出そうとしている手を筋肉の動きから読み取ってグーを出す。

 

「ぽん!!」

 

 空助が出したのはチョキ。

 つまりは僕の勝ちだ。

 

「あれ〜僕の負けか〜。今なら勝てると思ったんだけどな〜まあやっと、五分五分になっただけだから仕方ないか」

 

 他の奴らはなんの事だと見ているし、気は済んだだろ? 

 少し時間もやったし、僕はもう行くぞと背を向けると空助はおもむろに口を開いた。

 

「これでじゃんけんは0勝725敗か〜」

(は?)

(725敗? 725回もジャンケンしてるのかあの2人)

「楠雄はグーの勝率が1番低かったんだけどな〜。まぁ僕がチョキを出した回数が104回で1番少なかったってだけなんだけど」

 

 他にもしりとりは31回負けたこと、将棋は59敗、オセロは51敗、チェス10敗、UNOを含むトランプゲームは累計279敗、テレビゲームは189敗。

 他にもすごろく8敗、麻雀4敗、遊戯王カード52敗、マジカルバナナ18敗、せんだみつおゲーム7敗と今まで空助としたことのある勝負とその戦績が空助から語られる。

 当惑していた南雲と綾小路、そして石上へと目を向けた空助は最後に目の合った石上へと問いかけた。

 

「まだまだあるんだけど、それら全部含めて僕は何回、楠雄に負けたと思う?」

「えっ……(今のだけで3桁を超えているが……?)」

 

 全部覚えてやがるのかコイツ……。

 石上も真面目に考えずに適当に答えておけばいいんだぞと心の中でアドバイスしてやると、時間切れなのか空助が先に答えた。

 

「通算0勝4254敗だし」

 

 この事実を聞いて、空助を知らない普通の人は大抵こう思う。

 

(負けすぎだろ)

(なんだアイツ大したことないのか?)

 

 これらは僕と空助との関わりが薄い南雲と同じ3年生の反応だ。

 僕を知る綾小路と龍園、高円寺の反応は全く違うものになる。

 

(斉木と4254戦もやったのか……? 基本的にテーブルゲームなどが主だったが……口ぶりや態度、斉木とそんなに勝負できる環境にあるということは兄なんだろうが……)

(イカれてんのか……? 普通1000を超えた時点であのバケモンには勝てないって自覚しそうなもんだが……いや、勝負の内容と戦績を覚えているところもそうだが……)

(楠雄と何度も勝負している点も凄まじいが、それだけ負けても折れない不屈の意志……彼は楠雄に挑み続けるChallenger……というわけか)

 

 そんなにいいもんじゃない。

 こいつは兄として弟に負けるわけにはいかないという変なプライドがあるだけだ。

 そして、僕と空助の両方を知る石上の反応はと言うと。

 

(まさか斉木空助より斉木楠雄の方が能力が上だと言うのか……? いや、高校を飛び級し修士号を取り、遊ぶ金が欲しかったからと何億、何百万とする特許を取った斉木空助よりも斉木楠雄が優れているのならこんなところにいるはずが……!)

 

 ほら、僕と空助の差で驚くことになるだろ。

 

「本当はロンドンあたりでやりたかったんだけど、3年間は出れないって言うしね、仕方ないからここでやろうってわけ」

 

 何をだ? 

 こいつらに見せてやるのか? 

 地獄に行ってもこんなに楽しいショーは見れないぞというくらいにお前をめちゃくちゃにしてやればいいのかと拳を鳴らしていると、空助が耳元に顔を近づけてくる。

 

「心が読めないと意外と勘が悪いんだね〜……僕と勝負してよ楠雄」

 

 ……勝負? 

 よしいいだろう。

 G6あたりに手頃な岩盤があるからそこで決着をつけよう。

 

「この無人島で鬼ごっこしよう」

 

 ……は? 

 

「さっきジャンケンで負けたのは僕だから、僕が鬼ね」

 

 なんで鬼ごっこなんだ? 

 

「僕が楠雄に初めて負けたと思ったのが鬼ごっこだったんだけど覚えてない?」

 

 覚えてないな。

 

「アレはキツかったなぁ〜僕が5歳で楠雄が3歳だったかな〜僕が捕まえようとする度に何度も背後に回り込まれてさ〜無視したら背後でヘドバンしたりチューチュートレインしてきて煽ってくるし……プライドズタズタだったよ!」

(うわぁ……)

(恐ろしい身体能力だな。2歳差とはいえ兄にそんなことができるとは)

(とんだクソガキだな……)

 

 覚えてないけどクソ野郎だなそいつ。

 空助なりに僕に気を遣ってか、瞬間移動でそうしたことは伏せてくれてはいるが、そのせいで僕が純粋な身体能力でそうしたように綾小路には誤解を受けていた。

 

「制限時間は3時間……は長いか。次の指定エリア発表とかもあるし、仕方ないから1時間30分にしてあげるよ」

 

 なんで上からなんだコイツ。

 

「無人島から出なければバス、タクシー、電車、飛行機、船、潜水艦でも移動手段はなんでもいいよ」

 

 無人島だから自転車すらねぇよ。

 船とヘリコプターは非常時に備えて停泊してるみたいだが。

 

「楠雄が逃げ切れたら僕の負け。僕にタッチされる、もしくは無人島から出たら楠雄の負け。どう? 面白そうだろ?」

(斉木がヘリコプターや船を動かせるかは置いておいて、それらでの脱出をしたら負けになるのか)

 

 動かせたとしても、船は乗組員がいるし、ヘリコプターは空を飛び回ってもジェットパックをつけてる空助相手だと意味ないしな。

 そんなことより勝負になるのか? 

 東京23区どころかバチカン市国より狭いぞこの島は。

 

「たしかに。じゃあ高円寺くんにも参加してもらう」

 

 そうすれば僕は迂闊に超能力は使えない。

 課題の時に扇風機を殴り壊したのは超能力は関係ないから問題ないはずだが、あまり目立ったことはできない。

 しかし、僕には拒否権があるはず。

 

「やりたくないって言ったら? 君のクラスメイトがどうなってもいいならね」

 

 なんだと? 

 

「楠雄のクラスメイト……特に楠雄と仲のいい一之瀬さんと神崎くんは僕の合図1つで屈強な男たちに連れていかれ、僕の乗ってきた潜水艦に乗せられて……神戸港に寄港して神戸、大阪を観光。ポートアイランドや南京町で食べ歩きをしてもらい、甲子園での試合を観戦させ、夜はユニバでナイトショーを楽しんでもらい……さらにあべのハルカスでは最高級のディナーに舌鼓を打ったりした後、船に帰ってもらう……!」

 

 僕も連れて行ってくれ。

 

「はっはっ! 僕が楠雄の友達に危害を加えたりするわけないだろ? まあせいぜい楠雄の秘密をバラすくらいかな」

(斉木の秘密ぅ? 気になるじゃねぇか)

(なんだ? 小5までおねしょしてたとかか?)

 

 おいやめろ。

 周りの奴らも気になってるからぼかして言うのもやめろ。

 あと、南雲、それはちょっとあってる。

 

「僕は楠雄に勝ちたいだけさ。だから楠雄が負けても何もしないよ。あーでも、それじゃあ楠雄がつまらないよね……そうだな……コーヒーゼリーを渡すのと……僕に勝ったら今日の夜は僕の用意した最高級のグランピングでバーベキューと夏にピッタリなスイーツをご馳走するよ」

 

 行くぞ、高円寺! 

 鬼ごっこ開始だ!! 

 

「当然だとも!!」

「15分後に僕もスタートするから頑張って逃げてね〜」

 

 この勝負、負けられない!! 

 





さぁ、ゲームの始まりだ。

置いてかれた他のみんな
南雲(面白そうだからついて行ってみるか……? いや、斉木と高円寺が試験から離れる間に課題をクリアして追いつくか……? アイツらのいないタイミングで追いついて勝っても嬉しくねぇし見に行くか……)
龍園(あの斉木の秘密とは気になるじゃねぇか……! それをネタに動きを封じれる場面が出るかもしれねぇが……あいつらが1位にならないってことはないと思うが念の為他の上位勢の動きを封じてやるか)
綾小路(甲子園に、グランピング……? よくわからないが、面白そうだからついて行ってみるか)
石上(まさか俺が思っていた関係とは違ったのか……? 斉木先輩が兄にコンプレックスを抱いているのではなく、兄の方が弟の斉木先輩にコンプレックスを……? 何故……?)
椿(どっか行っちゃった…………帰ろ)
他モブ(なんだったんだあれ……)
イケさん「撤収じゃ」

てことで空助乱入。
2学期から月城が学校から離れるのが確定したので、学校側に堂々と入り込んでいますが、あくまで坂柳理事長の名代という形にしてます
名代でも課題を勝手に作ったり生徒に得点を付与していいのか……?
実力主義の高校なんだから、僕にできるならいいでしょ?とのこと
プレハブや課題にかかったお金は空助の自費

本筋と関係のない課題と鬼ごっこが発生しているがその間も他の生徒は試験中なのてくーちゃんたちが追いつかれる可能性はある
2位の南雲グループでも200くらい取らないと勝てないけど。
ちなみに3位は一之瀬、坂柳さんたちのグループ。

この小説を書き続けていた最大の理由が消失したので悩んでますが、とりあえず4巻は終わらせますのでご安心を
ではまた次回
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