ようこそ超能力者のいる教室へ -2年生編-   作:オールF

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口づけダイヤモンド聴きながら書いてたからタイトルはそこからデェス!
放置してた池と篠原回を書こうと思いましたが、そのまま書くとなんだこれは!(なんなんだこれは!?)になりそうだったので多少味付けしてます


写真に残らない思い出

 この豪華客船の生活では、毎日どこでどんな昼食を食べるかという問題が付きまとう。

 朝と夜は学校側からの配慮でビュッフェ形式の食事が用意されており、無料で利用することができるが、昼食だけは別だ。

 カフェテラスを利用しての食事が人気だが、如何せん食事料金は特別価格となっており、飲み物とセットのランチを食べるとなると最低でも2000ポイントは必要になる。

 他にもフードエリアなる場所では多種多様なジャンルの食事が用意されているが、必要となるポイントはどうしても高くなってしまう。

 飲み物だけであれば大して財布は痛まないが、育ち盛りのこの体がエネルギーを欲しているのだろう。

 昨日は啓誠と明人と食べたが、今日は1人寂しくと思っていたところに意外な人物から誘いがあった。

 

「綾小路! 頼む! 相談に乗ってくれよ〜!」

 

 昼前に部屋にやってきた池と、付き添いで来たのか須藤も一緒だった。

 

「綾小路も恋人いねぇのに相談相手になるか?」

「3人よればもんじゃの知恵とか言うだろ!」

 

 オレが恵と付き合っていることは知られておらず、一部の例外はいるがクラス内では1人を除いてオレが彼女持ちと思っていない。

 もしかすると恵に近しい佐藤などは気付いたりしているかもしれないが。

 話を部屋の中で薄らと聞いていた明人が「文殊じゃなかったか?」と部屋に遊びに来ていた啓誠に確認する。

 啓誠は静かに頷くと共に呆れたように顔を押さえていた。

 部屋の中で呆れられているとはいざ知らず池は手を合わせて背を曲げる。

 

「昼飯がてらさ〜! 奢るから! この通り!」

 

 出来る限りポイントは使わずに節約したいと考えており、売店でサンドイッチかおにぎりを買おうとしていたオレにはありがたい話ではある。

 しかし、池の相談がなんであれ解決できるかはわからない。

 

「聞くだけになるかもしれないが、それでもいいのか?」

「もちろん! とりあえず俺の悩みを聞いてくれ!」

 

 そこまで言うのならとオレは啓誠たちに行ってくることを告げて部屋を出た。

 どこで食べるのかは須藤と予め決めていたのか池の足に迷いは無い。

 

「それでどんな内容なんだ?」

「えーっと、それは……」

 

 店に着くまでの道すがらでも聞けることは聞いておこうと口にしたが、池は言いづらいのか言葉を濁してモゴモゴとしてしまう。

 

「俺が言ってやろうか?」

「わ、わかったよ! その、篠原のことで……」

 

 池の想い人であり、オレとも同じクラスメイトである篠原さつきは、池と同じく篠原に気のある龍園クラスの小宮とグループを組んでいた。

 試験前と試験中に篠原と小宮の仲が進展するのではないかと危惧していたが、その事は試験が終わってから考えようという話になっていたのを思い出す。

 あれ以降の出来事の方が鮮烈すぎてつい忘れていた。

 

「小宮と篠原が付き合いだしたのか?」

「い、いや、まだだけど……多分」

 

 小さく付け加えられた言葉からして本人たちに確認したというわけでも無さそうだ。

 須藤が巻き込まれたのは、小宮と同じバスケ部であるなら知っているかもしれない希望的観測か、あるいは信頼できる友人として相談を持ちかけたか。

 じゃあオレはという話になるが、無人島サバイバル中にある程度話は聞いているし、試験前に平田とも観察に出向いていた。

 池は試験前のことは知らないだろうが、試験中に話を聞いているため関係者という位置づけにしたのかもしれない。

 小宮が試験中、あるいは試験後に告白したかも分からないという状況であるということだけがわかった段階で池の目指していた店に着いたらしく足を止める。

 

「あ、ここだ」

 

 立ち止まったのはラーメン屋であり、確かに高校生にとっては嬉しいメニューが多いだろう。

 それにカフェテラスに人が流れていることも考えれば、ある意味穴場とも言える。

 店の前にある券売機で何を食べるか悩んでいると須藤がボヤいた。

 

「今日はカフェエリアも人が多いらしいな」

「そうなのか?」

「ああ、斉木がその辺うろついてるとかで1年がお礼を言うためだとか、するために待ち伏せってわけじゃないけどよ、まぁいるらしいぜ?」

 

 須藤はバスケ部の後輩から試験中に食料を恵んでもらったことに関してお礼がしたいと斉木のことを聞かれたらしい。

 個人的な連絡先は持っているが、斉木からは勝手に人に教えるなと釘を刺されていたため教えなかったようだ。

 まぁオレも誰かに教えるなと言われてはいる。

 多分全員に言っているんじゃないだろうか。

 

「斉木がカフェエリアにいるのは納得がいく話だな」

「その辺の話をしたのはお前と一緒にいた七瀬とか、あとは天沢らしいけどな」

 

 意外な名前が出てきたが、2人とも斉木とは面識があるのは知っているし、七瀬も試験中に水を貰っていた。

 天沢は速すぎて滅な不可視の拳と蹴りを貰ったらしいが。

 滅がどこから飛んできたのかは分からないが、オレも見れることなら見たかったな。

 ホワイトルーム生が気絶するほどということなので貰うのは勘弁願いたいが。

 食券を買い終えて店の中に入ると、人数を伝え奥のテーブル席に通される。

 すると、オレたちの視界に飛び込んできたのは見慣れはしてもやはり違和感のある4人組だった。

 

「ふぅむ、この全部盛りラーメンとやら、なかなかGoodじゃないか。背徳的な味ではあるが、悪くはない」

「ンだよその斉木の嫌いじゃないみたいな言い方は」

『僕そんな風に言ってるか?』

「言ってるなぁ」

 

 初めてラーメンを食べるのか興奮気味である高円寺を窘める龍園と疑問を呈する斉木にすかさず回答する橋本が座ってラーメンを食べていた。

 

「アイツらもいるのか……」

「あの4人、混合合宿以来ちょくちょく見るけど、やっぱり2年生最強チームみたいなメンツだよな」

 

 龍園や高円寺と衝突することの多い須藤と異色のメンツに少しビビっている池だが、店員が食券を取りに来たことで再起動する。

 麺の硬さやスープの濃さを伝えると店員は厨房へと戻っていく。

 

「高円寺が男と飯食ってるのなんて初めて見たよ俺」

「俺もだ」

 

 あまり目を向けないようにしていても、やはり意識は向いてしまうようで池は相談内容も忘れて4人の方を注視していた。

 それはオレも同じで龍園の横の席に座る高円寺というのは珍しい光景だろう。

 前に斉木が座っているからだとは思うが、本当にあいつは斉木の前だとかなり丸くなるというか、普段教室で見せている自由人の姿を見せないな。

 いや、試験中に脱ぎたがって海や川の課題に積極的に参加しに行くから嫌だと斉木は苦言を呈していたな。

 斉木相手でもやはり自由人は自由人らしい。

 

「そんなことより相談はいいのか?」

「いけね! そうそう! それでさ〜」

 

 本題に軌道修正させたものの、池の話は2割くらいしか聞いておらず、オレは通路を挟んだ隣のテーブルの話に聞き耳を立てていた。

 

「そういや1年にモテモテらしいなお前」

『そうなのか? 橋本』

「いやそんなわけないだろ。どう考えてもお前だよお前」

「ふふっ、楠雄に人助けをしたという感覚はないからねぇ。それにしてもこれは本当にいいねぇ。楠雄の言う通り、野菜も食べているから実質カロリーゼロな気がしてくる。替え玉とはなんだね、ドラゴンボーイ?」

「そんなことも知らねぇのかよ」

 

 呆れたようにしつつも龍園はラーメンをある程度食べ終えスープが残った状態で麺だけを追加で投入することと説明してやっていた。

 おそらく、ひよりや石崎といったクラスメイトたちが見たら驚くんじゃないだろうか。

 

「実にniceなシステムだねぇ〜。では、替え玉を頼まさせていただこうかな」

「あ、俺も頼むわ。斉木と龍園は?」

『当然だ』

「俺ももらうが……斉木は見た目の割によく食うよな」

『ルフィと悟空、トリコがよく食ってるだろ。それと同じだ』

 

 龍園がツッコミ役に回っているのも堀北や櫛田が見れば驚きそうだ。

 現にふと会話が聞こえたのであろう須藤も唖然としていた。

 それに気づいたのか龍園がこちらに目を向けてくる。

 

「さっきから何チラチラ見てんだお前らは」

「み、見てねぇよ! おい、健、綾小路! 話聞いてくれよ! さっきから食べる手も相槌も止まってるぞ!」

 

 いや、正直池の話を聞いてるよりもあっちを見てるほうが映画を見てるようで面白いんだが……。

 篠原に告白するも振られるのも勝手にしてくれという感じだ。

 

「わ、悪ぃ……なんの話だったっけ」

「マジで聞いてなかったのかよ!?」

 

 オレはうっすらとは聞いていたが、須藤はどうやら本当に聞いてなかったらしい。

 そう言うオレもいつの間にラーメンが届いたのかも覚えていない。

 4人が替え玉を頼み、それを待っている間も話は続いていく。

 

「そういやさっきの話に戻るけど、七瀬とか天沢、あとは椿だっけ? 1年生でも人気のある女子と飯食ってたらしいじゃん、斉木」

「クク、一之瀬や坂柳だけじゃ足りねぇのかお前は? 食欲だけじゃなくてあっちの方も旺盛か?」

「櫛田ガールに読書ガールもいるんじゃないのかい?」

『僕にその気はない』

「まぁそうだろうけどさ、学年どころか学校内最強の男が誰と付き合うのかは分からなくてもどんなのがタイプかくらいは気になるヤツ多いぜ?」

『自分に芯があって揺るがない人間性さえあればそれでいい』

「ふぅむ? 私のことかね」

「ククッ、俺のことか?」

『冗談でも笑えないからやめてくれ』

 

 替え玉を食べずに帰ろうかという姿勢を見せる斉木に橋本が「まぁまぁ」と宥める。

 それを見ていた須藤が池に提案する。

 

「斉木に聞いてみたらどうだ?」

「えぇ?」

「アイツモテるし、いいアドバイスくれるかもしれないぜ?」

 

 確かに表面的な人選としては悪くないかもしれないが、斉木は恋愛には全く興味がない。

 ただそれでもオレと恵が付き合っていることを見抜いたため、それなりの審美眼というやつはあるのかもしれない。

 

「斉木、池と小宮と篠原のことで相談があるんだが」

「お、おい、綾小路!」

 

 勝手に相談を持ちかけたオレに池が非難するように言うが、持ちかけられた斉木は興味なさげだが周りの3人が何故か前のめりになる。

 

「へぇ、なんだその話は? 聞かせろよ」

「そういや小宮と篠原は同じグループだったよな」

「凡人の恋愛には興味は無いが、乗りかかった船というやつだ。話くらいは聞いてあげようじゃないか」

 

 龍園は小宮と同じクラス、橋本は学内でも情報通として通っているし、一応は彼女持ちだっため話を聞く気はあるらしい。

 高円寺は同級生ではないが、3年生の女子と遊んでいる姿を見るし、この中では経験豊富ではある。

 

「意外と乗り気だし、言ってみたらいいんじゃないか?」

「え、えぇ……」

「寛治」

 

 オレと須藤が押すと池は根負けしたのか、藁にもすがる思いなのか4人にも篠原と小宮のことを話し始める。

 すると、途中で興味を失ったらしい高円寺は斉木と話し始め、龍園もクラスメイトと他クラスの人間の色恋沙汰に口を突っ込むほど野暮じゃねぇと斉木たちの話に加わってしまう。

 橋本だけが興味を示したまま最後まで聞いたらしい。

 

「なるほどな。まぁダメだろうな。あきらめろ」

「えぇ、なんでだよぉ!」

「小宮が試験中に篠原にいい格好してるだろうし、14日もあったんだぜ? 普通に考えて篠原の意識は小宮に傾いてるだろ」

「ぐ、ぐっ……」

 

 ぐうの音も出ないのか池はしなしなと落ち込みを露わにしていく。

 オレと須藤は池が話している間にラーメンを半分以上食べ終えており、替え玉をどうするか相談していた。

 

『小宮はまだ篠原さんと付き合ってないと思うぞ』

「えっ?」

 

 そんな中で言葉を発した斉木に、全員の目線が集まった。

 

「な、なんでそう思うんだよ斉木」

『……理由は伏せたいが、まぁいいか』

 

 言いふらしたら二度と異性との情事が出来ない身体にすると、どうやってやるのかは分からないものの斉木にはできるのであろう恐ろしい脅しを受けたオレたちは、昨日斉木がクラスメイトの小橋にクラスでの慰労会に呼ばれたことを話す。

 

「それくらい普通じゃないのか?」

「一之瀬のクラスはそういうの頻繁にやってるイメージだけどな」

 

 池と橋本が言うと斉木は『僕以外全員女子だ』と口外を禁じた最大の理由であろう一言を告げる。

 その会は食料を配っていた斉木にお礼をする会も兼ねていたため、龍園が期待しているようなことはなかったと言いつつ、斉木は池に言うべきことを言う。

 

『その時、学年やクラス問わずに誰と誰が付き合っている、誰が別れたという話が出ていたが、まだ小宮と篠原さんの話は出ていなかった』

 

 この狭い船内であればその手の話は直ぐに広がる。

 特に今回の試験中や船内で起きたことであれば尚更だ。

 実際、斉木がカフェ巡りをしていることや、七瀬や天沢らと食事をしたことはある程度の人間が把握している。

 

「そ、そっか……じゃあ……」

「今から……は昼時だからアレだが、夕陽をバックにとかは結構ありかもな」

 

 橋本がそう提案すると池はいても立っても居られなくなったのか、ラーメンの残りを一気に啜りだす。

 

「うおおお!こうしちゃいられないぜ!」

 

 やがて食べ終わったところで、池はオレたちの方を向いて感謝を述べると慌ただしく店を飛び出してしまった。

 まだ夕方まで時間あるというのにせっかちすぎて、やれやれと言うべきではあるが、食券のため昼飯代は払っているし、須藤も「善は急げって言うしいいんじゃねぇの?」と気にしていない様子だった。

 4人も替え玉は食べ終わったのか、橋本が食器を集め、斉木も割り箸などのゴミを1箇所に固めて店を出る用意をしていた。

 

「で、これからどうする?」

「私はジムで汗を流してくるよ」

「俺は用事ができたんでな」

『僕はできたわけじゃないが用事がある』

 

 じゃあ解散だなと橋本が言うと4人はぞろぞろと出ていく。

 その後ろ姿を見ながら替え玉を啜る須藤が呟いた。

 

「……アイツらも普通の高校生なんだな」

 

 まぁラーメン屋で駄弁りながら替え玉をする様は普通の男子高校生ではあるのだろう。

 ただ、個々それぞれの能力や難のある性格を持っているため普通とは言えないが。

 それにしても、今日は一日暇だろうと思っていたが、まさかこんなことが起きるとは思わなかった。

 池の恋模様がどうなるのかはわからないが、関わらされた以上はオレか須藤に連絡が来るか、もしくは船内で瞬く間に噂が広まることだろう。

 





橋本がくーちゃんを飯に誘う▶︎何食うか考えてたら高円寺が来る▶︎3人でいるのを見て龍園も来る▶︎何を食べるか決めている過程で龍園が「ラーメンとかでいいだろ」と言うと高円寺がラーメンを食べた事がないという▶︎ラーメンになる。
という感じ

『言いふらしたら二度と異性との情事が出来ない身体にする』
龍園(どうやってやるかはわからねぇが、言ったらされるな)
高円寺(うぅん、これは本気でしてくるねぇ)
橋本(ガチでしてくるなこれ)
須藤(巻き込まれ損だろ俺)
池(こ、こいつも怖ぇ〜!!?)

龍園の予定は小宮をからかいに行くこと
橋本は解散になったので適当に時間を潰す
くーちゃんの用事は読書ガール

って感じです
また次回

珍獣4人でまともなの

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