ようこそ超能力者のいる教室へ -2年生編-   作:オールF

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ドン!

あとがきの大部分が消えていたので付け足してます
興味無いねって人は見なくていいですよ


この戦いを終わらせに来た

 食事を終え、風呂も済ませ、午後9時を回った頃、客室のドアが2回ノックされる。

 それを聞いて橋本は立ち上がるとドアのロックを解除して、ドアノブを下ろしてドアを開ける。

 すると、ドアの間から一之瀬さんを先頭に椎名さん、坂柳さん、軽井沢さんが見える。

 

「お待たせ〜ごめんね」

「(うお、いい匂い……)いや、そんなことないぜ。上がってくれよ」

 

 彼女がいたことのある橋本でも緊張するものなのか、僅かに声を上擦らせつつも平常心を装って道を空ける。

 

「お風呂でちょっと長湯し過ぎてさ。遅くなっちゃった」

「それならうちも似たようなもんだから、気にすんなよ、な?」

 

 謝る一之瀬さんに橋本は首を振り、さらには僕と時任に同意を求めてくる。

 

「あ、あぁ……(俺は早めに出たが、高円寺と斉木が長かったような……)」

 

 僕は風呂が好きなもんでな。

 まぁ出来れば静かな方がよかったが、ああいう広々とした露天風呂に入る機会はそうはない。

 少しばかり堪能しすぎたな。

 

(……つか、なんだ、このいい匂いは……同じシャンプーのはずだよな……?)

 

 女子4人が来たことで、部屋の香りが変わったようだが僕はあまり気にならない。

 大浴場に置かれていたのは業務用の豆乳を使った自然由来のシャンプーとリンス、ボディソープで、特別なものではない。

 女子たちの香りが僕らと異なるのは彼女たちが個人で気に入っているシャンプーリンスやボディソープを持ってきているからに他ならない。

 それを言ってやるのは簡単であるが、時任に余計な誤解を与えかねないため、僕は黙っていることにする。

 橋本が一之瀬さんたちに布団の上に適当に座るように声をかけると坂柳さんは真っ先に僕の隣へと陣取った。

 

「ふふっ、なんだか男の部屋というのはドキドキしますね。そうは思いませんか、楠雄くん?」

 

 男である僕が男部屋にドキドキしていたら君の恋はおしまいなんだがな。

 まぁ、女部屋にもドキドキはしないが。

 行動力の化身とも言える坂柳さんの動きに一之瀬さんと椎名さんは固まりつつも、再起動すると僕と坂柳さんを挟むように座る。

 僕の左隣に椎名さん、右隣にいる坂柳さんのさらに右隣に一之瀬さんという形だ。

 軽井沢さんはどこに座るか悩みつつも女子の隣の方が安心するのか一之瀬さんの隣へと腰を下ろす。

 橋本は見慣れているからか坂柳さんの行動や一之瀬さんたちが迷いなく座ったことに言及することはない。

 ただ時任は少し驚きつつも(なるほどな、椎名の最近の変化はそういうことか……)と納得した様子を見せていた。

 

「それじゃあ、消灯まで1時間くらいしかないしな。さっさと明日からの予定について話すか」

「あれ? 高円寺くんは?」

 

 このメンバーでは最も目立つと言っても過言では無い高円寺が見当たらず、軽井沢さんは橋本に尋ねる。

 

「ああ、障子の向こうにいるぜ。高円寺はそっちでいいのか?」

「構わないよバットボーイ。ここからでも君たちの声はよーく聞こえているから、心配はナッシングさ」

「だそうだ」

 

 障子の向こう側には小さなテーブルを挟むように1人掛けソファーが向かい合って置かれている。

 それから小型の冷蔵庫も置かれていて、冷えた飲み物を片手に窓から見える外の景色を楽しむことができる。

 高円寺は乾かし終えた髪をセットしているようだが。

 

「うーん、グループの連帯感を高めるならこっちに来て欲しいけど……(私が呼んでも来なさそうだなぁ……)」

 

 そう言いつつ一之瀬さんは僕を見てくるが、僕としては高円寺がどこで話を聞いていようが関係の無いことだ。

 明日の予定は好きに決めてもらって構わないし、携帯を使って済むことである。

 ただ、そうするとこのグループのメンバーのほとんどと馴染みのない軽井沢さんと時任はあまりいい気分はしないという判断だろう。

 良くも知りもしない相手に対して、顔を見ずに発言するというのは難しいものらしい。

 

「まぁ、高円寺も話は聞いてくれるし……一応襖だけ少し開けてくれるか? そうしたら他の奴らもお前の顔が見れるし」

「しょうがないねぇ。そんなに私のご尊顔が見たいというのなら見せてあげようか」

 

 橋本が低姿勢で頼むと風呂上がりでやや気分のいい高円寺は襖を開けて、高円寺の座る位置は見えるようにすると再びそのソファーへと腰をかける。

 こうしてようやく話し合いが始められることになり、明日以降の自由時間について各々希望を出し始める。

 

「自由行動は夕食の最終受付の時間、19時までに旅館に戻ればいいんだったよね」

「はい、そうですね」

 

 軽井沢さんが確認するように言うと椎名さんが頷く。

 

「ホントに丸1日自由とは驚きだけど、これを有効活用しない手はないよな」

「電車とかバスを使っての移動も出来るし……どうしようか? 時任くんは行きたいとことかある?」

 

 このグループにおける会話の回し手である橋本と一之瀬さんが上手く全員に希望を尋ねていく。

 時任はスキーで、それは橋本も同じだったのか同意を示していた。

 3日目に市街地での自由行動があるため、2日目もスキーという意見のようだ。

 それは一之瀬さんも一緒であり、せっかくのウインタースポーツを体験したいと言う。

 一応、橋本が高円寺にも希望はないか聞くと、高円寺は答える。

 

「私は乗馬がしたい。スキー場の隣に牧場があるようなのでねぇ」

「乗馬? まぁ北海道らしくはあるのかな……?」

 

 意外な意見に一之瀬さんは首を傾けつつも、グループにどうかなと確認するように視線を向ける。

 すると、軽井沢さんが控えめに挙手した。

 

「乗馬はあんまりだけど、牧場は行ってみたいかも」

 

 すると、それに続いて椎名さん、そして坂柳さんまでもが手を上げる。

 

「私も興味があります。牧場に行ってみたいです」

「私もです(牧場でなら穏やかに過ごせそうですし)」

 

 高円寺を含む4人が牧場を希望する。

 そして、一切発言をしていなかった僕も牧場スイーツ目当てで賛成したことでスキー組よりも票が多くなり、2日目のグループの予定が決定する。

 ただ高円寺も牧場で1日を潰す気はないのか、午後にはスキー場に戻っても構わないと告げた。

 スキー組も1日中スキーという気分ではなかったのか3人を代表して一之瀬さんが「それいいね!」と親指を立てる。

 

「それじゃあ、明日は9時に旅館のロビーに集合ってことでいいかな?」

 

 一之瀬さんがそう提案するとみんな、不満は無いのか頷きを返す。

 

「問題ないぜ」

「うん、いいよ」

「そうですね」

「分かりました」

「構わないとも」

『うい』

「(うい……?)うん、じゃあ、明日は牧場に行って、お昼食べたらスキーに決定!」

 

 皆が了承して、早くもグループの方針は決定した。

 その直後だった、部屋のドアが強く叩かれる。

 透視で見える先には櫛田さんと綾小路がおり、何か火急の用件であることが窺えた。

 

「なんだ……?」

 

 橋本は怪訝に思いつつもドアを開けると櫛田さんが開口一番、大声で叫ぶように訴える。

 

「ごめん、斉木くん! ちょっと来てくれないかな!?」

『断る』

「ありがとう! 龍園くんと鬼頭くんが枕投げ始めちゃって収集がつかないの!」

 

 おかしいな、ちゃんと断ったはずなんだがな。

 櫛田さんは部屋に入ってきて座り込んでいた僕の手を引っ張り、立ち上がらせる。

 そして、そのまま龍園と鬼頭が争っているという部屋へと引っ張って行く。

 

『綾小路なら何とかできるんじゃないのか? 枕投げ2級じゃなかったか?』

「初耳だな(枕投げは柔道や空手のように階級や段位のようなものがあるのか?)」

 

 ホワイトルームで教わってないことにはとことん弱いな。

 まぁただ枕を投げるだけだから大して難しくは無いのだが。

 櫛田さんがカードキーを差してドアを開けると、視界に飛び込んでくるのは体格のいい骨と骨が枕を投げあっている姿。

 あぁ瞬きしないとどっちがどっちかわからないな。

 

「斉木くん!?」

「斉木! (助かったぜ!)頼む、あの2人を止めてくれよ!」

 

 他者が緊急参戦することなど許されない1対1の殺し合いのような枕投げを見せられていたのであろう網倉さんと渡辺は僕を救世主のような目で見てくる。

 右から左、左から右へと飛び交う枕の勢いは確かに強く、死闘を繰り広げている2人は勝負に夢中で決着がつく気配がない。

 西野さんは呆れ顔で、山村さんは怯えながら2人の戦いを見ていた。

 強く投げられた枕はどんどんと消耗していき、本来の意図で使われる前にその命を終えようとしている。

 それを見かねて櫛田さんが僕の肩を叩く。

 

「じゃあ頼んだよ、シャンクス」

 

 赤髪じゃないし、この戦いを終わらせに来たわけじゃない。

 あと君なんかジャンプ詳しくない? 

 まぁいいか、と「ダークネス・ボールッ!」だの「猛り狂った大蛇、奴を喰らえ─────!」と罹患すれば二度と治らぬ心の病に侵された悲しき男たちへの鎮魂歌を奏でるべく足元にあった枕を拾い上げる。

 

「あ、オレの枕……」

 

 綾小路の枕らしいので破けたりしても特に問題はなさそうだ。

 僕は狙いを龍園へと定めると、枕を掴む手に、僅かに力を込める。

 

『全因解放・全ては一つの目的の為に』

 

 そう呟いて投げた枕は龍園と側頭部へと命中すると「ぐはっ!?」と視覚外、認識外ということも合わさって龍園は足元の布団へと倒れ込む。

 

「むぅ……っ!? (なんだ今の威力は……?)」

 

 鬼頭は驚きを隠せない様子で僕の方を見てくるが、お願いを聞き届けた僕にここに残る理由はない。

 

『櫛田さんや渡辺たちにあまり迷惑をかけるな』

 

 それは僕にも迷惑がかかることを指すからな。

 

「斉木……(かっけぇ……技の名前は敵っぽいけど……)ありがとな!」

「(今のはヒロアカってやつかな……?)ごめんね、斉木くん。助かったよ」

 

 お礼を言ってくる2人に僕は背を向けて

 グループ番号6の男子部屋をあとにする。

 傷んだ枕は直してやろうかと思ったが、復帰した龍園に絡まれるのが面倒だからな。

 最悪、事情を話して旅館の人に新しい枕を貰えばいい。

 嘘をつくか、正直に言うかはあいつらに任せるとしよう。

 

 

 ###

 

 

 修学旅行2日目は高円寺の希望通り牧場へと向かうことになった。

 大半のグループがスキー場に向かうバスを待つ中、僕らのグループのみが牧場へと向かうバスに乗り込む。

 

「へぇ、乗馬以外にも酪農見学や餌やり体験とかもできるんだな」

「確かに北海道ならではって感じだな」

 

 バスの座席は2人がけのため自然と2人1組で座ることになる。

 時任は何故か橋本と座っており、2人で携帯を見ながら親しげに話している。

 じゃあ僕の隣は誰なのかと言うと。

 

「素晴らしい天気だね。まるで私たちの青春のひと時を後押ししてくれているようだ。そうは思わないかね、楠雄?」

 

 思わない。

 今年の冬からこいつに隣に座られてばかりな気がする。

 楠雄の隣に座るんわ俺や! という勢いである。

 まぁそのおかげで坂柳さんや椎名さん、一之瀬さんといった僕の隣を狙っている女性陣から離れられてはいるが。

 高円寺なりに僕に気を回してくれている、というわけでもなく、こいつは心の底から僕の隣に座りたいだけらしい。

 これもこれで面倒ではあるが、高円寺はゲイではなくストレートなので問題視する必要はない。

 牧場に着くと、バスを降りて受付へと向かう。

 橋本と時任が調べていた通り、この牧場では乗馬体験以外にも酪農体験もできるらしく、牛の乳絞りや搾乳後に牛乳がどのように作られるかの見学などが用意されていた。

 足の不自由な坂柳さんとしては後者の方がいいだろうが高円寺は「ヒャッホゥ〜!」とテンション高く乗馬体験へと歩いていく。

 それを見やりながら軽井沢さんが僕を見上げてくる。

 

「……止めなくていいの?」

 

 なんで僕がとも思うが。

 高円寺は止められるのはただ1人、僕だというわけでもあるまい。

 最近は橋本も慣れてきたのか制御できるようになっている。

 

「せっかくだし俺らもやってみるか……(けど姫さんは……乗馬なんてしたら怪我しちまうよな)」

 

 チラリと坂柳さんを気遣う視線を送る橋本に、時任が口を開く。

 

「乗馬は坂柳の足じゃ出来ないだろ? あいつは放っておいた方がいいんじゃないか?」

「私も賛成ー」

 

 時任の意見に軽井沢さんも同意するが、班行動を守らなければペナルティが予想されるため一之瀬さんと橋本は渋い顔をする。

 そんな中で坂柳さんがにこりと微笑んだ。

 

「時任くんは優しいんですね」

「えっ? いや、これくらいは、普通だろ……」

 

 容姿が可愛い部類に入るらしい坂柳さんに唐突に褒められてしどろもどろになるあたりは普通の男子の感性に近いな。

 

「楠雄くんはもっと優しいんです」

「……ん?」

「乗馬体験、私もやってみたいですし、みんなで行きましょうか」

 

 坂柳さんはそう言うと率先して前を歩いて乗馬体験のための馬が待機している場所へと向かう。

 時任は坂柳さんの意図が分からないようだったが、付き合いの浅い軽井沢さんでもわかったらしく僕の方を見てくる。

 

(お姫様抱っこしながら縄飛べるし2人乗りもできちゃったりするのかな……清隆は無理だって言ってたけど……)

 

 やれやれ。

 できるかどうか聞いてから進んで欲しいものだがな。

 

「やれやれって言いながら乗せちゃうんだろうなぁ……」

「ですね。私達も頼んでみます?」

「そうだね……って、うぇっ!? えぇっ!? えっ? (もしかして……)ひよりちゃんも!?」

「うふふ、私も馬に乗ったことはないので楽しみです」

 

 後ろの2人は普通に乗ってくれることを祈るとしよう。

 

 




龍園はちゃんと生きてますが自分をやったのは綾小路だと誤解してます

「てめぇ」
「オレじゃない斉木が……」
「なんで俺らの班に斉木が来るんだよ」
「それは………(櫛田が呼んだからなんだが……)鬼頭や渡辺たちも何か言ってくれ」
「何も無かった……」
(無言で逃げる渡辺)
「そんな……」

一応、櫛田と網倉、西野が証言してくれたことで事なきを得る。
修学旅行は苦い思い出ばかりになりそうな綾小路


櫛田がジャンプに理解あるのは?▶︎好きな人の趣味みたいなもん
椎名さん隠す気なくないですか?▶︎はい
一之瀬さん本当に告白するんですか?▶︎結婚前提なのでハードル高めですがちゃんとします。させます。俺が。
くーちゃんは付き合うなら結婚前提なんですか?▶︎遠ざけるための嘘も含まれてるけど、本人的には超能力知られるし僕が付き合うってことはそこまでいく覚悟ある人だよなぁと両親見ながら思ってそう
一之瀬からくーちゃんと付き合うなら結婚前提なの聞いた櫛田さんの反応は何?▶︎危ね付き合おって言って了承されたら結婚なのは嬉しいけど流石にそこまでは…………いけるな……うん……嫌いじゃないし……ただちょくちょくあからさまな嘘ついたり変な事言うのと他の女の子に優しくするのやめて欲しいかもしれないけどそうすると私の好きになった斉木じゃなくなるしなぁ……っていう葛藤
くーちゃん以下略って言われた坂柳さんは?▶︎喜んで!式場は!?ハネムーンは!?初夜は!?産婦人科は!?あ、まずはご両親と義兄さんに挨拶ですね!!父ですか?知りません!!!
椎名さんは?▶︎不束者ですがよろしくお願いします。ただ、正式なことは無事に卒業出来てからにしましょう。それまでは普通の恋人として…………よろしく、お願いします……えっと、楠雄さん……?

明日の投稿は夜勤なのでむりぽ
なんなら来月まで夜勤ばっかで厳しいかも
身体に気をつけて2年生編終わらせるぜ
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