石の世界で農業チートしてたら比べ物にならん程のチートがワラワラ湧いてきた件 作:史上最強のラーメン
ドクターストーンの二次小説が少ない理由って、オリ主などのオリジナル要素を入れるのがマジで難しいからなんですよね。あと千空の口調が意外と難しい!
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『前世の記憶?』
宴の中心から離れた場所でスイショウは、ずっと秘密にしていた事実を門番の仕事でこの場にはいない金狼銀狼を除く、科学王国のメンバーに打ち明けた。
「俺、物心ついた時から頭の中に知らない誰かの記憶があるんだ。多分前世の記憶ってやつなんだと思う」
記憶には所々欠けている部分があり、その上分野ごとに偏りがある。特に法律や料理系の知識が多い。
それらの情報をスイショウは一切隠すことなく正直に打ち明ける。
話をした結果、千空を除いて全員がよく分からないという表情を浮かべていた。
「別の人間の記憶か...にわかには信じがたい話だ。千空、そんなことがあり得るのか?」
「さぁな。そういうケースは確認されちゃいるが、少なくとも3700年前の科学でも証明はできてねぇレベルの話だ」
千空曰く、前世の記憶があるという人間は3700年前にも確かに存在したらしい。特に4歳くらいの幼い子供に多く、知らない筈の知識を持っていたり、前世での家族や住んでいた場所、死因などを具体的に覚えているんだとか。
「でもそう考えると、スイショウちゃんが年齢の割にゴイスーに賢いことにも、本来持っている筈のない知識があることにも説明がつくね」
「だからスイショウはこんなマセたガキンチョだったんだな」
「なんだぁクロムー。村長権限で村から追放すんぞー」
「なんつー暴君だよ!」
スイショウは、意外と皆んなの反応が軽く、あっさりと受け入れられたことに安堵していた。スイショウとしては、前世関連の話はそこまで深く追求をされたくは無く、あっさりと流して欲しい話題だった。
「でもよ、そんなことならもっと早く言ってくれりゃ良かったのによ〜。スイショウは俺らの時代には無いモンのこと、ヤベー程沢山知ってたっつーことだろ?」
「クロムちゃん、それは...」
しかし、そうは問屋が卸さなかった。この場には知的好奇心の権化ような男、クロムがいるのだ。
「千空が来て、とんでもない科学現象を見せられた今だから簡単に受けいれられてるんだろうけど、昔の村でそんなこと言ったら狂人扱いされそうだったからな。言えるわけないじゃん」
「確かにのう。スイショウには村での立場もあった。言って得になることは何一つ思い浮かばんわい」
「確かにそうだな...すまねぇスイショウ!俺ヤベーくらい無神経だった!」
「本当にな。ルリ姉には絶対にそんな無神経な発言するなよ。そんな事したら島流しにするからな!」
「こいつ村長になってヤベー程調子乗りまくってんな!」
スイショウはいつもと変わらない様子で冗談めかしながら話していた。
「スイショウ」
ふと、横にちょこんと座っていたスイカが、少し真面目な声でスイショウの名を呼んだ。
「どうしたスイカ?」
スイショウが顔を向けると、スイカはじっとこちらを見つめていた。
スイカは小さな首を傾げ、記憶を辿るように一度視線を落とした。
「頭の中に知らない人の記憶があるとか、難しい話過ぎてスイカにはよく分からないんだよ。でも、」
スイショウの態度や声のトーンは、いつも通りで落ち着いている。それでも、幼い頃から誰よりも近くで彼を見てきたスイカには分かってしまった。いつもよりほんの少しだけ硬い肩のラインや、言葉の端にある、自分でも気がついていないような張り詰め方に。
スイカは、そのわずかな不安を優しく溶かすように、下からスイショウの顔を覗き込んで満面の笑みを浮かべた。
「スイショウはスイカにとって、小さい頃からずっと一緒の大切な家族なんだよ!それだけは絶対に変わらないんだよ!」
一切の迷いがない、純粋な声。『大丈夫だよ』と伝えるようなその言葉に、スイショウは思わず目を見開いた。完璧に隠せていたつもりだった心の揺らぎを、スイカは見逃さなかったのだ。
スイショウは、胸の奥がじんわりと温かいもので満たされていくのを感じ、ゆっくりと目を閉じる。そして、堰を切ったように笑みをこぼした。
「...そうだな。あぁ、俺達は家族だ!これからもずっと一緒にいような、スイカ!」
どんなことがあっても変わらない。そんな家族の絆を感じ、スイショウは彼女の存在に大きく感謝した。スイカの真っ直ぐな優しい言葉が何よりも嬉しかったのだ。
幼い2人のやりとりを見ていた大人達の反応は様々だった。
コハクは何故か胸を抑えて苦しそうにしており、それ以外の者も、穏やかな視線をスイショウとスイカに向けていた。
しかし、そんな穏やかで尊い時間は唐突に終わりを迎える。
「皆んなぁぁぁ!敵だよぉぉぉ!!!」
楽しい宴の場に、焦燥にまみれた声が鳴り響いた。
〜〜〜
司帝国より、数人の仲間を引き連れた氷月という槍使いが石神村を襲撃した。
同じく槍を使う金狼が、槍の有利を活かして橋の上で対処をすることで雑兵はあっさりと撃退できた。しかし、氷月という男はあり得ないほどに強く、金狼は腹を刺されて殺されそうになる。
金狼と村を救うために千空は、自身が所有していた最後の火薬と、村一の膂力を持つマグマによる投石との合わせ技によって銃を所有していると偽装した。ダメ押しにゲンが、千空が銃を量産しているという嘘を吹聴し、氷月達を退けることに成功したのだった。未だに裏切りがバレていないゲンも、そのまま氷月と共に撤退してしまったが。
「賊共は次の嵐の日にやってくる!それまでに村総出で迎撃の準備をするぞ!楽しい宴の邪魔をしたクソ共を後悔させてやるぞみんな!!」
『うぉぉぉ!!!』
賊はこちらが銃を所有していると考えているため、次に襲撃してくるのは銃が使えなくなる嵐の日だ。それまでに、石神村総出で迎撃準備に臨むことにした。
村人達もどんちゃん騒ぎを邪魔された事にお怒りのようで、士気は高くかなり積極的に働いてくれた。
そんな準備の最中、忙しなく動くスイショウの頭に一つの疑問が浮かんだ。スイショウは、休憩中の千空に声をかける。
「なぁ千空」
「あ?どうした?」
「奴らは千空は死んだ、又はこの村には居ないと思ってるんだろ?ならなんでこの村を襲いに来たんだ?」
「あぁ、あのインチキメンタリストがそう伝えてっからな。用心深い司のことだ。俺の死体を直接確認できてはねーから、俺に協力する可能性のあるこの村を万が一に備えて制圧しとこうっつう魂胆だろ」
「だよな。つまり、奴らはそんな不確かな憶測でこの村を襲ったと。千空がこの村にいてもいなくても、そんな事は関係なしにいずれは武力で制圧しにきていたということだな?」
「まぁ、そういうことになるわな」
千空がいなくても、いずれこの村は司帝国により武力制圧されていた。しかも、司帝国という脅威の存在すら知らず、突然襲ってきた賊共に為されるがままに村は蹂躙されていたのだろう。そうなった場合の末路を考えると背筋が凍った。
「許さん。そんな蛮族共にこの村は渡さない」
その後も千空主導で準備を進め、村は新たな武器である日本刀を手に入れることに成功した。
そして3日後、嵐はやって来た。予想通り氷月達が襲撃してきたため、日本刀で迎撃した。武器の性能で圧倒的有利を誇る我々は雑兵の武器をあっさり破壊し、残る敵は前回と同じく氷月のみ。
しかし、やはり氷月は圧倒的に強かった。コハクにマグマ、金狼という村の最高戦力を当てても全く太刀打ちできないのだ。だが、そこまでは想定内だったため、銀狼とアルゴには氷月と戦う直前まで近くの茂みに穴を掘って隠れさせ、背後から奇襲を行い挟み撃ちにした。雑兵達もコクヨウやその他戦うことができる村人が抑えているため余計な横槍も入らない。
「くらえうんこ玉ー!汚物になって帰りやがれ!」
「汚しい攻撃ですね...!これだから原始人は」
「今だに石器なんて使ってる原始人に言われたくねぇ!」
スイショウも味方に当たらないように、横から小石や特製の肥やし玉を投げて援護をした。正直1人に対して行うには可哀想な程のハメ技だったが、それでも若干押している程度で仕留めるには至らなかった。互いに決定打を与えられぬまま膠着状態となったが、氷月の武器が突如破損したことで均衡は崩れ去った。
「ゲン君いいですねキミは!すごくちゃんとしている。裏切り者の薄汚い蝙蝠として」
事前に千空が、隠密行動の得意なスイカにゲンへ極小の刃物を届けさせたのだ。そしてゲンが氷月の武器である管槍に、よく見なければ分からないレベルの切れ目を入れる。内通者のゲンを最大限に利用した、敵の最大戦力の武器破壊である。
スイカに危ないことをさせるなと、初めて千空と揉めかけたが村の存亡の危機だ。私情は消さねばならないだろう。それに、スイカのお役に立ちたいという思いをスイショウは止めることができなかった。
「...本当にちゃんとしてますね。科学王国の君たちは。この戦闘そのものが陽動なことに気付いていればもっとちゃんとしていましたが」
「やべー!!火事だー!!」
スイショウ達が氷月と戦っている間に、ほむらというピンク髪の女が村の家屋に火をつけて回っていたのだ。
子供達や非戦闘員がいる居住区も燃え盛り、村の橋も焼け落ちてしまった。ルリとその護衛であるジャスパー、ターコイズが村に残されてしまったが、それ以外の村人は誰も死ぬことはなく科学王国の拠点に避難することができた。
しかし、敵は森の中に隠れており、いつ何処から攻撃してくるか分からない状態。また、1人でも人質に取られて仕舞えば、恐らく千空は性格上自分を犠牲にして人質を救ってしまう。
先程の形勢から一転し、神経をすり減らされる戦いを強いられていた。
「子供達は科学倉庫に匿え!それしかない!」
コハクがそう叫ぶと同時に、再び姿を現したほむらが科学倉庫周辺に火を放った。
「水だーーー!」
「こっちだ急げ!!早く火を消せ!!」
燃え広がる火の手に慌てふためく村人達。千空やコクヨウを中心に消化作業に当たっているが、明らかに間に合っていなかった。
このまま火を放たれ続けると、科学王国の財産が焼かれる以上に村人が死ぬ。そう結論付けたスイショウは、時間稼ぎの意味も込めて淡々と火を放つ女に声をかけた。
「なぁそこの女。平気な顔して火つけてるけど良心は痛まないのか?いつかお前の両親が石化から復活する日が来るとして、お前は人を大量に焼き殺した虐殺者として両親と向き合うことになるんだぞ」
スイショウの言葉に、一瞬だが確実に女の瞳が揺らいだように見えた。
「これで人が焼け死んだら放火殺人、3700年前なら死刑になるくらいの罪だ。この嵐だ、火は簡単に燃え移る。子供や老人は簡単に丸焦げになって死ぬだろうな」
千空から聞いた話によれば、3700年前の日本は法の秩序がしっかりと機能する、人の死とは無縁の世界だった。そんな時代に生きていた人間が、それもこんな成人もしていないような女が、この原始の世界で急に殺人衝動に目覚める訳もない。当然心は揺れるだろう。
「...あなた達が石神千空を渡せば済む話。そうすれば私たちはこの村に干渉しない」
「無いな。お前らは最初、千空がいるかいないか分からない状態でこの村を襲撃してきた。征服する気満々だったってことだ。俺達原始人を奴隷にして死ぬまで働かせるつもりだったんだろ。悪魔だなお前達は」
故に、スイショウはこの女の良心を抉っていくことにした。スイショウの幼い容姿も、その言葉に更なるダメージを持たせるだろう。
「だがな、お前らの主張も少しは分かる。俺達が千空を匿っていたのは事実だ。こちらにも落ち度はある。だから、取引をしよう」
「取引?」
「そうだ。今日は帰れ。こちらも一切追撃はしない。このまま今日は終戦だ」
スイショウは時間さえ稼げればよかった。ゲンのおかげで敵の主力である氷月の武器を破壊することが出来たため、ここを凌げば再侵攻までにかなりの時間を要するだろう。そして、こちらは千空の科学技術があるため時間が経てば経つほど有利。放火という手も全力で警戒させるため2度は通用しない。
「...石神千空を渡して。そうじゃないと割に合わない」
「そうか?少なくともお前達は虐殺の汚名を背負わなくて済むぞ?今ならまだ真っ当な人間に戻れるんだ!なぁ、そこのムキムキさん達も!人殺しにはなりたくないよな!放火殺人は死刑だぞ死刑!」
スイショウの提案にメリットなどほぼ無い。敵はこのまま放火し続けることで勝てるのだ。しかし、割に合わないという言葉を使ったということは、自分が行ったことの重大さを理解してしまったということだ。
ここで大人しく引けば自分達は大量殺人の実行犯にならずに済み、罪悪感からも逃れられる。一方で任務は達成せねばならない。それらの板挟みになっているのだ、この女は。
ほむらの松明を持つ手が僅かに震えていた。そして、周囲にいる雑兵達にも動揺が走っているようだった。
「ほむらクン。何を敵の言葉に惑わされているのですか。早く火をつけなさい」
明らかに動きに躊躇が見られるようになった部下を嗜めに氷月が動いた。
「おぉ、氷月だっけ?お前もそれでいいのか?」
「何がです?」
後ろで消化活動を勤しむ仲間達に申し訳ないと思いながらも、スイショウは敵のリーダーである氷月の懐柔も試みた。
「その槍の腕、相当鍛錬してきたんだろうな。で、お前は人を殺しまくるために槍を鍛えたのか?」
「...分かっていませんね、これだから脳が溶けた原始人は。3700年前とは世界が違う。このストーンワールドには法なんてものは無いんですよ」
「論点をずらすなー」
「...えぇそうですよ、私の槍は脳の溶けた無能達を間引くために磨いたものです」
「そうか。お前に槍を教えてくれた人間は悲しんでいるだろうな。弟子が自分の流派を血で汚しまくって」
「運良く文明を失った世界となった。これからは、私達が優れた人間のみを選別し新たな世界を作っていくのです。大義のためならば師も認めてくれますよ!だって凡夫には全員消えてもらった方が合理的でしょう!?」
3700年前の世界にも、こんな産まれる時代を間違えたような価値観の人間がいたのかと、スイショウは驚愕していた。
「お、おう。でもそれは───」
「あ゛ぁ?マジで言ってんのかテメー。まだ人類総石化の原因も分かってねーんだ。テメーらが理想の世界を作り上げたとして、また石化されたら終わんぞ」
「...は?」
「そうね。千空ちゃんを殺しちゃったら、次は誰が一から人類を復活させるんだろうね〜。石化復活液を一から作り上げることができる人間が最初に自力復活したのって割と奇跡じゃない?ジーマーで」
「テメーまさか、もう一度石化されちまう可能性を考えてなかったのか?」
スイショウがドン引きしながらも言い返そうとしたが、千空とゲンが横から口を挟んだ。
丁度消火活動も終わったようだ。上手く時間稼ぎに乗ってもらえてよかった。そして、いくら狂人の氷月でも千空とゲンの口撃に敵うはずは無い。
スイショウも、このタイミングを逃すまいと口を開いた。
「氷月、俺達手を組もう!」
「そんなことする訳無いでしょう」
「科学を拒絶する司帝国にはいずれ限界が、飢饉や疫病などで絶対に立ち行かなくなる日が来る!俺達も経験してきたから分かる。辛いぞ。人が飢えや病で成す術もなく死んでいくのは。そして、仮にそれらを乗り越えられたとして、いつ再び石化されるかも分からない恐怖に怯えながら生きていくのか!?」
畳みかけるなら、氷月が動揺している今だ。そして、話を長引かせるほどこちらの攻撃準備も万端となる。
「こちらには千空がいる。いずれ、石化の発生の謎も突き止めて対処法も確立するだろう。それに、俺たちは司帝国の人間を殺めるつもりはない。ただ一緒に豊かな文明を築いていきたいだけなんだ!」
「氷月ちゃ〜ん。千空ちゃんはこの数ヶ月でストーンワールドに抗生物質を作り出しちゃったんだよ〜。あと、農耕も普及させたし、ラーメンや餃子なんかも食べられるようにしちゃったの!俺がこちら側に着いた気持ちもちょっとは理解できちゃうでしょ?」
「甘い物も鋭意製作中!今度はパンケーキを作る予定だよ!」
「今はとにかく人手が欲しい。今は敵同士だが、寝返るっつうんなら科学王国はいつでも大歓迎するぜ」
3人で怒涛の交渉を試みた。これで交渉決裂しても問題はない。もうこちらはいつでも戦闘を再開できるからだ。
寧ろ、千空達がどう考えているかは分からないが、スイショウは決裂した方がいいとまで思っていた。そうすれば恐らく氷月を拘束できる。この男は危険すぎるのだ。寝返らせて労働力として利用することはリスクが大きすぎる。
氷月は1人静かに何かを考えているようだったため、その間、スイショウ達は黙って様子を伺っていた。
しばらくして、氷月は俯き肩を小さく震えさせて、
「素晴らしい!!!科学王国、キミ達は実にちゃんとしている!」
静寂から一転。口元のフードをずらして興奮したように叫んだ。
先程まで言葉を詰まらせていた人間が急に気持ち悪い程元気になり、スイショウ達に僅な緊張が走る。
「えぇ、いいでしょう。ここは一旦引きましょう。そこの脳の溶けた連中は好きに使ってくれて構いません。行きますよ、ほむらクン」
なんとも不気味だが、そう言い残して、氷月は側近のほむらだけを連れて大人しく去っていった。
この場に残ったのは、雑兵の5人。
「あー、キミら投降する?大人しく投降してくれるなら、手荒には扱わないよ?」
先程までの話を聞いてこちら側に魅力を感じたのか、はたまた仲間に見捨てられて戦意が揺らいだのか、5人とも大人しくスイショウの言葉に従った。
なんとも薄気味悪い決着の仕方だっだが、戦いの結果、科学王国は新たな5人の労働力を手に入れることに成功した。
氷月は自分の槍の流派に自信とプライドを持っているので、こういう揺さぶりは効くと思いました。なんで原作の氷月は、大切に思っている技で人を殺そうと思ったのか...
料理シーンはかなり長いですが、今後も描写してもよろしいでしょうか?
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