誰が為の否定者   作:咎煮

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難産でした……一気に流れが変わります。


賽は投げられた

 各国責任者が自己紹介を終えると同時に周囲の空気が一変する。まるで今までのは前座で此処からが本番だとばかりに。

 

「さて……先ずはどの国から近況報告をする?」

 

再び柏手。大広間から現代風な会議室に変わり、トウヤは何処か懐かしい気持ちになりながらも皆の服装で浮いてるな……と内心で苦笑した。

 

今度は言い出しっぺの法則とはしないのか、イズナが円卓を囲み、パイプ椅子に座るレツ達を一人ずつ見回し、最後にトウヤを見た。

 

「……じゃあ、私から行こうかな」

 

挙手をし、立ち上がるのはレーナ。

 

「……海底都市オルシャーヌの人口は年々減る一方だね……まあ種族が違うからなのもあるんだけど」

 

「……竜と言ってたな」

 

「正確にはセイレーナという海竜だね。アヤカシの中では竜に分類されるだけだよ」

 

小声で言ったが、聞こえたのかトウヤの呟きに答えるレーナ。

 

「(……レーナはセイレーナからとった名前か……いや、王族ならよくある事か……しかし、海底とはまたスケールがでかいな……)」

 

「高度に発展しすぎた弊害かな……オルシャーヌは近い内に……」

 

一人思考に耽っていたトウヤは何処か諦観の目をしていたレーナに気づけなかった。

 

「……なら次はハジャールについて報告しますね。といっても……恐らく今回の召集が最後になると思います」

 

「最後って……」

 

「最後は最後ですよ。私がこれを着てるのが何よりの証明です」

 

他国の事は知らない。だけど思わず言ってしまったとばかりに口を覆うトウヤだが、ホシノは薄く笑みを浮かべてそう答えた。確かに他の皆と違って一人だけ戦に備えてるとばかりに迷彩服を着ているのは気になっていたが、そんな理由だとは思いもしなかった。

 

「ーーとはいえ、刺し違えてでもあの蛇は討ちます。だから、イズナさん……ハジャールはきっと次の召集には応じれないと思います」

 

前者は憎しみと決意に満ち、後者は申し訳なさが声に籠められていた。

 

「皆さん、同じ様な状況なんですね……そういう私の方も…………邪教徒との抗争は日々激しさを増しています。私は、先代のようにはいかないようです……ですが、それでも務めは最後まで果たします」

 

「………… 待てよ」

 

ホシノと同じようにマリーも覚悟を決めた目をしていた。トウヤはハジャールにスノゥプライに……聞き逃していたがオルシャーヌも恐らくは同じ……残りの国もそうなのかと聞きたくないとばかりに声を荒げようとしたが出てきたのは震え、か細く……

 

「オレの国は……まだマシな方だけどな……きっと近い内に破綻する。そうなれば後はどうなるか……桃華すら救えなかったオレに出来る訳が無かったんだよ……笑えよ」

 

「……っ、やめろ」

 

コウガが、何処か自嘲するように言う。

 

「余に出来る事はしてきた……皆の怨みはこの身にしかと刻んだ。後は最後のお務めを果たすだけだよ」

 

アヤメが笑う。でもその目は此処ではない何処かを見ていた。

 

「…………やめて、くれ」

 

「ーー皆の決意、しかと聞き届けた。ならば私から言うことは一つ。悔いなきように最後まで生き抜け」

 

最後までトウヤの声が響く事はなく……ただ目の色だけが目まぐるしく変わっていたが、それは誰も気づかなかった。

 

 

ーー◆ーー

 

……どれくらいの時間が経ったのか、或いは経っていないのか……いつの間にかそこにはレツとトウヤだけで他の皆は居なくなっていた。

 

「……トウヤ君、大丈夫?」

 

「…………大丈夫に、見えるか」

 

近況報告にしては余りにも重すぎた。トウヤはレツの気遣いを嬉しく思いながら、嘘でも平気とは言えなかった。出会ったばかりなのに、次はない。一期一会にしては余りにも悲しすぎた。

 

「……レツ、フロゥリアは大丈夫なんだよな……他の国みたいな事、無いよな……?」

 

 

「……ラウラが言ってた事、覚えてる?」

 

大丈夫だと笑って欲しかった。でも口振りからしてフロゥリアも例に漏れず爆弾を抱えている事が判明してしまった。

 

「……ああ、ヒトによる串刺し……」

 

「あれね……実はフロゥリアのある物によって起きたものなんだ」

 

「それは、何だ……」

 

「それを教えたら最後までフロゥリアに縛られる事になるけどーー覚悟は出来てる?」

 

その言葉にトウヤは何故、と返す気にはならず……頭の中では来る日が来たかと自然に受け入れた。

 

「覚悟なら……とうの昔に出来てるさ……それがトウヤなんだからな」

 

何処かおかしな言い方にレツは首を傾げたが……まあいいかと気にしない事にした。

 

「(……僕はズルいな。今なら選べたのに敢えて決断させた……でも、仕方ないよねーーやっと廻ってきたんだから……)」

 

内心で罪悪感を抱きつつも、レツは笑う。

 

……トウヤはドッグタグにある変化が起きている事に気づかなかった。




問、これ何?
答、滅びの幕開け?

問、何故こんな内容に?
答、自分の考えてる仕様

問、ハッピーエンドは?
答、します。ただ過程はハード。

えー……言いたい事はあるかもしれませんが今は呑み込んで下さい……もっとやり方あったかもしれないけど私にはこれが限界でした。

ちなみに国名はあいミス等で良い名前あればその都度変えます。スノゥプライ(雪祈)とか、スィーリア(水でスィー、リアでリアル)とか適当すぎるし……
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