誰が為の否定者   作:咎煮

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やっぱり内容が余りにもアレだったのでリメイクして再投稿。


身を以て知る・後

 オウカに先導される事、暫く。目当ての遺跡に着いたらしく……オウカの脚が止まった。見た目は洞窟で入口らしき場所を鈍色の扉が塞いでいる。

 

「……着いたの?」

 

「着いたよ。ただ、中に入るにはもう一人許可を貰わないといけない人が居るけど」

 

そう言ってオウカが扉の前に近づきーー音もなく現れた者が額に剣を突きつけた。少しでも止まるのが遅かったら剣先が刺さっていただろう。

 

「オウカ!」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

「大丈夫って……今、制止の声もなく突きつけられたよね! 一歩間違ってたら大怪我だよ!」

 

「そうならない確信があったからした。そうでしょ? フロゥリア国防衛隊長レツ」

 

突きつけられたまま笑うオウカにトウヤは絶句した。肩書きではなく、名前でもなく……

 

「嘘でしょ……」

 

「……腕は落ちていないようで何よりだ、オウカユウ」

 

「(見た目で間違えようがない女じゃねえか!)」

 

その見た目だった。トウヤの知るレツは男なのか女なのか分からないボクっ子であり、距離感が近くてリンに貶されるような感じだった。しかし、今レツと呼ばれた者には見間違えようがない膨らみがあり、何処と無く女騎士を彷彿とさせる佇まいでこれがあれになるとは思えない程の劇的ビフォーアフターだったのだ。

 

「久しぶりだねぇ。リンは元気してる~?」

 

「ああ、私が居ない間も稽古に勤しんでいる。防衛隊長の座を譲るのもそう遠くないだろう」

 

「(ビフォーアフター過ぎる! 誰だよこいつー!?)」

 

未だに剣を突きつけられたままなのに談話を楽しむ二人。トウヤはレツの過去が衝撃的過ぎて内心でのたうち回っていた。

 

「今日は調査に来たんだ」

 

「そうか……何もないのが一番だが……過去の例もある。気を付けていくといい」

 

「そうだね。何もないのが一番」

 

「終わったら家に寄るといい。リンも喜ぶ」

 

「そうさせてもらうよ~」

 

剣を鞘に納め、扉を開くレツ。トウヤはこのレツと今のレツは同姓同名なだけだと言い聞かせて先を行くオウカの後を追った。ちなみにトウヤは一瞥されたが止められなかった。

 

「……ミューリナか。見た目からして商人だが……オウカ、商人として必要としているだけだよな……いや、世界延命機関……それもナンバーズがあれをする訳がないだろう……」

 

 

 

 見た目洞窟とは裏腹に中は広かった。目的の最深部とやらに行くまでどれだけ掛かるのかと思っていたが……

 

「此処から最深部まで行くよ」

 

「…………(昇降機……)」

 

恐らく、初回ならギミック等を駆使して進むのだろうが……オウカとレツのやり取りからして何度か来たのだろう。あっさりとショートカットして最深部まで行けそうだ。尚トウヤは内心で謎解き、ギミック、探検……と泣いたのは言うまでもない。

 

 昇降機で降りる中……特にイベントがある訳でもなく、無言が続く。

 

「……ワタシ、必要だった?」

 

無言に耐えきれなくなったのか口を開いたトウヤ。オウカは閉じていた目を開くと必要だと答える。

 

「でも、商人として何かした訳じゃないし……道案内もしてない、全部オウカに任せきりだった……この遺跡だって……」

 

「心配しないで。ラウラが必要になるのはこれからだから……いや、違うね。ラウラだからこそ必要なんだ」

 

「ワタシ、だから……?」

 

それを聞いてトウヤは嬉しく思いつつ……本能が警鐘を鳴らしていた。見た事はない筈なのに、オウカの物言いと表情に何処か見覚えがあったからだ。

 

ーー■■守が世界に一人だけと定められてるなら、今までのを注ぎ込めば上手くいくんじゃないか?

 

ーー骸に使い道はないと思ったけど、これは使える……正に屍を越えて行けってやつか!?

 

「……っ!?(何だ今の……研究所に幾つものカプセル……それにあれは……俺…………そういう事か)」

 

断片でしかなかったが、トウヤにはそれが喪失した記憶だと分かった。思いがけない収穫だが喜びは無かった。寧ろーー断片とはいえ思い出すべきではなかったと後悔した。

 

「ラウラ? 顔が怖いよ?」

 

「……大丈夫、ちょっと頭が痛くなっただけ……もう治った」

 

「(償いは必ずする……だがまだ出来ない……だからすまない、皆……)」

 

 昇降機が止まり、開く。オウカが先に降りてトウヤが続く。

 

「……此処が最深部? 龍核晶どころか何もない真っ暗な空間……?」

 

「幾ら最深部とはいえ国にとって大切な物を目に見えて分かりやすくしてる訳ないよ?」

 

「……それはそう」

 

何処か馬鹿にするような物言いにイラッとしたが正論な為、それだけ返すトウヤ。

 

「……ラウラ、そこを動かないでね?」

 

暫くうろうろしていたオウカが立ち止まり、トウヤにそう言う。トウヤは頷いて従う中、それは起きた。

 

「ラウラが必要になるのは今だよ」

 

ーー地面から棘のような物が生えてきた。読んでいたトウヤは紙一重でかわす筈だったが、金縛りを受けたかのように体が思うように動かせず……

 

 

「かはっ……」

 

動いたからか棘が股間を通って口から飛び出す、というR-18Gな惨状は避けたが腹部を貫かれて宙吊りになってしまう。

 

「オウ、カ……! 何で……っ」

 

「ごめんねぇ……龍核晶を励起させるには異端の血が大量に必要だったんだよ」

 

「異端、ミューリ、ナ……の事……?」

 

「そう。七龍輝の一人、風幻龍セルザウィード……彼女達の故郷ではルーンと呼ばれるエネルギーが満ちていたらしい。でもこの星にルーンなんてエネルギーは存在しないんだよねぇ」

 

「……そのルーン、を生み出すのがワタシ……ミューリナ……?」

 

「よく分かったねぇ。その通り……だからさ……国の為に犠牲になってよ」

 

棘を血で赤く染める中、トウヤはオウカの言った事を考えていた。普通なら痛みで考えられないが……ご都合主義というか……この時に至っては俯瞰して見ていた。要するにラウラ本人がオウカと会話しており、トウヤは第三者として見ているという感じだ。

 

「この裏切りでラウラはオウカ……というかヒトを恨むようになったと考えるべきか。しかし、国の為と言っておきながらこれは自分の為だよな……それにしても、七龍輝か……陰陽寮の門は七色、国も七つ……もしかしなくてもホシノ達の国にも龍核晶があるとか言わないよな……」

 

 

「……お前のような、悪は滅びる……絶対に……滅びる……! ワタシは……お前を……赦さない……っ!」

 

「悪……ね…………そうだよ。でも、ぼく……ううん、ぼく達はただ、逢いたいだけ……◼◼くんに」

 

ラウラは言うだけいって息を引き取っていた……だが、トウヤにはその後にオウカが言った事が見えていたし、聞こえていた。名前はノイズが入って聞こえなかったが……誰かを思っての行動と知り、複雑な思いを抱いた。




……ちなみにラウラの最後の言葉、プロナントシンフォニーというエロゲでニーヴァが言ってた言葉を使いました。プロナントを掛けられる時に言ってたっけ……でも行動次第では四姉妹と旅を共に出来るんですよね。個人的にはイリトだけが個別エンディングなのが……一応ニーヴァとか一人を選ぶ事は出来るけど、一緒に行かないんだよなぁ……

失礼、脱線しました……多分、リメイク前よりは雰囲気壊さずにいけたんじゃないかと。
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