「……あれ、君ってそんな黒いチョーカー……というかドッグタグを着けてたっけ?」
「……兄さんが着けたんじゃないの?」
耳が良いのか金属音に気づいて振り返るレツ。そこで初めて少年が黒いチョーカー+ドッグタグを着けている事に気づいたようで首を傾げる。リンは口ではそう言いながら不潔なモノを見る視線は変わらず……レツは必死に弁明をした。
「違うって! ボクにそんな趣味はないよ!」
「……でも兄さん、部屋からこんなものが……」
「うわああぁ!? これは違うんだ!」
「……身の危険を感じるから離れて」
「大丈夫、リンには使わないから」
「…………」
……何やら名状しがたきドピンクな埴輪を取り出すリンと慌てるレツ。傍目から見ればコントのようにスムーズな応酬に少年は笑いを堪えるのに必死だった。
「…………それより、名前聞いてなかった。呼び方……どうする?」
「ああ……リン、それだけど……」
嫌いと言っていながら接しようとするリンにレツは内心で意外と思いながら名前が分からない事を伝えようとしたが……
「……トウヤ」
「トウヤ?」
「ああ……そう、呼んでくれ」
自らドッグタグを握りしめて告げた。忘れていた大切なモノを告げるかのような……何処か安堵した姿に対してレツは神泉での件から何かが変わってしまったような気がして……どうか悪い事にならないようにと祈る気持ちで見ていた。
「……良かったね兄さん、これで君とか呼ばなくて済むよ」
「そ、そうだね……リ、リンはどう呼ぶの?」
「普通に……お前」
「……名乗った意味なくね?」
良かったと言いつつ、相変わらず視線は変わらず……おまけに名乗った少年改めトウヤをお前と呼ぶ宣言をしたリンは……自由すぎた。
「…………見られてるな」
里を見てくると言い、家を出たトウヤは姿は見えないが明らかに視線を感じて呟く。しかもその視線は興味からくるものではなく明確な敵意が込められていた。小心者なら直ぐにでも逃げ出したくなるだろう。
「ーーヒトは過去に起こした事が原因で歓迎されない」
意識はしつつ、無視を決め込むトウヤの頭上から声が聞こえた。何故上から……と見上げようとしたが軽い衝撃を背中に受けて前のめりになる。
「だから、あまり長居はしない事をおすすめするよ」
踏ん張り、倒れるのを凌いだトウヤが振り向いた先にはリンやレツと同じ猫耳に尻尾を生やし、巨大なリュックを背負った少女が居た。
「……成る程、1悪ければ善の100も悪い、か……プロパガンダに踊らされる愚民だな」
「言い方」
正しいかもしれないが、敵を作る物言いで蔑む視線を辺りに向けるトウヤを嗜める少女。
「言いたくもなる。何があったのか知らないのにヒトなだけでこうも敵意を向けられたらな……」
それに対してトウヤは無視を決め込んでいたが精神的に疲れたとばかりに肩を竦める。
「それはそう」
「……意外と話が分かるんだな」
「私は中立だから。それにヒトにしか造れない物があるし、商人としてはどちらにも肩入れしない方が益」
そう言ってリュックから取り出したのはフラスコ。中の液体は赤く、少女が揺らすと水音を立てて波打つ。
「赤ポか」
「そう、赤ポ。調合が得意なアヤカシが居ない訳じゃない……でもこれほど見事な赤ポはヒトにしか作れない」
赤ポーションの略称でフラスコの中身を当てるトウヤに微笑を浮かべて頷く少女。そして赤ポを地面に置き、リュックの中からフラスコをもう一個取り出す。
「……同じ赤ポに見えるが、後から出したのはくすんで見えるな……」
「そう、こっちは調合が得意なアヤカシが作ったレッポ……類似品に騙されると痛い目見る」
「レッポ……レッドポーションか……言い方を変えただけじゃないか」
良いのか、それ……と眉間に皺を寄せて揉むトウヤに少女は頷くと二つのポーションをリュックに戻す。
「……まあ、そういう事だから危害を加えられたら言って。しばくから」
「中立と言ってたよな? それ、明らかに俺寄りになってないか?」
「…………猫は気まぐれ、にゃあ」
商人として良いのか、それ……と額を手で覆うトウヤを尻目に少女はリュックを背負うとーー
「私は商人であり、目。見てるから取り返しのつかない状況に陥る前に……私を、ラウラ・ケリリを呼んで」
何処か意味深に耳元で囁くと跳んだーーそして少し離れた場所からぎにゃぁ!という悲鳴が聞こえた。
「……変わった子だな」
向けられていた敵意が薄れたのを感じるとトウヤはラウラが有言実行とばかりにしばいたと判断して肩を竦める。再三になるが、中立と言ってたのに明らかにヒト寄りなのは良いのか?と思いながらレツ達の家に戻るのだった。
埴輪は所謂大人の玩具。ブルアカの二次動画で何故かコハルがよく持ってる……
使用方法? 抱き抱えて目の部分を乳首に当てる→内蔵されたバイブが刺激を与えるが重いし秘所への刺激が乏しいので賛否両論。中には改造して口の部分を下にずらしてバイブを内蔵して三点同時刺激を与えるようにしたり……現代バイブがどれだけ優れてるか明白ですね。
最初の跳んできたラウラは加減してトウヤの背中を足場にして着地してるが、最後の悲鳴が聞こえた場面では加減無用でドーン!と踏んでます。ラウラ自体は軽い方だがリュックが重いので民1は腰がやられました。ちなみに着地の際に誰かを足場にする必要はない。所謂戯れ。可愛いなおい。