オレリーさんから公認錬金術士試験のための推薦状をもらったよ!
「でっきたー!」
「フィリスちゃん、それは… 薬?」
「“特別栄養剤”!」
「栄養剤ってことは… 植物に使うの?」
「ううん、これは“特別”栄養剤だからね。自然にある、ありとあらゆる物に使える! …はず」
今は、錬金術の勉強の為に、思いついたレシピをいろいろ試してるところ! 特別栄養剤は、旅人の雑木林を歩いてる時に思いついたんだ。たくさん木が生えてて自然豊かだったし、あの自然をエルトナの方にも持って帰りたいなぁって、そんなこと思ってたら閃いたの。
この特別栄養剤を使ったら、近くの植物とか鉱石とか、タマゴとか水とか何でも品質が良くなる… はず。試してないけど、試すのは今度にとっとこう。この辺りの素材はたくさん集まってるからね♪ リア
さっ、このまま次の調合、はじめちゃおー!
「私はまた狩りに行くけど… 次は何を作るのかしら?」
「次はね… そうだリア
「フィリスちゃんが作ってくれたものなら、何でも使うわ」
「よーっし、頑張るぞーっ!」
「フィリスー、ご飯やでー」
「ちょっと待って、もうすぐできるから…」
「何を… 作ってるんですか?」
「シャノンさん! えっとね、うに袋!」
「うに袋…?」
うに袋、完成! 釜の中でうにを袋に詰めるのが難しいんだけど、何時間もやってたから上手くなったよ♪ 今のわたしなら、完璧なうに袋を作れる気がする…!
「…あれ、リア
「あぁ、リアーネさんは出とるよ。闇夜に紛れたハンターやからな」
「いつ頃… 帰ってきますか?」
「まだまだちゃうかな、シャノンも気になるんか?」
「…少し」
「シャノンさん、リア
「それはないです。その… まだ、少し怖くて」
あぁ… そうだよね、こわいよね。だって、初対面で鎧脱がされたんだもん。でも、リア
「さっ、朝ごはん… フィリス的には晩ごはんか? ウチ特製のロールレタスや、レタス抜きもあるから安心してな」
「わーい!」「美味しそう…」
「たくさんあるから、フィリスもシャノンも、好きなだけ食ってな♪」
ん〜! 美味しい! 噛むとどんどん肉汁が出てきてね、ジュワ~って口に広がるの! レタスは要らないけど、美味しいなぁ! レタス剥がしとこ。
「…あの、アカネさん。あれって…」
「あれか? イーゼルや、絵画描くときにキャンバス置いとく台やな」
「アカネさん、絵の練習してるんだよね」
「そうなんですね。それで… キャンバスは?」
「まだないなぁ、どこで売っとるかわからんくて。後、サイズとかも。 …そもそもキャンバスが何なのかも知らん。分厚い紙… よな?」
「えっと… たしか、布だったと思いますよ」
「へぇ〜」「布なんか…」
「た、たしか、はい」
そうなんだ… だから見つからないんだね。アカネさん、ずっと紙売ってる人に聞いてたから。布屋さんに聞かないとだったんだ… 布、布かぁ。どんな布がいいのかわかんないけど、絵の具で色が塗れる布、だよね。それなら…
「アカネさん、わたしが作ってみるよ」
「作れるんか? せやったら… 頼んでええか?」
「うん! 頑張るよ」
「…それなら。布を張る板とか、用意しますか?」
「そうか、ただの布や描けんもんな。探してみるわ」
「わたしも手伝います」
よーっし、まずはレシピから考えないとだよね。基本は手織り布とかクロースのレシピを元に変えていく感じで… 強度も必要だし、綺麗にピンって張れないとだし、絵の具でびたーって塗れる感じにするなら…
「ふあ〜ぁ…」
「眠いんやったら、寝た後の方がええよ。きっとその方が頭も回るはずやからな」
「うん… そうする。でも、思いついたのは、書いとかないと…」
「わかった。リアーネさんが帰ってくるまではウチらもおるから、安心して休むんやで」
「うん、わかった」
思いついたことだけでも、書き残しておかないと…
「ぐっるぐっるま〜ぜて〜、ぐっつぐっつにこ〜んで〜♪」
「ご機嫌ねフィリスちゃん、何を作ってるの?」
「アカネさんに頼まれた布を作ってるの! いいのが思いついたんだ〜♪」
「あぁ、キャンバスに使うって話の… どれくらいかかるの?」
「ん〜… 良いのを作りたいから、1日かけて頑張ろうかな」
「わかったわ、頑張ってね」
「うん!」
次の日の… お昼くらいかな。布のレシピが出来上がったから、早速調合してみてるんだ。クロースは“糸素材”と“植物素材”と“動物素材”で作るんだけど、今回はそこに“魔法の道具”と“神秘の力”を持った素材を加えるんだ。つまり… 遊星歯車とエルトナ水晶だね! …歯車で大丈夫かな。大丈夫だといいなぁ。
「ただいまー。フィリス、どんな感じになりそうや?」
「いい感じかな! …そうだアカネさん、まだキャンバスに使う板材って買ってないよね?」
「選んどる段階やけど、どうかしたか?」
「ふっふー、そこもできあがったキャンバスそのものを調合してるから、買わなくて大丈夫だよ!」
「ほぉ…! 難しそうやけど、そこまで自信あるなら期待しとるからな」
「お任せあれー!」
上手く行けば、そのまま絵が描けるような状態のキャンバスができあがる… はず! 大丈夫、わたしならできる!
「アカネさんって、たしかパレットとかも持ってなかったと思うんですけど…」
「それは大丈夫や、行商人さんからええもんを頂いたんや。 …ちょいと痛い出費やったけどな」
「それは… 買ったってことですよね」
「ん〜、ちょいとちゃう。持っとった素材を見て、譲ってくれ! って寄ってきおったから、良さげなパレットと交換したんや。すまんなフィリス、ええ素材やったのに譲ってもうて」
「大丈夫だよ! …ちなみに、どんな素材だったの?」
「ウチにはよーわからんのやけど、その人曰く、“大いなるウロコ”やったかな」
「はえー、大いなる何かのウロコなんだね」
…ちょっと気になるけど、いつか手に入るかな。 …そもそも、アカネさんはどこでそんな物を手に入れたんだろ? もしかして… 大いなる魔物をシャノンさんと2人で倒してきちゃったとか!? ん〜、だとしたら渡したことを惜しまないか。
「そんな素材、どこで手に入れたんですか?」
「わたしも気になる!」
「環状石碑群… 改め、フェアリーサークルからの贈り物やな。シャノンと調べとるんやけど、何か物を置いたらお礼に別の品が妖精さんから貰えるみたいなんや。ほんで、綿ウサギをそのままお供えしたら大いなるウロコになった」
「そうなんだ… だったら、またウサギさんをお供えしたら…?」
「大いなるウロコになるかもしれんな… やってくるわ」
「うん! 行ってらっしゃい!」
フェアリーサークル、ドナに来るときに見たね。石碑が円形に8個くらい並んでて、真ん中にプニプニ玉をお供えしたはず。そういえば、前にアカネさんが金色のプニプニ玉を見つけたって楽しそうに話してくれたけど… あれもフェアリーサークルだったのかな。 …勿体ないから食べなかったけど、たくさん集められるなら…
「アカネさん! プニプニ玉もあげる!」
「わかった、これもお供えするんやな。 …せやけど、絶対に上手くいくわけやないからな、期待しすぎたらあかんよ」
「うんっ!」
「無茶苦茶期待しとるな…」
えっへへ〜、楽しみだなぁ〜。 …その前に、今の調合を終わらせないとね♪ 最高のキャンバスを作っちゃうぞーっ! おー!
「これがフィリスのキャンバスか… ええなぁ、ありがとうな!」
「ふふんっ! さいっこうのキャンバスだよ!」
「大事にとっとかな… 画材が揃ったら、使わせてもらうな」
「…まだ揃ってないんだっけ」
「後は絵の具やな。どんだけ使うかもわからんし、フルスハイムで買うつもりや。あそこって大きな町らしいし、きっとあるやろ」
「そうね、きっと売ってるわ」
「…わたしも絵の具の作り方はわかんないなぁ」
ん〜、頑張れば絵の具も作れる気がするんだけど… 何色の絵の具がどれだけ必要なのかもわかんないし、やめとこっか。他にも作ってみたいものはたくさんあるし… でも、ずっとドナにいるわけにもいかないか。フルスハイムの方が、リア
「…よしっ、明日の朝になったらフルスハイムに行こう!」
「わかった、みんなに伝えてくるわ」
「私も行きます。酒場の方に行くので、宿屋の方はお願いしますね」
「任された!」
目指せフルスハイム! …どうやって行くのかわかんないけど、来た道戻って旅人の雑木林から東、だよね? でも、来た道戻るのだとつまらないし… そうだ、こっから北に行ったらどうなるんだろ。行きは南に行ってから東だったし、今度は北に行ってから西に進んで、雑木林に戻ろう! …新しい景色が見れるといいなぁ♪
「…ドロッセルさんは?」
「それが、見つからなかったの…」
「宿屋にも戻ってきていない。また迷ってるんじゃないか?」
「伝言は色んな人に頼んであるから大丈夫やけど、ちょいと不安よな…」
「…でも、行くしかないか。みんなでフルスハイムまで、辿り着くぞー! おー!」
「おー!」「お、おー…?」「お〜♪」
「…俺はやらんぞ」
翌朝なんだけど、ドロッセルさんはまたどこかで迷っちゃったのかな… 探しても見つけられなさそうだし、出会えると信じて進もう。たぶん、遠くないうちに会える気がする。 …勘だけどね、わたしの勘は当たるって評判だから♪
…それと、シャノンさんがアカネさんの後ろに隠れちゃってるけど… 大丈夫かなぁ? 大丈夫… だよね、たぶん。もう出発しちゃったし、行くしかないんだけどね!
アカネさんいわく、シャノンさんは凄く強くてカッコイイらしいから、戦ってるところを見てみたいんだよなぁ… 近くにいい魔物いないかな、この5人で旅するの初めてだし戦闘にも慣れとかないと。
戦闘になったら、わたしは後ろに下がって… リア
…よし、あの魔物と試しに戦ってみよう。たしかあのお花のお姫様みたいな魔物は“ドライアド”、雑木林の方にもいたはず。戦った覚えはないけど… たぶん、勝てる!
「あの魔物、倒そう!」
「…それなら、わたしが突っ込みます」
「ウチも合わせる、例の作戦や。 …リアーネさん、援護は任したで!」
「わかりました、いつでもいけますよ」
「…俺は残るか」
…わたし、何もしなくてよさそう。で、でも、役には立ちたいよね。お荷物にはなりたくないし… そうだ、わたしもリア
「フィリス、合図を!」
「え!? じゃあ… せーのっ!」
「一気に、貫く…!」「力を込めて… やったる!」
「さぁ、避けられるかしら!」
シャノンさんとアカネさんが2人で一気に走って行って… あ、ドライアドが気付いて身構えちゃった。 っと、そこでリア
「よかった、やれた…」
「カッコよかったなぁ…」
「えっ、そ、そうですか…? …ありがとうございます」
「それに、いい連携だった。練習したのか?」
「そうや、2人で練習した成果やで」
たしかに、2人で一緒に走り出して、ちょうど同じタイミングで槍と剣を突き刺すって、難しそうだよね。でも、すごくカッコイイ! それに、強そうだよね… わたしも考えてみようかな、リア
…あれ、リア
「リア
「ううん、私はしてないわ。ただ、援護してって頼まれたから、こうすればいいのかなってしただけ」
「すっ、すごい… リア
「そう? 本当に? フィリスちゃん、私カッコイイ?」
「…そういうところはカッコよくない」
本当にカッコよかったなぁ… だって、2人で斜めに交差するみたいに突き刺してくんだよ! シャノンさんは槍が光ってビューンって貫いてるし、アカネさんは剣が燃え盛って突き刺してる! …また見たいなぁ。
「…1つ聞いてもいいか?」
「レヴィさん、どうしたんや?」
「…今の、何度もやれるMPはあるのか?」
「わたしは無理です…」
「エム……ウチも、たぶん無理や」
そっか、MP… それなら、毎回やるわけにはいかないんだね。だったらわたしも頑張って、魔物と戦わなきゃ。みんなが力を出せないときは、わたしが頑張らないとだからね♪ …弱くても、頑張るよ!
…ずっとここで戦ってるわけにもいかないし、進もっか。目指せフルスハイム、しゅっぱーつ!
やることメモ
0.エルトナ
→1.エルトナ周辺
1.乾いた平野帯
2.ファーヴェ丘陵
→3.旅人の雑木林・白霧ヶ森
1.一流の立ち往生
2.元気な迷い人
→3.ドナにて
1.内気な見習い騎士
2.錬金術士の心得
→3.アカネの依頼(1)
このキャンバスは家宝にさせてもらうわ♪
いつかは使って欲しいかな…