みんなと協力して、お船を作って湖を渡ったよ! エルトナから始まった旅も、もう折り返し… 試験に受かるためにも、頑張ろー!
それと、アカネさんがすっごい絵を描いたの! アカネさんの思い出に残ってる場所みたいだけど… いつか行ってみたいな!
一流の炎
「一緒に戦うのは初めてね… フィリス、アタシの炎を見てなさい!」
「炎か… ほんなら、ウチの炎も見てもらうで!」
「わたしもフラムで… は、やめとこう」
フルスハイムから湖を渡って、“クラーデル平原”に着いたんだ。わたしたちを竜巻から守ってくれたお船は、カイさんに託してきたよ。カイさん、わたしたちがまたフルスハイムに戻りたくなったときのために、ずっとお船を整備しておいてくれるらしい。嬉しいけど、本当に大丈夫かな… 次に乗るの、いつかわかんないけど。
…で、クラーデル平原に着いて、ひっさしぶりに魔物と戦うんだ。フルスハイムに着いてからは、採取のために町の外に出ることも少なかったし、出ても魔物と戦うことはなかったから、本当に久しぶりだね。
本当はわたしも戦いたかったんだけど、イルちゃんとアカネさんが張り切っちゃってるから、今は見てようかな。ちなみに、リア
2人が狙ってるのは魔物は、“スポアドッグ”って名前だったかな? 尻尾があって、可愛い犬みたいなキノコだよ。戦ったことないけど、リア
「燃え尽きろぉー!」
「おぉー!」「おぉ…」
イルちゃんの杖の先に炎が集まってたんだけど、杖を振り下ろしたら爆発したみたいに炎がバーって広がって、スポアドッグを包みこんじゃった。これがイルちゃんの得意な炎魔法…! すごいなぁ! でも、スポアドッグはまだ耐えてるみたい。
「全ての想いを、炎に変えて… 貫く!」
「おっ、おぉ!」「すごい…」
今度はアカネさんの剣が炎に包まれて、スポアドッグを貫いた! …アカネさんも炎なんて使えたんだね、知らなかった。でも、すごい炎だったよ! 剣が真っ赤に燃えて、火柱が貫いてく感じだったんだ!
「まっ、こんなところかしら。アタシの炎、どうだった?」
「すごかった! イルちゃんもアカネさんも、炎が得意なんだね!」
「ふぅ… 疲れた…」
「アカネさん、大丈夫ですか!?」
「ちょっと、疲れるのが早すぎない?」
「すまんな… ウチが持ってる、全部を使った感じがするわ」
「そんなんじゃあ、実戦では使えないじゃない」
「アカネさん、今の技って、新しい技… ですよね? だから、その… 上手く使えてないだけ… だと思います」
あっ、やっぱり新しい技だったんだ。たしか前のは、武器から炎と氷を出してたんだよね。 …でもあの炎と氷って、元々武器の特性として宿ってるもので、それを引き出してたんだっけ? 特性を活性化させる… そんな技って聞いた気がする。だったら、今回のは… なんだろう?
「これな、フルスハイムでプラフタ先生と話したときに思いついた技なんや。せやから、試すのは今が初めて… ホンマに上手くいくかもわかっとらんかったけど、とりあえず使えただけ良かったわ…」
「あの、どんな技なんですか?」
「えっと… この細剣って、プラフタ先生いわく武器としては使えん特性が宿っとるらしいんや。せやからウチは、その無駄な特性の力を、有効な力に変えたいと思ってな… どうして上手くいったかもわからんけど、心から願ったら、武器の力が全部炎となって吐き出された感じやな」
「…何もわかってないってことよね?」
「まぁ… そうともいうな」
特性の力を、炎に変える… そんなこと、できるんだ。勉強になるなぁ… 戦場で、相手に合わせて武器の力を変えて戦えるなら、すごく強い気がする。 …今の倒れそうなアカネさん見てると、すごい技は代償もすごいんだなって感じちゃうけどさ。今も、シャノンさんに支えてもらってるし…
「…その技、名前は?」
「名前? …そうか、カッコええ名前がいるか」
「かっこよくなくても、大丈夫だと思いますよ…?」
「…名付けとか苦手なんよなぁ、絵にも名前つけとらんし、前の技にもない」
「イルちゃんの技はなんて名前なの?」
「今のは“フレアブラスター”よ!」
「そんな感じのならいけるか…?」
フレアブラスター… 普通だね。わたしも“ストーンシュート”とか“ロックスコール”って名前だから、普通なんだけどね。やっぱり分かりやすさが一番だよ、オシャレな名前も憧れるけどね… アカネさん、前の技も名前ないんだな。それなら… わたしがオシャレな名前を考えちゃおうかな?
「アカネさん、わたしが名前、つけちゃおっか?」
「ほぉ、自信あるなら… 任せてええか?」
「レヴィさんにも褒められたわたしのセンスを奮っちゃうよ!」
「アタシもやるわ。一流は何でも負けないのよ?」
「えっと、今の技、ですよね… わたしも考えます」
「頼むわぁ、疲れて頭も回らん…」
ふっふっふっ… リア
「うん、イルの案にするわ」
「よしっ…」「うぅ…」「えぇっ!?」
「“コンバージョンアサルト”、カッコええしわかりやすいからな」
「わ、わたしのは!?」
「…“目覚めし祝福の刃”、やったか? …なぁ、フィリス。レヴィさんから、変なこと学んだらあかんよ」
「…そうね。アタシもやめたほうがいいと思うわ」
「そんなぁ!?」
うぅっ… いい名前だと思ったんだけどなぁ… イルちゃんの気取った感じの名前なんかより、絶対いいと思うのに。コンバージョンなんて、濁音ばっかで言いづらいのに。 …わたしのも濁音2個あった、ごめん。
「…名前も決まったし、アトリエに戻る? もう料理は済んでると思うけど」
「そうだね… ご飯食べよ…」
「…代わりに野菜食ったろうか?」
「いいの!?」
「だーめ! 何があったのか知らないけど、それはダメよフィリスちゃん。ちゃんと食べないと健康な大人になれないんだから!」
「そ、そう、ですよ…」
「うぅ… リア
…この日のご飯は、ハンバーグとサラダだったよ。サラダは、その… わたしは一口だけで、後はアカネさんがこっそり食べてくれた。アカネさん、ありがとー!
「荷物よし、武器よし、道具よし… あっ、地図ない」
「アタシの見る? またアトリエ張るよりは楽でしょ」
「ありがとー! それじゃあ、次進むのは… 東? 南?」
「どっちからでも行けるはずよ。フィリスちゃんが進みたい方から行きましょう?」
「ここからならライゼンベルグはそう遠くない。両方行っても間に合うはずだ」
「ふむふむ…」
今いるのは、クラーデル平原の北西のあたり。ライゼンベルグは南東の方なんだけど、どう進もうかな… 真っ直ぐ南東に進んでみる? でも、地図的には東か南に迂回してくことになりそうなんだよね。う〜ん…
「こういう時のための、木の枝! えいっ!」
「こっちは… 南やな、たぶん」
「あってる… と思います」
「それじゃあ… 南に、レッツゴー!」
6人で、手を取って… は難しいけど、足並み揃えて… も難しいけど! みんなで、ライゼンベルグに辿り着くぞー! 南の方はどんな景色になってるのかなぁ? まだ火山とか見たことないし、見てみたいなぁ…! あとは、雪山とか! 海も見たことないや、湖が海みたいだったけどさ。さぁっ、どんな景色が待ってるのかな〜!
「ふんふふっふ… ん?」
「これは… 橋がありそうなんやけどな」
「…壊れている、そんなふうに… 見えます」
「あそこを見ろ、修理している人がいる」
「南から行くのは厳しそうね…」
「フィリスちゃん、どうするの?」
「…東に、向かおう!」
出鼻をくじかれた… でも、わたしは進み続けるよ! …あっ、あのお花摘んでから行こ。フルスハイムにいた頃は採取もあんまりできなかったし、初心に戻って採取も戦闘も頑張らないとね♪
「…イル、聞いてもええか?」
「何かしら?」
「腰に付けとるそれの話なんやけど…」
「あぁ、護身用の銃よ。前に杖が折れちゃったでしょ? だから、銃も用意したの」
「イルちゃん、銃なんて撃てるの?」
「撃てるわよ、得意ではないけど」
ほへぇ… わたしも、銃くらいだったら使えるかな。剣とかは難しそうだし、アカネさんみたいに突撃できる気はしないけど… 銃なら使える気がしない? …使い方わかんないけど、イルちゃんに聞いてみようかな。
「…フィリス、そんな目で見てもあなたは無理よ」
「えぇ!? 何も言ってないのに… それに、なんで無理なの!?」
「フィリスちゃん、銃って実は上手く使うのは大変なのよ? フィリスちゃんだと、撃ったら反動で飛んじゃうかもしれないわ」
「そうなのぉ!? …やめとこ」
銃ってそんなに怖い武器だったんだ… よしっ、わたしは杖一本で行こう。杖以外は怖い、やっぱり錬金術士は杖だよ! ソフィー先生も杖だったし、イルちゃんも杖だもん。
「それに、錬金術士たるもの、まずは杖と道具よ。フィリスもちゃんと練習してる? 同じ道具だって、使い手次第で別物になるんだから」
「もちろん、練習してるよ。 …道具といえば、アカネさんは使うの上手だよね」
「…そうか?」
「うん!」
…アカネさんが道具使ってるの、片手で数えるほどしか見てないけど、すっごい上手なんだよ! フラムとか、すって投げて魔物に直撃させてね、バーンって大爆発しちゃうんだから♪ わたしもいろんな投げ方を試してるんだけど、アカネさんみたいに狙った場所に行かないこともあるし…
「錬金術の才能があるんじゃない? 道具を上手に使えるなら、調合もできるかもしれないわよ」
「いや、錬金術の才能なんてあらんよ。あってもできんけどな」
「それはどうして… ですか?」
「ウチ、人間やないからな」
「はっ!?」「えっ…?」
「…まだ説明してなかったのか?」
「あぁ… 言い忘れてたかもな」
わたしも言い忘れてた… もう普通な感じに馴染んじゃってたから、気にもしてなかったよ。ちゃんと説明してきまーす。
「…なるほどね。知らずに軽率に言って悪かったわね」
「気にせんでええよ、ウチも気にしとらんし」
「錬金生物… 不思議… ですね」
「もしかしたら、シャノンがウチと仲良く話せるんはウチが人やないからなのかもなぁ」
「そっ、そんなことは、ないです。アカネさん、話しやすいので…」
「…俺は話しにくいってことか?」
「ひうっ!?」
「そういうところやで、レヴィさん」
「…すまない」
説明してて… というかアカネさんの説明を聞いてて思ったんだけど、錬金生物ってなんなんだろうね? 錬金術によって作られた生き物で、錬金術ができないってのは知ってるよ。でも… アカネさん、人にしか見えないじゃん。睡眠も食事もいらない人って可能性はないのかな…
…プラフタさんが錬金生物って言ってたんだし、ないか。ソフィー先生より錬金術に詳しいみたいだし、間違えてたりしなさそうだからなぁ… まぁいっか、人間でも錬金生物でも、アカネさんはアカネさんだからね。
「じゃ、行こっか。たしか、東の方に…」
「フィリスちゃん、その前に1回休まない? 結構歩いてきたし、ちょうどそこにたき火があるじゃない?」
「…そうだね、明日の朝まで休もっか」
「ほんならイル、ちょいと時間ええか?」
「いいわよ、何かするの?」
「道具の使い方とか、詳しく教えてもらえんかなって」
…わたしも混ぜてもらおうかな。気になるし、急いでアトリエ張っちゃおう。リア
やることメモ
0.エルトナ
1.エルトナ周辺
→2.湖の向こう側
→1.クラーデル平原
→1.2人の炎
これが炎の錬金術士の力よ!
ウチも、もっと炎の勉強してみるか…
炎以外の魔法… わたししか使えない?