IS-インフィニット・ストラトス- 自称コミュ障(笑)で思春期な俺 in IS学園 作:麒麟
翌日。いつも通り登校しすると生徒玄関前の廊下に大きな張り紙がしてあった。
『クラス対抗戦リーグマッチ
1回戦 1組 VS 2組
2回戦 3組 VS 4組
決勝 1回戦の勝者 VS 2回戦の勝者』
要するに1回戦目で織斑VS凰になったわけだ。
ああ、こりゃ荒れるべ。
「ねえ、天道君。2組の凰さんが来てるよ」
「・・・は?」
放課後、いつも通り訓練をしにアリーナに向かおうとしているとクラスメイトの女子にそう言われた。ドアの方を見ていると確かに凰いた。
「俺じゃなくて織斑じゃないですかね?」
「ううん。凰さんは天道君を呼んできてって言ってたよ?」
そう言われたのでもう一度凰を見ると、織斑が話しかけているようだが凰は無視していた。
おいおい、マジですか。また織斑と何かあったのか?
「わかった。えと、ありがとう」
とりあえず教えてくれた女子にお礼を言って凰のところへ行く。
「来たわね。じゃあ行くわよ」
「は?どこに?」
「決まってるじゃない。ISの訓練よ」
「いや、だからなんで俺と?」
「昨日のお礼よ。借りを作ったままってあたし嫌いなのよ」
ああ、そういうこと。
「勝。昨日鈴になんかしたのか?」
凰に無視され続けていた織斑が俺に聞いてきた。
「まあ、ちょっとな」
流石にこいつに話していい内容じゃねーわな。
「ほら、早く行くわよ」
「いや、遠慮しとくわ」
「はあ!?何でよ!?」
「ぶっちゃけ楯無先輩に組んでもらったメニューこなすので精一杯なんだよ。そこにお前の指導が入るとか、軽く死ねる」
これ以上訓練のメニューを増やされるのは御免だ!!
「ああ、それなら安心していいわよ。あたしはアンタが訓練してるのを見て悪かったところを指摘して教えるだけだから」
「ああ、それなら助かるかも」
訓練中いつも楯無先輩がいるわけじゃないので、悪かったところを指摘してもらえるのは正直ありがたい。
「じゃあ決まりね。時間勿体無いからさっさとアリーナに行くわよ」
「お、おう」
「なあ、訓練するなら俺も一緒にしていいか?」
「「なっ!?」」
凰がそう言ってさっさとアリーナに向かおうとすると織斑が言った。が、凰は織斑のその言葉を無視してさっさとアリーナの方に歩いて行った。因みに織斑の言葉で顔が険しくなったお供2人は通常運転である。
え?せめて断るかなんかしてくれよ。関係ない俺をお前らの喧嘩に巻き込まないで欲しいんだが。
「ダメか?」
「訓練なら私達が教えているだろう!!一夏!!」
「そうですわ!!」
「いや、でもみんなでやった方がいいだろ?勝と訓練したことないからどんな訓練してるのか気になるし」
いや、何がいいんだよ?優秀なコーチが複数とかならわかるけど、同レベルの人間が固まって訓練してもお互い邪魔になるだけだろ。本音は後半か?
「まあ何でもいいけど今回は断るわ」
「え?何でだよ?」
「なんでも何も、凰の態度見たらお前と凰が喧嘩してることぐらいわかるっつの。んな空気の中で訓練とか御免だわ」
てか空気で察しろよ。
「でもあれは鈴が一方的に無視してくるだけで、何が原因なのかわかんないんだよな。勝は鈴から何か聞いてないか?」
「まったく。てか無視されてんのがわかってんなら一緒にとか言うなよ。凰が無視してんなら必然的に俺が断んなきゃなんねーんだから」
「お、おう」
「んじゃあんま待たせっと凰がブチギレそうだから俺も行くわ」
「おう。じゃあな」
そう言って俺は凰が待っているアリーナに向かった。
「遅い!!」
アリーナに着くと凰にそう言われた。お前が織斑を放置したせいだと言ってやりたいが言ったら言ったでギャーギャーうるさそうなので黙っておく。
「じゃあ訓練を始めるわよ」
そう言うと凰はISを展開するのを見て俺も展開する。凰のISはメインカラーがピンクで両肩にメイスの先端のようなゴツイ非固定浮遊部位がついている。
「あれ?アンタのISは専用機じゃないの?」
「ああ、まだ完成してないらしいからな」
「そう。あたしのISは甲龍(シェンロン)っていうの」
「それって漢字で神に龍って書く?」
「書かないわよ。で、両肩で浮いてるのが龍砲っていって、空間に圧力をかけてそれを砲撃するのよ」
凰は俺の質問に答えると呆れたように総説明した。
「何でISの特徴まで教えてくれんだよ?」
「アンタどうせ調べるでしょ?クラスメイトの子から代表選抜戦で相手のことをかなり調べてたって聞いたし、ちょっと調べればすぐに出てくるしね」
「・・・なるほどな」
確かに今言っても言わなくても変わんねーな。
「じゃあまずいつも通りに訓練してみてよ。あたしがアンタの悪い部分を指摘してあげるから」
「あいよ」
それから訓練を始めて数分後――
「はあっ!?だから感覚だって言ってんでしょ!!」
「だからその感覚がわかんねーからできねーんだよ!!」
俺と凰は盛大に言い合っていた。理由は凰の教え方だ。俺がいつも通り訓練をして凰がそれを指摘する。そこまではよかった。
「そこはそうじゃなくて、ほら!こう、感覚よ!!」
凰はどこがどうダメでどうすれば良くなるのかを言わず、感覚だとしか言わないのだ。おそらくISに関して凰は自身の感覚を頼りに上達してきたのだろう。故に細かく理解していないため具体的な指摘ができないのだ。自信が上達するために感覚に頼るのは良いが、誰かに物事を教える時に感覚だと言っても当然伝わるはずがない。現に俺には伝わらなかった。そして言い合いになったというわけだ。
「ああもう!!だったらあたしが一回やったげるからしっかり見て覚えなさい!!」
最初からそうしろよ!!
そう言ってやりたかったがこれ以上言い合っても仕方ないのでぐっとこらえる。こんな感じで訓練が進んでいった。
「じゃあ今日はこれで終わりね」
「おう。教えてくれてありがとな」
1日分のメニューが終わり、訓練を終了する。本当なら模擬戦もやりたかったがアリーナの使用時間まで時間がなかったので断念した。
「相談に乗ってもらったお礼だし気にしなくていいわよ。それよりどうだった?」
「感覚だって言われて最初は大丈夫か不安だったけど、自分だけじゃ気づけない指摘されたし指摘されたところは実演したりしてくれたおかげで俺ひとりの時より断然身に入ったわ」
「あたしが教えてるんだから当然よ」
俺が感想を言うと凰は自信満々にそう言った。
どうでもいいけど代表候補生って自信家しかいないのか?こいつといいオルコットといい、俺が会ったことのある代表候補生って我の強いやつしかいない気がする。
「じゃあシャワーも浴びたいしあたしはそろそろ戻るわね。お疲れ」
「おう。お疲れ」
こうして凰との初めての訓練は終わった。
それから数日後、事件は起きた。
ドカーンッ
「な、なんだ?」
いつも通り訓練を終え、自室に戻ろうとしたとき俺が訓練していた場所とは別のアリーナの控え室からものすごい音が聞こえたのだ。俺が音の聞こえた方に行くと鬼のような形相をした凰が歩いてきた。凰は俺を見つけるが無視して寮の方へと歩いて行った。
怖っ!!織斑のやつ今度は何やらかしたんだ!?
織斑の周りの女子がキレている時は大体織斑が原因であると最近わかってきた。更に凰の形相からするとほぼ確定だといってもいいだろう。俺は凰が来た方に歩いていくと案の定織斑いた。織斑の横には当然のように篠ノ之とオルコットがいる。
「あ、勝」
「今凰がものすごい形相で歩いて行ったんだけど、お前今度は何したんだ?」
「いや、それが―――」
織斑の話をまとめると、織斑が訓練を終えてピットに戻ると凰がいた。そこで凰は織斑に謝る気になったのか聞いた。何故謝らなければならないのかを理解していない織斑は当然拒否。すると凰と口論になり、その時に織斑がつい禁句を言ってしまった。
「貧乳」
それを聞いた凰がブチギレてISの腕の部分展開し壁を破壊。そして今に至る。
「お前、バカだろ」
「俺だって今回は悪いって自覚あるんだよ!でもあいつ何度謝っても聞く耳持ってくれないんだ」
「そりゃそうだろ。禁句ってのは簡単に許せることじゃないから禁句なんだ。こりゃ時間置いて誠心誠意謝るしかねーと思う。勿論土下座も忘れずにな」
そのくらいしないと絶対許してくれないぞ、あいつ。
「でも明後日クラス対抗戦だぞ?」
「・・・立派な墓石建ててやるから安心して逝ってこい」
「ちょっと待て!!それ俺が死ぬこと前提じゃないか!!」
うん。織斑が凰に勝つのは90%無理だと思う。凰は言うだけあってかなりの実力者だからな。俺は先日の訓練で簡単には勝てそうにないと思ったし。
「なあ勝。なんとかならないか?」
「なんとかって言われてもな。元々喧嘩してるところにガソリンぶち込んだんだ。俺にはどうすることもできない。ってか関わりたくない」
「そんなこと言わずにさ!!」
拒否しても尚、織斑は食い下がってくる。
「俺に頼んでる暇があったら少しでも許してもらえるように凰に謝ってこいよ」
「・・・そうするか・・・」
それを聴いて織斑は重い足取りで寮の方へと歩いて行った。
というわけでとうとう一夏が鈴を本気で怒らせました!
女の子に胸の大きさの話はアカンと思うんだ、うん。
それと更新が大分遅れてしまい、申し訳ありませんでした!!