IS-インフィニット・ストラトス- 自称コミュ障(笑)で思春期な俺 in IS学園 作:麒麟
間に合ったんだけど・・・
「無人機・・・ですか?」
「そうだ」
襲撃のあった放課後、俺は一応当事者だということで織斑先生に事情聴取を受けていた。といっても俺が話せることは襲撃時の生徒の避難くらいで、事件の詳細を聞くことくらいだ。今は襲撃をしてきたISについての説明を受けている。襲撃してきたISは驚くことに無人機だったらしい。
「でもそこまでの技術は進んでないんじゃありませんでした?」
「公ではそうだが、襲撃に使われたISが無人機だったということは紛れもない事実だ。開発に成功した国、もしくは組織が何らかの目的で襲撃してきたと考えるのが妥当だろう」
確かにISが発表されてから数年は経っている。どこかで無人機の開発が成功されていたとしても何ら不思議ではない。
「どこの国のコアか調べられなかったんですか?確かコアって国によって登録されていますよね?
「それは現在調査中だ」
「そうですか」
流石にバレないように何らかの仕掛けはしてあったようだ。
まあバレたら最悪コアの所有権剥奪もありえるから当然っちゃ当然か。
「それと襲撃時にIS学園のセキュリティがハッキングされていた。これは今回の襲撃者と同一グループだと思われる」
「ハッキング、ですか?」
「ああ。突然セキュリティレベルが上がりアリーナの扉が閉まったのはそれが原因だ」
襲撃に加えてハッキングか。しかもIS学園のセキュリティを。無人機開発のことを考えても向こうは相当な天才がいるな。
「私達教師陣の対処が遅れてあらゆる場面での対処が間に合わなかった。そんな中生徒の避難が迅速に行えたのはお前達生徒会のおかげだ。篠ノ之を無人機から守ってもらった件といい、ありがとう」
「い、いえ。それが生徒会の仕事ですから・・・」
「それでも、だ」
織斑先生は真剣な表情でそう言った。
あれだな。面と向かってそういうこと言われると照れるな。
俺個人の働き自体は感謝されるほどのものではなかったのかもしれないと思いつつも、やはり面と向かってお礼を言われるとこみ上げてくるものがある。
「それと今回の件だが他言無用にして欲しい。生徒に余計な混乱を招きたくない」
「わかりました」
生徒全員が当事者だから離さない方が混乱を招きそうだ、とは言わない。おそらく上手く説明するつもりなのだろう。
「ではこれで事情聴取は終わりだ。疲れているところすまなかったな」
「いえ。お疲れ様です」
俺は織斑先生にそう言って取調室を後にした。
「よう。事情聴取終わったのか」
俺が取調室を出て自室に戻る途中で織斑に会う。側にはいつもの3人がいる。
「おう」
「お疲れ様」
「そっちもな」
むしろ俺よりも頑張ってたと思う。
「それで何聞かれたのよ?」
凰が聞いてくる。
「無人機が襲撃してきた時の状況とか、そんときの生徒の避難のこととかだよ。俺が話せることっつったらそれくらいだからな。まあ襲撃時の状況はお前と織斑の方が詳しいだろ。実際に無人機と戦ってたしな」
本当、よく持ちこたえたちと思うわ。代表候補生の凰はともかく、織斑は初の実践だっただろうに。
「あ、そうだ。無人機に撃たれそうになった時、箒を守ってくれてありがとう。ほら、箒もお礼言えって」
「・・・ありがとう」
「いや、いいよ。それが仕事だし」
お礼を言う織斑と篠ノ之に俺はそう返す。
「ただ、次に同じことがあっても俺は助けないからそれだけ忘れないでくれ」
「? どういうことだよ?」
俺が次は助けないと言うと織斑が反応する。
「当たり前だろ?一瞬とはいえ死ぬかもしれないって考えちまったんだ。その考えは一度浮かんだら消えない。他人のために自分の命張るほど俺は人間できちゃいない」
「でもISにはどんな攻撃を受けても死なないように絶対防御がついてるだろ?」
「絶対防御なんて最初から当てにしてねーよ。今回は運良く楯無先輩が助けてくれたから俺も篠ノ之も助かったんだ。それがなかったらISを身につけていた俺でも重症、最悪死んでたかもしれない」
「でも」
「それに俺自身実力不足だ。仮に楯無先輩の助けなしで助かったとしても、その後の状況を何とかできたとは思えねーよ」
「じゃあ目の前で人が死にそうになってても何もしないっていうのかよ?」
「さあ?その時になってみないと何とも言えないな。今回だって咄嗟に体が動いたけど、少なくとも助けたいなんて感情で動いたわけじゃない。多分、目の前で死なれて俺が何もしなかったせいで死んだっていう罪悪感に襲われるのが嫌だったからだ」
「お前・・・」
咄嗟に動いたからその時に何を思って動いたのかなんて覚えていない。だが目の前の人を救いたいなんていう立派な考えではなかったのは確信できる。何故なら俺は他人の死などどうでもいいと思っているからだ。自分と関わりのない人間が自分と関係のない場所でいくら死のうが構わない。ニュースなどで殺人事件を見ても可哀想だと思うのはその時だけ。数時間後には忘れている。そんな人間が他人である篠ノ之を助けたいなんて思うはずがない。
「更に付け足すなら篠ノ之は危険だと知っててあの場に行ったらしいじゃないか。危険を承知で行くなら自分の身くらい自分で守れ」
それを知っていれば俺は篠ノ之を助けなかったかもしれない。そう思ったがそろそろ織斑が殴りかかってきそうな状況なのでやめておく。
「・・・お前はそれでいいのか?」
「?」
俺が言いたいことを言うと今度は織斑が話し出す。
「せっかく守れる力があるのにそれを使って守ろうとしない。それでいいのか?」
「俺に何かを守る力なんてねーよ。さっきも言ったろ?実力不足だって。守れる力がありゃ真っ先に襲撃者を倒してるよ」
「・・・」
「それに結構言ったけど助けないことの前提は今回と同じ、つまり自分から身を危険に晒さないことだ。やむをえずにそうなったなら助ける・・・と思う」
「そこは嘘でも助けるって言いなさいよ・・・」
凰が呆れたように言う。
や、そこはさっき言ったとおりその時になってみないとわかんないって。
「まあとにかく俺が言いたかったことは自分から身を危険に晒したのなら助けないってことだ。それだけ覚えといてくれれば他は忘れていい」
「・・・わかった」
俺の言葉に篠ノ之は了承する。その言葉を聞いて俺は部屋に向かう。
結局オルコットは最初から最後まで空気だったな。
部屋に戻ると楯無先輩はいなかった。今回の襲撃やハッキングの件で忙しいのだろう。
生徒会長は大変だな。
俺はとりあえずシャワーを浴びて着替える。そして食堂に向かう。時間を見ると18時30分を少し過ぎていた。
とりあえず飯食いに行くか。
部屋を出るといつもなら2年生の食堂に向かうのだが、今日は珍しく1年生の食堂に向かった。
「あれ?天道君?」
「ういっす」
食堂に着くと声をかけられ見るといつもの3人がいる。
「珍しいね。1年の食堂に来るなんて」
「まあ先輩達は今回の襲撃の後処理で忙しいからな。1人で食うなら2年の食堂にいてもおかしいしこっちに来たんだよ」
「私達を誘ったりしないんだ?」
「時間がいつもより遅いからもう食ったと思ってた」
俺は話しながら食券を買って引き換える。
「ねえ、今回の事件のこと教えてよ」
「織斑先生に口止めされてるから無理だな。言ったら何されるかわかんないし」
「「あー・・・」」
正直言ってバレた時のことは考えたくねーな。焼き土下座とかさせられそう。
「てか本音は何も言わなかったのか?」
「うん」
意外だな。案外お菓子で釣られそうなもんだけど。
「私がいつもお菓子で釣られると思ったら大間違いだよ~」
「心を読まれた!?」
「だから天道君顔に出やすいんだって。私でもわかったし」
「もう少しポーカーフェイスができるようになった方がいいかな?」
ふむ、検討しなければならないようだ。
「あ、さっき本音にも言ったんだけど避難の誘導ありがとね」
「いや、それが仕事だから」
なんかさっきもこのやりとりしたな。
「それでも助けてもらったんだからありがとうだよ」
「そんなもんかね?」
「そんなもんだよ」
谷本さんと鷹月さんにそう言われる。それから雑談しながら食事を終え、3人と別れて部屋に戻った。
「あ、おかえり~」
「ただいまです」
部屋に入ると楯無先輩が帰ってきていた。事件について聞くと調べなければならないことはまだあるが、大体の調査は終わったとのことだ。
「それと助けて頂いてありがとうございました」
「いいのよ。それより初の実戦の感想は?」
「・・・試合以上にプレッシャーが大きかったです。俺が敵と戦ったのは数秒、いや、そもそもあれは戦ったとは言わないかもしれません。それでも銃口を向けられて死ぬかも知れないという恐怖を感じました。試合での殺気は相手を殺さないことが前提の殺気、でも実戦での敵の殺気は相手を殺すことが前提の殺気です。その質量はまるで違う。今回の相手が無人機なのにも関わらずあれだけの殺気を感じたんです。あれが有人だったらと思うとゾッとします」
感じたことをそのまま述べる。臆病だと言われても仕方ないことだ。だがここで嘘をついても仕方ない。むしろ嘘をついて変に期待される方が嫌だ。
「そう。それでいいの。ISは誰がどう見ても兵器。人を殺す力を持っている。それに恐怖を感じることは大事よ。でも感じ過ぎるのは良くないわ。少しずつ殺気に慣れていきましょう?」
「・・・はい」
少しずつでも確実に強くならないとな。ここにいる以上、今回みたいな襲撃がないとは限らない。その時に何もできずにただやられるなんて御免だ。
「それと・・・」
「? 何ですか?」
「いえ、何でもないわ」
「そうですか」
何かを言おうとして楯無先輩はやめた。俺も深くは聞かない。ただあの襲撃からずっと聞たかったことはあったので聞いておく。
「あの」
「ん?何?」
「無人機を蒼流旋で貫いた時、相手が無人機だって知ってて貫いたんですか?」
空気に亀裂が入った気がした。
「・・・何で?」
「あ、いや、なんとなくです」
嘘だ。俺はあの時、無人機を蒼流旋で貫いた楯無先輩にも恐怖を感じた。あの場では無人だろうが有人だろうが殺らなきゃ殺られる。楯無先輩のとった行動は正しい。正しいがやはり恐怖は感じる。
・・・怖がってばっかだな、俺。
他人事のようにぼんやりと思った。同時に情けなく感じる。恩人に対しても恐怖を抱く自分が情けなくて仕方ない。
「知ってたわ。状況把握のために織斑君と鈴ちゃんの会話を聞きながら動いてたから」
俺はそれを聞いて安心する。
知ってたのか。よかった。
「でも」
と、楯無先輩は続けた。
「相手が有人だったとしても私は同じことをした」
その言葉で俺の安心は崩れる。正しい答えのはずなのに俺の中で何かが囁く。
この人は人を殺せる。咄嗟にでも混乱してでもなく、己の意思で。
「私は生徒会長。生徒を殺されるくらいなら相手を殺すことを躊躇わない」
楯無先輩の考えは正しい。俺も賛成だ。殺らなければならない時もある。理解しているし納得もしているはずだ。はずなのに・・・。
怖い。命のやり取りが。人を殺せることが。
「私が怖い?」
「・・・はい」
「そう・・・」
楯無先輩は悲しそうな顔をする。当然だ。自分の時間を削ってまで面倒を見てきた人間に怖がられているのだから。切り出そうか迷っていたことが、楯無先輩の表情を見て固まった。
「だから俺に感情の殺し方と人の殺し方を教えてください」
「!?」
「俺は数少ない男性のIS操縦者です。狙われる側の人間です。当然敵は手段なんて選ばない。平気で人質をとる。その時に敵を殺すのを躊躇うような人間にはなりたくないです」
これは前々から薄らと考えていたことだ。例えば弾が人質に取られたらどうする?俺がおとなしく言うことを聞いたとしても確実に口封じのために弾を殺す。ならどうすればいいか。殺られる前に殺る。これくらいはできなければならない。躊躇いなく確実に仕留める。でなければ俺も含めてみんな死ぬ。それは避けなければならない。
「だからって人の殺し方なんて!!」
「殺し方を知るということは逆に救い方を知ることにもなります。重傷を負っても応急処置くらいは自分でできるようになるかもしれません。これは大きいです」
「でも!!」
「それにいつまでも恩人に恐怖を抱くなんて情けない状態でいたくないです」
「・・・」
「お願いします」
俺はそう言って頭を下げる。
「・・・わかったわ」
楯無先輩は少し考えると諦めたように了承した。
「本当ですか!?」
「決意は固いみたいだし、それだけに簡単には引かなそうだしね。・・・それにちょっと嬉しかったし」
後半は小声だったので良くは聞こえなかったがとにかく教えてくれるらしい。
「ただし条件があるわ」
その条件を聞いた俺は唖然とするのだった。
何故こうなった!?
後半の流れ雑過ぎ!!
これは改善待ったなしですねごめんなさい。
日にちを空けに空けて書いたらこんな感じになっちゃいました・・・。
当初こんな暗くする予定なかったんだけどな・・・。
本当、何でこうなったんだろう?
まあ矛盾やダメ出しが多いと思いますので感想欄でのお叱りをお待ちしています。
というより叱ってください!
このままだと本当にダメな気がするので。