高評価等反響ありがとうございます、これで更に続きを書く意欲が湧いて来ます。
オッタルの言った一言は酒場の人間が驚愕するのに充分な一言だった。
『俺に武術を教えて欲しい。』
と…
あの都市最強の戦士が名も売れていない青年に頭を下げ、教えを乞う。
それがどれだけありえない事なのか…オラリオに住む人間、神ならば全員が同じ反応をするだろう。
そんな一言を言われた張本人は。
「え~めんどう…」
「面倒⁉」
「そこを推して頼む…」
「お前まぁまぁ強いじゃん、それでいいんじゃないの?」
「俺は…最強であらねばならんのだ…」
オッタルの頭は微動だにしない。
しかし、涼介の反応も変わらない。
「リョウスケ君、どうしてオッタル君の頼みは断るのに、リュー君には教えるんだい?」
「あ~…アイツとコイツだと事情が違うだろ?」
「…それはそうだけど…せっかく誠意を持って来た相手に、リョウスケ君らしくないなって。」
「…」
「そうですよ~、少しは応えてあげたらどうです?」
「……」
少し思案する涼介、こいつは私欲の為に力を振るう者か?否、自分なりの誇りを以て振るう…
少し融通が利かないだろうが、そんなの元々武術を極めるのに必要ではない。
資格は…あるか。
「わか「ミア母ちゃん、来たで~」」
その言葉は酒場の扉を開ける神の一言に遮られる。
「よ、予約のお客様、ご案内ニャー‼」
茶髪の猫人(キャットピープル)が半分やけくそになりながら案内する。
ロキファミリア…このオラリオにて二大派閥と言われる派閥の片割れ。
入ってくるは屈強な戦士たち、しかしその二大派閥の片割れのメンバーを見ても、涼介は何とも思わなかった。
こちらを見る目が信じられないものを見るような目で見てきている…こっちは晒しもんじゃないんだが…あ、オッタル頭下げたまんまだからそら気になるわ…
「オッタル、頭上げろよ。」
「だが…」
「仕方ないから教え「リョウスケ‼いたんだ‼」」
二回目の遮り、少しイラっとするも彼は声の主を見る。
可愛らしい恰好をしたアイズが、目をキラキラさせながらこちらを見ていた。
「アイズか…」
「うん‼リョウスケもここに来てたなんて、嬉しいな…私の恰好どう?」
「まぁ…良いんじゃないか?年相応で、似合ってる。」
んふーと満足気なアイズと、面倒だな…という様子の涼介。
アイズの後ろに立つリヴェリアも涼介に声をかける。
「昨日ぶりだな、リョウスケ。」
「ああ、そうだな、リヴェリア。」
リヴェリア様を呼び捨て⁉なんてエルフ達が騒ぐが、有象無象でしかない彼らの言葉は彼には届かない。
そんな彼の態度にロキファミリアの面々の不満は溜まっていくが、彼は気にしない様子見せる。
「なんや?ジブン、見たことないけど…あんま強そうやないな。」
「…そうかい。」
「何だと⁉洗濯板が何を言うか‼」
「誰が洗濯板やねん‼ドチビ‼」
「そっちから喧嘩売って来たんだろ‼」
キャットファイト(片方は女に見えないが。)を始める二柱の神に盛り上がりを見せる場。
そんな二人を放って会話を始める涼介達。
「どうして猛者が頭を下げているんだ?」
「あ~それは…」
「俺が彼の弟子になる為に、頭を下げていた。」
「こらっ⁉そんな事を言うと…」
ゆっくりと首をその少女に向けると…満面の笑みで目をキラキラさせるアイズ・ヴァレンシュタインが居た。
とりあえずオッタルの足を軽い震脚で踏み抜いておく涼介。
「ぐう…」
「オッタルに武術教えるの⁉私にも教えてくれるよね⁉」
「え~やだ。」
「教えてくれる、よね?」
「え~やだ。」
「…教えて…?」
「え~やだ。」
アイズは涙目になり、いつ大泣きしてもおかしくない状態だ。
ロキファミリアの面子からは殺気が飛んでくるが彼は意に介さない。
「やはり、心が出来ていない…というのが大きいのか?」
「そうだな、今のこの娘に教えるのはリスクが大きすぎる。」
「俺はどうなんだ?」
「あ~…お前は教えてやるよ、ただ…貰うもんは貰うからな?」
「…⁉ああ‼」
「うう…リョウスケ…教えて?」
「え~やだ。」
涙ボロボロのアイズも気にしない、泣きたければ勝手に泣かせれば良い…自分の決定が絶対だ。
歓喜に震えるオッタルとの対比が酷い。
「ウチの子を泣かせるとは、少しこちらとしても苦言を言わなきゃならないね。」
「あ~?誰?アンタ。」
「僕はロキファミリアの団長、フィン・ディムナ。」
「…なるほどね、アンタが…」
「君が持つ、その力…それは誰にでも教えるつもりは無いのかい?」
「なるほど、誰にでも出来る技術を誰にでも教えられたら困るわな…安心しろ、俺も教える奴は選ぶ。」
なるほど…とフィンは彼を観察しながら頷く。
彼ならみだりに力をばらまく真似はしない…そう思わせるだけの説得力を感じ取れた。
強いな…フィンは彼に勝つことは出来ないと悟る、彼の今在る全ての見れる要素を見て、そう感じ取った。
「出来れば君とは良い関係を築きたいものだね…」
「それはこれからのお互い次第…ってヤツだ、ま…今日と明日の自分に乾杯ってとこか。」
「そうか…君はそういう人間なんだね。」
「何を辛気臭い空気出しとる‼飲めるか、ヒューマンの小僧。」
「まだまだかけつけ一杯だ、いけるのか?ドワーフの爺さん。」
「ガハハハッ、生意気で面白い小僧じゃ、飲み比べでもしようぞ‼」
「ガレス…」
「全く…キミと言うヤツは…」
「よっしゃ、飲み比べだ、勝ったヤツはオッタルから粗品もらえる事にしよう、いいな?」
「ああ、弟子として払わせてもらう。」
「よっしゃ、飲むぞ~‼」
最初は空気が死んでいたが、その内に盛り上がり、全員で賑やかに飲み食いするのであった。
「……」
「…今度ジャガ丸君奢ってやる、後似合うアクセサリーでも買ってやるから。」
「…約束だからね?でもなんでアクセサリー?」
「可愛い恰好して派閥の奴とでも出かけてみろ、そしたらなんかわかるかもな。」
「…リョウスケと出かけたい。」
「はいはい、わかったよ。」
なんてやり取りがあったかもしれない。
―――――
宴会の翌日、リュー・リオンはこれ以上ない位驚いていた。
朝、言われた廃教会に来た彼女を待っていたのは力をぶつけ合う涼介と猛者の姿。
「お、リューじゃん。迷わなかったか?」
「ぬう⁉」
「あの…戦っている最中では…?」
「あ~まぁただ今のオッタルの普段出せる力を見極めてるだけだから大丈夫。」
そう言いながら彼は片手間でオッタルの攻撃を受け止め続ける。
受け流すのでは無く、ゼロにして受け止める。
そうすれば周囲への被害は全くなくなる、しかしそれは片手間に出来るはずがない絶対の絶技、それを片手間でリューと話しながら彼はやる。
「強い…そんな次元で片づけられない…アナタはどれほどの実力を…」
「惚れたか?」
「なっ⁉馬鹿な事を…」
「オオオッ‼」
「あ、オッタルもういいからな。」
そう言ってオッタルに一撃を入れ、意識を刈り取る涼介。
そして活を入れて起こす。
「…生かすも殺すも自在…そんな技だな…」
「馬鹿言え、こんなの技の内に入らん。」
「恐ろしいものだな、どれだけの厚みがある…」
「俺も伊達や酔狂で元居た所で最強じゃなかったからな。」
「アナタに勝てる人なんて居たんですか?」
「ん~まずは俺が居た所の武術のグループについて説明からだなその話だと。」
涼介は活人拳と殺人拳の違いを説明し、自分が殺人拳の派閥でどのような位置に居たのかを説明する。
その達人達について話す彼の姿はとても楽しそうな表情だった…
「ふむ、国を一人で揺るがす達人…その全員から教えを受けるとは…」
「信じがたい…と言いたいですが先ほどの動きを見ればあながち嘘とも言えませんね…」
「ま、感傷だな…さて…ビシバシ鍛えるから、ついて来いよ、二人とも。」
「はい‼」
「…頼む…‼」
Q ヤツはなんでオッタルに教える事にしたんだ? 通りすがりの女神の戦車
A 彼の誠意にと三顧の礼じゃないですが、そんな感じのに負けた感じですね、浮ついた理由じゃなくちゃんと真面目に強くなりたい、そんな思いが伝わったとでも。
楽しめてる?
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面白いよ、このまま進め。
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もうちょい精進しても良いんじゃよ?