ベル・クラネルという少年は自分の辛い事にも向き合える本当は心の強い少年だ…愛する祖父の死、そしてオラリオに来てからのミノタウロスに追われたときも何とか走り出す事は出来ていた。
ベートの煽りは辛かったが今では多少は飲み込めている…その内割り切ることも出来るだろう…
涼介の修行が一番辛かった…それもなんとか押し込めた…しかし…
「頭が…頭が痛い…‼」
師匠…と憧れの少女、アイズ・ヴァレンシュタインがデートしているのは受け入れられなさそうだった。
絶賛脳破壊中であった。
―――――
時間を少し戻そう。
涼介とアイズは並び街を楽しむデートをしていた。
「リョウスケ、ジャガ丸君買って欲しいな?」
「いいぞ、お前はホントにジャガ丸君好きだな」
「ジャガ丸君は完全栄養食で味も美味しい完璧な食べ物だから」
「そっか~…まぁお前がそう思ってるならそれでいいが…油物食べ過ぎると肌に良くないぞ?せっかくこんなにキレイなんだから」
そういってアイズの頬を撫でる涼介に顔を真っ赤にするアイズ。
彼女はモジモジしながら聞く。
「私…キレイかな?」
「ああ、美の女神と勝負出来る位にはキレイさ」
「…ありがとう…」
甘々な空気を醸し出す二人を見ていたものは男は血涙を流し、女は自分もあんなこと言われてみたいな…なんて考えるのであった。
「ほれ、モジモジしてないで行くぞ。次は甘味を食いに行くか服買ってやるから。どっちがいい?」
「服が良いな、リョウスケが選んでくれる?」
「お~いいぞ、でももうそろそろ自分でも選べるようにした方が良いぞ?」
「…それじゃ、リョウスケが選んだのと私が選んだので両方買って」
「ははっ、おねだり上手になったな。了解、では行きましょうかお姫様」
そう言って彼女の手を取り歩き出すのであった。
―――――
ベル・クラネルは街を歩いていた、横には先輩であるリリルカ・アーデ、リュー・リオンの二人が居る。
疲れもマシになり、リリルカが甘味を食べたい…なんて言い出したので自分も相乗りさせてもらったのだ。
「リョウスケ様も一緒に来られれば良かったんですが…まぁ仕方ないですよね」
「あの人は女遊びが激しいですからね…今日もどこかの恋人と遊びに行ってるのでしょう」
「師匠はモテるんですか?」
「「モテます…」」
二人が首をがっくりと落としながら息を合わせる。
「何が質悪いって釣った魚に餌を与えるタイプだから質悪いんですよね…」
「それにデロデロになるまで優しくしてくれるから離れにくいというか…離れられないんですよね」
二人の言葉には実感が籠っていた、まるで実体験の様に…
「クラネルさんは真似してはいけませんよ」
「ベル様は…あ…でもハーレム作りたいって…」
二人が顔を見合わせ溜息をつく。
自分の言葉で変な空気になってしまったと思ったベルは話題を変えようとする。
「え…えっと、師匠は強いんですか?その、僕よりは遥かに強いのは分かるんですけど。他の人から見てどうなのかな?って」
「強いです、この街で最強と言ってもいいでしょう」
「リュー様の言う通りです。リョウスケ様はロキファミリアとフレイヤファミリアの皆さんに教えを乞われ、その方達が未だに一本取れない程には凄いです」
「ええ⁉」
ベルには信じられなかった。ベルが街の人から聞いたのはロキファミリアは最優、フレイヤファミリアは最凶…だったからだ、そんな二大派閥の人間に教えるという事がどれだけ凄いのか…ベルには計りきれなかった。
「でも師匠のレベルは2じゃなかったでしたっけ?」
「あの人の教えてくれる『武』の前にはレベルも関係ありません」
「ベル様の憧れのアイズ様もあの人の弟子だったんですよ、今もアイズ様は弟子だと言うでしょうが…」
「アイズさんが⁉」
憧れの彼女が彼から教わっているという…それは信じられなかったが…
『一応アイツに色々(武術の手ほどき)教えたしな』
そんな彼の言葉が思い出される。
リューは考え込むベルを気にせず続ける。
「ですのでクラネルさん、アナタはとても不幸な事があったかもしれないが幸運ではあります。他の派閥では絶対に行けない高みに到達できる可能性がある」
「高み…それは英雄とかってことですか?」
「ええ、ですがその為には今は英気を養い次の修行に備えなければなりません。なので…はい」
リューはとても優しい、いい笑顔でクレープを渡す。
その笑顔にベルは見惚れてしまう。
「奢りです。アーデさんの分もありますよ」
「ありがとうございます、リュー様」
「いえいえ」
味が分からない、とても眩しいその笑みに彼は焼かれていた。
そんな事を考えているベルを放置してリューとリリルカは話し合っている。
そんな彼らの視界に涼介とアイズが二人腕を組んで歩いてるのが映る。
アイズの服装は年頃の女の子らしく、可憐な格好だ。
白のワンピースに麦わら帽子、とても美しくすれ違った者たちは振り返らない者がいないほどだ。
「よう、三人ともこんな所に居たのか。偶の甘味タイムか」
「そうですよ、リョウスケさん。あなたは剣姫とのデートですか?」
「ああ、アイズに声かけられてな。そっからデートしてた」
「デートしてた」
ムフーと言う擬音が聞こえてくるかのように満足気なアイズ 脳破壊ポイント 1pt加算
「その服は?アイズ様がそういうの着るのは珍しいですね」
「買ってもらった、私が選んだのとリョウスケに選んでもらった二つを。これはリョウスケの趣味」
「趣味っつーか似合うだろうなって考えただけな。別にこういう穢れ泣き乙女を自分で汚すの中々悪くないな~とか考えてないからな?」
「語るに落ちてますよ、リョウスケ様」
服装を見たてて自分の好きなように着せ替えする 脳破壊ポイント 1pt加算
「クレープ美味しいね、リョウスケの方のも食べてみたい」
「あ?良いが」
「ん」
パクリとリョウスケの食べかけのクレープを食べ、間接キス 脳破壊ポイント100pt
「し」
「し?てかベル喋らなかったのどうし…」
「師匠のバカぁ~~~‼」
その場から走り去るベルを見、アイズはこの前の少年だと気づく。
謝ろうとしたがその頃にはベルはこの場からいなくなっていた。
「リョウスケさん…」
「リョウスケ様…」
残った二人の表情が涼介を非難するモノに変わる。
「ん~流石にベルの前ではちょっと酷かったな…でもなぁ…」
自分が誰かとデートしたかったのは事実だが、落ち込んでいた彼女を元気付ける為にデートした側面もあった…
あちらを立てればこちらが立たず。まさに言葉の通りであり、一概に自分だけが悪くないと考えても良いのではないだろうか?
そんな彼の次の言葉は…
「とりあえずバカっつったから修行もっと厳しくしてやる」
「「やめてあげて⁉」」
「…?」
流石に可哀そうだと思ったリューとリリルカは止めるだけの優しさは有った。
愛、愛ですよ。
楽しめてる?
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面白いよ、このまま進め。
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もうちょい精進しても良いんじゃよ?