怪物祭から数日、ベルは強くなっていた…前の様に浮ついているのではなく、真っすぐ取り組む事を出来る様になったからであろう。
それを見て微笑ましくなるのはヘスティアファミリアの内の三人。
涼介、リュー、ヘスティアの三人だ。リリルカは…悔しがっていた。
(どうしてベル様は才能が私より無いと言われているのに私の時より伸びが良いんですか…リリも才能ある方ではないとは言われたけど…)
悔しかった、大好きなこのファミリアで自分が一番の足手まといになるのではないかと…
自分の無力のせいで彼らを傷つける事になるのではないかと…
リリルカは滑車の中で転んでしまう。
「リリ⁉大丈夫か?」
涼介が駆け寄り手を差し伸べるもその手を跳ねのける。
「リリは‼アナタのペットじゃありません‼」
そう言って彼女は槍を手に持ちホームから走り去る。
涼介は掴めなかった手、空の手を握る…
「俺は…リリをペット扱いしていたか…?」
「アナタにしては珍しくとても大切に…壊れものを扱うように対応していたと思います…」
「それが結果的に自分はペットだと思ってしまう…か…俺はダメな奴だな」
「そんな事ないよ‼キミが居たから助かった人も沢山居る筈なんだ‼」
「でもリリは助けられなかった…俺の想いは通じなかった…少し頭冷やしてくる、このままアイツと会っても碌な事に成ら無さそうさそうだ…ベルの事はリュー、代わりに頼む」
そう言って涼介は力なく去っていく。
「…珍しいね、リョウスケ君が女の子の怒る所踏むなんて…」
「確かに、酒飲んでリヴェリア様の年齢を弄って本気で怒られた時以来ですね…」
「師匠そんな事やってたんですね、ロキファミリアの人に怒られなかったんですか?」
「他のエルフもヤバイ位怒ってましたが…全部なぎ倒してましたね」
そんな事していたんだ…なんて考えるベルをお構いなしに修行器具のスイッチを入れるリュー。
「まぁあちらはリョウスケさんに任せましょう、こちらは修行ですよクラネルさん」
「わ、解りましたぁ‼ゲフッ⁉」
「べ、ベル君、ガンバだよ‼」
ヘスティアの応援とリューのしごき、それによってベルは益々磨かれていくのであった。
―――――
涼介の部屋にて。
「何やってるんだろ…いくらアイツと被るからってそんな事しても誰も喜ばない筈なのにな…」
過去を思い出す。
『涼介、アナタは私に優しくしすぎ。他の子にも守る優しさ分けてあげて』
『でもよぉ、今の俺が優しく出来るのはお前だけだよ』
『アナタはそれでいいのかもしれない…けどね、守られている側の気持ちも考えて?』
『守られている側の気持ち…?』
『守られている側もね、アナタを守りたいのよ』
『でもお前体弱いじゃん』
『それでも…よ』
「それでも…か。俺にはまだわからんのだろうね。でも今を生きてるのは事実…ちゃんとしないとな」
彼は立ち上がり出かける準備をする。
「なんか嫌な予感がするんだよな…でも行かないとな。迎えに行かないと…」
部屋を出る。
部屋のベッドの傍らには涼介の付けていたロケットが落ちていた。その中には一人の少女と彼が映っており、とても幸せそうに笑い合っていた。
―――――
街の喧騒の中、リリルカは一人ダンジョンに向かっていた。
その背はとても小さく、今にも壊れてしまいそうにも思える。
その背に声をかけるモノが居た。
アイズ・ヴァレンシュタインとヒリュテ姉妹。
「リリ、どうしたの?一人で落ち込んでるみたいだけど」
「落ち込んでたらだめだよ、リョウスケがその原因になった人ぶっ飛ばしちゃうじゃん」
「確かに、アイツの場合その原因が悲惨な目に遭いそう…」
あはは…とリリは苦笑しながら答える。
「実は…その原因がリョウスケ様と喧嘩してしまいまして…」
「「「ええ⁉」」」
涼介とリリルカが喧嘩…信じられなかった、トラブルが起きるのが全く予想できない二人だからだ
「何があったの?リョウスケと喧嘩するなんて本当に無い事じゃない?」
「相談のるよ、私達に出来る事なら手伝うよ‼」
「まぁリリには色々手伝ってもらったから、私も相談に乗るのはいい事だと思うよ」
「ありがとうございます。皆さん…」
自分は優しくされるだけじゃなくちゃんと厳しくも扱って欲しい…甘やかすだけじゃペット扱いと変わらないと言う事を三人に話すリリルカ。
「贅沢な悩みだけど…あの可愛がり様で出来るかしら、アイツがそんな事」
「リョウスケのリリを可愛がるのは他の子とは違うもんね、たまにならああいうのも悪くないかもって思うけどずっとはねぇ…」
「リョウスケの甘やかし…羨ましい…」
三者三様の感想を述べる、そう…ティオナの言う通りたまになら嬉しいのだ…しかしずっととなると自分がどういうつもりで甘やかされているのかわかりにくくなり、怖くなるのだ。
涼介がちゃんと意図を説明していないのが悪いのだが…まぁこれまでそんなに失敗しないというか、リリルカ以外に同じような扱いを一人しかしなかった為に解らなかったのもあるのだ。
「リョウスケ様は怒っているでしょうか…でもリリも悪かったですが、リョウスケ様も…」
「アンタだけが悪いとは思わないけどね、ちゃんと話した方が良いんじゃない?」
「喧嘩したならちゃんと話し合わないとだね~。一応リョウスケは強いから大丈夫だろうけど喧嘩別れしてそのまま会えない…なんてあるんだし」
「リョウスケの甘やかし…羨ましい…」
ティオネとティオナは諭す、仲直りした方が良いと。
アイズは…アイズはいつもの…ですね。
「皆さん…ありがとうございます。もう一度あの人と話し合ってみようと思います」
「その意気だよ、リリ‼」
「リョウスケじゃないけど、アンタは笑ってないとね」
「リリ、頑張ってね」
「「アイズがちゃんと応援した⁉」」
急なアイズの変化に姉妹は驚くもアイズは頬を膨らませ拗ねる。
「あはは、皆さん…それじゃリリはここで失礼します。リョウスケ様を探さないと」
そう言って彼女は走り去るのであった。
原作であったリリの仲間イベントの代わりにこれを突っ込みました、これが終わったら魔導書とか渡したり色々ですね。
楽しめてる?
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面白いよ、このまま進め。
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もうちょい精進しても良いんじゃよ?