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廃教会の地下、居住スペースでは一人の少女が眠っていた。
気持ちよさそうに眠る彼女は夢の中で、唯一の眷族である青年と甘い生活をする夢を見ていたのだが…
不意に鼻を摘まれ目が覚める。
「ふみゅう、アレ?犬耳付けたリョウスケ君がボクに抱きついてじゃれてた筈では⁉︎」
「絶妙な気持ち悪さだな、てかヘスティアは処女神だろ?そんな爛れた感じで良いのか?」
少し引きながら彼女、ヘスティアを起こしにきた彼は鵲涼介。
二人は昨日紹介された廃教会の片付けをして眠っていたのだが…
「つ〜か、ヘスティア…お前の寝相悪すぎだろ、俺三回位ベッドから蹴落とされて寝れないから明け方に朝メシの材料買いに行く位だったんだが?」
「うぇっ、それはごめんよ…可笑しいなぁ…ボクそんなに寝相悪かった?」
そう、最初はヘスティアを抱きしめ、気持ちよく眠っていた涼介は三回ほどヘスティアに蹴落とされ、色気もへったくれもなく…朝の鍛錬の為に外に出るつもりの時間よりずっと早い夜明けに買い物に行くことにしたのだ。
「今日から俺、ソファー買ってきてソファーで寝るから。」
「そんな⁉︎リョウスケ君のカチカチ筋肉めちゃくちゃ寝やすかったのに⁉︎」
「…お前、ホントに処女神?」
貞淑な神とはなんだったのだろうか?などと考えるも、もう一人出会った処女神の彼女はまぁまぁ貞淑だったな…なんて考える涼介。
「てか朝メシの冷めるからさっさと顔洗ってきな、並べとくから。」
「朝ごはん作ってくれたの⁉︎悪いね、明日は早起きして作るからね。」
「…期待してる…」
軽快に洗面所に歩いて行くヘスティアの姿を見ながら、死にたくないから料理はちゃんと教えるか…などと考える涼介は食事を並べる為にキッチンへ向かうのだった。
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「リョウスケ君のご飯はやっぱり美味しいなぁ、ボクにも教えてくれるかい?」
「ああ、ヘスティアには覚えてほしいな、俺もヘスティアの作る飯食いてえからな。」
「やっぱり美少女の手作りご飯には憧れるのかい?」
「自分で美少女…まぁ、誰かの手作りは良いもんだからな。弟子は居たけどそいつ料理作らせたら炭が出てきたからな…」
「そっか、頑張って作るよボク‼︎」
チョロい…と口に出そうになるのを我慢してヘスティアに笑みを向ける涼介。
彼にとっては誰かが作ってくれるのは嬉しいのだが、炭や訳のわからん芸術めいたマズメシは食いたくない。
なので煽てて良い気持ちにして、自分がプロデュースする、それが彼なりの切実な思いであった。
食後のお茶を飲みながらヘスティアが切り出す。
「そろそろダンジョンに行きたいんじゃない?だったら恩恵刻まないとだね。」
「確かに、恩恵なしでどこまでやれるのか気になるけど、ヘスティアに心配はかけたくないからなぁ。」
うんうんと嬉しそうにヘスティアは頷き、言葉を繋げる。
「どんなにボロボロになっても…それでも帰ってきて欲しい…ボクを独りにしないでおくれ。約束してくれるかい?」
「約束する、ヘスティアを独りにしない…だから、そのための力をくれ。」
「うん、それならボクからキミに渡せる力を渡すよ。寝室に行こうか。」
—————
うつ伏せにベッドで横になる涼介と、それに跨り片手には針を用意するヘスティア。
恩恵を刻む、それは魂の繋がりを作る儀式。
それは新たなる神の眷属を作る儀式。
正しく言うならばこの儀式を行うまで、正式な眷族ではなかったのだ。
そして…新たな神の眷属が生まれる。
ヘスティアは予めの知識通りに彼の背中に彼女の血を走らせる、そしてステータスとスキルを書取り…
「これは…」
「どうしたヘスティア?変なところ有ったか?」
「違うよ、凄いスキルが有るんだ、キミに相応しいヤツがさ。」
そう言って差し出された紙を受け取り彼は読む。
鵲•涼介
レベル:1
力 I 0
耐久 I 0
器用 I 0
敏捷 I 0
魔力 I 0
スキル
八皇断罪刃
武器での戦闘時時、全てに超高補正
一影九拳
素手での戦闘時、全てに超高補正
なるほどな…と涼介は考える
自分は結局のところ殺人拳だと言う本性を抜けれてないのだと。
自分の魂や思い、その他の要因がスキルに発現するのは聞いた、ならば何故闇抜けしたのにこの様な在り方なのか…
「いや、このままでも良いのかもな…」
「リョウスケ君、どうしたんだい?何かボク失敗しちゃってたかなぁ?ヘファイストスに聞いた通りにやったんだけど…」
不安そうに涼介を見つめるヘスティア、しかし涼介は笑いながら間違えてない、と答える。
「いや、ヘスティアは悪くない、俺がネガティヴに考えてただけだ。安心してくれ…お前は間違えてないさ。」
「なら良いんだけど…その…スキルの名前ってキミが元いた闇って所のメンバーの名前なんだろ?どうしてキミは人を殺めるのを辞めようとしてるのに発現したんだろう…」
「ま、強いて言うなら感傷…だな。」
分からず首を傾げるヘスティアの頭を撫でる。
「さ、一日はこれからだ、今日はヘスティアもバイト探すんだろ?準備して出掛けないとな。」
「うん‼︎そうだね、リョウスケ君、ボクも頑張るよ…だから、キミも無理しないでおくれよ。」
「ああ。絶対に無事に帰るさ。」
二人はいそいそと準備を始めるのであった。
—————
バベル、世界で唯一ダンジョンが有る、とても大きな巨大な塔。
色んな人がその中に入って行く、武装した人間が多いのはダンジョンに潜る冒険者が多いためであろう。
今朝も視線を感じたが、涼介はこれを無視する事に決めた。
暇なんだな…なんて考えて答えの出ない問題は放置する事に決めた。
冒険者登録の為にギルドの受付に並び、順番が来た為に受付の前に立つ。
「冒険者登録したいんですけど。」
「新しい冒険者登録ですね、私はローズ、貴方の担当になります。何か質問はありますか?」
丁寧な言葉遣いと裏腹に、心情はまたか…と言う思いのローズに対して、その心境を読み取ったが、気にしない事にした涼介は問う。
しかし、少し彼を観察したローズはハッとして、態度を変える。
「潜る階層とかの制限はあるのか?それなら聞いておきたい。こっちもルールは守っておきたいからな。」
「担当…アドバイザーと呼びますが、アドバイザーと相談しながら少しずつ増やして行く形です、最初は…そうですね、3階層までと言った所がポピュラーですね。」
「そっか、わかった…魔石についてだけど、持ち帰れない分は砕くんだっけ?」
「はい、砕かなければ魔石を捕食した魔物が強化種になる可能性が高くなるのでよろしくお願いします。」
「了解、んじゃちょっとひと潜りしてくるよ。ありがとね。」
「いえ、それでは。」
そう言ってダンジョンの入り口に歩いて行く涼介を見送るローズであった。
—————
魔物達の死体が積み上がるかの様に魔石が積み上がって行く。
刀と技を使うまでも無く、持ち前の身体能力で魔物を屠る涼介。
しかし心中は余裕の表情と裏腹に複雑であった。
彼の心中の多くを占めるのは戸惑いだった。
神の恩恵、その力は莫大なもの…本来戦闘員では無い一般人ですら恩恵を持たない者との差は隔絶したものとなる。
そんな力を元々莫大な力を持つ涼介が手に入れれば…
「こりゃ、しばらくは慣らしに時間かけないとだな、そのまま使ったら階層ごと更地にしちまう。」
そう、彼は手加減を覚える必要性が出てしまった、そしてその調整も。
「しっかし、こんだけ強い力でレベル1か、そら高レベルは全能感ヤバいだろうな。」
戦うのが楽しみだ…なんて考える様になる彼もまたバトルジャンキーのケがあるのだろう。
そうこうしている内に、魔石の山が積み上がっていた。
慣らしとしてはまだ足りないが帰るのにはちょうど良い頃合いになったな…などと魔石を持ち込んだ袋に詰めて行くのだった。
—————
「で?アンタは俺の監視はまだ辞めないのかい?」
自分が入ってきた、地上に向かう方向に対して言葉を紡ぐ涼介。
「正直面倒なんだよ、用件があるならさっさと言うんだね、俺が紳士的な内にさ。」
それに応えるかの様に一人の猪人が大剣を携えながら歩いてくる。
「…やはり、気付くか。」
「当然だろ?朝から不躾な視線が二方向から感じた。結構我慢してたんだぜ?」
「貴様のその力、試しに来た…と言ったら?」
「んーそうだね…」
濃密な殺気が溢れる、並の実力者では殺気だけで呼吸できなくなるほどの濃密な殺気。
そんな殺気を浴びた猪人、オッタルの心中は歓喜であった。
続けて放たれる言の葉。
「死なないでね、俺は殺すつもりは無いんだ…ただ、慣らしは終わってないから…」
殺気がさらに増す。
「好きだったゲーム風に言うなら…難易度ルナティックってとこかな?」
オッタルは我慢できずに駆け、二人の影はぶつかり合った。
涼介君はサブカル大好きでした、師匠達に布教しようとして失敗するのがいつものパターンでした。
Q リョウスケ君はモテてたのかい? 質問者通りすがりの紐神
A アホほどモテてました、元恋人がいたにも関わらず、師匠達だけで無く弟子クラスのからもモテまくってました。
鈍感系でも無いので、ハーレム築いていても周りはやきもきしなかったのと、血を残す為に都合がいいと思われてました。
Q ローズ達は賭けを涼介に対して賭けをしていますか? 質問者通りすがりの冒険者
A していますが、ローズは生き残る方に賭けました。
楽しめてる?
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面白いよ、このまま進め。
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もうちょい精進しても良いんじゃよ?