マジでありがとうございます。
オッタルとの戦いです、上手く書けてれば良いんですが…
一応10話目までは書きあがってます、毎日投稿しますのでお楽しみください。
斬撃の応酬、片や大剣を自分の膂力一杯に振るうオッタル。
対するは柳のように斬撃をコンマミリ単位で調整しながら振るう涼介。
二人の戦いは頂点を決める…そんな戦いだったが、その様子は違っていた。
「おいおい、いつから自分が待ち構えている側、試せる側だと思っていたんだ?せめて一つは技使わせてくれよ。」
「…フーッ。俺は全力を出しているつもりだが…お前はまだまだだと言うのか…」
「そりゃね、『気』を使ってないんだから、ルーと具材無しのカレーみたいなもんさ。」
「ここまでの差を感じたのはゼウス・ヘラファミリアがいた時以来だ。」
「ふーん、そいつら強かったの?」
「ああ、後にも先にもあんな連中は二度と現れまいと思っていたが…だが、俺にも負けられない理由がある‼︎俺はお前を超えよう‼︎」
【銀月(ぎん)の慈悲、黄金(こがね)の原野】
オッタルは歯を食いしばり呪文を詠唱する。
全てを出し切る…本来の女神の命令に背き、心の底からの渇望に身を委ねる。
凄まじい魔力の奔流、しかし涼介は落ち着き払い、思考する。
今オッタルを倒すことは容易い、いくら対策しているとしても、これだけの力の出力をするのには隙が出来る。
自分ならその隙をつき、オッタルを完全に倒すことができるだろう。
しかし、それは変身中のヒーローを倒すのと同じ…絶対的な勝利では無く、狡っからい勝利だ。
正直技を使わ無くても対応は容易いが、それでも良いのか?と心の中の武の心が叫ぶ。
相手が全身全霊ならばこちらも手は抜かない…少なくとも技を使うくらいなら良いだろうと告げてくる。
【この身は戦の猛猪(おう)を拝命せし】
「なぁ、オッタル、お前なら死ぬ代わりに技を喰らうのと、技なしで対応されるのどっちが良い?」
それを聞いたオッタルは笑った。
馬鹿なことを聞くな、俺を殺す気で来い…と。
武の心は持ってる…か。
ならこれ以上は無粋だな。
そう思い、二刀を交差させて構え、気を解放する涼介。
オッタルは目を見張る…これがこの男の技?
心が震える、恐ろしい程の圧を感じるのに、自分は歓喜している…それがわかった。
そしてオッタルが自分の最強最高の技を出す為に言の葉を紡ぐ。
【駆け抜けよ、女神の神意を乗せて】
「喜べよ、達人連中でもこの技見れるのは少ない、誇れよ。」
涼介の身体と刀の境目が無くなる、まるで一体化するかの如く、影が一つになる。
「ヒルディス•ヴィーニ‼︎」
オッタルが魔法を唱え、全身全霊の一撃を振るう。
それは階層丸ごと包み込むほどの一撃だったが…
「心刃合練斬(しんとごうれんざん)」
全てを叩き潰す一撃が飲み込まれる。
そこでオッタルの意識は消えるのだった。
—————
その戦いを見たのはアイズ・ヴァレンシュタインとリヴェリア・リヨス・アールヴに取って偶然だった。
アイズがダンジョンに行きたい、と駄々を捏ね、無理しないようについて行くリヴェリアだった。
その帰りに三階層の端、誰も来ない…いや、誰もがその戦いの気配を感じ取り、巻き込まれない為に別階層に行く中、二人は誰が戦っているのだと見に来たのだ。
そこでは見知らぬ青年と、オラリオ最強のオッタルが戦っていた。
強い冒険者とは名が売れ、強いと評判になる為、古くからこの街に居る彼女たちが知らない冒険者とは駆け出しだ…
彼女達は止めようと思ったが、様子を見るとオッタルは息が切れ、もう片方の青年は息一つ切らしていなかった。
彼女達の様な冒険者に取って未知とは甘美なものだ…オッタルの全力の一撃の時は離れようとしたリヴェリアだったが、テコを入れても動かないアイズに自分の防御魔法の詠唱が間に合わないとわかった時は死を覚悟した。
しかし蓋を開けてみれば、青年が白く光って動きが一瞬見えた次の瞬間には破壊の一撃は霧散し、後に残るのは倒れるオッタルと、さして疲れた様子も見せない青年だった。
彼に向かって走っていくアイズを止めれず、次の瞬間アイズが一言。
「私と戦って下さい‼︎」
リヴェリアは白目剥いて倒れそうになるのを抑えるので必死になった。
—————
オッタルを心刃合練斬でぶっ倒したと思ったら金髪の可愛らしい女の子が戦ってくれ、なんて声かけてきた。
そんな訳のわからない状態になった涼介は首を傾げるしか出来なかった。
オッタルの治療先にしてやれって話だが。
涼介は技の調整をミスってないから死なんし良いだろ…なんて思ってた為に、本人は慣らしが出来て良かった、位にしか考えてない。
アイズは聞こえてないと思ったのか「私と戦って下さい‼︎」なんてもう一度言う始末。
「いや、聞こえてるから…まず俺は君が誰かも知らんのだが?」
「私はアイズ、アイズ・ヴァレンシュタイン‼︎名前も知ったし良いでしょ?」
違う、そうじゃ無い…なんで普段なら止めるはずの保護者のリヴェリアはダウンしている…ストッパー不在なのだ。
「君が…俺と?」
コクンコクンと力強く頷くアイズを見る涼介。
(自分で戦おうって言っときながらこの子弟子クラスか、良く言って妙手なんだが…)
彼女の目はキラキラと子供特有の欲しがってる目だった。
そんな目を見てたじろぐ涼介。
その目はまるで…『オー、リョウスケノ子供欲シイネー‼︎ベッドデハオウイェースッテ言ッタ方ガ良イデスカ〜?』
なんて妹弟子に言われた時以来の目だったからだ…
そしてその掛け声はやめて差し上げて下さい、涼介のリトル涼介が立てなくなるのだ。
彼女を宥めるのですら大変だったのに、もっと聞き分けなさそうな子供、対応に困ると言うのが本音だった。
それに、達人である涼介にとっては弟子クラスや妙手クラスと戦うのは良くない事だと思っているのもあり、どう答えるのが正解か…などと考えていた。
普段の彼ならば、弱い奴とは戦わん…なんて言っていただろう、しかしこんなに目をキラキラさせている少女に、お前弱いんだから強くなって出直してこい。
などと言える程涼介は人の心を失っていなかった。
ゴチン、と音がする程に勢いよくアイズの頭に拳を叩き込むのは再起動したリヴェリア。
半泣きになるアイズを横に挨拶をする彼女は手を差し出す。
「すまない、ウチの子が迷惑をかけた。私の名はリヴェリア・リヨス・アールヴ。リヴェリアと呼んでくれ。」
「ああ、助かったよ、俺の名前は鵲涼介…よろしくな。」
彼女の手を取り、握り返す涼介。
「して、君は見た事ないのだが、外で冒険者をやっていたのか?さぞ名のある冒険者だろう、私としたことが情報不足でな。」
「いや、俺は今日の朝に恩恵もらった新人だよ。」
アイズとリヴェリアは驚きで目を丸くする。
アイズは先ほどのキラキラした感じの目に爛々とした様子を混ぜた目になる。
それはまるで欲しがっていたトランペットだと思っていたら更にもっと良いものを手渡されたかの様な目だった。
「だが…それならば、君はレベル1で猛者を倒したのか…?ありえない…」
「ありえないって言われてもな…さっきまで見てたのは二人だろう?それにここに証拠が。」
そう言って倒れているオッタルを指差している涼介を見て、胃がキュッとなるリヴェリアだった。
レイチェルさんに迫られた時の涼介君は蛇に睨まれた蛙の様だった…などと弟のイーサン君はディエゴとセロラフマンに語りました。
当然ディエゴは大爆笑してました。
ラフマンは美味しいご飯を涼介君にご馳走したそうです。
ちなみに、二話の時にモンスターに技使っといてなんでこっちだと出し惜しみしたのかと言うと、技とは殺すもの、そして磨くもの…
と言うのが涼介君の根底にあります。その為に殺さない為、そして不慣れなズレを直す為にオッタルに死んでも良いか?と聞いた訳ですね。
楽しめてる?
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面白いよ、このまま進め。
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もうちょい精進しても良いんじゃよ?