戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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63時間目 Force

 

〜ナツルSide〜

 

 

オッス、おらナツル。いやーさっきはえれえ目にあったぞ。

 

 

結論から言うと、フェイバリットも決め台詞も編み出す必要はなくなった。

お化け屋敷を無事に途中退出(ギブアップ)したので、呂布ちゃんが俺の右腕から離れてくれたから。

 

しかし全てが解決したということはない。

というのも、解放されたにもかかわらずどうにも腕に違和感が。

 

なので軽く触診(モモさんと試合を繰り返すうちにちょっとした異常なら発見できるようになった。覚えたくなかった悲しい特技だ…)してみれば、

 

右の上腕骨が圧迫骨折起こしていた。違和感あるわけだよ。

 

 

「腕の骨折を違和感で片付けるのはどうかと思うぞ」

「ナツルくんさっき右手真っ黒だったよ…?」

「現在進行形でえらい目にあっている俺」

 

血が通ってなかったからね。そりゃあどす黒くもなるよ。

今は若干血の巡りが戻ったから紫色に改善(?)されている。

 

 

……この腕、さっきまで呂布ちゃんの豊満すぎるボディに全力で絡まれてたんだよなぁ…

 

 

ぎっちりと締め付けられた感触しか思い出せない。クソが。

 

あと俺は週一で最低一本は骨を折っている。主に川神院で。

悲しい日常だ。

 

「流石にこの状態で学園祭回るのは無理だな。一旦治療して貰おう」

 

いや正確には無理すればいつも通りに腕を動かす事は可能だ。

 

川神流には"気"を使うことで不自由になった身体でも思い通りに動かすことが出来る技があるらしい。(ワン子情報)

その存在を教えてもらってから俺なりにアレンジして習得してみた。

 

乱装天傀!

 

だだ"気"が尽きたら動けなくなる。しかも使い続けると半端なく疲れるので、できれば使いたくない。

 

 

「というわけで保健室に行きたいんだけど…呂布ちゃんいい?」

「……(こくり)」

 

今度は駄々をこねず素直に首を縦に振る。

 

あら意外。てっきりまた拒否されると思ったのに。

さっきまであんな頑なに保健室に行くのを嫌がってたのになぜ今になって―――はっ、ま・まさか…俺を気遣って!

 

そもそもキミが負わせた怪我なんだけどコレ。

 

もしかしたらただ単純に体調の限界がきたのかもしれない。まだ顔色悪いし。

 

「二人もいい?」

「ああ」

「はやく行こ?ナツルくんも呂布ちゃんも辛そうだよっ…」

 

辛そうって…俺は大丈夫だけど……なんか…うーん。

 

今まで骨折級の大怪我しても「ナツルだから」で流されてたからな、こんな本気で純粋な心配されるとなんか…なんだ。

 

ものすっっごい違和感が。

 

…………悲しい日常だ…

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

・保健室

 

 

キィ  キィ  キィ……

 

 

(ガタンッ)「ひま、でございます」

 

「学園祭期間中だというのに、来られた方は数えるほど…これではお出迎えに吊るしたフロストくんがムダになってしまいますわ」

 

「…数が足りないのでしょうか?」

 

 

 

「…………」

 

保健室の扉についている窓から中を覗いてみれば、ナースコスの女が回転椅子に座りながら暇を持て余していた。

 

かと思いきやいきなり立ち上がり、青い帽子をかぶった雪だるま型の人形を天井からロープで吊るし始める。なんだこの猟奇的な空間。

 

「…すまない呂布ちゃん、俺が間違っていたよ」

「……?」

 

頑なに保健室に行くのを拒否していたのはこの危機を本能的に察知していたんだろう。それに気づかず俺ってやつは…!一度ここに来たって言うのに……!

あの教員(?)の存在をすっかり忘れてた。

 

 

「逃げるぞお前ら、ここは人間がいていい空間じゃない」

(ガラッ)「お待ちください。ケガ人ですよね?」

(ガシッ)「ひぃっ!?」

 

踵を返した瞬間、突如保健室の扉が開き左手を掴まれる。

不覚にも悲鳴が出てしまった。だって怖いもん。

 

「おや?おやおやおや?」

 

俺の手を掴んだまま扉を完全に開いて姿を現したエセナースは、なぜかその場にいる人を指差し、

 

「玲さま、善さま、そして瀬能さまではありませんっか!このようなところでお会いできるなんてこのエリザベス、感ッ無量ッ!でございます」

 

大袈裟に喜び始める。

 

 

「え、キミら知り合い?」

思わず玲ちゃん善くんに話しかけた。

 

俺は一昨日来たから顔と名前知られてるけど。

つーかそのときはこんなリアクション取らなかったぞ。

 

 

「いや、初対面のはずだが…玲はどうだ?」

「えっと…わたしも、あったことないはず…です」

「おや?…そういえばまだ顔を合わせたことはございませんでしたね」

 

ただの電波やないけ。

 

なんか前にもこんなやり取りしたような気がする。なんで名前知ってるんだ?

 

「そんなことよりもケガの治療ですよね。詳しく診察いたしますので中へどうぞ」

「え、いやその、保健医さんの手を煩わせるほどでは――」

「まあまあまあ瀬能さま!保健医などとそんな他人行儀な。わたくしのことはどうぞ、エリザベスとお呼びください」

 

そう言いながらも保健医――エリザベスか――はグイグイと室内に俺を引き入れる。

 

今更ながらここに来たことを後悔してきた。嫌な予感が止まらない。

 

果たして俺は瀬能ナツルのまま再びこの扉を通過することができるのだろうか。不安だ。

 

 




■乱装天傀
 ブリーチ。無数の糸状に縒り合わせた霊子の束を身体の動かない箇所に接続することで傀儡の様に強制的にその部分を動かすことを可能にするとか。

P3よりエリザベスさん登場。他の力を司る青い従者たちとは違い積極的に主人公に絡むスタイル。そこに痺れるるるるるるっ!(物理的)

ナースコスが見たい方はペルソナQをプレイしよう。
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