戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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※ナツルをはじめ、四人全員『THE長鼻』の店長が誰でどんな人物か知りません。



77時間目 アルカナ〜

 

・引き続き木造校舎 廊下

 

「このヤブ占い師めー!」

 

有る事無い事言って疑惑を植え付けた女(店から顔すら出さないから本当にそうかは分からないが…)に向かってヤジを飛ばす。

 

僅かでも善くんと玲ちゃんに疑いの眼差しを向けられたんだ。断じて許さん。

 

「お前の妹イカレポンチー!!」

(チッ) うるさいわね…別の事を占えばいいのでしょう?」

 

し……舌打ちしやがった…だんだん態度が悪くなっていくな…

 

「ただまた難癖をつけられても困るので…貴方たちのステータスチェックで我慢しなさい」

「ステータスチェックってなに!?」

 

そんなゲームみたいなの現実にあるのかよ。

 

「善様玲様、呂布様瀬能様…あら、全員既存のではなく特殊なアルカナに属しているようね?」

「特殊なアルカナって?」

「なんなのだいったい」

 

玲ちゃんと善くんが当然の疑問を口にする。

 

アルカナってタロットのやつだろ?人にそんなのあるのか?

しかも特殊って…

 

「そんなもの、アルカナ(あるかな)ぁ〜?」

 

 

しーん…………

 

 

 

――グランドアクスクラッシャー!!

 

 

 

ドガァァアンッッ!!

 

 

「うわぁ!?」

「瀬能!?」

「っ、!」

 

強く握りしめた右手を大きく振りかぶり、即座に振り下ろして地面に叩きつける。

 

辺りに漂った静寂を切り裂くように拳から発生した衝撃波が一直線にTHE長鼻を襲撃した。

 

 

「瀬能、なにをしてるんだいきなり!」

「笑えよ……腹が捩れて引きちぎれるくらい笑えよぉ…!ブラッドフラウアシザーズ!!」

 

 

ズダァァンッッ!!

 

 

「わぁぁっ!また!?」

 

ゴメン玲ちゃん、でも俺はこの店を店主を許すわけにはいかないんだ。

俺に凍った空気を浴びせさせたコイツを!!(八つ当たりですやん…by作者)

 

 

繰り出された技の衝撃波や風圧で周りにめっちゃ迷惑かけてるけど、店にはまったく被害がない。

 

練習で放った時には地面を削ったりひび入れたりして目標を破壊したのに、どうなってんだ?

…いや、覚えがあるぞこの現象。

 

保健室でのエリザベスの時と同じ――!

 

「物理無効よ」

 

やっぱりか!

「うぉぉぉぉーーーーでもそんなの関係ねーー!!!力づくで突破してやる!!」

 

二度も同じシュチュエーションに屈するわけにはいかねえ!なぜなら僕は魚雷だから!!

 

 

「死ねえぇ!アナイアレーション「(パリンッ)パトラ」…ふらっぷ?」

 

 

……なんだ?頭から火が出そうなほど煮えたぎっていた怒りの感情が、抜き取られたかのようにスッと消えたぞ?

 

「気は済んだかしら?」

「え?あ、はい……スイマセンっした」

 

咄嗟の言葉につい謝罪する。

 

…よく考えたらなんでだろう。

最後にしょっぱい風吹かせたからかな。

 

「ではステータスチェックをさせていただきます。まずは卯月 善様と卯月 玲様から」

「…君らそんな苗字だったの?」

卯月(うづき)って。

 

今まで聞いた事なかったから知らなかったよ。

 

「私も玲も同じ児童養護施設から通っているからな」

「院長先生の名前が卯月だから、私たちも卯月なの!」

「ふーん」

 

かなりヘビーな身の上してるのね二人とも……!

 

なんともないような様子で説明するから、下手に感情込めると傷つくかと思って気のない返事してみたが、軽い気持ちで聞くんじゃなかったと若干後悔してる。

 

俺の後ろに控える呂布ちゃんもクローンとして色々なしがらみ抱えてるらしいし…もしかして俺だけ設定薄い?うわやべえ。主人公交代しちゃうかも。

 

「まず善様は…面倒だからジョブとレベルだけでいいわね。『男子高校生』でLV.3、玲様は『女子高校生』のLV.4」

「高校生ってジョブなの?」

「次のレベルに上がるためには友達をあと3人作ることね」

「レベルの上げ方がリアル」モンスター(召喚獣)倒すとかじゃないんだな。

 

「瀬能ナツル様…冥闘士(スペクター)、LV.694」

「私たちと桁が違うな」

「ナツルくん凄い!」

「いやあ」それ程でも。

 

 

「呂布奉先様。聖闘士(セイント)、LV704」

「桁が違うな」

「呂布ちゃんすごーい!!」

「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

弄ばれた!割と本気で照れたのに、持ち上げられて思いきり振り落とされた!

 

レベルが俺より十も高いじゃねーか!流石呂布ちゃんだよ!

 

 

「…あ……う……主、ごめんなさい…」

「いやいいよ…」膝に手をついて立ち上がる。

 

つい顔を両手で覆って蹲ったせいで、呂布ちゃんがオロオロと焦りながら謝罪してきた。

 

ノリでショック受けたけど、この娘ならいくら上いかれてもいいや。劣ってる自覚あるし。可愛いし。

 

これが吉井だったら手っ取り早く俺が上である証明をするところだ。物理的に。

 

 

「ちなみにレベル上げる条件ってなに?」

「聖闘士を倒すことよ」

「上げられる気がしない!」

 

 

呂布ちゃん倒すとか無理ゲーだろ。だったら現状維持でいいや。

 

どっかに市とか転がってないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちなみに聖闘士のレベルアップ条件は冥闘士を倒すこと…試しに押し倒してみてはいかが?」

「……!…///」




■グランドアクスクラッシャー
 セイントセイヤ。敵(スペクター)の一人が使う技。
 拳を叩きつけ、衝撃波を前方一直線に走らせる。(ロストキャンバスver?)

■ブラッドフラウアシザーズ
 セイントセイヤ。敵(スペクター)の一人が使う技。そのに
 "気"を不可視の刃状にして、相手の頭上からギロチンのように勢いよく振り下ろす。(アークザラッド2の技『振り下ろし』に近い)

■アナイアレーションフラップ
 セイントセイヤ。敵(スペクター)の一人が使う技。そのさん
 両腕を鳥が羽ばたくように大きく振るい、強烈な風を発生させる。(不発に終わったから本当に風起こせるか知らんけど)

■パトラ
 ペルソナシリーズなどでおなじみの魔法スキル。
 味方単体の混乱・恐怖・激昂を治療。

■市
 セイントセイヤ。ブロンズセイントの一人。
 語ることとくに無し!(ひでえ)


玲ちゃんと善くんの苗字について:
公式に名前の記述が無いみたいなので、作者が勝手に付けました。
初めは…ネタバレですけど玲ちゃんの本名が二子って言うんで『如月』にしようとしたんですが、すでにバカテスで名前使われるから卯月にしました。語呂もいいし、悪くないとは思ってます。

施設から通ってるって言うのもアトラス非公式設定です。兄弟とかだと面倒な関係性が発生すると思って…


次回も来週にUPします。



ジョブとレベルについては………まぁ、ナツルだし(ヲイ)

呂布ちゃんは一番近い、ナツルの外部良心みたいなポジションなので基本パラメータはナツルより上。

例えばナツルが世界で一番弱かったら、彼女は世界で二番目に弱い設定に…(刃牙か)

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