なんか変な空気になったけどとりあえず気にしない。気にしないったら気にしない。
波紋についてはいったん置いておこう。呂布ちゃんが使うんならそれでいい。
大丈夫、悔しくない!今の俺には"気"があるさ!
…………
冷静に考えると波紋で出来ることのほとんどを"気"で再現できてたわ。嫉妬する必要ないんじゃないか?
「………主…ごめんなさい…」
「いいよ。代わりに月の呼吸極めるから」
ちなみに俺は雷の呼吸が使える。肆の型まで。
刀剣なんてろくに使わないくせに。
体育の剣道の授業で披露して鉄人に怒られたよ。理不尽。
「…………」
まだ気にして落ち込んでるみたいだな…マジで気にしなくていいのに。
呂布ちゃんこういうときに気負うんだから。
……そうだ。
「あーアレだな。俺の役に立ちたいってんならさ、治癒方向にでも能力伸ばしてくれよ」
「……?」
「俺回復はできないから」
攻撃バリバリ、防御メラメラ、その他色々。
回復さっぱり。それがこの俺瀬能ナツル。
拳が主体のモンクみたいな戦い方するくせにチャクラ使えねーからな…忍術の方も分身とかだし。
モモさんでさえ瞬間回復っていう回復技使えるのに…
「もともと波紋って生命エネルギー作る技術だからな。痛み止めくらいはできるはずだ」原作で壊死した脚を治すとかやってたし。
「さっきのひかりちゃんみたく、俺の周りにはすぐ暴力に訴える人間が多いからな。怪我したら癒やしてくれ。その可愛さで」
「……可愛さ…///」
「可愛さで怪我を癒せるのか?」
何言ってんだ善くん!
きみだって俺に「回復だ!」って傷薬渡されるより、「リフレーッシュ!」って玲ちゃんにスキル使ってもらう方が嬉しいだろ!?
「それはそうだが」
「自分で言っといてなんだけど傷ついたわ」
「そういうものか?」って返されると思ってたから…
「…………」コォォォォ…
「呂布ちゃん気持ちは嬉しいけど波紋で心の傷は癒せないよ」
アレって目にみえる身体の異常を治せるだけだろう?
それに今のコレ、生産した生命エネルギーそのまま送り込んでるだけだろ。
………いやちょっと待て。なんか…だんだんと気分が高揚してきたような…?
触れられてる背中から活力が沸いてきて、充満して溢れ出しそうだ。
その辺走り回ってきていい?
「瀬能くん、学園内での不純異性交友はどうかと思うよ?」
表情を戻したひかりちゃんが話しかけてくる。
「しかも瀬能くん生徒会役員でしょ」
「なんだいきなり」
「お姉ちゃん許さないからね!」
誰がお姉ちゃんだ。
やめろよお前…うちのクラス委員長みたいなこと言って……今気づいたけど俺より背低いからトラウマ発動するだろ。
「同じ役員の会長やらに言われるんならともかくひかりちゃんに言われてもなぁ、それに交友っつーけどわりと彼女側からの一方通行だし。だとしても呂布ちゃんは純粋でやましいことはひとつも、」
「うるさい黙れ。言い訳するなクズ」
普段の彼女とはかけ離れたスムーズな罵倒。
一瞬茜がいるのかと思ったぞ。びっくりした…
怖いから話題変えよう。
「そういえばこの映画のシナリオってひかりちゃんが全部一人で考えたの?」
「うん」
「え、マジで?」
てっきり大まかなストーリーはクラス全員で考えて、細かいところを提案してるんだと思ってた。
中学の時あんなことになったのに、まだ台本書けるんだ。
「瀬能くんたちに盛大にダメ出しされた上に添削されて点数まで付けられたけどねっ、そんな程度じゃ私はめげないよ!!なぜなら私は魚雷だから!!」
「俺お前のそういうとこ嫌いじゃない」真っ直ぐで曲がらない感じが。
でも誤字脱字が多いよきみ。チェック入れた後の台本赤字だらけだったでしょう。
当時と同じなら少しは国語とか勉強しなさいな、Eクラスの面々も解読するの大変だったろうに。
「
「ローキックは脛でカット!!」アンド千鳥流し!
明らかにチンピラとかがやる喧嘩キックを脚で防ぎ、同時に襲ってくる波紋を自ら放つ電気で空中に流す!
バチバチバチッッ!!
結果は―――
「ぐふぅ……」
全く防げなかった。
寧ろ放電したことで体力を使い、身体が弛緩したところを攻撃されたからダメージ増えた気がする。
ドチクショウ。
「私なりに頑張りながら書いてるんだよ?今作ってるのはコレ」
「拝見します」
まだちょっと痺れる手で、差し出されたノートを受け取る。
ペラペラと流し読み………
…………………
「内容はトレジャーハンターの冒険物か?」
「うんっ」
「…主人公なんか……ありえないピンチに陥りすぎじゃない?」
序盤で軽く十回は死にかけてる気がするんだけど。
「これってフルCGかアニメ映画なの?」
「完全実写だよ、CGやワイヤーアクションは一切無し」
え?本気?
「この落とし穴で100mほど落下ってどうすんの?」
「下にマットとか敷いて」
「炎に包まれるシーンは?」
「ガソリンスタンドの店員さんは特殊な耐火ジェル使ってるらしいよ?」
「猛スピードのトロッコが脱線する場面とかあるみたいだけど…」
「アクションにドキドキハラハラは欠かせないよね!」
同意はするがワイヤーなしで脱線はやばいだろ。崖下に転落って書いてあるぞ。
「こんな目に遭って主人公生きてられるかよ、誰が演じるんだ?」シュワちゃん?
「そうだね…どこかに、どんな目に遭っても怪我一つ負わない不死身のスタントマンみたいなのいないかなぁ」
「そんなギャグ漫画の住人みたいな奴この世にいる訳…」
そこまで言ってハッと気付いた。
「…まってください」
「えっ?なに瀬能くん、私の映画出たいのっ?」
「そんなウキウキとした表情するな!!」
確かにさっき俺や茜が出演すればーみたいなこと考えたけども!この台本はやばい!
ワニに丸呑みにされてワニを殺さず無傷で脱出とか書いてあるもん!どうやるんだいったい!?
「ナツルくん映画出るの!?」
「うん、そう!私の初監督に主演してアカデミー賞総なめにするの!」
「やめなさいそんな、やめなさい!あほの子騙して外堀埋めようとするのやめなさい!!」
断りづらいでしょう!
「ふざけんな馬鹿野郎!誰が出るか!!どうしても出演させるって言うんなら、カメラ回ってる間ずっと落語を喋り続けるからな!!」
(出演したときのことを語る時点で完全に拒否してない気がするのは気のせいだろうか。by作者)
「(…はっ)呪いで特定の言葉しか喋れなくなった主人公…その呪いを解くために世界各地の遺跡を巡る……アリだね!台本直さなきゃ!」
「歪みねぇな
ひかりちゃんは人が沢山いる廊下だというのに、構わずその場で蹲ってノートに鉛筆を走らせる。
ダメだこいつ、強い!
「うーん…でもこれだと会話シーンがちょっと厳しい…かも」
「代弁でもしてもらえばいいだろ…パートナーでヒロインとか入れろ」
そもそもがこのシナリオ、登場人物少なすぎるんだよ。描写が無いだけで実はエキストラ沢山いるの?
「ヒロイン…瀬能くんは、どんな女の子がタイプなの?」
「なんだよいきなり」
「いいから」
有無を言わさぬ真剣な雰囲気を見せるひかりちゃん。言ってる内容はアレだが。
好みのタイプぅ〜〜?正直考えたこともなかったな。
うーん…なんて答えよう。
「そうだな…強いて言うなら……」
「……」←ひかり
「…………」←呂布
「「………」」←善&玲
「
「わーん!!!」――オーバードライブ!!
「万象の杖!!」
バリバリバリバリッッ!!
「ぎゃああああ!?」
「たかし!?」
無拍子で突き出された鉄拳を右の掌で受け止めて、同時に襲いかかる波紋エネルギーを"気"で体内を流動させ、左の足裏から地面へ受け流す。
勢いよく流れた波紋と"気"は俺の背後(の離れた場所)にいた名も知らぬ一般人のもとへ走り、彼を強襲した。
ひどいっ!罪も縁もない
「お前はルール無用の悪魔「うるさい女をパーツでしか見れない人間のクズが!!」ウボぁッ!!?」
台詞の途中でシャイニングウィザード食らった。
しかも当然のように波紋付き。もうお前ジョ●ョの代わりに吸血鬼や柱の男と戦ってこいよ。
■ ローキックは脛でカット
筋肉マン。筋肉マンVSピークアブー時のセリフ。
喧嘩キック(前蹴り)を防いでるから秋山さん風に防御してるのかなぁ。
■千鳥流し
ナルト。週間少年誌でやってた忍者マンガのアレ。全身から電流を放つ周囲攻撃。
今さらだけど放電できる高校生ってなんなんだろう。
■
呪術廻戦。主人公が好みのタイプを尋ねられた時のセリフ。
ネタに走った故にフルボッコに…
■ 万象の杖
マテリアルパズル。対攻撃魔法の奥義。ダメージを地面に流す。
勢いが強すぎて地面走っとるがな。
ひかりちゃんには、なるべく青春させたいなと考えている。PQ2やったことある人は賛同してくれるはず。
作者は途中で辞めちゃってエンディングまで行ってないんだけどね。(オイコラ)
別世界で超絶武闘派になってるって知ったらドン引きするかなぁ。