実績解除
・バー"ビューティエスカルゴ"
夜の帳が下りきり、空が真っ暗な時間帯。
小洒落たバーでひとりカウンター裏に佇む男…つまり俺。
ここは会員制の一見さんお断りな大人の隠れ家洋風居酒屋。
こう言ったら店長怒るんだよな。"バーって呼んで!"って。いいだろ別に。
そんでもって俺のバイト先だ。
教師には許可取ってるけど未成年を酒出す場所で働かせていいのだろか。いいんだろうな、あんな学園だから。
許可取って裏カジノで働いてる生徒もいるって話聞いたし。噂だけど。
「ヒマだな…」
来た瞬間急用出来たとか言って店長は出かけたし、他の人も理由があっていないし、
俺が酒出すわけにもいかないから入り口には【close】の看板を出しといた。
俺がいる意味が分からねえ。帰っていいんじゃね?
「苦労して呂布ちゃん帰した意味がねーじゃん」
バイト先までついてきそうになったあの子を九鬼の従者に引き渡すのが一番手間だった。
なにかあるとすぐくっ付く波紋で纏わりついてくるからな。ビリビリして痛いのなんの…
……なんか腹たってきたな。
「店の酒飲んじゃお」
棚の上にあるガラス瓶に手を伸ばす。
実はみんなに内緒でお酒の味を確認している高校生。瀬能ナツル。
違うよー。飲酒じゃないよー。試飲だよー。
まぁ、高級なものばっかで安酒飲んだことないんだけどね。こないだの打ち上げで押し付けられた酒の味が分からなかったのはちょっとショックだった。
良い子の未成年のみんなは簡単にお酒飲んじゃいけないぞ!瀬能お兄さんとの約束だ!
…ナツルくんが飲酒してることも人にゆっちゃいけないゾ!
「やっぱやめとくか」
途中で店長帰ってきたらヤバいどころの話じゃねえ。グラスでも磨いとこう。
キュッキュッ、キュッ
うーむ…
このバイト辞めようとか思ってたけど、心の平穏のために続けてもいいかな。街の情報収集もできるし。
「平和が一番――」
――――ドガーーーンッッ!!
「ここかグランドーーーーーーーーー!!!」
「ぶーーーー!!?」
よくわからんセリフとともに店の入り口が爆破するように吹っ飛ばされた。
それだけじゃない。足元まで伸ばした白い長髪で
いまだかつてないダイナミック入店に流石の俺も唖然茫然。
「どこだ!隠れてないで出てこい!!」
バキッ、ドガっ、ザシュッ!!
机といわず椅子といわず、ありとあらゆる備品をひっくり返してはその下を覗き込んで別の場所の物をひっくり返す。
その度に飾り(角?)が床や壁や天井を切り裂くように傷つけていく。
ものの数秒でバーの中はしっちゃかめっちゃか。ヤクザの抗争にでも巻き込まれたかのような荒れ具合になった。
……お…俺の平穏な時間が………
「…オルギアモード……」
自然と漏れ出た呟きと共に、青色の炎が全身から噴き出す。
目元は仮面で覆われ、カジノディーラーのようなスーツ姿に変わる。
「、!そこっ」
「グランド拳骨」
ゴゴッ"っ"っ"
一瞬で暴れ回る女の側に現れ、その頭に拳を落とした。
美少女の顔面が勢いよく床に打ちつけられたが罪悪感は一切ない。追撃しなかった俺はノーベル賞もんよ?
☆ ★ ☆
角付きの女を殴って気絶させた後、文字通り叩き起こして店の床に正座させた。
その前で腕を組み仁王立ちする俺。
「で、なんなのお前」
「…くっ……この私がこんな屈辱的な…!」
「あ"あ"?」
立場ってのが分かってねーよーだなー。
「店長も誰もいねー今は俺がこの店の主であり法でありルールであり神だ。気に入らねー奴はどう料理してもいいんだよ」
あとこういった
腕の振るい甲斐があるねっ。
「分かったか?」
「…客商売する人間の心構えじゃ、」
「わ か っ た か ?」
「ひっ、わ…分かったわよ…」
まだ不満があるご様子。もっかいしばくか?
手始めに右の角の根元にリミットグローヴ。
ゴッ"っ"
「あったー!!?ちょっ、アンタなにすんのよいきなり!?」
「ああつい」
「………ちょっと凹んでるんだけど!?」
「俺もまだまだだな」
壊すつもりだったんだが。
触れた感じ動物の角と似てはいるが、強度が段違いだ。どんな付け角だ?
これを折るにはもっとこう…全身から搾り出すように………
「ちょっ、なによこの魔力のうねり…アンタ一体――」
「レッドアームボルト!!」
ゴッ"ッ"ッ"ッ"ッ"
「あ、ヤベ」
角を狙ったのに間違えて頭に拳骨落としちゃった。失敗失敗。
また気絶させちゃったよ。
「まあいいか」
悪いのコイツだし。正当防衛だよな。
☆ ★ ☆
「は!?」
「ん、起きたか」
ちょっと強く殴りすぎたみたいで、蹴っても叩いても水をぶっかけても起きなかった角女がやっと起きた。
勢い余って殺したかと思っちゃった⭐︎ まぁ息してるの確認したから大丈夫だとは思っていたけど。
「じゃあ警察呼ぶか」
腕のデバイスの電話機能をタップする。
押入り強盗とはいえ意識不明の状態じゃあ、警官に誤解される可能性があったからな。これで心置きなく110番できる。
…………デバイスがフリーズしたみたいに動かないな。ノルン寝てんのか?
しょうがない、店の電話使うか。
「ちょっと、アンタ何しようとしてるのよ」
受話器を取ったら話しかけられた。
「もちろん通報ですが」
「なによもちろんって、やめなさいよ!」
何言ってんだコイツ。
「不審者を通報するのは市民の義務だろ」
「誰が不審者よ!失礼な事言わないで!」
「そもそもなんなんだよお前」
「私は地球国家元首、プレジデントキャスター・U-オルガマリーである!控えろ、人類!」
…控えめに言ってヤバい奴だった……
110番と119番、どっちに電話するべきかな。
「大統領専門の原稿読む人?」
「ちがうわよ!魔術師の方!」
それはそれで意味わからんだろ。大統領専属の魔術師?それとも魔術師の大統領?
いや、いいや。面倒だからほっとこう。
「魔術師なら壊れたものをパパっと修繕できるよな」
メチャクチャになった室内を指差す。
「……そういう魔術は…持ってないわ…」
「やっぱり警察呼ぶか」
再び店に備え付けてある電話を手に取る。
「だからやめなさいって言ってるでしょ!!」
その手を大統領が掴んで止める。
移動した際に角がまた店内を傷つけた。
ブチコロスぞテメエ。
「お前その角なんとかならんか。触れるもの全て傷つけるじゃん。外せよ」
「外れるかぁっ!!ガッツリ頭から生えてるわ!」
空間があるように見えるのは俺の目の錯覚か?そもそもどんな理屈で両脇に存在してるんだ?
「これでも頑張って小さくしてるんだからねっ!」
「え〜ほんとうにござるか〜?」
「ムカつくからそれやめなさい!」
さっきから怒鳴ってばっかだな。なんかいい事あったの?
「これが限界って勝手に思い込んでるだけじゃねえの?ちょっと試していいか?」
「試すって…何をするのよ」
「まあまあ」
訝しむ大統領の背後に移動し、角にそっと触れる。
「…そのまま握り潰すとかは無しよ」
「しねーよ」つか触った感じ俺の素の力じゃ無理だよコレ。
マジで何で出来てんだ?まぁいいか。
ふーーーー…
気を取り直して肺の中の空気を全て入れ替えるように数回、深呼吸をして集中する。
そして、
「縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め」
「怖い怖い怖い怖い、怖いわよ!?何してるのホント!?」
「縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮め縮アガシオン」
パリン――――
「ほら縮んだ」
「ウソでしょ!?」
ホントだよ。そんな2秒でバレそうな嘘つくかよ。
咄嗟に振り返った大統領にイベントリから出した手鏡を差し出す。
1mはゆうに超えていた両角が10cmくらいにまで小さくなっている。
ついでに凹みも直した。
「ほ…本当に縮んでる……どうやったの?」
「ソレはほらアレだ」
ペルソナの力で。
とは言えんかな。どう答えよう。
「……いえ、そうよね。そう簡単に魔術を明かすなんて――」
「プラズマです」
「なんて?」
バリエーション豊かだなぁ。ツッコミの。
☆ ★ ☆
「結局アンタ何しに来たんだ?」
荒らされた店内を直しながら大統領に尋ねる。
――
テーブルや椅子、傷ついた壁などに布を被せて引くと破壊される前の状態に戻る。
当然後で金を請求するが、直せるんなら早い方がいいだろう。警察はもう諦めた。
「……貴方ソレどうやってるのよ…?」
「タネも仕掛けもござません」マジックのネタを暴こうだなんて無粋じゃない?
まぁぶっちゃけ俺も分かってないんだけどね?(出力上がった?)
今気づいたけど格好もディーラーのパンツスタイルから執事みたいなタキシードに変わっている。
九鬼家の人間みたいで気分悪いけど気にしないようにしよう。マジシャン寄りになったんだよきっと。
「で、なにしにきたの」
「ただ壊すため」とか言ったら全力でブチ殺そう。
「それは……なんでかしら…理由を思い出そうとすると頭が痛むわ…」
「………」
俺が拳骨落としたせいじゃないよね?
黙っとこう。
「確か、強い気配を感じたからグランドクラスのサーヴァントがいると思って来たのだけれど…貴方、人間よね?」
「残念ながら」人間です。
よく化け物地味てるって言われるけど人間です。
しつれいしちゃうわ。
「とどのつまり勘違いで突撃して破壊しまくったんだな」
10:0でお前が悪い
「なので迷惑料はキッチリ請求させていただきます」
「……カルデアに請求しといて」
気まずそうに顔を背けてボソリと呟く大統領。
お前今最低なこと言わなかったか?
多分だけど自分の過失を他人に押し付けただろ。なんだよカルデアって。
このまま逃すと踏み倒されるな。徴収しとこう。
――
ドゥン
「?今なんか変な感じしなかったかしら?」
「きのせいでしょう」
自分の身体をキョロキョロと見回す大統領にしれっと答える。
金の代わりに力を拝借したんだがコイツやっべえな。力の塊じゃん。
エリザベスの比じゃないんですけど。なに、神かなんか?
隠密で奪ったから1割も取れなかったみたいだがそれでも膨大だ。九尾のチャクラみたい。どうしよう。
「うーん……よく分からないわね…まあいいわ。貴方の言うようにただの気のせいでしょう」
よかった。力ありすぎて慢心するタイプだ。バレる心配なさそう。
普通に過ごす分なら問題ないだろうけど、超絶必殺技とかは使えないだろうなきっと。まぁいいか。
「思ったより長居しちゃったわ。そろそろ行かなきゃ」
「え?どこに?」
「南米よ」
遠くね?
ここ日本よ?しかも夜だよ?今からタクシー捕まえて空港行っても飛行機乗れないだろ。
いやそれ以前の問題か。縮小させたとはいえ角付きの女を乗せる車があるとは思えない。
今は縮めてるけど俺からある程度離れると元のサイズに戻るしな。
…プレジデントキャスターとか言ってたから専用機でも持ってるんだろう。知らんけど。
「じゃあお別れだな。バイバイ宇宙大統領、もう戻ってくるんじゃないぞ」
からかうような台詞を割とマジにかける。
いやほんと…迷惑しかかけられてないからな。二度と来んな。
「誰が宇宙大統領よ!変なあだ名つけないでちょうだい!」
「お前が言ったんだろ!」
ボケてんのか?
「え…?………そう……だったわね…ええ。私は大統領、何もおかしくないわ。どうしたのかしら一体…」
「おいおい」大丈夫かよ。
二度と来んなとか思った相手だが、こうも分かりやすく情緒不安定だと心配になる。何もかもおかしいのはこの際無視しよう。
俺が殴ったり力奪ったのが原因みたいじゃないか。やめてくれよ。
「専門家に相談した方がいいんじゃねぇか?」
「そうね。酷くなるようならそうするわ」
医者に行かないパターンだな。
「それじゃあね。えっと…そういえば貴方名前は?」
「イマイ」
嘘ではない。
初めに説明したかもだがここは会員制のバー。どんな職種の人間でも分け隔てなく利用できるよう、この場所だけの偽名をつけられるのだ。
俺は自分でつけていいって言われたから「イマイ」って名付けた。南十字星が好きだから。
「そう。いい名前ね。それじゃあイマイ、またいつか会いましょう」
「イヤです」
「次に会う時までに貴方専用の役職を考えとくわね。私専属のマジシャンとか」
あれ?聴こえてない感じ?イヤですっつったよ今?
マジで会いたくないんだけどそれを言えない俺はチキンなんでしょうか。
「それでは、さらばだ!」
そう言って大統領は来た時と違い、パッと消えるように一瞬で店内からいなくなった。
瞬間移動?最後の最後に
「……すっげえ疲れた……」
一人きりになった室内で盛大にため息をつく。
間違いなく人生で三位内に入る珍事件だった。結局なんだったんだアイツ…
店の中も全部元通りになったし、もう上がっちゃおうかな。店長も帰ってこないだろ。
―――カランカラン♪
入り口のドアに付いているベルか軽やかに鳴る。
「なんだよ今度は…っと、あんたか」
「――――?」
「ああいや、ちょっと…こっちの話。気にしないでくれ。それより今日は休みだぞ。看板見なかったのか?」
「――――?」
「え?そんなのなかった?マジかよ…直した時付け損なったか…まぁいいや、店長いないから酒は出せないけど」
「――――」
「俺の料理を目当てに来た?ははっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。ならオムレツでも作るよ」
「――――?」
「あー…この格好は……その…イメチェン?いつもの制服だと飽きるでしょ?一人だし、たまには別の服でも試そうかと…ね?」
「――――」
「似合ってる?そりゃあどうも。それじゃあ―――」
「料理が出来上がるまでの間、ジュースと音楽をお楽しみください。パッシィ」
・解除条件:ビーストクラス相手に単騎勝利。
《特別な実績を解除したのでボーナス報酬、真紅の手品真拳が進化しました!!》
・レッドアームボルト
"気"やらペルソナ召喚の際に使われる心の力やら魔力やら、とにかくありとあらゆる力を一点に集中させて攻撃する技。今回は右拳で発動。
心の力が青色の炎のような形をしているため、溜めを作ると青色の渦が発生する。レッドじゃねーじゃん。
■赤の魔術《レッド・マジック》真拳奥義「修復の魔術」
緑色の布を被せることで無機物を「壊される前」に戻す。使用するとMPを消費する。
壊されるところをナツルが見ていないと使えない。
布はMP消費量を増やすことで延長可能。物体を完全に被せないと修復不可能。
■赤の魔術《レッド・マジック》真拳超奥義「お代はコッソリ《ピックポケッツ》」
対象一体の持ち物を相手にバレないように一つ盗む技。対象が持っていない物は取れない。
所持金はないだろうと力を指定してみれば大変なものを盗んでいってしまったナツルくん。どこに仕舞ってるんだ?
FG○は永遠に不滅です!ということで、今年もnickをよろしくお願いします!
>ペルソナデータ が 更新 されました !!
◆アガシオン
レベル:5
アルカナ:戦車
番号:Ⅶ
力:2
魔:4
技:3
速:5
耐:8
運:2
打撃:―
貫通:耐性
斬撃:―
火炎:―
氷結:―
電撃:弱点
疾風:耐性
念動:―
核熱:―
破魔:―
呪殺:―
射程距離:50m程
=突進力・負けず嫌い・無我の境地・自分勝手=
■能力:
「縮め」や「縮小」等と小さくなるような単語を強く念じることで対象を一時的に縮小することができる。
特に制限は無いのだが、巨大なものは縮小するのに時間がかかる。
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ペルソナ5から登場する壺に入った悪魔のようなペルソナ。能力に特化したタイプ。
レベルやステータスが低く、使えるスキルも少ない代わりに能力はどんなものにも通用する。
回復アイテムが大好き。使う必要ないのに欲しがる。『エリ◯サー、くれよ!』 大概にせぇよ。
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