むこうは豪華列車だろ。
宇宙の車窓から
今日は、カシオペアのシャダルから、お送りします。
「ナツルがなんか言ってるぞ」
「すごい存在感のある寝言ですね…」
☆ ★ ☆
〜吉井Side〜
最寄りの駅から電車で1時間ほどぶ〜らぶら、…うつっちゃった。
(※車窓からでそんなナレーションねーよ。別の番組と勘違いしてない?by作者)
「あと2時間程はこのままですね」
僕の前の席に座っている姫路さんが携帯電話を見ながら呟く。
「中々に時間がかかるのう」
「乗り換えもあるんでしょう?合宿所につくころには夕方になるかもね」
「その間ずっと座りっぱなしかー」
退屈だなぁ…ゲームでも持ってくればよかった。
でも鉄人のことだから持ち物チェックとかして没収されそうなんだよね。
それが怖くてトランプの一組も持って来てない。ホント退屈だ。
「ねえ雄二、なにか時間を潰せそうな面白いものってないかな?」
僕の隣、窓際に座ってあくびをしている悪友に話しかける。
「ん?あぁ…トイレに鏡があったぞ。気が済むまで見てくればいい」
「それってどういう意味だい?」
もしかして僕の顔が時間を忘れるほど面白いってことだろうか。
「勘違いするな。俺が言ったのはお前の守護霊のことだ。」
「あ、なんだ…って雄二、そんなの見えるの?」
「ああ見えるぞ、鎧武者姿で全身から血をながして黒髪を振り回すようにヘッドバンキングをしてる背後―――守護霊の姿が」
「それ絶対守護霊じゃないよね」ていうか今背後って言ったし。背後霊?
………まさかここ最近僕の運が悪いのって…
いっ、いやまさかっ、騙されないぞっ!
そもそも雄二にそんな霊感みたいな力があるはずがないっ。
「安心しろ今のは半分冗談だ」
「だよね!?僕にそんな落ち武者みないなのが取り憑いてるはずが―」
「そうだぞ吉井。そんな落ち武者なんて」
僕の一つ前の席に座って、今までずっと静かだったナツルが話に混じってきた。
待ち合わせとかしてた訳じゃないけど、使う路線が一緒だったらしく僕たちが乗った電車に先に乗っていた。呂布さんと一緒に。
てっきり直江くんたちと行ってると思ってたから姿を見た時すごいビックリした…
まぁそれはいいや。それよりナツルの言う通り、馬鹿の雄二ならともかく普段の行いがいい僕に限って悪霊みたいなものが憑いているわけが
「そのナリはどう見ても足軽だろ」
「ちょっと待って、なにそのリアルな発言」
え、憑いてるの?もしかして冗談抜きでホントに憑いてるの!?
詳しく追求しようと思わず席を立って、座席越しにナツルに詰め寄ろうとしたけど、当の本人は隣に座っている呂布さんの肩にもたれ掛かるようにして眠っていた。
オーケイ僕、ちょっと待とう。ヤルのはいつでもできる。
まずは今の言葉の確認だ。
「…………」
ダメだ。呂布さんがこっちを見てる。無理矢理聞き出すのはよそう。
ただどうしよう、ナツルは雄二と違って見える…ていうか憑いてる…だけじゃなくて使役してる人(外)だから、説得力がすごいある。
(※ペルソナのことを霊的なものとして説明している。色々いいのかと思うが「ナツルだし」とクラスの人間は納得している。by作者)
(※それでいいのか)
『…………』
ナツルの発言で姫路さんたちもドン引きしだした。
僕を脅かそうと軽い気持ちで冗談を言った雄二も、顔を引き攣らせて距離を取るように座席に体を押し付けている。
ほんとにどうしよう。
……ナツルお祓いとか出来ないかな。
☆ ★ ☆
〜ナツルSide〜
…………眠い…
もたれ掛かった体勢から上体を起こし、目を擦ってあくびを一つ。
昨日の夜急に司が今回の合宿について来ようと暴れ始めたから、沈める…静かにするのに時間を費やして、気がついたら朝になってたからな。
前々から島津のとこの寮で預かってもらうように頼んでいたし、本人にも言い聞かせていたんだが…泊まりの日が近づくにつれて精神的に不安定になったのかな。めんどくせーガキが。
「ねっ…ねぇナツルっ、さっきのって冗談だよねっ!?」
「……?」
寝起きでぼーっとしていたが、後ろのボックス席に座っていたはずの吉井が立ち上がって、座席越しに話しかけてきた。
「…どうしたお前」
「ねえナツル!お願いだから嘘だって言って!!」
うるせえなぁ…眠いんだよこっちは。どっか行け。
もともと俺と呂布ちゃんだけで乗っていた電車に途中から乗車してきたのが
それだけならまだいいが、「偶然だね〜」みたいなこと言いながらすぐそばに陣取る始末。ふざけんなよ。
一緒に行動するとろくなことが起きる気がしないので席を移動すると、それに合わせてついてくる。ホントマジふざけんな。
一昔前のRPGじゃねーんだぞ。後からついてくるなんて呂布ちゃんだけで十分――
……そういえばうちのクラス以外は専用のバスに乗って現地に向かうんじゃなかったっけ?この子別のクラスだけどいいのか?
プルルッ プルルッ
電話だ。
会話内容が周りに聞こえないように、
『……』
『……?』
『…………』
『……』
通話を終えた。
ので、バリアを解除する。
「呂布ちゃん…お前自分のクラスの連中になんの説明もせずに俺のとこ来たのかよ」
朝一で俺の部屋にいたけどいつもの事だからなんにも思わなかった。合鍵渡したの失敗だったかな。
「…………」
「悪いとは言わないけどせめて一声かけとけよ。時間になっても集合場所に来ないんで事件にでも巻き込まれたんじゃないかって、高橋先生が慌ててたらしいぞ」
「……ごめんなさい…」
「本人に言ってやれ」
電話しろ電話。え?携帯持ってない?
…キッズケータイ持たせろよ九鬼家。
「話の内容からSクラスの人間からの電話というのは分かったが、即座に瀬能に確認がくるとはのう。瀬能と呂布でワンセットという認識がSクラスでも広く知られておるようじゃな」
「笑えばいいのか嘆けばいいのか…」
「というかナツル、お前Sクラスの奴と電話番号交換してたん…ああ、生徒会長の三郷か」
「ああ?なんで俺が会長の電話番号知ってなきゃいけねーんだよ」一度も聞いたことねーわ。
要件あった場合向こうから一方的に電話かかってくるけどなっ。
………なんで俺の携帯の番号知ってるんだろう。
「じゃあ今のは誰からかかってきたのさ?」
「霧島翔子」
「オイちょっと待て」
吉井の質問に答えたら、今度は坂本が立ち上がって座席越しに詰め寄ってきた。
「なんでお前が翔子の携帯の番号知ってるんだよ!?」
うるせえなコイツも…
「そりゃ師匠なんだから当然だろ。朝練の連絡とか必要だし」
ワン子の青空道場、たまにやらない時あるからな。試験期間中とか。
「…!主っ」
「なんだよ呂布ちゃん…もしかして秘密だった?」
えー…いや、ええー…
そっかー、うん、いや、そっかー……
「悪い、今の無しで」
「なるわけねーだろ!」
ですよね。
「なんだナツル、師匠って!なに教えてんだよ!?」
「なにって武術に決まってんだろ」勉強でも教えてると思ったのか?無理だろ。
「ある日突然呂布ちゃんに紹介されて鍛えることになったんだ。飲み込みも筋も大変よろしい優等生よ?」
嫌だねぇ天才って。
「やめさせろバカ!被害受けるの俺なんだぞ!!」
なん…だと……!!
「そんなっ、考えなおせ坂本!あとちょっと…もう少しでドレインタッチをモノにできそうなんだよ!!」
「なんだよドレインタッチって!?」
なにって…
「掌全体が相手に触れてる間、相手の
「や・め・さ・せ・ろ!!通りで最近翔子にアイアンクロー食らうたびに体がダルいと思ったわ!」
え、マジで?凄くね?
俺がやっても体調不良起こすくらいHP吸い取るのに10分くらいかかるのに…天才がっ。
それにしても坂本の奴、なんでこんな掴み掛かってきそうなほど怒ってんだ?いや理由は分かるけど。
けどなんか……俺が霧島を強化してたってのだけじゃなさそうな気が…
…………
「心配するな坂本」
「なんだよ!なにをだよ!?」
「出会い頭に握力チェックで手を握りはしたが、それ以降の指導は呂布ちゃんを介して行ったから指一本触れてない」
ダミー人形使うみたいに俺が呂布ちゃんにかけて、そこで見せた技を霧島が呂布ちゃんに実演する。で、ダメなとこを指摘。
時間かかる上に呂布ちゃんが技かけられ損だったが、彼女が紹介したんだから最後まで責任取って貰おうと思いドレインタッチも使いまくった。
なぜそんな方針でいったかって?…思い人がいる女に意識して触りづらかったんだよ。言わせんな恥ずかしい。
「まぁそのせいでドレインタッチ以外ほとんど教えられて無いんだけどね」合気とか。
……なんで一番初めにドレインタッチ教えたんだろう…
「え。そ…そうか……」
坂本の怒りが一気に鎮火した。
そんな気にするんならおまえもう付き合っちゃえよ。
そんで恋人同士ってどんな過ごし方すればいいのか俺に教えてくれ。
電車回。この時はまだ、平和だった…まさかあんなことが起きるだなんて。
=車内の席順=
前
ナツル 呂布
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坂本 吉井 土屋
島田 姫路 木下
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