戦士たちの非日常的な日々   作:nick

50 / 147
14時間目 召喚大会⑤

「ルールは事前に周知した通りで、科目は世界史です」

 

ゴタゴタが目の前で発生していたにも関わらず、立会いの田中教員はそんなものなかったと言わんばかりに進行を続ける。

 

マイペースすぎる…ここまでくるとゲームのNPCみたいだぞ。

 

「あなたの相手は美春なのです。ちょうどよく向こうの生徒会長の相手は美嶋さんがしてくれるみたいですから、遠慮なく恨みをぶつけさせてもらうのです!!」

「恨みを買うようなことした覚えないんだけど」

「さっきの話を聞いてなかったのですか!これだから男は――」

「仮に企画が通ってお姉様の素晴らしさとやらを公開できるようになったとして、それに共感して似たようなライバル(ヤツ)が出てきたらどうするつもりだったんだ?」

「………あなたの相手は美春なのです!」

 

考えてなかったんだな。

 

清水の怒気が見る見るうちに小さくなって消えていく。Fクラス並みの考えなし&行動力(=バカ)だが、ぶっちゃけクラスメイトじゃなくてよかったと心から思う。

 

「問題がないようでしたら、召喚獣を呼び出してください」

「「「試獣召喚《サモン》」」」

 

田中教員のマイペースな言葉に促され、俺を除く三人が同時に召喚を行う。

 

やべっ出遅れた。

 

「それでは始めます」

「さっ、試獣召喚《サモン》ッ」

 

慌てて召喚するが、一体少ないのに構わず試合が開始される。マイペースにもほどがあるだろ!

 

一人遅れて展開された魔法陣。そこから出現するのは―――

 

 

 

ひっこぬか〜れて〜 あなただけに〜 つい〜ていく〜

 

 

 

「今度はピク●ンかよ!!」

 

文化祭だからってやりたい放題し過ぎだろ!

 

「しかも水中でも溺れない青とか…ハズレじゃねーか!」

沖縄の島出身の男子舐めんな!泳ぎは大得意じゃ!!

 

そもそもここ水ねーし!

 

 

『!!』

 

 

俺の一言を聞いて(?)青ピク●ンはショックを受けたようにビクッと身体を一度大きく揺らす。

次いでわなわなと震えさせて―――

 

 

『!!!』

「ごうっ!?」

 

頭から清水の召喚獣の口内に突撃した。

 

 

あおピク●ンは さいごのちからをふりしぼり

しみずのくちに とびこんだ!

 

 

「ってアホなこと考えてる場合か!」

 

痛い痛いいたいイタイ!!頭部がゴリゴリとまるでヤスリで削られているかのように痛い!

 

 

 

説明しよう!俺こと瀬能ナツルは観察処分者という処遇を受けていて、召喚獣の感覚がフィードバックされる仕様になっているのだ!!

 

とどのつまりナッツに攻撃入ると俺もダメージ受けるというわけだ!

 

 

 

「現実逃避を兼ねて設定説明してみたけどやっぱり痛いーーー!!」しかも全然逃避できてねえし!

 

頭の痛みを堪えながら、首元まですっぽりと口内に収まっている(!?)ピク●ンナッツの両足を掴んで思いっきり引っ張る。

 

「この子はもーこんなことして!ぺっしなさいぺっ!」

絵的にもマズイよこれ!清水もドン引きしてるし!

 

結構力込めて引っ張っているのに、中々抜けない。

 

相手も踏ん張っている上に、少し引けたと思ったら腕を使ってすぐにまた口内に潜り込んでいく。なにがお前をそこまでさせるの!?

 

「謝るっ、ハズレって言ったの謝るからもうやめえぇぇッ!!」頭痛が酷くなってキタァァ!

 

 

スッポン!!

 

 

数分の攻防の末、なんとかナッツを引き抜くことに成功した。

 

「あーいったあ…ったく なんで俺がこんな目にってちょっと欠けてるーーー!!?」

 

痛む頭を押さえてナッツを見ると、頭部の葉っぱの生え際(?)の左部分が少し無くなっていた。

食われたのか?食わせたのか!?どっち!?(※どうでもいいわ)

 

 

『…!……!!』

「ん?」

 

ドサッ

 

清水の召喚獣がいきなり苦しみだし、そのまま苦悶の表情を浮かべて倒れた。

 

 

Dクラス 清水美春 世界史 0点

 

 

さらには点数が表示され、役目を終えたと言わんばかりに黒い靄となって消えていく。

 

「えっ…?えっ、なんっ?」

 

本体である清水も、うまく言葉が出ないくらい困惑している。無理もない。

 

…ひょっとして

 

「お前…毒持ちか?」

『………』

 

にやり

 

ピク●ンナッツが口角を僅かに上げて微笑んだ(ような気がする)。

 

怖エエエエエエエエエエッッ!!

 

見た目青なのに(というか群青色)性能は白だったよこのピク●ン!初見殺しじゃねーか!

 

「まっ…まぁいいやっ。とりあえずこっちは片付いたから次は茜の方に…」今回も無手だけどなんとかなるだろう。

 

ていうかもう終わってるかな?

のん気に考えながら茜たちの方に目を向けると、剣呑な雰囲気を漂わせたまま睨み合って立ち尽くしている。

 

なにやってんのお前ら?

 

召喚大会は一試合いくらまでと時間の指定はされていない。流石に三十分を超えたりしたら待ったがかかるだろうけど…早く終わらせられるならそれに越したこたぁない。

 

ていうかぶっちゃけ飽きた。頭も痛いし。

なにより、そろそろ自クラスの様子を見てみたい。

 

というわけで―――

 

「悪魔に粋なんて概念はないんだよーーー!!」

ナッツを茜の召喚獣に向けて突撃させる。

 

余談だが俺の中学時代のあだ名はブルーデビル、縮めて『ブルデビ』だった。ハカイシンとどっちが格上だろうか。

 

『!、!、!、』

 

鳴き声とも取れる奇妙な音を発しながら、頭に葉っぱを生やした小人が同サイズの女の子に突進していく。

 

正直かなり危ない絵面だ。止めないけど。

許せ茜、後で(多分)なんか奢るから!

 

 

 

ぎろり。

 

 

 

ピク●ンナッツが一定の距離にまで近づくと、二体の召喚獣とその本体がすごい目力がナッツを捉えた。

 

…え?なに、なに今の。茜は分かるけどなんで会長まで睨むの?

思わず背筋がゾッとしたんだけど。

 

「ナツルてめえ…あんまり調子に乗んなよ、ぶっ殺すぞ」

「空気ぐらい読みなさい。手出しは無用よ」

二人とも目がマジだ。

 

 

 

 

自然界の不文律(おきて)

割込みは御法度

絶対的な法則であった…

 

原子の鎧をも切り裂く毒

破壊(こわ)れるハズがなかった――

絶対の自信。

 

ブチ折られ…

 

ぴくみ……

 

生誕1455文字(約)…………

 

 

 

社会を 学ぶ

 

 

 

「なンだ今のナレーションわーーー!!!」

 

どっから聞こえてきた今の!?誰が喋った!?ぴくみって誰!?こいつ(ナッツ)!?なんか体育座りし出したし!?

 

ええい!ツッコミ所が多すぎてまずなににツッコめばいいか分からん!!俺は本来ボケキャラなのに!!(※そうか?)

 

そして俺の召喚獣、動かそうとしても微動だにしねーし!

 

 

「それじゃあ あらためて、始めましょうか」

「ぶっっ殺す」

 

 

再びお互いにお互いを睨み付け合う二人の少女。

主人公そっちのけの戦いが今、始まる!

 

 

「またナレーションが!?てか俺置いてけぼり決定なの!?」

 

続く。




■あおピク●ンは さいごのちからをふりしぼり
しみずのくちに とびこんだ!
 マザー3。手足が生えた明太子の自爆行動。
 海に生息しているモンスターなんだけど加工済みされてていいのか?

■「悪魔に粋なんて概念はないんだよーーー!!」
 きんにくまん。アシュラまんの台詞。お前も無粋な超人だな。

■自然界のおきて〜のくだり
 バキ。親子喧嘩に割り込もうとした時のピクルの心情?


赤ピクミンは火に強い 青ピクミンは溺れない
黄ピクミンは高く飛ぶ 紫ピクミンは力持ち
白ピクミンには 毒がある

群青ピク●ン 闇屍人
個性がイロイロ イキテルヨ


こんなニンテンドーキャラ嫌だ!


副題:アイしてくれとはいわないが
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。