戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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デスノートでそれっぽいこといってた。

今回は色々盛ったりしたらから長いっす。途中で切ろうかとも思ったけど、分割のしどころが分からなかったのでそのままUPしました。


21時間目 死神を殺す方法

何はともあれ、ようやく落ち着いた格好になれたので水着喫茶に戻る。

燕尾タイプの執事服が落ち着くってのも変な話だがまあそれは置いておこう。

 

でも普通に着てたら右腕だけ違和感があるから、そこだけ肘あたりまでめくっている。ほらオーバーテクノロジーがね…?

 

このままFクラスにでも行こうとも考えたが、時間もなさそうだからやめた。流石にそろそろ始まんだろ。召喚大会三回戦。

 

「ただいまー」

 

2-S(このクラス)に所属してる訳ではないので完全にギャグで発言しながら扉を開ける。

これくらいはいいだろう。

 

「む?桐山ではないか。なんのようだ」

 

教室に入った瞬間、褌一丁の金髪が第一声でそんな言葉をかけてきた。

 

「………」

「しかもなんだその台詞は。巫山戯(ふざけ)てるのか?」

 

お前が言うな。

 

「……………」

「…どうした?なんとか言ったら――なんだこの音は?」

 

 

キュイィーン キュイィーン

 

 

「ダッシャーボム!」

「グハッ!?」

 

終始偉そうな態度を取るふんどしマンに、力を貯めて右エルボー。

 

「ダッ!シャッ、シャッ、シャッ!!」

「グハッ!ごっ!ゴフッ!?」

 

衝撃を受けて大きくよろめいた男に、追撃で左アッパー。

さらにもう一度右エルボー、左ジャブ、右フックと連続攻撃。

 

ダッシャーっつったけどナックルパートっぽいな。本家のやり方を忘れたから別にいっか。

 

「きっ、桐山さん!?一体なにを――」

「お前もゥワァーー!!」

「げフっ!」

 

慌てて静止しようとした執事服の男に、殴る手を止めて即座にあびせ蹴り。

ちなみにさっきまで俺に付き添うように歩いていた奴だった。なんでやねんな。

 

「今日仮面の貴公子は仮面の鬼となるーーーーーー!!」

 

イベントリから取り出したウォーズマンマスク(スマイルVar)を瞬時に装着。(※称号:仮面(ペルソナ)の奇行子)

 

そしてあびせ蹴りを受けて床に倒れた男に馬なりに跨り、

 

 

「ウォーズスマイルトゥーース!!」

 

ザシュッ ザシュッ ザシュッ!

 

「ぎゃああああああっ!!」

 

 

仮面(マスク)の上唇部分を、下になっている男の肩目掛けて思い切り、連続して突き刺す。

 

果たしてこれはキバ(トゥース)と言えるのだろうか。キッスのような気がする。

 

「桐山さん!?一体なにをしてるんですか!」

「正気に戻ってください、桐山さん!」

「俺は瀬能だァァァァーーーー!!」

外見のみで人を断定すんなや!!

 

あと立派に正気ですから。残念!

 

「どいつもこいつもアホばっか!まともな奴はおらんのか!!」

「瀬能君、少し落ち着いたら?」

 

猛り高ぶり、思わず立ち上がって叫べば背後から冷静な一言をかけられる。

この声は会長だな。

 

「落ち着けだ?これが落ち着いて――ってテメーなに飯食ってんだよ!?」

 

振り返るとそこには、モダンな感じのテーブルで一人、優雅にお食事を頂いている生徒会長の姿が…

 

「お昼よ。今のうちに食べておかないと、時間を取れない可能性があるから」

「ならもっとふさわしいもん食えや!」

 

お茶漬けじゃなくてさぁ!

 

 

モダンな感じの食卓に一人で座り、どんぶり飯を匙で、スープでも飲むように頂いている姿はなんか…もうなんて言っていいかわかんねーや!

 

「ステーキとか食えよ!フィレ肉とかよ!」

「軽食を主とした喫茶店でそんなのがある訳ないでしょう…」

 

ならパンケーキでも食ってろ。ギャップを狙うな。

 

「あーもーーームシャクシャするっ!」

衝動的に頭を掻き回すが、数秒でセットされた髪型に戻った。

 

ムシャクシャする!!

 

「さっきも言ったけど落ち着きなさい」

「敵を目の前にして(けん)を退けだと?できるか!!」

 

こうなったら全員血祭りに上げてやる…!鏖殺だ!!

 

 

「お昼ご飯奢るわよ」

「しょうがないにゃあ」

 

 

マスクを外して会長と同じ卓につく。

 

鏖殺?やだなぁ。慈愛に脊髄生えているような私がそんなことを言う訳がないだろう。

 

「…あなたってすごい現金よね」

「人間ってそういうもんだろ?」

 

少なくとも俺は、現金じゃないって奴に今まで出会ったことはねー。

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

〜雫Side〜

 

 

「そういえばふと気になったんだが」

 

同じ食卓に向かい合うように座り、私はご飯を食べ、瀬能君はメニューを眺めている。

 

そしてなぜか、彼の隣にはSクラスの男子代表である葵君が同席している。

 

「…これちょっと高すぎじゃね?学祭で出すものの値段じゃねーぞ」

「高級な食材を惜しみなく使ってますから。ちなみに料理を盛り付ける食器も高級品です」

「だからって最低が千円とか…丼もののチェーン店なら二杯はいけるぞ」

 

無駄にプライドが高い子が多いから、気付いたらこんな料金設定になってたのよね。本当に社会を学ぶ気があるのかしら。

でもそこそこお客は入っているみたい。不思議ね。

 

「瀬能君、訊きたいことって料金のこと?」

「ああいや、それじゃなくて」

私の問いに、メニューに向けていた目をこちらに向ける。

 

どうでもいいけどすごい絵面ね。執事服の男の子と、上半身裸の男の子が同じ席に並んで座っているって。

 

「呂布ちゃんってどうしてんの?姿見ないけど」

「ああ、あの()

 

最先端技術で現代に蘇った、呂布奉先のクローン…と言われている娘。

史書で呂布は、勇猛さと卓越した武芸を持ちながらも自分勝手で人をすぐに裏切る。と言われている。

 

しかし普段の彼女は、授業中はぼーっと虚空を見つめていて、休み時間になるといつの間にか消えている。

そして授業が始まる時には、これまたいつの間にか席に着いている。これの繰り返しだ。

 

瀬能君に付き添うような形で生徒会に参加したり、教室以外で姿を見ることは多少はあった。

ここ数週間はずっとSクラスで準備を手伝っていたみたいだけど…正直なにを考えているのかさっぱり分からない。

 

「気になりますか?」

「まぁ一応。出会ってからずっとべったり付きまとって、俺を主みたいに扱ってるからな。結構おざなりだけど」

 

さっきだって助けに来なかったし…とぶつぶつ文句が溢れる。

普通に考えて女装してる主君を助けにいくのはちょっと憚れると思うけど。

 

……メイドの…かっこ、…かっこう…した………!

 

「オイなんだ会長、いきなり俯いて肩なんか震わして。よく分からんが不愉快だからやめろ」

「ごめ…なさっ…!」

分かってるけど止められない。

 

瀬能君が似合いすぎるのがいけないのよ!

 

「彼女は厨房で調理を担当しています」

「え、あいつ料理できたの?」

「ええ。とてもお上手ですよ?」

「知らんかった…うちだと食ってばっかだからな…」

 

今なにか聞き捨てならない言葉を聞いた気がするわ。

 

「てことはここにあるもの、呂布ちゃんが作る物も何品かあるのか」

「何品か、というよりほとんどが呂布さんの料理する物ですね。このオムライスとか」

 

問い詰めてみたいけど、二人で一つのメニューを開いて楽しげに会話をしている姿を見ると、そうしてはいけないような気がする。

 

いつの間にそんなに仲良くなったのかしら。

 

「オムライスも二千三百円か。たっけえなぁオイ……ん?なにこの『愛』って」

「ああそれは…試しに頼んでみたらいかがですか?」

「値段が一万円って書いてあるんだけど…」

 

とっさに卓にいくつか備え付けで置いてあるメニューを手に取った。

………本当に、リストの一番下に、『愛』という文言が筆記体で書かれている。値段も瀬能君の言う通り一万円。

 

「なにが出てくるんだよ一体…」

「それは秘密です。ですが、損はしないと思いますよ?」

「俺そんな金持ってねーぞ…ここって学園発行の食券使える?」

「それはちょっと…ですが、支払いは会長では?」

 

葵くん?

 

「あーそうだったな。じゃあ試しに一つ」

「こちら単品でのオーダーは出来ない品となっております」

「抱き合わせかよ。うまいことするな…じゃオムライスとセットで」

「畏まりました」

 

そう言い残して葵君が席を立つ。

 

多分厨房に料理を注文しに行ったのだろう。相変わらず仕事が早いわ。

 

…じゃなくて。

 

「瀬能君」

「なんだ会長…いきなり万年筆なんてチラつかせて」

 

ああいけない。つい気持ちが先走ってしまった。

 

「ひょっとして脅しか?…甘く見られたもんだな。いつまでも凶器(そんなもん)で俺を従わせれると思ってるのか?」

 

そう言ってなにを思ったのか、メニューを置いて目に見えて分かるほど大きく、鼻で息を吸う。

…まさかっ。

 

 

「追加だ!愛をさらに二つ!」

 

 

止める間もなく、大声での追加注文が厨房に直接通る。

 

「瀬能君、あなた…!」

「くくく…倍プッシュだ。まさか生徒会長様ともあろうお方が、自分で言ったことを反故にはしないよなぁ?」

 

ニタニタと嫌らしく―――事あるごとに自分をゲスと称するにふさわしい―――嬉しそうな満面の笑みを浮かべる。

 

「反骨精神を搭載した俺をいつまでも好き勝手動かせると思わないことだ」

 

………合計で三万二千三百円。手痛い出費ね。

 

自分から奢ると言った手前きちんと払いはするけど、その顔一回殴っていいかしら?

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

「……お…お待ちどう…さま…です…」

 

注目をしてからしばらくして、料理がやってきた。

結構時間かかったわねぇ…お茶漬け食べ終えちゃったわ。

 

「おうやっと来たか…ってお前その格好っ」

 

瀬能君が右腕に装着しているデバイスに向けていた視線を外して(待っている間ずっとゲームをしていた。取り付けられたのが今朝だというのに、手慣れた感じがする…)、顔を上げる。

そこに居たのは、

 

190cmはあろうかと思える程の高身長。それでいて出るところは出て、引っ込むところはキュッと引き締まっている。

 

褐色の肌、真紅の髪、整った顔立ち。私のクラスメイトでもある、呂布奉先さん。

 

現在はSクラスの出し物のコンセプト通り、水着を着ている…いるのだけれど…

 

見たところ学園指定の女子用スクール水着。ぴっちりと張り付いて身体つきが強調されているから、スタイルがいい事を改めて確認させられる。

でもそれで分かるのは下半身まで、上はなぜか改造制服を着用しているので、肌はよく見えない。

 

よくよく考えてみれば、スカートが無い以外はいつも通りだ。

 

 

『うおおおおおおおおおおっっっ!!』

「……っ」

 

 

しかし女の私と異性の感覚は違うのか、常日頃からその姿を見ているはずのクラスメイトを含めて、ほぼ全ての男子が歓声を上げる。

 

視線を一身に浴びて、褐色の肌が朱くなるほどに恥ずかしがる呂布さん。

少しでも身体を隠そうと、片方の手で襟首を、もう片方の手でシャツの裾を掴んで上下に引っ張る。

 

当然その程度で隠せる訳はない。…が、その様子を見てますますテンションを上げる男子たち。

 

…バカばっかりね。

どうせ瀬能君も同じように両手を上げて喜んでいるんでしょ。

 

「ガッデム!!」

 

予想に反して、悔しそうに卓に拳を叩きつけていた。

 

 

「おや、お気に召しませんでしたか?」←葵 冬馬

「嫌いな訳じゃねえ…嫌いな訳じゃねえんだ、俺だって男だからな。でも…俺が一番欲しいところが全くみえねえ!」

「欲しいところって…どこだよ。胸か?」←井上 準

(のど)

 

…教室内が一瞬で静寂に包まれる。

 

「…なんだって?」

「喉」

「…そうですか、瀬能君はうなじが好きなんですね」

「いやそれ後ろ側だろ。それはそれで興味あるけど俺が言ってるのは前面だ」

 

 

惜しげも無く自分のフェティシズムを語る(見た目)麗しい執事。心なしか活き活きとしている。

 

どうしましょう。瀬能君が遠い…

 

「齧ったら美味そうだよな。姫路とかさ」

 

しかも趣向の理由が獣的だった。

 

「頼んでみたらいかがです?姫路さんは無理でしょうけど、呂布さんなら了承してくれるかもしれませんよ?」

「!?」

 

葵君の提案に呂布さんがビクッと身体を震わす。

 

「ああ?バカ言うな。慈愛に脊髄が生えて動き回っているナツル君は、人の嫌がる事が出来ないんですよ」

 

どの口が言うのかしら。

先月の運動部の視察で、模擬戦を行なった際に笑いながら相手を痛めつけたの、一花(かずは)から報告があって知ってるのよ。

 

「それに…ナツは呂布ちゃんに嫌われると、とってもとっても悲しくなるクマよ〜」cv.山口勝平

 

 

ザク

 

 

「いってェッ!!」

「あら、ごめんなさい」

 

ついイラっときて、無防備な瀬能君の手を万年筆で刺してしまった。

…ペン先が根元まで突き刺さったと思ったのだけど、痣だけで血の一滴も滲んでないわね。

 

「ちょ、見た!?見た今の!?ていうか見たよね呂布ちゃん、いいの?ああいうのほっといていいの?」

「……がんばる」

「このなんちゃってクサれ従者が!!」

 

痛そうに手の甲を抑えながら尋ねたけど、いつもと変わらぬ様子で袖にされる。

 

目の前で主人が害されたのに、全くの無反応って…

 

「ぐうぅぅ…!もういい!所詮人間なんて一人ぼっちなもんなんだ。気にしてたまるか!」

「口に出してる時点で充分気にしてるんじゃないの?」

「とっととその飯をよこせ」

 

瀬能君は私の台詞を無視して、オムライスが乗ったサービスワゴンを指差す。

その口からぶつぶつと文句が溢れる。

 

「このクラスに来てから散々だ…なんで飲食や雰囲気を楽しんでリラックスするはずの喫茶店でこんなに疲れるんだ…」

 

災難ね。

 

じめじめとキノコでも生えそうな空気を発してる執事をよそに、いそいそとオムライスをテーブルに並べる呂布さん。

 

「……どうぞ」

「…ああ。まぁ落ち込んでてもしょうがねえ。いつも食ってばっかの子の料理の味を拝見させていただこうかな」

そう言ってスプーンを手に取り、そのまま卵に突き刺す…

 

「あ、ちょっと待ってください」

 

寸前で葵君から待ったがかかった。

 

「なんだよ。なんかもう食う前から腹一杯で、さっさと終わらせたいんだけど」

「難儀なものね」なにも口にしてないのにお腹がいっぱいって。

 

「もう一品、頼みましたよね。先にそちらをお楽しみください」

「あ?ああ、そういやそうだったな。確か愛とかなんとか」

 

その台詞が発せられた瞬間、呂布さんが又してもビクッと震えた。

 

「なんだ?ケチャップでハートでも描くのか?」

「………お…」

「?」なにかしら今のか細い声。

 

 

 

「……お…おい…しく……なぁ…れ……もえ…もぇ…きゅん…っ……」

 

 

 

か細い声の(ぬし)は呂布さんだった。

 

彼女は顔を自身の髪の毛と同じくらい真っ赤に染めて、手でハートマークを作る。

 

その矛先にはオムライス…ではなく瀬能君。

 

目を瞑ってたから狙いが外れただけで、狙ってやったわけではないと信じたい。

 

 

「がハっ!!」

 

その瀬能君がいきなり血を吐いて横倒しに倒れた。

 

…彼の血がオムライスに…

 

 

「?!、!?」

「瀬能君…ケチャップがないからって、自分の血を代用するなんて…」

「それはないと思います」

冗談よ。

 

「ごふっ……こ…これが、愛…か…?」

 

卓を支えにゆっくりと、震えながら椅子に座り直す。

少し(つつ)いたらまた倒れそうね。

 

「そうです。お気に召しましたか?」

「そうだな…中々パンチが効いてイイ味してたぜ。だからもうすんな」

「っ、」

 

呂布さんが一回小さく震えたあと、なぜか悲しそうな雰囲気を醸し出し始めた。

基本は無表情なのに感情が分かるってすごいわね。

 

「おや、なぜでしょう」

「見てただろうが…!俺は萌えるとダメージ受けるんだよ」

 

なに、そのおかしな体質?

 

「親父も爺さんもそうだったらしい…一族特有のものだな」

「なるほど…大変ですね。ではあと二回頑張ってください」

「話し聞いてた?」

 

発言を無視して水着姿の男が執事を背後から抑えつける。

 

店内のあちこちから小さな歓声と…先ほどの男子のソレとは比べ物にならないくらい、興奮した視線が向けられる。

 

「おいテメェ、なにを!」

「お客様、頼んだからにはキチンと召し上がっていただかないと困ります」

「ざけんな、取り下げに決まってんだろ!クーリングオフだ!」

「通販ではありませんので、返品はできません」

 

先ほどの一撃(?)のダメージが抜けていないようで、振り払おうともがく腕が弱々しい。

 

「呂布さん、お願いします」

「……も…もえ………!」

「お前手先まで真っ赤じゃねーか!そんなに恥ずかしいならやるのヤメろ!」

 

瀬能君が羽交い締めにされながらもなんとか止めさせようとするが、少女はそれを無視して行動を続ける。

家臣に命令を無視される主…

 

 

「…もえ、もえ……にゃんっ」

「がバはッ!!」

 

 

今度はさっきのとは違い、軽く握った拳を頭の上に持ってきて、まるで猫のようなポーズだった。

 

しかも身を屈めて下から覗き込むように見つめると、申し合わせたように瀬能君が吐血する。

呂布さんの髪に血が付いたわよ。

 

料理にかかった分は数十秒程で跡形もなく消えたけど、どうなってるのかしらあれ?

 

「お…お前…変化はなしだろ……!」

「大変可愛らしいですねぇ。では最後の一回」

「ヤッサーからやめろでぃあびてぃるやっさーろッ!!(だからやめろって言ってるだろ)」

 

なにを言ってるか全くわからないわ。

 

 

「離せーー!そうだ!世界の半分をお前にやろう!どうだ!?」

「いりません」

ひと昔前のRPGの最後の敵みたいな台詞を…

 

「ていうかお前なんか怒ってない?なんで!?」

「いえいえ、散々暴れられて店内をめちゃくちゃにされた挙句にクラスメイトを傷つけられたら普通は怒ります。とはいいませんよ」

「思っきし言ってんじゃん!」

それだけが理由じゃなさそうだけど。

 

「それでは呂布さん。最後にもう一度お願いします」

「やーめーろー!!」

「……も…もぇ……もえ――」

 

――ぎゅっ

 

両手を胸の高さ辺りで震わせたまま立ち尽くしていたかと思いきや、次の瞬間には呂布さんが瀬能君を抱きしめていた。

 

しかも羽交い締めにしていた葵君を少し離れた場所に移動させて。

なぜ彼女がやったと思うのかというと、移動した本人が困惑した表情をしているから。

 

先ほど瀬能君も転移の真似事をしていたけど、流行ってるのかしら?

 

「……〜〜♪」

「………」

 

満足げに頬ずりする赤毛の少女と、されるがままの青髪の執事。

 

その場所だけ静寂が訪れる。

 

 

―――数秒後、ゆっくりと呂布さんを引き剥がした瀬能君が、火山が噴火するように勢いよくかつ盛大に吐血した。

 

天井一面を真っ赤に染め上げるくらいの血とともに意識を失った彼だが、その表情はどこか幸せそうだった。

 

 

…………なんとなくイラっとするわね。

 




■ダッシャーボム
 エアガイツ。プレステの対戦格闘ゲームで、プロレスラーキャラが使う必殺技。

■慈愛に脊髄生えているような私
 ブリーチの涅マユリさん。相撲の世界では手荒に扱うことを可愛がるというらしい。
 愛ってふかーい。(棒読み)


この作品の瀬能ナツルの設定:任侠系不良(?)、喉フェチ、萌えでダメージ。

なんだこの主人公。


〜オマケ〜

ナツル「誰だ!人が気絶してるのをいいことに顔に落書きなんかした奴は!!しかも『史上最強の犬好き』だと?俺はネコ派ダーー!!」
葵「怒るところそこですか?」


ナツルの設定:とてもとても犬が嫌い
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