戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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カタリナ・アレク・オイゲン・ルリア


39時間目 やっぱり彼は気づかない

 

 

――ハリケーンミキサー!

――グレイトホーン!

――君が泣くまで殴るのをやめない!

――謝れよ…(死んだ)王子に謝れよ…!!

 

 

「グボ!ひぃイッ!たっ 助けベッ!!」

 

 

カブトを初めとしたクワガタやカマキリタイプのビートルカぁビィシリーズが男たちを追い詰めていく。

なんか、段々なにを考えているか分かってきた気がする。

 

……完全無機物が"考えてる"と思うことに疑問を抱かなかった。

いやむしろ動き回っている事を当たり前に受け止めてる自分がいる。だいぶナツルの異常性に毒されてるな。

 

ん?そういえばあの昆虫トカゲ(もどき)、女騎士みたいな人の破壊行為を止めるために置いてあったんだよな。持ち場を離れていいのか?

 

 

 

――オイラはビィクーン!

 

 

 

…蛹に進化してる!?

芋虫のような姿形をした木像がいた場所に、ドローンみたいな形をした物体が置いてある。

 

ちょっと目を離した隙にいったいなにが?

 

 

…ぴしっ

 

 

さらになんの脈略もなく、数個の人形の頭部に一筋の縦線が発生する。

 

 

すーーー…するんっ

 

――オイラはスビィアー!!

 

 

切れ込みが一直線に背中まで走ったと思ったら、そこから飛び出るように蜂姿の木像が出てきた。

それも3体。

 

 

――ダブルニードル × 3 !!

 

 

ドスドスドス

「ぎゃあああああぁ!!」

 

流れるように刺しやがった!(ナツルに花瓶叩きつけた奴を)

てか飛んだ!?どうなってんのあの人形!?

 

 

……?あれ?

1、2、3…4。

 

脱皮したあとに残された抜け殻(?)は全部で4つ。

しかし現在飛び回っている蜂は3匹。残りはどこに…?

 

 

――オイラはバルビィート!

 

 

教室の外でいきなり怪しい光が!?

 

見るとずんぐりむっくりしたホタル?みたいな姿の木彫り像が、集まった野次馬たちの間を忙しなく、発光しながら動き回っている。

 

蜂じゃねーし!進化の過程でいったいなにがあった!?ダーウィンもびっくりだよ!

 

 

『…騒がしいからなんかあるのかと思ったけど、なにもないみたいだなー』

『なーんだ』

『次どこいくー?』

 

 

教室のドアから様子を窺っていた野次馬たちは、ホタル(?)の光を浴びた途端、何事もなかったように離れていく。

しかしその顔はトロンと…恍惚とした表情をしていた。

 

…洗脳!?

 

どうしよう、止めた方が…いやしかし今のこの状況で通報されたらとても困るからもみ消せるならありがたい…いやいやでも後遺症とかの心配がっ、

 

 

 

「……下手に出てりゃぁ調子に乗りやがって…」

 

 

 

不意に耳に入った、地の底から湧き上がる溶岩のような低い声。

普通にビビった。

 

「覚悟はできてるんだろうなぁ…?」

 

顔を手で覆って静かに立ち尽くしていたナツルが、ようやく動き出すようだ。

 

手を顔からゆっくりと剥がす…その動作に同調するように木彫りたちが一斉にビクッと震えた。

 

「テメエらまとめてぶっころ――!……ぶっころ…?」

 

ナツルの殺気が一瞬で(しぼ)む。

 

ボッコボコにしてやろうと思った相手が、やる前にすでに瀕死に近い状態に陥ってるんだもんな。そりゃやる気も()えるし思考も止まるわ。

 

動いてた人形たちもナツルが顔を上げた途端に元の位置に戻った。

ご丁寧に作られた当初のポーズで停止したから、余計に意味が分からないだろう。

 

 

「なんだこれ、誰か無双でもしたのか?」

 

やったのは大乱闘だよ。

ていうか結構騒いでたのに、まったく気づかなかったのか?

 

「そこの奴ら(チンピラ5人)はまあいいとして、なんで島津もボロボロなんだ?」

「おめえの人形のせいだよ…!」

 

ついさっきまでビィトたちに倒され、総攻撃(シールドとガンナーが途中から参戦した)を受けてたガクトが、痛めつけられた箇所を押さえながら立ち上がる。

 

「人形?…移動させる拍子にバランスでも崩したのか?」

 

一応私物なんだから気をつけろよな…とぼやきながら、ガクトの足元に転がってるソレを拾い集める。

さっきまで暴行を働いていたビィトたちだ。

直前まで動いてたから定位置に戻れなかったみたいだな。

 

「ちげえよ!その木彫りが襲ってきたんだよ!」

「はあ?襲ってきた?木像(これ)が?…頭大丈夫かお前。ロボットじゃあるまいし、ただの木が動くわけないだろ」

 

 

し◯らァッ、うしろうしろぉぉぉっっ!!

 

 

真後ろにいるビィたちが同意するように首を縦に振ってるぞぉっ!

 

俺の表情(後で聞いたが他の人も似たような顔をしてたらしい)を見たからか、ナツルは背後を振り返る。

が、それに合わせるように人形たちは動くのを止める。

 

なにあいつら!そんなに動くこと知られたくないの?なんで?

 

 

「舐めやがって…!!」

 

 

和気あいあい(?)とした雰囲気の中、憎しみと怒りの込もった荒い声が響く。

 

「どいつもこいつも、大人しく思い通りにしてりゃいいのに、よぉっ!」

 

 

最後に一際大きく叫びながら、1番ボロボロにされたらチンピラがナイフを取り出す!

 

ってナイフ!?ヤバい、どうしよう!

 

 

 

まったく怖くない!!

この教室、あんな全長が手のひらほどの凶器より怖いもので溢れてるから!

 

「…おう直江、お前なんで今俺を見た?」←ナツル

他意はないよ。

 

 

「もう指示とか関係ねぇ!全部ぶっ壊してやる!!」

 

男はそう言ってナイフを逆手に持ち替え、身近にあったビィくん像に切っ先を―――

 

 

「わたしのビィくんになにをするつもりだ?」

 

 

―――突き立てる前に女騎士さんに腕を掴まれ捻り上げられる。

あなたまだいたんですね。

 

「ぐぁぁぁっ…!」

「お客さん、揉め事なら他所でやってくださいな」

「む?…そうだな。店側の迷惑になることは控えよう。みんな手伝ってくれ」

 

ナツルの一言に素直に頷き、仲間を促す騎士さん。

興味深げに木像を眺めてた数人が、同意して床に寝転んでいる男たちを引き上げる。

 

「あ!それとは関係無しに今日はもう店じまいですので、申し訳ないんですが退出してくれませんか?」

 

チンピラたちと一緒に出ていく人たちを眺めていたが、不意に思い出して室内に呼びかける。

 

「えー、俺なにも食ってないぞ!」

「オイアレク、文句言うなよ。ねぇもんはしょうがねえだろ」

「あぅ…すみません、わたしが全部食べちゃったから……」

「うっ…いや、ルリアが悪いってわけじゃ…」

 

しょんぼりと落ち込み出した青髪の少女を見て、金髪の少年が慌てて慰める。

事実だから否定のしようがない。

 

「明日もやりますから、良ければ来てください」

「いいんですか?」少女が表情を明るくして訪ねてくる。

 

…ちょっとキツイけど、今からなんとか材料の手配をしてみよう。学園祭を回るのは最終日でいいや。

 

吉井や坂本も頑張ってるんだ、俺も教室改善のために頑張らないとな。

 




ナツル「あんなの作ったっけかな…」
スビィアー・バルビィート・ヌケビィン『(ビクっ)』
大和(進化して形変わったから違和感持たれてる…脱皮した後のぬけがらもいつの間にかヌケニンに変わってるし)


■ハリケーンミキサー
 筋肉マン。バッファローの必殺技。
 ビートルカぁビィ(クワガタVer)が使用。

■グレイトホーン
 セイントセイヤ。牡牛座の相伝(?)技。
 ビートルカぁビィ(カブトVer)が使用。
 …ポケモンで似たような名前の技がある?またまたご冗談を

■君が泣くまで殴るのをやめない!
 ジョジョ。ジョナサンのセリフ。
 同じ主人公でもナツルが言ったらただのイジメの図に…なりはしないよ?

■謝れよ…(死んだ)王子に謝れよ…!
 戦星のバルジ。ジャンプでヒーローの漫画描いてる作者の過去作品。
 …とくに語ることはないな。


色々書きたいネタがあったけど長くなりそうだから泣く泣くカット。無駄に長いとごちゃごちゃするし途中で飽きるから…
夢の泉デラックスとかバードストライクとか、ツープラトンも考えたんだけどなぁ…いつか陽の目を見ることを期待。

次回は原作のあの子が登場。おたのしみに!

…この章だけで100話超すなこれ。
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