………物足りない
ザッザッ…
「ったく、なんであたしがこんなことしなきゃなんねーんだ」
「一から十までお前のせいだからに決まってんだろ…」
ぶつぶつと文句を零しながら箒でBB弾を掃き集める茜に、ナツルが壁にもたれ掛かるような体勢でツッコミを入れる。
「しっかしお前が文月学園(ここ)にいるとは思わなかったぜ。…もしかして詩織もいるとか?」
「詩織はお嬢サマ方が通う有名女学院にいっただろうが。聞いてなかったのか?」
「そうだっけ?」
本気の面持ちのナツルに、茜は長めのため息を一つ。
「…てめえはホンっト忘れっぽいな。脳みその代わりにメリケンサックでも詰まってんじゃねえの?」
「酷っ…」
言う程酷いと感じてはいないのか、軽い口調で笑う。
しばらくして物思いに耽るように
「あれから1年ちょいか…、どうしてっかな……」
「案外本物のお嬢さまになってんじゃねーか?」
「沙織さん」
相原沙織。詩織の姉(19歳)
「あーゆー大和撫子って感じの人好きなんだよなぁ、高嶺の花だけどそこがまた――」
「死にやがれッ!!」ビュッ!
「危なッ!?」ガスッ!
砕けろと言わんばかりに投げ付けられた箒は、ナツルには当たらず背後の壁――ちょうど頭部があった場所――に激突した。
教室側にだからよかったものの窓際なら大惨事である。
「なにすんだよ急に」
「うるせえ!人の気も知らねぇで…!」
「そういやお前、なんでこの学園入学したんだ?近いって訳でもないだろ」
「なッ…!?」
瞬間的に顔を赤く染める茜。
「それは…だな、えっと……」
「ああ、いい。皆まで言うな」
しどろもどろになる彼女を前に、ナツルはなにかを悟ったかのようにふっ…と微笑む。
「え…」
「貴様俺を撃ちにきたんだろう、この鬼め!」
ブチッ
「お望み通りハチの巣にしてやらァ!!」
四次元から取り出したかのように手の中に出現したエアガンが火を噴き、あたりにBB弾を撒き散らす。
「イテテテテテテッ!!じょ・冗談っ、冗談だって!」
「うるせえ!死ねっ!!」
怒りの形相で乱射、しかも的確に弾を当てられ、ナツルは大慌てでその場を後にした。
瀬能ナツル――。モラルとデリカシーが足りないかなり残念な高校男子。
美嶋茜 2年Dクラス
7月2日生まれ 蟹座
血液型:A型
身長:172cm
体重:秘密kg
攻撃力:64(武器使用で78)
守備力:51
走力:79
瞬発力:98(ほぼ早撃ち)
体力:48
知力:59
総合武力ランク:B-
以上の者、我が校の生徒であることを認める。