記念すべき元年の一話が主人公の弱点暴露ってどうよ?
〜直江Side〜
文化祭1日も終わりが近づいてくる中、偶然ナツルの弱点を知った。
普段からなかなか主導権を握れない相手なのでちょっと嬉しくなり――つい調子に乗って追い回してしまった。
いやまさかあそこまで狼狽えるなんて思わなかったから。
お陰で手ひどい反撃にあったよ…殴られた顔がまだ痛い……
「で、なんであんなに避けてたんだ?そろそろ試合が始まるから早く言ってくれ」
「うう…じ、実は俺には一つ年下の親戚がいるんだが…」
坂本に促されてナツルがうなだれながら語り始める。
「ソイツがその…見た目は小学校低学年の女子児童みたいなんだが…運動神経が抜群で武の才能の塊みたいな奴で…」
「お前、親戚までそんななのかよ…」
ナツルだけでもオリンピックの全種目金メダル制覇できそうなくらいなのに。こいつの一族っていったいどうなってるんだろう。
「それでその…性格が悪ノリしたモモさんくらいひどっ、無邪気で…祖父が開いてる道場に行くたびに……」
「あー…」なんか察したわ。
「折られた?(骨を)」
「折られた…(骨を)」
やっぱり。
ていうか今「ひどっ」ていっただろ。
「そういうことを毎日続けられるうちに極端に年齢離れた見た目の娘に畏怖するように…」
「なるほど」
そうやってトラウマを築かれていったんだな。
委員長に注意受ける度に身体を強張らせてる理由がやっと分かった。
…『毎日』?今毎日って言った?子供の頃から毎日骨折してたのか?
俺が親なら道場通い止めさせると思うけど…もしかして一晩で骨繋がってたのかな。だとしたらこいつもこいつでやっぱり色々おかしい。
「そういえば最初の頃ワン子に対してもぎこちなかったよね。それってもしかして」
「あの頃めっちゃ睨まれてたし…ぶっちゃけ今でも下から見つめ上げられるの自体が結構キツい」
「そうなの!?」
知り合ってばかりの時、ワン子はナツルの事をよく思っていなかった。敵視していたと言ってもいいくらいに。
理由は自分と同い年でありながら姉さんに勝つっていう、ワン子の目標を難なく達成した奴だから。のちに本人が明かしてくれた。
当時は理由も分からず困惑してばかりで――これ以上話すと長くなるからやめよう。
「そんな訳で私瀬能ナツルは幼女がベリーベリー苦手なのでした。終わり」
「なぜいきなり物語口調…」
ナツルだからな。
しかしそうか…小さい子が弱点なのか…そうかぁ。
「直江テメーなんだそのしたり顔は。くそッだから知られたくなかったのに…」
「大和すっげぇいい笑顔するな」
「前はあんな、悪役みたいな表情する奴じゃなかったんだけどな…」
「やっぱり大和が1番影響受けてるよね」
酷い言われようだ。とくにモロが。
「そしてお前はさっきから何やってんだ?」
ナツルが自分の目の前にいる吉井に話しかける。
説明が始まって、しばらくしてからずっとナツルの前でしゃがみこんでじっとしている。
…なんとなく予想はつくけどこれまさか……
「え?下から見つめ上げられるのが弱点って聞いたからやってるんだけど」
「…………」
その後、吉井は間柴ばりの
容体?それは分からない。ただ坂本はのちの召喚大会五回戦を一人で出る羽目になったのは確かだ。
☆ ★ ☆
〜ナツルSide〜
『ただ今より、召喚大会5回戦を始めます!』
立会いの教師のマイク越しの声に、客席が大歓声で返す。
本日最後の試合らしいから興奮もひとしおの様子。いや知らんけど。
そして当然のようにいる桐条先輩親子。
こういうイベントごとの時 生徒会長って忙しいんじゃないの?なんで一般公開される試合全てでその姿確認できんの?ホントは暇なの?どうなの?
答えて!
「瀬能君、承認はもう済んでますよ。早く召喚してください」
「あっはい、
教師に促され慌てて召喚獣を呼び出す。
同じみの魔法陣から出てきたのは…ふむふむ、装備は二本のコンバットナイフ。腰にウエストポーチのような四角いカバン。
姿形は背中にコウモリのような羽根が生えたペンギンか。
なんか語尾に「ッス」とか付きそうな某ゲームの有名キャラみたいな見た目だ。
というかそのまんまだ。
「あら、思わず持ち上げたくなる体躯ね」
「ちょっ会長!?」
突然戦乙女姿の召喚獣がペンギンを頭上高くに抱え上げる。
いきなりの意味不明な行いにプリナッツもビックリした表情で暴れ回る。
もっとも手足が短いからどんなに振り回してもわずかに身体が揺れる程度でしかない。
「ダメよ瀬能君、そんなにジタバタしちゃ。手が滑って地面に落としたら大変でしょ?」
こ、コイツまさかっ、知っている!?プ●ニーの特性を知っているのか!!
「やっ、やめろ!鬼!悪魔!冷血漢!あんたには血も涙もねえのか!」
「鬼でもないし悪魔でも、ましてや漢でもないのだけれど」
冷血なのは否定しないの?
「なぜだ!なぜこんな事をーーー!!」
これから起きるであろう事を予測して止めようとするが、召喚獣からのフィードバックのせいで妙な浮遊感がする。
おかしいよね。ちゃんと地に足ついてるのに浮いてるって。
矛盾する二つの感覚のせいで下手に動けそうにない。油断するとすっ転びそうだ。
「この1年、私の出番全くなかった…存在すらも触れられなかったわ…」
「会長さんん!?」なに言ってんのいきなり!?
あんたそんな事言うキャラじゃなかったでしょ!しばらく顔合わせなかった間にいったいなにがあった!?
てかそれ俺のせいじゃねーし、八つ当たりじゃねーか!
「それでは試合、開始!」
「オぉイッ!この状態で試合もクソも「えいっ」おマァァッ!!」躊躇なく投げやがった!
飛んでいく。
放り投げられた青い獣が飛んでいく。
フィードバックで風を切る感覚を全身に感じ――空中で水平移動。
ほんの少しの間空を漂って…山なりに落下。またも風を切る感覚を味わう。
軌道の先には相手側の召喚獣が二体。直撃コースだな。
その時ふっ…と、なぜかプリナッツの顔が脳裏に浮かぶ。
彼(?)は優しげに、微笑むように目を閉じこう言った。(※幻聴)
―――…自分、次は人型に生まれてきたいッス
ぷ…プ●ニーーーーーー!!!!
どっかーん
「ぬ"え"っ"!"!"」
着地と同時に爆発が起きて三体の召喚獣がそれに巻き込まれた。
さらに俺だけフィードバックで全身くまなく核熱系の激痛が走って思わずその場に倒れ伏す。
むちゃくちゃ熱痛え……
■間柴
はじめの一歩。妹との似てなさに両親がどんな顔してたのか地味に気になるキャラです。
■プ●ニー
魔界戦記ディスガイア。ボンバーマンのバクダンみたく投げられると爆発する。その理由は不明だとか
■どうなの?答えて!
実はペルソナ5。冴さんの台詞デスね〜
ネタバレ前に分かった方にはペルソナスキー、もしくはマニアの称号を与えます。
次の更新はちょっと遅いかも。