戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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 ここから出たら、縁日にでも行こう。ちょうど夏祭りが近いし
 そこの屋台で好きなもん買ってやるよ

 縁日!行く、行きたいっです!!




59時間目 学園の祭り、戦士たちの宴

 

〜ナツルSide〜

 

 

・清涼祭三日目。木造校舎内、中華喫茶『ヨーロピアン』第二店舗。

 

 

「第一店舗はどうしたんだ?」

 

確か三年生が使う校舎の一角だったはずだが。

 

「燃えた」

 

直江の身も蓋もない返答にずっこけそうになった。

 

「昨日の夕方ごろ吉井と坂本が召喚大会の景品の使い心地を試すために打ち上げ花火の水平打ちをしてたら、誤って三年校舎に飛ばしたらしい」

「何やっとんだあいつら…?」

思わず片手で顔面を覆う。

 

もしかして昨日感じた音と光と熱はそれだったのか?あの二人俺より問題児じゃねーか。

 

 

『吉井と坂本はほんとバカだなぁ』

『あいつららしいって言えばらしいけどな』

『罰として何週間か謹慎らしいぜ?』

 

 

慌ただしく開店の準備をしているクラスの連中も呆れている。

 

こうまでの大事件起こしたのにその程度の感想って、やっぱこいつらもどっかおかしいよな。

 

 

……いやちょっと待て、謹慎?校舎焼いたのに罰が謹慎?

ぬるすぎないか?普通は一発で退学どころか、警察が来てもおかしくないだろうに。それになんで何事もなかったように学園祭続けてんの?後始末は?

 

ちょっと考えこんでたら直江がコソコソと近づいてくる。

 

 

とりあえず腹パン。

 

 

ゴンッッ!!

 

 

「!?、〜〜〜っ!!」

 

痛え!

 

「やるとは思ったけど本当にやったな…」

 

ため息をつきながら閉じていたブレザーのボタンを外す。

なんとこいつ、鉄板つきの腹巻を装着してやがった!

 

「念のため巻いてきたんだ。昨日あんな目にあったからな」

「汚いぞスタッフ!!」

「誰がスタッフだ」

知ってたら"気"を込めて打ったのに!

 

 

「吉井と坂本の処罰が軽いのは理由があるんだ」

 

拳を押さえて蹲って俺の耳元に小声で話しかけてくる。

椎名さん、ちょっと興奮するのやめて?

 

「昨日ナツルの協力もあって景品の白銀の腕輪を無事に手に入れる事ができたんだけど、それの報告を竹原先生側の人間に盗聴されたそうだ」

「…犯人を狙撃でもしたってか」

「ちょっと惜しいな」

 

惜しいのかよ。花火以外にも遠くの奴を攻撃する手段はあると思うのは俺だけかな。

 

「正確には録音した内容――腕輪の欠陥について――を屋上の放送器具を使って暴露しようとしたから、中庭から花火で撃って阻止したらしい。その途中西村先生に怒鳴られて校舎に誤射したとか」

 

西村って誰だっけ?

………ああ、鉄人か。

 

「学園の危機を救った見返りに処分を軽減?」

「それもあるんだろうけど…焼かれた中心部に丁度竹原先生が使ってる教頭室があるから、そこのガサ入れで忙しいんだろ。都合よく部屋の主が意識不明の重体で病院に行ってるし」

 

へーそーなんだー、なんでだろうねー。

 

「竹原先生の協力者が他にもいるかもしれないから早めに今回の件の証拠を押さえたいけど、相手の妨害が入って大ごとにされたくもないから」

「祭りを中止して何かあったと思われないためにも続行してると」

「多分そんなところだろうさ」

 

2ーF(うち)としても設備向上の機会が増えるのはいいことだ、と言いながら直江は離れてブレザーを着直す。

 

どうでもいいけど俺昨日からずっと夏服なんだよな。俺もブレザー着ようかな。

そもそも持ってたっけ?

 

「そういう訳で出来れば手伝いの方をおねがいしたいんだけど…」

「悪いな、生徒会の仕事あるから」

 

結局昨日一日サボっちゃったからな。いくら召喚大会あったからって無断で放り投げたら美鶴先輩もカンカンだろう。

最終日くらい真面目にやらなきゃまた処刑されちゃう。

 

「人数少なくて大変だろうけどがんばってくれ」

「その辺は一応大丈夫だけど…大会で活躍した有名人がいた方が集客率がいいはずだから残念だなぁ…」

 

初日に売り切るまで行ったんだからある程度で満足しろよ。

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

「せっかくやる気出したのに一日休みとか…」

 

人が行き交う校舎の廊下を適当に歩きさ迷う。

 

生徒会臨時テント(校舎燃えたから)に行って美鶴先輩の指示を仰ごうと思ったら、即座に暇乞(いとまご)いを出されたの巻。

 

メールしたとか言ってだけど携帯電池切れてて分からなかった。流石に買い替えるか。

まあそれは置いといて。

 

「暇になっちゃったな」

 

これからどうしよう。

 

クラスの方を手伝ってもいいんだが、休みを出された理由が慣れない仕事で疲れてるからリフレッシュしろって話だからな。働いたら本末転倒だ。

 

学園祭を楽しめばいいんだけど……………友達いないからな、俺。

楽しめる気がしない。

 

 

「あ、ナツルくん!」

「あん?」

 

 

名前を呼ばれたと思ったら、前方からとてとてと駆け寄ってくる、同じ学園の生徒を示す制服に身を包んだ少女が。

 

あれは…

 

「玲ちゃんか」

「うん!やー!!」

「やー!」

 

目の前で一旦止まり、両手を突き出してきたので、こちらもそれに合わせてハイタッチ。

 

「ひさしぶりだね!元気だった?」

「大丈夫だ…問題ない(cv. 三木眞一郎)」

「きみは変わらないな。瀬能」

 

玲ちゃんが来た方向からまたしても制服姿の人間が一人近づいてくる。

 

「善くんもいたのか」

 

いやまあ当然か。

この子ら二人で一つみたいなとこあるから。

 

「どう、学園祭楽しんでる?」

 

何気なく尋ねたら玲ちゃんの表情が曇る。

 

…なにかあったのか?

 

「売られている食べ物を買おうとしたのだが、玲がそのどれもに興味を持って一つも買えてないのだ」

 

今日二度目のずっこけそうになった瞬間。

 

「…もう全部買えば?」

「多すぎて私たちの所持金では全ては無理だ」

 

どんだけあるんだよ欲しいの。

 

まあただでさえうちの学校、クラスやら部やらの団体が他所より多いからな。一学生の小遣い程度じゃちょっと…な。

 

「すまない玲、私が不甲斐ないばかりに」

「そんな!善のせいじゃないよ!わたしがわがままばっかりだから…!」

 

……しょうがねえなぁ………

 

「はいはい。今日は俺が奢ってやるから責任の引っ張りあいは止めろ」不毛だから。

 

「…!ナツルくん、いいの!?」

「まー約束したしな」

我ながら後先考えないこと言ったもんだ。

 

「約束?」

「うん?あれ、違ったっけ?」

 

善くんが無表情ながらも怪訝な雰囲気で尋ね返してくる。

 

おかしいな、確か祭りの屋台で好きなもん買ってやるとかなんとか言った気がするんだけど…

 

まぁいいか。他の奴だったとしても、この二人に奢ることで約束果たしたってことにしよう。

 

 

「瀬能、本当にいいのか?玲はよく食べるぞ」

「よく食うって」

 

いっても精々が俺の胸元まであるかないかの身長しかない女の子だろ?いくら食欲旺盛でもため込む量に限界が…

 

などと楽観視していたが、無言で見つめてくる善くんを見てると不安感が湧き上がってくる。

一体どれくらい食うんだろう。

 

 

しかーし、今の俺なら大丈夫!!

 

 

「ふ ふ ふ〜、ブラックカード〜(ダミ声)」

 

いつも通りイベントリから黒くてプラスチックのような光沢を放つキャッシュカードのような物を取り出す。

 

「なんだそれは」

「説明しよう、これは美鶴先輩が貸してくれた特別…ブリリアントなカードで、学園内の出店の支払いがタダになるのだ」正確には美鶴先輩へのツケになるんだけど。

「ホント!?すごい!」

 

なんということでしょう。先ほどまで暗かった少女の顔がみるみるうちに明るくなっていくではありませんか。ゲンキンな。

 

「きみのために渡された物を玲のために使っていいのか?」

「ダメと言われてない事はやってもいい事だ」

 

スポーツの試合中、審判が見てないところで敵に肘や膝を入れる…いわゆるグレーゾーン。

 

あれやるのすっごい好き。やられるのはノーサンキューだけど。

 

体育の授業中は大概俺たちそんなことばっかしている。(そして鉄人に呆れて怒られる)

 

 

「それに頭のいい美鶴先輩のことだから、俺が誰かと一緒に学祭回るくらい分かってるだろう」

 

そう、間違っても一人でしか使わないだろうから大した負担にならないと思われているわけでは決してないはず。

 

「だから遠慮しなくていい、いやむしろ遠慮しちゃダメだ。先輩の好意に甘えようぜ?」

 

な?と優しい笑顔で肩に手を置けば、善くんが首を傾げる。

 

「そういうものなのか?」

「そういうもんなんだよ。というわけで行くぞ!二人とも!」

 

善くんと玲ちゃんの手をそれぞれ掴み、無理矢理引っ張っる。

 

「おおっ、お・おー!」

「強引だな」

「はっはっは ははーっ!」

 

周りの目を気にせず高笑いしながら廊下を爆走する。

 

 

なんか俺幼児退行してない?こんなガキっぽいマネするキャラだったっけ。

ま、いっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だがこの日、桐条美鶴の個人資産の実に三分の一が消費された。

 

それによりしばらくの間、美鶴のナツルを見る目に殺意が宿ることをまだ誰も知らない…

 

 

 




原作でできないことが出来るのが二次創作のいいところ。守れなかった約束もはたせる。

次回からしばらく平和な学園祭ターン。


■没カット

とりあえず腹パン。

ゴンッッ!!

「!?、〜〜〜っ!!」
痛え!

「やるとは思ったけど本当にやったな…」

ため息をつきながら閉じていたブレザーのボタンを外す。
なんとこいつ、鉄板つきの腹巻を装着してやがった!

「念のため巻いてきたんだ。昨日あんな目にあった――」

ガァンッ!

「ぐぇっ!?ちょっ、おまえ何を」

ガァン、ガァァンッッ!!

直江の言葉を無視して二度、三度と連続してボディブローを叩き込む。

「ま…待て!?」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン―――――!!!!

「サイクロングレネイド!」
「ぐぶぉっ!!」

とどめにコークスクリューブローで直江の腹を鉄板ごと貫く。

「小細工程度で我が攻撃を防ごうともこの瀬能、容赦せん!」
「たまには引いてくれよ頼むから!」


話が進まないので没。有りではあったけど…

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