ゼロの使い魔・ドラゴンクエスト外伝 ~アバンと異世界のメイジたち~ 作:アバン流口殺法はご遠慮ください
「いやあ。なかなか風変わりなお店でしたねえー……」
夜、アバンは苦笑しながら、トリスタニアから学院への帰途についた。
今日行ってみた魅惑の妖精亭とやらは、どうやらきわどい衣装を着て接客をする女の子を客寄せにした店のようだった。
まあ娼館というわけではないようだし、接客以外もなかなかしっかりした店で居心地もよかったものの、あまり既婚者が入るような店ではないだろう。
とはいえ、酔客や店の少女たちに様々な話を聞いて回ることはできた。
アバンは、その時のことを思い返す――。
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「ほほう。怪盗……ですか?」
「ああ、『土くれ』のフーケとかってやつさ。貴族どものお宝を盗みまくってるそうでね。ま、いい気味だぜ!」
内心、貴族がひどい目に遭うのを心の中で望んでいたり愉快に思ったりする平民は多いものらしい。
まあ民衆が権力者や特権階級に不満を募らせるのはよくあることで、むしろ賞賛一色だったりしたらそのほうが不自然だろう。
「鳥の骨、といますと?」
「なんでえ、あんた外国の人か? 枢機卿のマザリーニを知らねえとは」
「女王陛下や姫殿下はお飾りで、この国を実際に動かしてるのはあいつだってもっぱらの評判さ。……ま、あんまりいけ好かねえやつだけどよ!」
酔っ払いの中には、天下国家を論じるのが大好きな者も多い。
アバンがちょっと水を向けると、待ってましたと言わんばかりに政治批評が始まる。
政治のことなんかまるで分らないだろうに、自分たちが大臣にでもなったかのように声高に論じ合うのだ。
彼にとっては興味深い情報だったが、内容は話半分程度に聞いておいた。
「へえ。あなたは、空の上のアルビオンの出身なんですか?」
「ええ。最近は戦争で大変みたいで、故郷のことだから気にはなるんだけど。王党派には勝ち目がないみたいだし、アルビオン王国はなくなるのかしら……」
「そうですか……それは、大変ですねえ……」
接客の女の子たちは自分から寄ってくるし、話しかけてくる。
アバンは彼女らの身の上話などを巧みに聞き出し、しきりに興味を示したり同情したり。
チップは失礼にならない程度に渡し、女の子たちに触れようとしたり口説いたりというような不作法なことは、もちろんしない。
ハンサムで比較的若く、話上手なのもあって、女の子たちは頻繁に彼の元へやってきた。
そんなふうにアバンがあれこれと情報を仕入れているうちに、店内でもかなり目立っていて人気者らしい黒髪の女の子が近づいてくる。
長い、ストレートの黒髪で、太い眉が活発な雰囲気を漂わせており、胸元の開いた緑のワンピースを着ていた。
彼女は上目遣いに覗き込むようにしながら、アバンに話しかける。
「こんばんは、ご新規さんね。あたしはジェシカよ、よろしく」
「これはこれはご丁寧に。はじめましてジェシカさん、私、アバンと申す者です。どうぞヨロシク」
アバンはにかっと笑って、お辞儀と自己紹介をする。
その仕草が面白かったのか、彼女はあははと笑った。
嫌な印象を与えない、健康的な笑い方だ。
「あなた、変わった感じの人ね。ねえねえ、外国から来たの? どこの国?」
「ええ。大変遠くです。カールという国ですが、このあたりでは全く知られていないようですね。私も、こちらのことについてはよく知りませんですが」
そこから、いろいろと雑談を交わしていった。
話しているうちにジェシカは、アバンが女の子に話しかけられると明るく友好的な態度で距離を縮めるのだが、ある一線以上には踏み込まないし、相手からも踏み込ませようとしないことに気が付いた。
距離を縮められて顔やら胸やらを近づけられても嫌そうではないが、かといって手を出すどころか目を奪われる様子もないし、たまに相手の側から手を触れられたりすると、やんわりと退けるのだ。
「私、既婚者ですので。お話は大歓迎ですが、親密な触れ合いにはもっとふさわしい相手がいるでしょう」
こんな店に来る男にしてはずいぶん風変りだと、ジェシカは思った。
女の子をひっかけたがっている紳士気取りはよくいるが、本当の紳士なんてものはめったに見ない。
「あなた、女の子慣れしてるのに、女遊びは好きじゃないの?」
「男として好きじゃないとまでは言いませんが、妻に対して不貞なことはしたくありませんから」
アバンはそう言って、それから苦笑した。
「それに……なんといいますか。私の妻は、『女王様』というやつなもンでしてねぇ~」
無論、文字通りの意味で。
こんな場所で話しても酒の席での冗談にしかなるまいし、別に構うまい。
「え、なになに。面白そう!」
ジェシカは、興味津々に目を輝かせる。
もちろん彼女の方では、文字通りの意味には取っていない。
「女王様ってことは、やっぱり鞭とか使うものなの?」
「え? ……ああ。使うこともあるみたいですね。鎖の鞭を持ってますよ」
「高圧的な女が好きなの? 外面はおしとやかなのに二人だけの時は豹変する、みたいな感じ?」
「いえ、フローラは逆ですかね。普段は女王様ですが、プライベートでは普通の女性らしい面を見せてくれたりもします」
「……ふーん?」
いまいちイメージがわかないな、とジェシカは思った。
(あ、どこかのクラブとかでそういうお仕事をしてる女性なのかしら。恋愛結婚したから旦那だけは特別! って感じの)
彼女の頭の中で、実物とはかけ離れたフローラのイメージが形作られていく。
(そっかあ。それじゃあこのお兄さんも、彼女との結婚を機に、女遊びは卒業して……)
ジェシカが想像の翼を自由に羽ばたかせて勝手なイメージをふくらませているのをよそに、アバンは席を立つ。
「さて。それでは、おおむねのお客さんと店員さんにご挨拶も済ませましたし、そろそろ退散するとしましょう」
「ええ? 夜はこれからなのに?」
早く帰らないと奥さんが怖いのかしら、と聞かれて、アバンは困ったように笑った。
「早く帰らないとというのは、まあそうなんですがねぇ。今は、帰るための方法を探させていただいているところなんです。滞在中はトリステイン魔法学院の方で使い魔をさせてもらっているもので、そろそろ帰って、主人らのご様子をうかがいませんと」
「使い魔……?」
ジェシカは、怪訝そうな顔をして。
それから、何かを思い出したようだった。
「……あ。じゃあ、もしかしてあなたが、シエスタの言っていた使い魔さん?」
「シエスタ? 学院でメイドをしている子ですか?」
そこからまた少し話をして、彼女がシエスタの母方の従姉妹だということが判明する。
言われてみれば同じ黒髪だったし、容姿もどこか似ていた。
「貴族だらけの学院なんかよりこっちで働いた方が見入りもいいって、前々から誘ってるんだけどねー。ふーん、そうか」
意味深な笑みを浮かべながら、ジェシカはアバンをじろじろ眺める。
彼の話をしていた時の、シエスタのあの上気した顔……。
「学院から出たがらないのには、理由がありそうね」
「はい? 何の話ですか?」
「こっちのことよ、気にしないで。それじゃ、あの子によろしく。また来てちょうだいね」
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「……おや?」
魅惑の妖精亭での出来事を思い出しながら、
遠目に見える本塔のすぐ近くで、何やら巨大な人影のようなものが立ち上がったのだ。
(あれは……ゴーレム、ですかね?)
夜間で遠方ということもあって正確な大きさはわかりにくいが、おそらく三十メートルほどはあろうか。
これほどまでに大きな存在は珍しい。
あのキギロの巨大マンイーターやギガントフレイムなど、まったく見ないというわけでもないが。
(誰かが夜間に魔法の訓練でもしているのか。それとも、何か土木作業のようなことでも……)
そんなことを考えていると、そのゴーレムのいるあたりから、小さな悲鳴のような声が聞こえてきた。
「きゃぁああああああっ!?」
「……!」
アバンは、はっとして駆け出した。
どうやらこれは、非常事態なのかもしれない……。
・
・
・
さかのぼること、少し前。
ルイズはうきうきした気分で、さっそくアバンからもらった杖を使って習得したばかりの魔法をもう少し試してみようと考え、夕食後に中庭にやってきた。
そうしたら、そこに先客がいた。
タバサとキュルケ、ついでにギーシュである。
タバサはいつもの杖をシルフィードに預けて、アバンからもらった短剣を両手に握り、青銅製のゴーレム相手に一対一の近接戦で渡り合っていた。
「……何をしてるのよ?」
「見てわからないかしら。剣のお稽古よ」
キュルケは退屈そうに爪などを磨きながらも、友人の訓練に付き合っている。
とは言っても、彼女がギーシュを、正確には彼の出したワルキューレを相手にするのを眺めているだけだが。
タバサはアバンから習った型や、薪を断ち割った時の感覚を、早くものにしたかった。
休憩も取って疲れが抜けたところでまた一人で黙々と訓練していたら、キュルケに見つかった。
彼女に事情を話すと、なら相手がいた方が上達が早いだろうと、たまたま見かけたギーシュを引っ張ってきたのである。
ギーシュは最初、「レディーの頼みを無下にするほど無粋じゃないが、なぜ僕に?」と困惑したものの、タバサは最近アバンに師事しているとキュルケが教えると、驚きながらもそれならばと頷いて、協力してくれる運びになったのだ。
「短剣で、ゴーレムを相手にしようだなんて……」
なにもメイジがそんなことをしなくても、と、ルイズは顔をしかめた。
「でも、なかなかいい勝負じゃない?」
ギーシュは間違ってもタバサに大けがなどさせないよう、ワルキューレには木の棒を武器として使わせているが、タバサは動きだけなら、魔法なしでもワルキューレより上だ。
巧みに攻撃をかいくぐり、斬りつけている。
しかし、やはり彼女の腕力では青銅製のゴーレム相手に歯が立たないのか、表面に浅い切り傷を負わせるにとどまっていた。
「……そろそろ、終わりにしないかい?」
タバサが少し疲れてきた様子なので、ギーシュは遠慮がちにそう呼びかける。
「君が強いのはよくわかった、さすがにあの人の指導を受けただけある。でも、そんなナイフじゃ危なっかしい。怪我をしないうちにやめておいたほうがいい」
まるで攻撃を当てられてもいないのに、何をえらそうに、と思えるかもしれない。
しかし、攻撃をまったく食らわないタバサと食らっても致命傷を受けえないワルキューレでは、一見したところ後者が劣勢であっても、最終的な勝敗は明らかだ。
疲れ果てたタバサが一度でも直撃を受ければ、それまでである。
それ以前に、リーチの短いナイフで切り結んだり受け流したりしているので、どこかでミスをして怪我をしないかと、見ているほうがはらはらする。
「もし『ブレイド』を使っていれば、とうに君が勝っているのは明らかだ。僕は兜を脱ぐよ。だから……」
「今は、魔法はないものだと思ってやっている」
タバサは彼の言葉を遮って、短剣を構え直した。
「勝負はまだ、ついていない」
戦意を失わない彼女に、ギーシュは困ったように顔をしかめたが。
「そうか。レディーの頼みなら、続けよう」
そう言って薔薇の造花の杖を振ると、ワルキューレは棒を振り上げて、タバサに打ちかかった。
油断しているのか、大振りで隙だらけだ。
タバサはそれをかいくぐって素早く間合いを詰め、両手の短剣を振るってその足を斬り付けた。
これまでにも何度も意識して足を狙い、ダメージを蓄積させている。
ついに、ダメージが積み重なってワルキューレの装甲に大きめの亀裂が入り、体勢が崩れた。
(いまだ)
彼女はそう確信し、左手側の短剣を捨て、残る一本を大きく振り上げる。
これまではヒットアンドアウェイで少しずつダメージを積み重ねてきたが、今こそ薪を割った時の要領で全力の一撃を繰り出し、ワルキューレの頭部を叩き斬るとき。
――が、しかし。
「……そう来ると思っていたよ」
体勢を崩したと思っていたワルキューレは、急にぐっと足を踏ん張り、持ち直した。
(! しまった!)
足を集中的に狙っていることは、ギーシュに気付かれていた。
あの亀裂は、まだ致命的な損傷ではなかった。
わざと隙を見せることで、こちらを誘い込んだのだ。
彼とて、アバンのレクチャーを受けて何も学ばなかったわけではない。
ワルキューレの戦法を見直し、ただ集団で攻めるだけでなく一体一体をより細かく動かすことを心掛けるようにしたのである。
(レディーを痛い目に遭わせるのは本意じゃないが、仕方ない)
下手に手心を加えるのも失礼というもの。
彼女は水系統も使えたはずだし、秘薬なしの『ヒーリング』で癒える程度のダメージは覚悟してもらおう。
ワルキューレは、完全に間合いに入っているタバサに、棒を振り下ろした。
(どうする……?)
タバサは脳内で、高速で対処法を考える。
体は斬り込もうとして前のめりになっており、後ろへ下がるのは到底間に合わない。
左右どちらかに身をひねってかわそうとしてもこの間合いでは避けきれず、体のどこかを打たれる。
一撃でもゴーレムの打撃を受ければ、負傷で体の動きが鈍り、継戦は不可能となるだろう。
ならば、振りかぶった短剣を防御に切り替えて相手の打撃を受け止めるか。
しかし、こんな小さな武器でゴーレムのパワーをまともに受けようなどとしても押し切られるか、どうにか受けても腕の筋を傷めるのは確実。
それでは結局、戦い続けられなくなるのは変わらない。
相打ち覚悟でゴーレムを斬りつけるのはどうか。
だが、おそらく自分の力では、一撃では相手を倒しきれない。
相打ちではこちらが負ける。
(……相手の武器は、木製)
つまり、薪と同じだ。
ならば、やるべきことは一つ。
「ッ!」
タバサは刃を振り下ろす先をワルキューレから、その手に握られている木の棒に変えた。
勢いよく叩きつけられた刃が、武器を真っ二つに切断する。
「な、なにっ!?」
ギーシュは驚愕した。
彼女のような小柄な少女が『ブレイド』の魔法も使わずに、木製とはいえ武器を断ち斬るだなんて。
彼が驚いている間に、タバサはさっと飛び退って、ワルキューレとの間合いを取り直す。
(……できた)
朝の時ほどではないが、体に疲労が蓄積してきた今の状態だからこそ、あの感覚をつかみ直せた。
あとは、これを疲労に関係なく繰り出せるよう、習熟していけば。
「武器を変えて。もう一度お願いする」
脇の方でそんな訓練の様子をじっと眺めているルイズを見て、キュルケがにやっと笑った。
「タバサはしっかり、アバンに教えてもらってるみたいね。あの二本のナイフもこの前買ったときのままじゃなくて、丁寧に手入れをして宝石までつけた状態でもらったらしいわよ」
ルイズの眉がぴくっとする。
「使い魔が他の子にばかり構ってるみたいで、残念ね?」
「贈り物くらい、わたしももらったわよ」
彼女はふんと鼻を鳴らしてそう言うと、ワンドの先の宝石を見せつけた。
「へえ……杖の飾り? 魔法がまともに使えないのなら、せめて見た目だけはって心遣いかしらね」
「あいにくね。使えるようになったのよ」
ルイズは、ふふんと得意げに笑うと、少し高いところにある木の枝を狙うように杖を向け、呪文を唱える。
キュルケは『火』の系統なので、彼女の得手と被る
「
彼女の体の周りに真空が生じ、それが何条かの鋭い風の刃になって放たれた。
不可視の刃は向けられた木の枝や葉を何か所もザクザクと切断し、宙に散らせる。
キュルケはまじまじと、その様子を見つめた。
「どうよ!」
得意げなルイズに、彼女は首を傾げる。
「……確かに魔法には違いないけど、今のって『エア・カッター』や『ウインド』じゃないわよね。何?」
「え? え、えっと……」
聞かれて、ルイズは言い淀んだ。
どう説明したものか。
そんな彼女の様子を見て、キュルケはますます胡散臭そうにする。
「まさかとは思うけど、この間あたしが買った杖みたいなのをもらっただけとかじゃあないわよね? その先っぽの宝石から魔法が出るとかの」
あらぬ疑いをかけられて、ルイズは憤慨した。
「そんなインチキするわけないでしょ! 杖なんかなくたって使えるわよ!」
「杖がなくても使える? 先住魔法ってこと?」
「え。いや、その……」
ルイズは口を滑らせたことに気付いて顔を赤らめたが、今さら口を押さえてもどうなるものでもない。
結局、確かに系統魔法ではないが先住魔法でもない、アバンの故郷の魔法を習った、と正直に話すことにした。
キュルケはいけ好かない女だが、異端がどうとかそういう固いことは言わないだろう、たぶん。
ついでに、この杖の先の宝石は魔法の威力を増幅するものらしい、ということも教える。
「ふーん。杖がなくても使えて、先住魔法みたいな場所の制約もほとんどないって、便利じゃない」
「でも、『錬金』や『固定化』みたいな魔法はなくて、戦いで使うような魔法がほとんどだそうよ」
「なるほどねえ。戦いが多い場所だから、あんなに体を鍛えてるのかしらね」
キュルケはルイズの杖をしげしげと眺めた。
「魔法力を増幅する、とか言ってたわね。なら、もしかして、系統魔法も使えるようになってたりしない?」
「え? いや、それは……」
そう言えば、まだ試していなかったが。
先のアバンの推論が正しいとすると、あまり使えそうな気がしない。
確かめるのが嫌で、無意識に避けていたのかもしれない。
「試しに一度やってみたら。減るもんじゃないでしょ?」
「……そうね」
ルイズは頷くと、一つ深呼吸をして精神を集中させる。
それから、同じ木の枝に向けて、今度は系統魔法の『エア・カッター』を唱えて、杖を振った。
だがやはり成功はせず、木の枝の向こうの、本塔の壁に爆発が起こる。
心なしか普段より規模が大きい感じがしたのは、杖に付けられた輝石の効果だろうか。
「ま、そんなものよね。あなたも進歩はしてるみたいだし、がんばりなさいな」
キュルケが手をひらひらさせて、タバサのほうに向き直る。
ルイズは予想通りとはいえがっくりしたものの、なんの今日は進歩があったのだからこれからだと、すぐに立ち直った。
「言われなくても。わたしも訓練に来たのよ。いつまでも見ていられないし、ここは使ってるみたいだから、失礼するわ」
そう言うと踵を返して、場所を変えようとする。
キュルケはそんな彼女に何か言おうとして、ふと背後に気配を感じた。
なんだろうと思って振り返った彼女は、我が目を疑う。
なんと、巨大な土ゴーレムが姿をあらわし、こちらに向かって歩いてきているではないか!
「きゃぁああああああっ!?」
キュルケの悲鳴が響く……。