ゼロの使い魔・ドラゴンクエスト外伝 ~アバンと異世界のメイジたち~ 作:アバン流口殺法はお断りします
「ふうむ。では、君がコルベール君の言っていた遠方から来られた貴族、アバンテ・リニューアル賛成君かね?」
「うーん、ちょっと違いますねえ。アバン=デ=ジニュアール三世です」
「そうじゃったか、すまんな」
「ははは。いえいえー、面白いと思いますよ?」
トリステイン魔法学院本塔の最上階にある学院長室で、アバンは学院長のオールド・オスマンと歓談していた。
ルイズもアバンの少し後ろのあたりに控えている。
ちなみにコルベールはまだ授業があったので、既に学院長室を辞して教室に戻っていた。
部屋には他にも学院長の秘書を務めるロングビルという名の若い女性がいたが、彼女もオスマンに席を外すように言われて、今は退室している。
「……しかし、コルベール君は君のことを『外見は薄汚れているが』などと言っていたが。私には十分身ぎれいにしておるように見えるがのう?」
「ああ、先ほどはむさくるしい格好で皆さんに失礼しました。なにぶん最近は洞窟探索にかかりきりでしたので。こちらへ来る前に水場をお借りしてちゃあんとお手入れしてきましたから、もう大丈夫ですよ」
実際、アバンは先ほどまでとは見違えるように、きちんと身だしなみを整えていた。
水場まで案内したルイズも驚いたのだが、彼はごく短時間のうちにきちんと泥を落としひげをきれいに剃り、髪の毛のカールまでかけ直してきたのである。
荷物袋の中にケアセット一式を入れて持ち歩いていたらしい。
さすがに服までは交換できなかったようで、元々着ていた丈夫で動きやすそうな探索用の服装のままだったが、まるで洗濯してブラシまでかけたみたいにきれいになっている。
(確かに、落ちぶれたにしても元々は貴族だって話は本当みたいね)
ルイズがそんなことを考えていたところで、オスマンがぼちぼち雑談を切り上げようとする。
「さて。コルベール君の話によると、君はずいぶんと離れた土地から来たらしいということであったが……」
それから、情報交換が始まった。
互いに自分たちの知っている有名な地名や国名を並べ、文字の書かれた文書を見せ合い、双方の文化風俗などについても、思いつくままに話していく。
特にアバンの側は、わからない部分を積極的にオスマンやルイズに質問した。
その結果、やはりこのトリステインという国、そしてそれを含むハルケギニアという大陸全体が、アバンのいた文化圏とは人的にも文化的にも交流のない、まったくかけ離れた場所だろうという結論に達した。
「私のいた人間の文化圏では、ギルドメイン、マルノーラ、ホルキア、ラインリバーという四つの大陸が知られています。その他にも島などはありますが、いくつもの国家が存在するほどの大きな陸地が別に存在するという話は聞いたことがありません」
「ふむ、確かに。私も、そのような大陸があるとは聞いたことがない。君の故郷は、我々がロバ=アル=カリイエと呼んでおるエルフどもの国の東方にある地域か、あるいはそれよりもさらに遠方の地域に存在するのかもしれんな」
「ほほう。エルフ……ですか」
アバンは興味深く、話の内容を記憶に留めていった。
エルフという種族については、書物で読んだことはあるが、まだ実際に見たことはない。
「その可能性もありますが。私としては大陸の違いといったレベルの話ではなく、世界そのものが違う、異世界であるという可能性が高そうに思えますねえ」
「別の世界って、どういうことよ?」
ルイズが怪訝そうにする。
「私にも、はっきりとはわかりませんが。私の故郷では、世界は大きく三つに分かれているとされています。神々や精霊の住む天界、我々人間の住む地上、そして魔族の住む魔界です。それ以外にも、このハルケギニアのような我々にとっては未知の世界が存在していた、ということではないかと」
「なによ。おとぎ話じゃないの」
疑わしげな、というよりはむしろ呆れたような目を向けてくるルイズに、アバンは苦笑した。
「まあ、私も実際に天界や魔界に行ったことはありませんし、あくまでも推測です。オスマンさんが言われたように、単に遠く離れた別の大陸なのかもしれませんね」
一歩譲ってそう認めはしたものの、アバンはここが異世界であるということを疑っていない。
窓の外に見える空に青と赤の二つの月があることに、彼はとうに気が付いていた。
天界はまだしも、魔界については、そこから実際にやってきたハドラーやバーンのような魔族が存在する以上、実在を疑う余地はないのだし。
「……さて。まだまだお聞きしたいことはありますが、きりがないですね」
アバンは、コホンと咳払いをした。
「ともあれ。遠く離れた大陸であれ、異世界であれ、私はこのハルケギニアの慣習について存じませんので。私を使い魔にするために召喚されたということでしたが、それがどういったものか、何をいつまですればよいのか……といったよーな基本的なところを、先に教えていただければと」
「ふむ。もっともなことじゃな。ではそろそろ、そちらの本題に入ることにしよう」
オスマンとルイズが、こちらの世界の貴族は基本的に皆、数千年前のブリミルという人物を始祖とする系統魔法と呼ばれる魔法を使うメイジであること。
メイジは使い魔をもつことができること。
トリステイン魔法学院では二年への進級時に使い魔を召喚する規則になっていること。
その他諸々の、魔法や使い魔に関する事柄を話していった。
アバンはそれらの話を興味深く拝聴し、もう少し突っ込んで聞きたいと思った部分では、質問を挟んだ。
「ふむふむ。では、使い魔というのは、概ねどういったお仕事をするものなのですかね?」
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」
「といいますと?」
「使い魔が見たものを主人も見ることができるのよ。主人が簡単には行けないような場所に代わりに行って、確認してくるわけ」
「うむ。私のモートソグニルもよくいろいろなものを見てきては、私に教えてくれるからのう」
オスマンはそう言って、ほっほっと笑う。
白いハツカネズミが彼の足から肩にまで登って、ちゅうちゅうと鳴き声を上げた。
「ははあ、なるほど……」
つまり、魔王軍の『悪魔の目玉』のような働きをするということか。
「そうなりますと、いま、私の見ているものが、ルイズさんにも見えているということですかね?」
「まだ契約を済ませてないから、今は見えないわよ」
ルイズはそう言って肩をすくめた。
「それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。サラマンダーなら、火山の火口から魔法の触媒になる硫黄をとってきたり、ジャイアントモールの使い魔なら、地面を掘って貴重な鉱物を見つけてきたりね」
「さよう。モートソグニルも、机の影に落としてしまったペンやそこらに落ちておるコインなんかを、よく拾ってきてくれるんじゃよ」
「ふむふむ?」
アバンは小さく首を傾げる。
「……私、足や知識にはそれなりに自信はありますが、今のところこのあたりの地理とか生態系とかには疎いですからねえ……。まず、こちらでお勉強をしなくては」
「今から勉強って。いつになるかわからないし、今のところそんなにほしいものもないから、それはいいわよ」
「いえいえ。家庭教師業をしている身といたしましても、こちらのほうで無知無学のままでいるというのは問題がありますからね。早めに、いろいろとお勉強はさせていただくつもりです」
「そう。まあ、好きにすればいいわ」
ルイズはほとんど期待もせずに、適当に頷いた。
「それから、もっとも重要な役目として、使い魔は主人を守る存在であるのよ。その能力で主人を敵から守るのが一番の役目とされているわ。でも……」
じろじろとアバンの姿を眺める。
「……貴族と言っても、あんたは魔法は使えないわけだし」
「はあ。あなた方が使う系統魔法というものについてでしたら、今のところは使えませんねえ。今後使えるようになるかどうかは何とも言えませんが、これまでにお伺いした限りでは、始祖という方から連なる血統が重要なようですし。……まあ、期待薄ですかねえ」
「メイジの血を引いてないなら、どう頑張ったって魔法が使えるようにはならないわよ」
ルイズは面白くなさそうに鼻を鳴らした。
「剣を持ってるみたいだけど、少しは使えるの? それだったら、平民の護衛の代わりくらいにはなるかも」
「えーと。まあ、一応は十数年前にカールの騎士団に所属していたこともありましたので、そこそこは使えるかと思いますよ? 訓練はサボることが多かったですが……」
アバンは苦笑して頭を搔きながら、そう答えておく。
まだまだこの世界についてよくわかっていない今の時点では、あまり情報を公開しすぎないほうがいいだろう。
系統魔法は使えないとかカール騎士団時代にはよくサボっていたとかは事実なので、嘘は言ってない。
第一、勇者になって魔王を討伐しましただのと馬鹿正直に言っても、信じてもらえるはずもないだろうし。
「はあ……。やっぱり、あんまり役には立たなさそうね」
最初から大して期待もしていないが。
「まあまあ。一番の役目と言っても、それは使い魔にもよるでな。カエルやネズミに人間を守って戦えというのは無理な話じゃよ。それぞれができることをすればいいのじゃ」
オスマンはそう言いながら、モートソグニルにナッツなどをやって可愛がっている。
ルイズは頷いて、アバンに向き直った。
「そうね。どのみち、少なくとも学院にいる間は、護衛が必要なことなんてそうそうないだろうし。何か役に立ちそうな特技とかはあるの?」
そう聞かれたアバンは満面の笑みを浮かべて、自信をもって頷いた。
「ありますとも! 料理、裁縫、その他の家事全般には自信があります!」
「家事ぃ? 貴族のくせに?」
「貴族と言いますか、私は自分は学者の家系だと思ってますし。我が家には忠実な執事が一人いるきりでしたからねえ。彼は大変良く尽くしてくれましたが、私も身の回りのことくらいは一通り自分でできるよう、早いうちから仕込んでもらったんですよ」
アバンはしみじみと懐かしげに、そしてどこか誇らしげに、そう話した。
「ふうん……」
使用人が一人しかいないなんて貴族としては底辺もいいところだとルイズは思ったが、アバンのそうした様子を見て、口に出すのは控える。
(まあ、田舎町の没落した小貴族なんて、そんなものかも知れないわね)
もちろん互いの文化圏に大きな違いがあることはルイズも承知しているのだが、どうしても自分の常識で判断しがちになるのは仕方がないだろう。
「まあ、それなら。わたしは仮にも貴族だったって人にそんなことをやらせる気はなかったけど、あんたがそれでいいっていうんだったら、当面は掃除洗濯、その他の雑用なんかをやってくれればいいわ」
「承知しました。……それで、ですね」
アバンはコホン、と咳払いをすると、少し真面目な顔つきになって、居住まいを正した。
「こちらで使い魔としてのお仕事をお引き受けすることに異論はないのですが、前もって、いくつかお願いしたいことがございまして」
「ふむ、言ってみなさい」
オスマンが促す。
「ありがとうございます。まず、実は私は行方不明になった弟子を探すための、探索の最中でして」
アバンは、大魔王がどうしたというような説明が難しく信じてもらえそうもない話はとりあえず伏せておいて、自分の身を犠牲に大勢を救った素晴らしい弟子がいて、その行方が分からなくなっていることを説明した。
「私どもが知っている地上世界のどこにもその弟子、ダイ君の姿が見つからないので、他の弟子たちをはじめ多くの方々が手分けをして探してくれているところです。私が召喚の門に入ったのも、あるいはそれが、彼のいる場所に導いてくれるかもしれないと思ったからでして」
「なんと、まあ。あてもなく世界中を探し回っておったとは、それはまた難儀なことじゃな……」
「おっしゃる通りです。しかし、どうしても見つけなくては。彼は、私たちすべてにとっての恩人なのですから」
アバンはそう言って、ルイズの方を見る。
「ですので、あなたの使い魔の仕事はもちろんしますが、彼を探すためにしばらくお暇を頂いて、いろいろ調べに出たりすることがあるかもしれません。ダイ君は、この世界にいるかもしれないのですから。それを許可していただきたい」
「ふーん……?」
ルイズは半ば夢物語でも聞いているような、半信半疑の面持ちではあったが。
アバンが真剣な様子なので、とりあえず頷いた。
「まあ、別にこの学院の中で、あんたがいないと困るような用事なんてないだろうし。使い魔にも自由時間は必要でしょ。そのくらい、構わないわよ」
「ありがとうございます。では、次に。こちらでの召喚した使い魔との契約の作法については、先ほどお伺いしましたが……」
「おお、そうじゃった。ミス・ヴァリエールと君とは、まだ正式な契約まではしておらんのであったな?」
オスマンは長い白ひげを撫でながら、ほっほっと笑った。
「契約とはいえ、こんな若い娘さんととは。うらやましいことじゃよ」
彼のその冗談めかした言葉を聞いて、ルイズは盛大に顔をしかめた。
そう、あえてその件については考えないようにしていたが、『サモン・サーヴァント』で召喚された使い魔と『コントラクト・サーヴァント』で契約するには、その使い魔にキスをしなくてはならないのだ。
ルイズは今年で十六歳だが、これまでにキスなんてしたこともない。
ファーストである。
(け、契約だからノーカンよね?)
そりゃあ、アバンは最初は薄汚れたなりだったが、こうしてきちんと身だしなみを整えた姿を見ると貴族らしく整った顔立ちで、なかなかの美男である。
しかし、若々しくはあるものの、年はおそらく自分より十歳以上は上だろう。
ようやく十代後半に差し掛かったばかりの女子からすれば、三十前後の男などおじさんもいいところだ。
そうでなくても、いくら美男子だろうが若かろうが、今日初めて会ったばかりの素性の知れない貴族もどきの男などと喜んで唇を重ねられるほど、公爵家の令嬢たるルイズの貞操観は安っぽくない。
「それについてなのですが。大変ワガママを申すことになりますし、神聖なものとされている召喚の儀を軽んじるつもりもないのですが、何卒正規の作法については免除していただいて、使い魔として働くという口頭でのお約束で済ませていただきたいのですよ」
「……はあ? 何でよ。今さら、何を言ってるの?」
ルイズはむっとしたようにそう言ったが、オスマンはひげを撫でながら首を傾げる。
「何故だね?」
「まず、私は既婚者でして。儀式とはいえ妻への不義理や不貞はしたくない、というのは理由になりませんか?」
「え……」
予想外なことを言われて、ルイズは軽く面食らった。
それに、と、アバンは言葉を続ける。
「言葉の通じない動物などと契約する場合はいざ知らず、人間同士であれば、契約とは一方的にルーンを刻んだりすることではなく、互いに約束し信じ合うことで交わされるべきものと思います。私はルイズ、あなたの使い魔となることを約束します。それを信じていただきたいのです」
厳粛と言っていいほど真面目な面持ちでそう言って頭を下げるアバンに、ルイズは困ったように視線をさまよわせた。
「……そう言われても……」
自分としても、感じ入るところがないではないし。
契約のキスをしなくていいというのは、正直ありがたいことだが。
だからといって、一介の生徒に過ぎない彼女に、学院の規則を自分の一存で変えられるわけもない。
彼女は問いかけるように、オスマンの方を見た。
その視線を受けて、彼は鷹揚に頷く。
「なるほど、君の言うのはもっともなことじゃ。ミス・ヴァリエールもそれで承知であるなら、『コントラクト・サーヴァント』は免除としてもよかろう」
「え? い、いいんですか?」
あまりにあっさりと許可が下りたので、ルイズが拍子抜けする。
オスマンは、ほっほっと笑った。
「コルベール君なぞはまだ若いから、生真面目に規則遵守と考えるかもしれんがな。私ほどの年になると、細かいことは気にかけんでいいとわかるものじゃ。そもそも召喚の儀を二年への進級時に行うのは、あらわれた使い魔を見て今後の属性を固定し、専門分野へと進むためである。要するに学院側の都合なわけじゃが、それならば召喚の時点で目的は達成しておるわけで、その後の契約まで強要するいわれはなかろう?」
とはいえ、人間が召喚されるなど前例がないのでアバンを見てルイズの属性がわかるかと言われれば返答に困るが、まあ、それはそれである。
いずれにせよ、召喚された使い魔を見て属性を判断することとその使い魔と正式に契約をすることとは、まったく別の話だ。
「ご配慮いただきまして、ありがとうございます」
アバンはオスマンにお辞儀をすると、話を続ける。
「最後に。先ほども言いました通り、私には妻がおりますし、他にもさまざまな大切な人々や、やり遂げなくてはならない仕事を残してきています。使い魔の契約がどちらかが死ぬまで続くものだということは理解しましたが、こちらに来た時点では、まだそのことを知らなかったのです」
なので、帰る手段が見つかり次第帰還することを許してほしい、と言った。
「その後は、基本的には私の故郷の側、妻のもとにいることになるかと思います。行き来する手段が見つかれば、おそらく定期的に来ることは可能になると思いますが、常にこちらにいるというわけにはいかないでしょう」
「……ええと……」
ルイズはまた少し困ったような顔になって、オスマンの方を見る。
「契約後のメイジと使い魔の関係については、私が口を出すことではない。自分とは別のパートナー、同じ種族の番を持つことを許し、普段はそちらと暮らさせて、大事な用のある時だけ呼び出すようにしているメイジもおる。君次第、いや、君と彼との合意次第じゃ」
彼女はアバンの方に向き直ると、気まずそうに言った。
「その。よくわかってないのに召喚に応じちゃったことについては、気の毒だとは思うんだけど……。でも、帰る手段って言っても、そもそもあんたがどこから来たかもわからないんだし、使い魔を元の場所に戻せる魔法なんてものもないし、難しいと思うわ」
「それについては、私の方でダイ君を探す傍ら、何とか調べてみますよ。ある程度の目星さえつけばどうにかなると思いますので。召喚者であるあなたにもご協力いただきたいことがでてくるかもしれませんが、それについてはまたその時がきたらご相談させてください」
「そう……まあ、帰りたいのはわかるし、方法が見つかったなら、帰ってもいいわ。わたしも、少しくらいは探すのに協力してもいいけど……」
とはいえルイズとしては、アバンが元の場所に帰るなんてまず無理だろうと思っている。
ハルケギニアの中のどこかというのならともかく、それよりも離れた場所となると、恐ろしいエルフたちの住む国を抜けていかねばならないし。
よしんばそれができたとしても、その先に広がる未知の領域をあてもなく探し回らなくてはならない。
何年かけても、手掛かりが見つかるかどうかさえ怪しいだろう。
悪気はなかったとはいえ、結果的に奥さんと引き離すようなことになってしまったようで気の毒をしたとは思うが、どうしようもない。
しかし、アバン自身は今後については前向きで楽観的なようで、悲壮感などまったくなかった。
「ありがとうございます。とりあえずは、こちらの文字の勉強などをお手伝いしていただけると嬉しいですね」
そう言ってにっこりと笑うと、右手を差し出す。
「私からの条件は以上です。それではルイズ、私はこちらに滞在している間、あなたの使い魔として働かせていただくことにします。よろしくお願いしますね」
「ん……。まあ、よろしく」
ルイズは少し躊躇しながらも、その手を軽く握り返した。
そうして、アバンと彼女との契約は成立した。