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「十の内、ドラムロが六、ビアレスが三、その他が一の配分でいく」
「実質、ビランビーも生産停止か。技術の移り変わりは早いもんじゃのう」
「ビランビー作るよりビアレス増やす方が強いのですから仕方ないですよ」
月例会議で生産調整に関する決定が通達された。
隊長機としてビアレスを騎士用に、兵士用にドラムロを二機付けるという小隊構成で生産されることになる。クの国に輸出される赤い三騎士用ビアレスのように、輸出用であったり特務隊など騎士用のみの生産は残り一に含まれることになっていた。攻撃隊用にライネック仕様のビアレス・アタッカーを生産するので、それらと生産枠を分け合っていくことになる。実質的にビランビーは生産停止といって差し支えなかった。
「それならいっそ、ビアレスだけ作った方がええんじゃないですかい?」
「その場合はオーラ力が弱いが他の才能が高い者を捨てる事になるな」
「指揮官はドロに乗って見える位置で……ってわけにはいきませんしなあ」
(それもあるが、仮に軍縮して騎士同士の戦いになった時に困るからな。理屈を付けてドラムロを減らすってことにしてえんだよな。ま、あの件をドレイクが通してシーラが受ければの話だが)
ビアレスが強いから単純にビアレスだけを作れば良いという話にはならない。
戦いは数なのでドラムロは重要だし、速度が遅い事が逆に扱い易い事にも繋がるから練習機として最適なのだ。ウイングキャリバーなども大型機のズロンが生産されるようになったが、オーラが少ない者のためにバラウが生産され続けている。少数生産の時代ならまだしも大量生産に切り替わると、総合的にコストが低い事もありドラムロはまだまだ生産され続けるであろう。
「さて基本方針は示したし、そろそろお前らも独り立ちの時期だろう。生産調整の他にライネックの開発もお前らでやってみろ。目標としては9メット9ルフトン未満を目指すとして、細かい改良は理由さえあれば試してみて構わねえぞ。でかくしようが重くしようが、そこに納得できる理由があるなら構わねえ」
「「はい!」」
ゼット・ライトは内乱終了による区切りもあって組織改編を試みた。
ここから生産拠点の拡充とテロ対策もあり、エルフ城や総旗艦ウイルウイプス周辺に機械の館を増築する事になるだろう。以前から拡充し易くしているとはいえ、責任者の鍛冶師と徒弟のグループという単位で各地の工房を任せることになる筈だ。一部は精鋭を集めた生産拠点で作るとしても、数名は新人と共にパーツ専用工房や量産機専用工房などを任せることになるだろう。
「確認しますがどうして9メットと9ルフトン未満にこだわるのですか?」
「そりゃおめえ、努力しねえと腕は磨かれねえってのが一つ。同じ能力で小さな機体、小さなパーツって方が良いわな。その上で新技術……例えば三号機を元にしたオーラ操作技術が2ルフトンで、既存のパーツと入れ替えても1ルフトン必要つーたらどうすんだ? 縦に1メット延ばせば重量が半分と聞いて格納庫に収まらねえ機体を作んのかってことよ。もちろん城の防衛用とか実験だけってんなら問題ねえけどな」
若い鍛冶師の質問にゼットは簡単に答えて置いた。
分かり易い指針として改善点は『出来るだけ小さく』『出来るだけ軽く』作るという事だけだ。能力は基準点に達していれば構わないと告げた上で、この後に『新技術が追加された場合』に備えて、軽くした部分で補うのだと教えたのである。
「素材の吟味は十分にやったから早々能力は上がったりしねえ。だがオーラ操作とか今までになかった概念で増える可能性はある。今んところ俺らが世界最新だがよ、これからは追われる立場だ。妙な新技術を持った国が『敵国』に回って、その技術を俺らが真似ることになるかもしれねえしな」
「なるほど。その為に出来るだけ小さく、軽くしておくのですね。納得です」
「それもあるし、同じ飛行能力なら軽い方が早いってのもあるな」
オーラ操作を例に出し、特殊技術を持つ敵が現れる可能性に言及する。
それだけで若い鍛冶師は納得したし、年齢を経た鍛冶師も言葉に出さないだけで理解はしているのだろう。ひとまず幹部全員が顔を合わせ協議をする事にしたようだ。
「まず小さく作れば工房長がおっしゃったことが可能になる」
「まったく同じ大きさなら、ビアレスとパーツを交換できような」
「大きくする場合は実験用や防衛用か。他にもありそうじゃが……」
(ライネックはこのまま任せてても良さそうだな。なら俺はズワァースを8メット8ルフトンで仕上げつつ、空いた時間でガラバに取り組むか。師匠ならそのくらいやって見せるべきだし、原作でもそのくらいの能力だった筈だからな。大きくするのは限界オーラが低かったらって事にするか)
ゼットは単に弟子を信任して任せたという訳ではない。
その時間を使って自分の仕事と作品を仕上げる為でもある。原作のズワァースが持っていた欠点を取り払い、少しでも良い機体に仕上げるため。そしてゼットが作った最終作であるガラバを出来る限りの傑作に仕上げるためだ。原作の『浮上』による地上への追放後では、生産性とか運用面で問題も多かったはずだ。それを出来る限り前倒しで制作しつつ、万が一間に合わなかった時に備えて、『現実的な改良で問題点だけでも何とかする』という目標を持つために弟子に任せたのである。
(何も考えずにノータイムで仕上げんなら直ぐにでもズワァースは作れんだよな。現行の試作型を素体からパーツから軽めの物で見直して高級な武器を付けて、三号機由来のオーラ制御系に入れ替えるだけで済ませる。この案は直ぐにでも勝利が必要な場合に用意する最低限の代物だ。良質な物に取り換えて、運用を見直すことで戦術的に強化するだけで済ませる)
ゼットは現実主義なのでまず目標とする案を考えた。
いわば現行置き換え型というところか。努力を惜しむわけではないが、時間が無かったり目の前の勝利で全てにケリが付くような場合に、自分の我儘で行動する訳にはいかないからだ。試験型は原作のズワァースよりも火器を減らしているので、その分だけ中身に余裕がある。ただこの場合はマイナーチェンジであり現行機と比べて大して強くなくならないから、戦術を見直すなどで何とかするしかない。それが現行置き換え型であり最低限の目標であった。少なくとも時間をかけて仕上げるならばこれ以上の機体でなければならない。
(改良案の一つ目。高級武装とその配置を『他作品のアイデア込み』で徹底的に見直す。例えば頭はガンダムMK-Ⅱ方式の外付けバルカンだ。頭部形状を見直すだけだし、必要だと思った時に追加できるようになる。他にもギアスのスラッシュハーケンみたいにショットクローの切れ味を高めた刺突用にする。クロー四本の連射は聖戦士相手でも意表を突けるから一般兵にも通じるだろう。ギアスの武器ってんなら上を取ってからオーラで強化したバルカン撃ちまくるとか、フレイボムの放射時間延長もアリだよな。そうした変化を付けた上で強襲機として見直せばいい)
上記の置き換え案を最低限とし、一つ目の改良案は武装の徹底修正である。
原作では火力は高め難いので小型軽量化を徹底し、大量装備を踏襲していた。これをより便利な武装にしてみたり、オーラで強化しつつ連射数を増やしたり、放射時間を延長する様な考えである。バルカンなら頭と股間を含めた複数配置して連射すれば意味が出て来るだろう。フレイボムなら三機のドラムロが同時に放っているので、火炎放射器のノズルを改良しつつ、燃料を全て消費する覚悟を決めれば一機でも可能であろう。バイストンウェルだと穀倉地帯でも吐き払わない限り不要だが、地上に出るなら悪くない案である。
(とはいえ詰め込み過ぎは禁物だよな。それこそ無数のバルカンを持つデストロイドとかヘビーアームズみたいな構成は、防御用の機体にこそ良く似合う。ズワースなら強襲用だ。オーラで強化したオーラソードの他、会敵数分で全力を叩き込んで一撃離脱で脱出する方が似合うだろうよ。これが二つの目の案。感覚的にはバス・トール……いやボチューンをドレイク軍の技術で組み上げて、必要な装備を後から設定する。火力が足りなきゃこいつも部隊編成から運用を見なおせばいい)
二つ目の改良案は現行でやっていることの先鋭化である。
無理やり武装を増やすのではなく、むしろ減らして更なる軽量化を図る。まずは可能な限り小さい機体を作っておき、その機体で持てる武器を持たせるわけだ。足りなくなる火力は三機編成であるとか、オーラ操作で強化して補えばいいという案であった。バストールなら9メット・7ルフトン・限界オーラ15以上で、ボーチューンであれば7メット・5ルフトン・限界オーラ力が18前後。それくらいのサイズで作戦に対して有用な武装を複数有して居ればそれだけで強い機体で間違いはないのだから。
(最後は真逆、むしろ能力が期待できるほど大きくする。13メットか15メット……ズワウス並みだな。ブブリィみたいに複座前提にして移動は変形か合体すればいい。ブブリィは戦艦並みの大きさなのに600リルくらいかっ飛ぶからな。ビルバインが変形してもズワァースと変わらないくらいなのを考えれば凄まじい速度だぜ)
そして最後に巨大化案を付け足した。
ここまでくるともはや技術検証の為の機体でしかない。増幅装置を付けるだけ付けてみて、『巨大だが速度も戦闘力も落ちてない』という前提で動かすのだ。基本的には目的地まで飛翔して、オーラで身を守りオーラの剣を振うだけの存在になるだろう。そこに火器とか盾は考慮する必要が無い。剣を振うだけで城やオーラシップを落すであろうし、余裕があればオマケなど幾ら付けても良いのだ。ブブリィの様に600リルとは言わないが、ビランビー並みの300リル出れば問題ないだろう。場合によっては合体によってそのくらい速力が出せれば良いのである。
(後はガラバか……。しかし、武装的には足すところも削るところもねえんだよな。強いて言うなら足を四本から六本にして、付け足した部分をオーラ制御のノズルにしてガウォーク形態を付け足すくらいか。シュツルムブースターがあってもいいが……ガラバを早くすることは無理だろうなあ……じゃあ悩むのはズワァースだけだな。考えるとしたら俺オリジナルで何か作るかだけだ)
ゼットは思案を巡らせてこの後で製作する物を考えてみた。
原作的にはガラバくらいで、それを見たショット・ウェポンが刺激されてブブリィを作る流れなのだ。ならば特に製作する物は無いし、オリジナルで何か作りたいかと言われたら今のところは特にない。それこそ敵はボゾンでボチューンやビルバインを製作中だろう。この時期にライネックまでの計画が出来上げっているのだ。焦る事は無かったというのもある。
(①現行の置き換え。②武装の徹底修正。③目的に合わせた先鋭化。④実験を兼ねた大型化。概ねこの四つだが実験用は無いな……③は親衛隊仕様のボチューンと同じくらいだよな。となると②を目指しつつ無理なら①かねえ。ズワァースでオーラノズルを試して、その結果でガラバやまだ見ぬオリジナルってとこだな))
ゼットはこの四つを並べ、その後ろに二つを置いた。
四案のズワァースを経て、ガラバなりオリジナル期待を目指す。その方針を固めて武装案をまとめ始めるのであった。
という訳で新しい生産体制(実質的に最後の生産調整)になります。
ビアレスの生産を始めた時点で有利なのでライネックは弟子へお任せ。
自分はズワァースを片付けつつ、後にガラバとかを考慮する感じですな。
●ズワァースの四案
基本的には8メット・8ルフトン未満で、頭と股間武器を排除。
オーラ操作を追加することで、限界オーラ16を18以上を目標。
そこから何を目指すのかの差ですね。
せっかくなので、アンケートしてみます。
もちろん没案は、他で使うことになるでしょう。
①現行置き換え案「バス・トールⅢ」前提案
ビランビー・ビアレスで試した海兵用・強襲仕様の置き換え版。
言う程強くないけれど、時間に余裕が出来るので次の設計が早くなる。
最も現実的で安定し、戦局は左右しないが開発が早まる。
②武器徹底修正案「ブラック・モア」本命案
頭部バルカンを外部設置型にしたり、上空から乱れ撃ちをするなど
他作品から色んな武装アイデアをオマージュして盛り込んでいく。
最もズワァースっぽい行動をとることになるが、最もかけ離れてしまう。
③行動尖鋭案「ガラリア隊専用ボチューン」対抗案
とにかく軽い機体を製作しオーラソードと能力維持可能な火器で戦う。
強い事は強いが、開始五分で武装を使い切る乱射機体だと思われる。
使い手に依存ずるのはボチューンと同じなので、聖戦士が居ればもっとも強くなる。
④巨大化案「ズワウス」穴馬案
サイズ制限を解除し、13メットから15くらいで製作する。
高速移動できる能力を持たせること前提で、増幅器などを山盛り。
剣があれば全てが解決し、他は付けられたとしてもオマケになる。
●オマケ
「ガラバ改」
原作との差は四本脚を六本に変更して、足を可変させること。
エンジンが下を向くロシア製のフリースタイル(Yak-141)や、マクロスのガウォークをインスパイアしたもの。高速で突撃する以上は頑丈な前足が格闘戦に必須だし、撃ちまくるためにオーラバルカンx2と三連オーラショットは必須。火力が必要なのでオーラキャノンと、武装面ではこれ以上必要ないくらいあるので、他に弄り様がない。(フレイボムとかミサイルまで積めないし、積んだらブブリィになるため)
「グワサング」オリジナル機体
特に能力は決まっていないが、名前だけは決まっている。
なお何処かの指輪物語ではなく、ゲームの大航海時代の外伝で海賊主人公と父親が戦った船が印象的であったため。
ズワァースの開発はどれでしょう?
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①現行置き換え案(次が早くなる)
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武装徹底修正案(一番強くなる)
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行動尖鋭案(一番速くなる)
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巨大化案(ズワウス改良型が登場する)