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「訓練の方は順調そーだな」
「ようやく無駄には意味があるって事を覚えてくれたよ」
「そりゃお疲れさん。これであんたもギネス教官殿だ」
「よしとくれよ。それじゃまるで記録でも取ってるみたいだ。ラウの国と戦う前にちょいと素人共を鍛えたかっただけさ」
エルフ城陥落からアの国はドレイクのものとなった。
この時点では原作と違ってラウの国とは戦いになっていないものの、『エレ・ハンムの消息を掴んでいた』という事実がその後の展開を変化させる。クの国がエレを連れ出し、それを追い掛ける形でラウの国とクの国が交戦。同盟者としてドレイクも援軍を送るであろうというのが大方の見方である。
「それで今の調子で何とかなんのか? 相手は同格として」
「顔合わせて撃ちまくるならいけるぜ。相手の方が強いなら知らん」
「ダンバインのショウ程じゃないにしても飛び回る奴ならどうよ」
「そりゃ無理だろ。数が違えば牽制が当たるかもなってとこ。オレやバーン程じゃないにしてもビアレス使いが増えれば別かな」
軍人であるトッド・ギネスが見たところ所詮は素人芸らしい。
あくまで『歩兵と騎兵の世界から、オーラマシンの世界に対応できるようになった』というだけであり、『敵を睨んでボタンを押したら火砲が飛んで、レバー倒しながらやったら斬りつける』という行動を卒業した程度らしい。それで何とかなるのはオーラが行動を補正してくれるからだ。意志を汲み取って細かい操作をやってくれるから可能になった。効率的な射撃方法があったとしても、そういうのがある事を知っただけで出来る筈もない。
「交差射撃つーか十字砲火を今から教え込むレベルで、予測射撃は無理か?」
「ああ。みんなで同じ方向を撃てば命中率も威力も上がる理解したくらいだ」
「お前さんが付きっきりでそれか……しゃーねえ。ゲームセンターでも作るか。コックピットの材料を別枠で用意して、サイドモニターや無線に付けてる画像添付技術を使えば何とかなるだろう」
トッド曰く教えた通りに撃てば当たるが、それだけらしい。
そこから工夫して密度を上げることで、命中率と威力が上がる事を覚えたレベル。相手を追いかけ回して火砲を命中させるのはまだまだであり、『素人にはまずドラムロ』『とりあえず正面に対して撃たせろ』と小隊長である騎士と部下である戦士たちに教えたレベル。ビアレスで高速戦闘を行うのは騎士でも無理であるとのこと。思い返せば原作でもこの時期は『追加の聖戦士』たち三人を召喚し、彼らに説明すれば何とかなったレベルだ。敵も味方も上級機体を操れるレベルではないのだろう(だからこそショウやマーベルが強いのだし、バーンやトッドが重宝される)。
「ゲームセンター? 宇宙人でも追いかけ回すのかよ」
「おう。宇宙人は宇宙人でも侵略者の方だけどな。後は核戦争か」
「軍務が忙しくてゲームセンターは詳しくねえんだよな。細かく頼む」
「インベーダーとミサイルコマンダーだ。前者は戦列を組んだ宇宙人が、ゆっくり移動して遅めの火砲を撃つから、こっちは障害物が無事な間に射撃するゲーム。後者はひたすら振って来る核弾頭を、対空砲で安全圏内の間に落すゲームだな。こいつらを元に、『四角枠へみんなで撃ち込め』ってコツと、『相手の移動先に四角を合わせろ』ってことを教え込む。あとは普通にレバーやスロットルくらいは覚えられるだろうよ」
ダンバインが放映されたのは喫茶店などにゲームが導入された時代だ。
最初はピンボールや簡単なメダルゲームだったが、ポーカーやブラックジャックの初期ビデオゲームが登場。その延長線上でパックマンなどの様々なゲームが登場する訳だが、インベーダーの台頭などで劇的にゲーム需要が増大してゲームセンターが成立するのである。要するにシューティングゲームを知って居れば誰でも覚えられるコツですら、地上人は知らないのだ。当然ながらバイストンウェルのコモンたちが知る筈もない。
「あー。フライトシュミレーターか。忘れてたぜそんなの」
「オーラマシンは考えれば動くからな。聖戦士は実体験の方が早い」
「なるほど。下手に動かせるようになると感覚で済ませる弊害だな」
「そういうこと。ここは基本に立ち戻って、まだ乗れない奴から鍛えていく。その上で平面上の光点を照星……だったか? ターゲットサイトに入れて撃つ練習させんのさ。それで予測射撃も何とかなるだろう。問題は……十字砲火を対応できるようなシステムは組めねえなあ。やっぱ『四角に入れて撃つ』を徹底させるっきゃねえな」
疑似コックピットに座ってゲームをする筐体は元軍事技術である。
第二次世界大戦のころから存在しており、以前にも言ったと思うがアメリカは車の操縦で機械に慣れているのを利用した。ゼット・ライトはそこに更なる新機軸を加えて、交差射撃や予測射撃に関して覚えさせようとしたのだ。もちろんゲームセンターのゲームなど例えでしかないので、思い出せるゲームがあれば他のゲームだっていい。
「その辺はオレに任せな。代わりに疑似判定出せないか? 当たった扱い」
「対戦させんのか? オーラの探知機みたいなのが出来れば可能だが……」
「いや、んなの通信でいいんだよ。信号Aを受信したらそれでKOみたいな」
「ふーん。そのくらいでいいなら暇な時にやっとくよ。最初はシミュレーターで機能すりゃあいいだろう。その上で、余裕があれば練習機の中に詰めてみるか。どうせモノホンの油や火薬は要らんしな」
そんな感じでトッドとゼットは暇なうちに兵士を鍛えることにした。
これからラウの国の戦争と成れば強いオーラバトラーは幾らあっても足りない。だが現状ではドラムロが精一杯で、ビアレスを満足に操れる者すら少ないのだ。ゼットが介入して運命が変わったこともあり、追加聖戦士の加入が遅い(ないし無くなった)こともあって、やることはいっぱいあったのである。
「お? 確か新型は材料や武器待ちとか言ってなかったか?」
「ナの国に使者を出すことにしたんだと。だから土産で飾り物の大戦艦を設計して見ろってドレイクが注文してきたんだよ。それなりに強そうだから、既存の計画を見直して作り直すか悩むが、決定的に強くないのが良いとか無茶を言いやがるぜ」
トッドの疑問にゼットは簡単な図面を見せてやった。
以前にナの国に使者を送って、軍縮条約を作ってラウの国を間接的に追い詰めよう。という策を提案したことがあった。今回、ラウと直接対決するのではなく、クの国を挟んで間接的に戦うことになる。そこで以前の贈り物を追加し、旧式になったドラムロやビランビーに続いて、大戦艦の設計図を送ると言う事になったそうである。
「ブュリュンヒルデ? なんか たいそうな名前だな」
「北欧に登場する戦の女神ワルキューレの一柱の名前から流用した」
「そいつは天使みたいに背中に翼でもあんのか? でっかいのがあるが」
「むしろ小さいのが複数あったはずだぞ。兜や靴とかな。でっかくしてるのは盾というか、あえて弱くするための錘役だな。向こうで改良して凄い機能にしたら知らん」
巨大戦艦ブリュンヒルデ。銀河英雄伝説に登場する優美な船を参考にした。
ただし名前とサイズ分類を微妙に変えているのと同時に、形状は悪役である大貴族が乗る旗艦級戦艦と盾艦と呼ばれる権威の象徴を参考にしている。疑似三胴艦として、左右の艦はイザと言う時に切り離して盾に出来るようになっていることからこういう名前になっている。ハッキリ言って無駄なのだが、他国に供与するデザインとしてはこのくらいで良いだろうという算段だ。
「盾? 戦艦にか? それって何にか意味があるのかよ」
「ねえよ。無いからプレゼントにするのさ。空中母艦としては意味があるがな」
「艦載機を安全に出撃させるのと、格納スペースってことか? それならまあ分からんでもない」
銀河英雄伝説では完全に無駄な機能だが、聖戦士ダンバインなら話は別だ。
盾艦の中身をくりぬいて多重のブロック構造にしてある。これを使ってオーラバトラーを格納するスペースにしつつ、盾艦そのもので出撃中のオーラバトラーや艦橋に居るシーラ女王を守る仕掛けにするわけだ。ついでに艦橋を畳めるように設計することで、詳しく見る必要のない時は盾艦の陰に隠れられるように設計して置いた。もちろん空母機能としてはオマケも良いところなので、正面戦闘するには完全に無駄であることには変わりない。空母としては最も完成されているゲア・ガリングに劣る程度の性能に仕上がるだろう。
「ついでに護衛用の機体は武装少な目の高速戦闘仕様にしてある」
「ゼロ・ファイターかよ。美人さんに仕上げてはあるがひっでえこと考えるな」
「どうせ贈り物なんだ。このくらいド派手な方がいいにきまってる。それに使うかどうかはあちらさん次第。本気にする方が悪いってね」
こうしてゼットはラウ攻めに向けて物心両面で用意するのであった。
という訳で戦闘訓練の話し再びと、贈り物の話です。
用意するのはブリュンヒルトではなく、オストマルクとかベルリンですね。
ズワァースの開発はどれでしょう?
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①現行置き換え案(次が早くなる)
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武装徹底修正案(一番強くなる)
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行動尖鋭案(一番速くなる)
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巨大化案(ズワウス改良型が登場する)