元一般人、妖術師達の戦争で敵側ヒロインを襲い犯し奪い、褒美としてヒロインを抱きまくる、略奪ハーレム、現代バトル、主人公最強、現代ファンタジー 作:三流木青二斎
地下第一階層前。
階段を見据える龍桜尾の姿。
周囲を警戒しながら戦闘の準備を始めている妖術師達。
どの様に行動をするか考えている彼の元に一人の男がやって来た。
「お、兄さん」
そう言いながら、屍人骸が彼の前に出ると、周囲の妖術師達は彼の前に立ち憚る。
「何の用だ貴様」
「迂闊に桜尾様の元に近付くな」
彼の存在を疎ましいと思う妖術師はまだ大勢いる。
しかし、そんな中でも龍桜尾だけは違う反応を見せた。
「人骸か……俺の幽魚は届いたみたいだな」
無事に此処まで来れた事に安堵をする龍桜尾に、屍人骸は彼を中心に泳ぎ回る幽魚を小突きながら言う。
「道中、色んな野郎が出てきましたがね、まあ、返り討ちっすわ」
屍人骸の実力は並大抵では無い。
周囲の人間が羨む程の妖力の量を体内に宿している。
その天性の才能に品の無い性格が合わさる事で、嫉妬と憎悪を周囲の人間から欲しいままにしていた。
「……んで、此処から先が地下ってワケですかい」
地下施設に続く階段を見据える。
異様な空気を垂れ流す階段を見下ろすと、龍桜尾は床に腰を下ろした状態で考えを口にする。
「どうやら、他に道も無いらしい、いや、あるにはあるのかも知れないが、探すまでの時間が無い……妹の部隊の話を聞けば、どうやら連れ去れたらしい」
その言葉に、屍人骸は妖術師の方に顔を向ける。
それは、龍艶媚の部隊であり、彼らに向けて牙を剥き叫んだ。
「テメェら、何、艶媚ちゃんを連れ去られる様な真似してんだアホがッ、家臣なら死ぬ気で守ってみせろやッ!!」
その叱責に返す言葉も無い。
ただ無言で顔を背ける彼らに、屍人骸は舌打ちをした時、頭を掻いた。
「んで、作戦タイムってワケですか?兄さん」
「そうだ……此処から先はきっと長くなる、……相応の準備をしなければならない」
彼らには、この地下施設が何処まで続いているのか分からない。
最低限の計画、準備を進めようと考えていた。
「妖術師である以上、様々なトラップや妖を放し飼いにしているだろう、前進する以上、相応の部隊編成で取り組まなければ被害は此方の方が甚大となるからな……」
入念に、最小限の犠牲で進めようとしているのだが……屍人骸は首を左右に振った。
「地下施設がなんだってんすか?んなもん……ぶち壊せば良いだけの話じゃないすか」
屍人骸は両手を広げる。
肉体に流れる妖力を搔き集めると共に、両手に集中させる。
妖力の気の流れによって周囲に風が巻き上がると共に、嫌な予感、と言うものを龍桜尾及び、周囲の妖術師達は悟った。
「まさか……総員、我が身を守れッ」
その言葉と共に、妖術師達が防御に徹した瞬間。
屍人骸の背中から漏れる妖力の結晶体、それが、黒き姿をした大蛇の様に形成されると共に。
「咬威」
屍人骸の言葉と共に、地面に向けて穿たれる妖力の穿孔。
地下施設を第一階層から第六階層まで強制的に貫通させる一撃が、周囲一帯、妖術師達を巻き込んで下層へと堕とされた。
一気に第六階層まで下る事が出来た龍家ご一行。
迷宮や妖との戦闘時間を考えれば、かなりのショートカットが出来た事に喜ぶべきなのだろうが。
「し、死ぬかと思った」
「なにを、何をしている、あの男はッ」
周囲の龍家妖術師達の不満は爆発としていた。
本来ならば、こんなにも早く、この迷宮の最下層から二つ目の地点にまで移動するのに、一分も掛からなかった事は、榊家の連中ですらも成し得ない最速のエレベーターである。
当然、中には瓦礫に巻き込まれて重傷を負ったものもいるが、その中で屍人骸や龍桜尾、その他優秀な妖術師たちは無傷で済んでいる。
「あらら、ご愁傷様な事で」
と、他人事の様に呟く屍人骸に妖術師達の怒りは一杯になっている。
「と言うか、なんだその式神はッ!?」
「何故、その式神を宿しているのだ、お前はッ!!」
と、落下した事よりも重要な事に、妖術師達は質問を行う。
屍人骸の周囲に雲を泳ぐかの様に空中に浮き続けている黒色の蛇。
否、それには手足が生えており、蛇足、と言うべきか、そもそもそれは、龍である事に妖術師達は驚きを隠せなかった。
何故ならば、彼らが見える龍と呼ばれる生命体、妖と言う存在は、現存する中でも龍憂媚と契約している式神、妃龍しか存在し得ないからだ。
だからか、何故、屍人骸が所有しているのか、言葉で説明を求めている妖術師たち。
しかし、微かにその妖から感じ入る妖気に、幼少期から傍にいた肉親の気迫を感じた龍桜尾。
自らの推測を裏付ける様に、屍人骸に質問を投げかける。
「その龍は……艶媚のか?」
龍桜尾は黒色の龍が肉体に絡まる妖……もとい、式神に視線を向けながら聞いた。
「そうっすね、どうやらオレぁ……妖を孕ます体質って奴なんすよ」
屍人骸もれっきとした妖術師である。
妖術と呼べる力を肉体に宿しており、それが妖を孕ます能力であると言った。
「……妖術師と妖術師が交わえば、稀に妖を孕む事がある、だがそれは、命が無い存在、即ち……」
龍桜尾が其処まで言い掛けると、屍人骸は自らの頬に身体を擦り付ける妖の頭を撫でながら歩き出す。
「まあ、そういう訳なんで、俺こそ末代っすね」
と、其処で屍人骸は強制的に会話を打ち切った。
妖術師達はそれでも尚、屍人骸に説明を求めていたのだが、次第に彼らの声は途絶えていく。
緩み切っていた空気の中、遥か先から出現する妖術師や、妖の群れを見ては、流石に悠長にしてられないと彼らは悟った為だ。
「さぁて、お敵さんのご登場だ、推して参るぜ、死して参れや」
屍人骸はそう言い放ち、一足先に走り出す。
先駆け、それと共に、後に続く様に、龍家の妖術師達が飛び出した。
「
屍人骸は自らの式神に向けて名を告げる。
それと共に彼の周囲を浮遊していた小さな龍は屍人骸の背後に回る。
さながら、後光の光輪の様にくるくると回り続ける式神と共に、屍人骸は指先を妖術師達の群れに向けると共に言い放つ。
「咬威」
指先から放たれる強力な妖力の穿孔。
直線状に立つ者、その全の肉体が貫通すると道が出来上がる。
その道に向けて屍人骸は地面を蹴り上げてその先へと飛び上がった。
屍人だけ、敵対組織の間を抜けて通路を駆け抜けると、妖術師達の群から抜け出る事が出来た。
「兄さん、ちょいと艶媚ちゃん探しに行くんで、宜しくっす」
屍人骸の言葉に、龍桜尾は静かに答える。
「死ぬなよ」
いよいよ終局である。
気を抜けば死ぬ、如何に強かろうと、油断一つで戦況はひっくり返る。
それを告げると、屍人骸は歯を剥き出しにする様に笑い、言った。
「兄さんも、俺と会うまで死んだらダメっすよ?」
その言葉を残して屍人骸は木製で出来た和風な廊下を走り続ける。
「オメェの母ちゃんの居場所、分かるよな?」
ただ闇雲に走っているワケではない。
屍人骸の式神は、龍艶媚の肉体から生まれた存在だ。
その式神が何処に龍艶媚が居るのか、妖力から辿る事が出来る。
故に、黒漆と呼ばれる式神は、鼻をくんくんと動かして声を挙げた。
「ぴゃああいッ」
妖と言えどもまだ赤子。
等級で言えば小妖級である、それでも屍人骸の妖力を合わせる事で特妖級のレベルの妖術を使役する事が出来るのだ。
そうして、屍人骸が最短距離で道を進む為に、妖力を掌に集中すると力を吐き出す。
「咬威」
穿孔による巨大な貫通痕が出来上がると、屍人骸はその中へと入り込み、ほぼ最短で龍艶媚のいる場所へと向かい出す。
そして、屍人骸が到達した先は暗闇に満ちた場所であった。
ずるずる、きしきし、その様な蟲の音が鳴り響く箱の中を想像しよう。
大きな箱の中には、一人、大量の蟲が彼女の肉体に絡みつく、龍艶媚が顔を紅潮しながら蟲に肉体を貪られている様が見えた。
「なんだあ?お前」
その部屋の中。
薄暗い暗闇の中で屍人骸に視線を向けている蟲翅伴の姿があった。
大量の蟲を肉体に植え込み、傷の再生と吸収を同時に行っている。
次第に膨れ上がっていく肉体は、まさに蟲で出来た筋肉と言えよう。
その様を見ながら、屍人骸は、先ず……蟲翅伴を無視した。
高速されつつある龍艶媚の肉体に近付き、妖力を全開。
彼女の肉体に絡みつく蟲を悉く妖力で吹き飛ばした末に、彼女の肉体を強く抱き上げる。
暖かく安心を浮かべる肉体に、静かに龍艶媚は目を開き……屍人骸に視線を向ける。
「……み、るな」
自らの恥ずべき姿を直視される事を嫌う彼女に、屍人骸は貪る様に彼女の唇を吸った。
妬ける様に、蟲よりも彼女の全てを愛し尽くす様に、肉体に自らの唾液を流し込み、舌先で彼女の咥内を犯す。
最初は彼の行動に驚きを覚えた龍艶媚だったが、彼の体内を犯される感覚に酔い痴れて全てを受け入れる。
唇を離した時、龍艶媚は意識を失っていた。
彼女を床に置くと、自らの式神である黒漆に命ずる。
「お母ちゃんを守っとけ、俺ァ、蟲退治だ」
その言葉を守る様に、黒漆は龍艶媚の周囲を巡り、蟲が来ない様に小さな咬威を口から発する。
ゆっくりと歩く度に、地面を徘徊する蟲が焼き切れていく、屍人骸の無尽蔵の妖力が蟲を一切、寄せ付ける事が無い。
(小妖級は問答無用で死ぬのか、大したバリアだなあ)
蟲翅伴は歩きながら、屍人骸に接近する。
屍人骸は騒がしい彼にしては極めて静かな妖力を放ちながら、敵対していた。