元一般人、妖術師達の戦争で敵側ヒロインを襲い犯し奪い、褒美としてヒロインを抱きまくる、略奪ハーレム、現代バトル、主人公最強、現代ファンタジー 作:三流木青二斎
「……まて、イヌ」
呼び止められる屍人骸は嫌々そうに振り返る。
先程までのしおらしい彼女の表情は一変している。
真剣な表情で携帯端末に視線を向ける龍艶媚に屍人骸も意識を切り替えた。
「領地の結界に侵入あり、お母様からの連絡だ」
妖術師の上位存在は自らの領地に妖力を流し結界を形成する。
結界領域内部に侵入すれば、直ぐにでも感知出来る様にだ。
「
言葉に首を縦に振る龍艶媚。
訝し気な表情をする所を見るに、懐疑を覚えている。
「妙だな……こんな朝早くに活動するなど……」
屍人骸も同様に懐から携帯端末を取り出す。
遅れて来る様に、彼にも同様に情報が供給された様子だ。
「お、エロっ」
内容を確認し、咄嗟に出た言葉がそれだった。
即座に、龍艶媚の視線が彼の顔に向けられる。
思わず口を滑らせた屍人骸は携帯端末を懐に入れようとする。
「何を見ていた貴様ッ」
寸前、彼女の手が屍人骸の携帯端末を引っ手繰る。
液晶画面に表示されているのは、母親の写真だった。
内容は自撮りエロ画像だった。
サイズの小さいスクール水着を着込んで乳房が溢れる写真。
体操服(ブルマ)を着用し壁に手を着いた状態で臀部を突き出している写真。
ほぼ全裸の状態で胸元を隠している写真。
非常時に送るべき様なものでは無かった。
「いや違うんすよ、これはアレ……えぇと、前に携帯端末の使い方教えた時に、お礼として送って来て貰ったモンでしてね?」
「履歴を見れば、ほぼ毎日では無いかっ!貴様ァ!!いや、母様も母様だッ!!こんなものッ」
素早く指を動かして操作を行う。
写真を一斉に削除した末に屍人骸に投げ渡す。
「おい!!幾ら何でも酷いじゃねぇかよッ!!一日のモチベーションをどうしてくれんだァ!?」
屍人骸の絶望に陥る声色。
「黙れ下種犬ッ!!私はおろか、母すら畜生腹にする算段かッ!?丁度良い、貴様も来いッ!!その根性を戦地で叩き直してくれるッ」
憤りを浮かべ、龍艶媚は腹部を擦りながら罵倒を浴びせる。
廊下を歩き、外へ向かうと同時に周囲に居た女中達が手早く動き出す。
龍艶媚の衣服を彼女の動きに合わせて着替えると共に、玄関前に立つ頃には彼女専用の戦装束へと変わっていた。
「さあ行くぞ、
首根っこを掴まれた屍人骸は彼女と共に外へ繰り出す。
「ちょちょ、オレ一人で歩けるって、なあ艶媚ちゃん!?でもちょっとこっちの方が嬉しいと言う部分もあるんだけどぅ」
完全に惚れ込んだ様な、三歩後ろを歩く様な女は龍艶媚には似合わない。
だからか多少強引な法の龍艶媚の方が屍人骸にとっては好みに近しいのだろう。
「なんだ、これは」
現場に到着した時。
妖の姿を認識した龍艶媚は唖然とした。
数にして七体、頭部から樹枝を生やす人型の妖が不規則に動いている。
「おお、あれなんて言う妖なんだっけ?ブロッコリーアフロマン?」
頭部から大量の葉を生やす妖の姿を屍人骸は直感で命名する。
「なんだって良いだろう、所詮は自然から発生した化物なのだからな」
そう龍艶媚は言った。
妖は元を辿れば自然の源から発生した災害である。
時間の経過と共に妖力は増量し、進化を施したのが妖と呼ばれる種族。
その化物の見た目が自然に近しいとしても、なんら可笑しくも無いだろう。
「周辺は龍家の雑衆が警備と防衛をしている、なるべく建物や車両は破壊するなよ」
住宅街近くの戦場。
龍家の土地に棲む者は予め龍家から場所代を貰っている。
私有地の管轄内であれば対処を行う、それが現在の妖術師の仕事であり収入源の一つであった。
「んじゃあ、やりますかねぇ」
そう呟きながら、屍人骸が散歩をする様に歩きながら妖に接近。
同様に、龍艶媚も呼吸を整えながら妖の群れに足を運ぶ。
「行くぞ……妖術」
妖術。
妖術師の家系は血と肉を以て術印を肉体に刻む。
先祖代々継承される妖術は継承者の妖力特性に応じて変化し易い。
「がああッ!!」
樹木で出来た妖が接近する。
その姿は頭部から角の様な枝を生やし、鬼に近しい見た目だ。
鬼の攻撃に対して、龍艶媚は動きを見切る。
(手から生える先の尖った枝で攻撃か……動きは人と同様、なら先ず当たらん)
攻撃を回避すると共に、龍艶媚は妖術を使用した。
「『鱗紋』―――『
自身の肉体を蛇と同様の構造に変化。
地面を這う様に左右に揺らし全身の筋肉を稼働させて移動する。
十分な速度と共に妖の肉体に向けて掌底を当てる。
妖力を乗せた腕力が妖の肉体の内部を破壊する。
「があッ!!」
他の妖が彼女の背後から接近する。
頭部が大きく巨大な顎には杭の様な木製の牙が生えている化物だ。
しかし彼女の眼は後ろにもあった。
首を左右に振ると細長い後ろ髪が蠢く。
「『鱗紋』―――『
髪の毛が蛇に変化する。
妖の首に飛ぶ蛇の顎が肉を破り動脈を穿つ。
体内に流れる体液を凝固する毒液を流し込む。
「ぐ、うぅぁがッ」
途端に苦痛の表情を浮かばせる妖の姿。
地面を強く蹴り跳躍すると妖の顔面に向け蹴りを一撃。
その場に倒れ込む鬼を尻目に周囲を見回す。
「―――ッ、だ」
口を開き唖然とする。
彼女が二体の妖と手古摺っている間に周囲に転がる無数の妖の姿が目に入る。
屍人骸が軽く腕を回しながら楽々と言った表情をしている。
妖力は妖術師の要となる力の源。
必然的に量が多ければ多い程に強力となる。
だが、膨大な力は時に暴走する可能性を孕む。
元一般人が過ぎた力を振るえば、それこそ自らの力に殺されてしまう程だ。
「はぁぁ……こんぐらいなら、使うまでも無いわな、っと」
振り向くと共に屍人骸は視線を龍艶媚に向ける。
相変わらずの軽薄そうな顔を浮かべていた。
「相変わらず、貴様は憎たらしいな」
妖力を内側に完全に留めて、単純な身体強化による戦闘。
屍人骸は妖力操作が神懸るレベルに上手い……即ち、神童であった。
「お、艶媚ちゃんも二体倒したん?やるねぇ」
労いの言葉を掛ける屍人骸に舌打ちをする。
現状、妖術師として生きて来た彼女よりも、屍人骸の方が技量が上であるのだ。
「忌々しい……喋るなっ」
如何に心を許したとしても、彼の言動にはやはり癪に障るものがある。
逆を言えば、妖術師としての実力を認めているが故の発言であった。
「……」
気に掛かる事がある為に、龍艶媚は討伐した妖に視線を向ける。
「なに?なんかあったん?」
屍人骸は彼女の行動が気になるのか顔を傾ける。
「黙っていろ、イヌ……これはまさか」
鬼の死体に触れて、様々な箇所に触れて次第に悟る。
「これは……妖力が暴走した状態だな」
「……つまり?」
屍人骸は性急に答えを求める。
知識が乏しい彼に察しろと言うのも無理な話だ。
龍艶媚は早々と答えを口にした。
「つまり、これは元人間だ」
元々は、この鬼の妖は屍人骸と同じ一般人。
何の因果か、彼らは妖力を与えられて暴走してしまったのだと、そう告げた。
「オレの成れの果てバージョンね」
屍人骸の言葉にそうだ、と頷く龍艶媚。
そして、彼らがやって来た方角に視線を向ける。
「植物に関する妖術も加えれば……
だとすればこれは由々しき事態であると、龍艶媚は思った。
何はどうあれ、榊家が原因で自身の領土が侵され、領民に危険が及ぶ事態に貶められた。
責任問題として榊家には落とし前を着けて貰わねばならない。
「取り敢えず状況を報告せねばな」
現当主である龍憂媚に連絡を行う龍艶媚。
二度、三度、コール音が鳴り響いた後に母親との携帯端末と繋がる。
『なんじゃ?艶媚かえ?』
声色は少し暗く、その反応を龍艶媚は早々と察した。
何か不可解な事、あるいは事件でも起きたのではないか。
そう思い、龍艶媚は心配そうに母親に聞く。
「お母様、そちらで何かあったのですか?」
彼女の本心を見抜く言葉に、龍憂媚は当たり前の様に答えて見せる。
『なに、本殿にて襲撃があっただけじゃ、気にするでない』
本殿。
龍憂媚が棲む屋敷の事だ、その屋敷が襲撃に遭った、と言う話に龍艶媚は驚く。
心臓が跳ね上がり、血液の循環が早まりつつあった。
「な、ぁ?!襲撃、ですか!?だ、大丈夫ですか?被害は、お母様は無事ですか!?」
捲し立てる様な言葉に、龍憂媚は鬱陶しそうに無事を伝える。
『賊程度に妾の首が獲れるワケがあるまい、が、不愉快な事に家臣らは行動不能状態じゃ……全く以て度し難いがの』
流石は当主。
なまじ、実力でその座に就いていない。
しかし、彼女の傍にいた家臣らの命は危うい状態であると言っている。
「取り敢えず……早々に其方へと向かいます」
龍艶媚は報告と共に無事を確認するべく、本殿に向かうと言い残し連絡を切る。
周囲を見回しながら、戦後処理班を呼ぶと、すぐに建物の破損状況と被害を確認させ、遺体を処理せず保管する様に告げる。
「行くぞ、イヌッ」
そう叫んだと同時に走り出すと、屍人骸は彼女の腰に手を添え、軽く持ち上げると、彼女よりも早く地面を蹴り上げて疾走する。
「俺の方が早いからよ、飛ばすぜ艶媚ちゃん」
そして、余裕綽々と言った具合で住宅街の屋根伝いで立体的な移動を行いながら本殿へと向かった。