天を墜とす男   作:ドクロ

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いってらっしゃいませ


第3話

2人が仲間になってから数日後。ドクロたちの船は新世界の海をさまよっていた。当然だ、航海士がいないのだから。だが、幸運なのか悪天候には見舞われなかった。ハンドは操舵をし、ドクロとタイは船のへりに座り、釣りをしていた。その時、ハンドが声をあげた。

 

 

 

 

「船長!!島が見えてきたでござるよ!!」

 

 

 

 

ハンドが指をさす。指をさしたほうを見ると木が生い茂ったジャングルが見えた。人の気配はなく、無人島のようだ。

 

 

 

 

「ハンド、近くに寄せろ!冒険するぞ!!」

 

 

 

 

「はっ!!」

 

 

 

 

ハンドが船を島に寄せ、タイが錨を降ろした。

 

 

 

 

 

「誰か来た…応戦しなきゃ!!」

 

 

 

 

「あ?おい、ハンド!!なんか言ったか!!」

 

 

 

 

「いや、何も言ってないでござるが…」

 

 

 

 

「そうか…なら、なんでもいい。俺は先に行くぜ!!船長!!」

 

 

 

 

タイが島に降りて突っ走ってジャングルの奥に消えていった。ドクロとハンドはため息をついた。

 

 

 

 

「はぁ…ハンド、船を頼むな。」

 

 

 

 

「はっ!!了解しました。」

 

 

 

 

ドクロはタイを追いかけるように島に入っていく。

 

 

 

 

---------

 

 

 

 

ジャングルは道という道はないに等しく、ツタをどければまたツタが出てくる無限ループだった。ドクロはこの様子に少しの違和感があった。

 

 

 

 

「おかしいな、まるでツタが道を塞いでいるように見える…この先に行くな。と…なぜだ?」

 

 

 

 

すると、遠くの方で爆発音がした。可能性ではあるが蔓が出てきすぎてイラついたタイだろう。

 

 

 

 

「痛いよ…来ないでよ…」

 

 

 

 

ドクロの近くでこんな声がした。声質的に男の子であった。ドクロは声を頼りに男の子を探す。

 

 

 

 

「大丈夫か!!この辺りにいるのか!!声が聞こえたら返事してくれ!!」

 

 

 

 

「船長!!俺はここだ!!」

 

 

 

 

子供ではなく、タイが反応した。

 

 

 

 

「お前じゃねぇよ!!まぁ、いい。タイ!!お前はどこに…!!」

 

 

 

 

するとまた子供の声が聞こえてきた

 

 

 

 

「…うるさいな!!僕の家を荒らさないで!!」

 

 

 

 

子供の声が聞こえたかと思うと周りの全てのツタが島の中心部へ集まっていく。

 

 

 

 

「いったい、これはどうなって…」

 

 

 

 

「あ、船長!!」

 

 

 

 

周りからツタがなくなり、タイが見えた。それと同時に中心部でツタを見に纏った子供が泣きながらこちらを見ていた。

 

 

 

 

「君だったんだね。この動くツタは…」

 

 

 

 

ドクロの言葉を聞く間もなく、ツタを鞭のようにして振るってきた。タイは魚人空手で水の膜を張って受け止め、ドクロは空気の壁を張った。

 

 

 

 

「いきなりは危ないよ。どうしたんだい?こんなことして」

 

 

 

 

「早く出て行って!!この島から出て行け!!()()()ども!!」

 

 

 

 

少年は激昂している。ツタをドクロとタイに振り回す。

 

 

 

 

「これは落ち着かせて話を聞かなきゃな…タイ、頼んでいいか?お前の力が見たい。」

 

 

 

 

「おうよ!!やってやる!!」

 

 

 

 

ドクロは一歩後ろに下がり、タイは一歩前に出た。

 

 

 

 

「小僧!!少し痛いが我慢しろよ!!」

 

 

 

 

タイはツタの隙間を縫って、少年に近づいていく。

 

 

 

 

「魚人空手…爆水破!!」

 

 

 

 

タイは掌底の形で少年の腹に手を当て、自分だけの爆発する水をぶつけた。

 

 

 

 

「がはっ!!」

 

 

 

 

少年はもろに受け、その場に倒れこんだ。ツタは地面に垂れ下がった。

 

 

 

 

 

「タイ、少年を担げ。船まで持っていって治療するぞ!!」

 

 

 

 

「おう!!」

 

 

 

 

---------

 

 

 

 

船に戻ってきてタイはハンドに少年を預けた。ハンドは手をたくさん使えるため、多少の医療知識がなくとも応急処置までできた。医務室で少年の様子を見ていたハンドがドクロに伝えに来た

 

 

 

 

「船長、子供が起きました」

 

 

 

 

「すぐ行く」

 

 

 

 

医務室にドクロが入ると少年はドクロを睨む。その様子は怯えているようにも見えた。

 

 

 

 

「少年、名前は?」

 

 

 

 

「言わない…」

 

 

 

 

少年はそっぽを向く。

 

 

 

 

「俺たちは君の言う、人攫いじゃない。ただ、人攫いと同等な悪者なだけだ。」

 

 

 

 

「じゃ、じゃあ何ですか?」

 

 

 

 

「海賊だ。」

 

 

 

 

少年の目の色が変わる。

 

 

 

 

「…海賊ですか!!あ…いや、そういうわけじゃ…」

 

 

 

 

「少年、話す気にはなったかな?」

 

 

 

 

少年はぽつぽつと話していく

 

 

 

 

「僕の名前は"樹鬼(じゅき)"…ツタツタの実を食べた蔦人間…あなたたちを人攫いだと言った理由は…もともとあの島には小さな村があって、僕も住んでいました。ですが、ある日人攫いが来て、僕の家族と親せきを攫っていきました。僕は隠れていたのですが、気づいた時には僕以外は誰もいませんでした。そのあと、この島だけは守ろうと思って、僕の能力を使って村に生えていた植物たちを活性化させてあのジャングルを作りました…また人攫いが来た時に自分自身を守れるように…と」

 

 

 

 

ドクロは樹鬼を抱きしめた。

 

 

 

 

「よく頑張ったな。泣け、思いっきり泣け。辛かったな…」

 

 

 

 

樹鬼は我慢していたのか、涙を流しならわんわん泣いた。ドクロは樹鬼の背中をトントンと優しく叩いた。数分後、樹鬼が泣き止んだ。

 

 

 

 

「もう大丈夫です。ありがとうございます…」

 

 

 

 

「いや、子供は泣くのが仕事みたいなところがあるからな。」

 

 

 

 

「船長、それは赤ん坊です。」

 

 

 

 

ハンドがドクロの後ろからツッコミを入れる

 

 

 

 

「そんな細かいところ気にすんな。樹鬼、真面目な話だ。君はこれからどうする?あの島に戻って、ひたすら人攫いに怯えながら生活するが1つ。提案をするなら、俺たちの仲間になる。どっちがいい?」

 

 

 

 

 

「…家族で住んできた島を置いていきたくないんですが、ずっと人攫いに怯えて暮らすのも嫌なので、ここにいさせてください!!」

 

 

 

 

ドクロは大きくうなずき、樹鬼の手を取る。

 

 

 

 

「あぁ。よろしくな、樹鬼!!」

 

 

 

 

「はい!!」

 

 

 

 

「自己紹介してなかったな。俺はスカル・D・ドクロ、いつか天を墜とす男だ」

 

 

 

 

「よろしくお願いします!!ドクロさん!!」

 

 

 

 

樹鬼がドクロの仲間になった。後々分かったことだが、樹鬼の能力には治癒成分があることがわかり、樹鬼は医者となる。




1日、空いての投稿になりました。定期更新はできそうにないのでご了承のほどよろしくお願いいたします。ではまた
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