仕事中にふと思い至ったので久方ぶりに執筆。
田舎とも言えず、かと言って都心とも言えないぐらいの地区にその施設は存在している。
近場に住んでいる者達は自転車や車、はたまた走って訪れる者もいるぐらいには地元の住民からの信頼を勝ち取っていると言っても良いだろう。
まだ開発が始まる前段階で土地確保に成功したことが功を制したのかはわからない。ただ膨大な敷地に建てられたソレは外見こそはシンプルだが、一度施設内に入れば実に煌びやかな装飾が各所に施されているのが特徴だ。某カジノの街とまでは言わないものの、初めてこの場に足を踏み入れた者達は無意識に視線が奪われてしまうことだろう。ちなみに入場するために各々が持つIDの提示は必須。
一般市民にとってはかなり高い位置に存在している上役とのお話があった事が影響しているのかはわからないが、何故か交通インフラが抜群に充実している。
そのため地元住民だけが利用しているのではなく他県から意気揚々とやってくる人も多く居り、施設で充実な生活を堪能しすぎた結果、代金を支払えなくなった影響で警備員から身ぐるみ剝がされて追い出される光景も今ではすっかり見慣れた光景になってしまっていた。
「やめろー!出たくなーい!デタクナァァァァイイ!!」
「はーい。敗者は素直に身ぐるみ剝がされましょうねぇ」
遊び惚けた結果ジェム払いが追いつかなくなって警備員に目を付けられた哀れな敗北者がまた一人目の前でひん剥かれている。
それを笑いながら酒を昼間からがぶ飲みしてつつ、また金が貯まったら来いよと熱い(?)声援を投げかけている野次馬達だ。昼間から楽しそうに酔っぱらっているが、その集団の一人が
「相変わらず凄い盛況だなぁ…」
ここだけ聞くと中々治安が悪く見えるかもしれないが明確な規律の元で運営されているので今のような状況で救急車が行き来するような状況であっても訪れた者達からの評判は極めて高い。
むしろ先程のような状況を見てコケた痛みで泣いていた子供が思わず笑顔になるぐらいには受け入れられている。
「フフッ、当然だろう?何せこの私が自ら設計したのだからね」
「
「
場所は先程の光景が見える位置にある売店もといカードショップ。
そこにやってくるお客さんの会計を済ませたり従業員へ業務の振り分けをしたり、強盗を
「先程上役との堅苦しい対談も済んだ所だよ。私の素晴らしい
「ちなみに何のデッキ使った?」
「“召喚制限-
「ギャンカスデッキ*5じゃねぇか」
仮にも大口の契約が掛かった場面で使うデッキじゃねぇだろとツッコミを内心入れる。
良くそれで相手許してくれたな…。え、爆笑しながら喜々としてダイス振ってた?そう…。
「よもやこの私があそこまで追い詰められる事になるとは思っても見なかったが結果良ければ全て良しと言うやつさ」
「なんで本来のテーマを使わないのか」
「まだ情報が解禁されていないのだから仕方ないだろう」
まぁ眼前でクールにどや顔を決めている美女からすれば丁度良いハンデぐらいの認識なんだろうし、実際その通りだとも思っている。なぜなら彼女は特定のテーマの顔役を務めている存在なのだ。俗にいうカードの精霊という存在である。
ちなみにこの世界ではカードの精霊は珍しい存在ではあるものの、世間一般にも認知されている扱いだ。
普通に彼女の様に仕事をしている者もいるし、何なら野生で暮らしている存在も確認されている程には世界の人々に受け入れられている。
「それにしてもガードマンに君を指名しておいて正解だったよ。ここまで成果を挙げてくれるとは私も鼻が高いというものさ」
「ある程度働いていておいて今更だけど、やっぱり手を回してたのかよ」
「君の実力は私が一番把握しているのだから当然だろう?」
彼女が身に着けている衣装はカジノディーラーが着る衣装に近しいのでパンツスタイルなのだが、スタイルがはっきりとわかるものだ。その胸下で止めているベルドがその豊満な胸を支えている。
そこから更に腕組みをする事で中央へと山岳が移動することでより強調される形になった。
意図せず視線誘導を喰らうことになるが、すぐさま冷静さを取り戻す。
「俺の実力がというよりはカードパワーの差と言ったほうが良いと思うんだがな」
「それも含めて実力さ。あと見すぎだよ」
「見なければこちらも不作法と言うもの」
「私じゃなければ今頃君は冷たく静かな空間へ閉じ込められているだろうね」
黒手袋をつけた状態の手ってエッチだよね…って違う違う。
意図的に視線誘導をかましてくる彼女であるが、これもある程度見知った仲であるが故。
ある程度の会話の後、彼女の誘いもあって休憩がてら店舗から離れることになった。
店員として働いてくれている方々も先程もみくちゃになっていた野次馬達を軽く蹴散らせる強さはあるし、何よりカードの精霊も店員として存在しているので店舗運営も問題ないだろう。
そうして歩みを進めていけば施設の中央。
デカい施設にはデカい広間を。
そんな頭の悪そうな発想の元で作られた大広間にはすでに多くの観客が詰めかけて客席を奪い合っていた。
ちなみに奪い合っているのはあくまでも自由席であり、内容もデュエルで決着をつけているので比較的平和(?)である。
敗北者は無様に床に転がされて“プチリュウ”*6から思いっきり煽られていた。
備え付けられている時計の針が指し示す時刻は15時。
今日は大規模なイベントとして有名なデュエリストや腕に自信のある一般デュエリスト達が鎬を削り合う大会が開かれるのだ。
「それでは皆様大変お待たせいたしました!」
大観衆が見ている中でも一切の緊張を見せる事なく、堂々とした姿勢でこの施設を担う
その洗練された彼女の一挙手一投足は観客達の心に存在する“熱”を湧き立て、誘導し、戦を求めて飛び掛かる
「これより【レイズ・ムーン】主催のデュエルリーグ《俺より強い奴出てこいや杯》、開戦です!!」
彼女の名前はシエロ。
遊戯王カードでの正式名称は“レイズ・ムーンの
今やカードショップの番兵として仕事をしている俺-
ただそのネーミング如何にかならんかったか?
星5/地属性/ドラゴン族/攻1600/守1400
力が弱り、空を飛べなくなったドラゴン。
しかしまだ攻撃は強い。
このカードがフィールド上に存在する場合に
モンスターが特殊召喚に成功した時、そのモンスターを表側攻撃表示にする。
そのターンそのモンスターが攻撃可能な場合には攻撃しなければならない。
星3/地属性/岩石族/攻 800/守 700
リバース:フィールド上のモンスターを全て持ち主のデッキに加えてシャッフルする。
その後、お互いのプレイヤーはそれぞれのデッキに加えた数と
同じ数のモンスターが出るまでデッキをめくり、
その中からレベル4以下のモンスターを全て裏側守備表示で特殊召喚する。
それ以外のめくったカードは全て墓地へ捨てる。
星3/光属性/岩石族/攻 200/守 300
リバース:お互いにサイコロを1回ずつ振る。
相手より小さい目が出たプレイヤーは、相手の出た目によって以下のダメージを受ける。
相手の出た目が2~5だった場合、相手の出た目×500ポイントダメージを受ける。
相手の出た目が6だった場合、6000ポイントダメージを受ける。
お互いの出た目が同じだった場合はサイコロを振り直す。
星2/風属性/ドラゴン族/攻 600/守 700
とても小さなドラゴン。小さなからだをいっぱいに使い攻撃する。かわいい。
・月浪 浩瀬
プロデュエリストになる訳でもなく普通に進学して、普通に就職して暮らしていた男。
色々あってシエロが居候し、カードショップを立ち上げているのを応援がてら眺めていたが上場し始めたタイミングで黒服に連行されてあれよあれよと番兵の仕事をするようになった。
彼が番をするようになってからたまに発生していたカード強盗の被害は無くなったらしい。
・シエロ
“レイズ・ムーンの帳 シエロ”であるカードの精霊。
とある形で浩瀬の元へやって来て居候を始めた。
現在使用が確認されているデッキはダイスやコイントスを用いたギャンブルデッキ。
浩瀬とのデュエルの際に二連続ダイスポッドを仕掛けた際に連続6を出されて負けたことがある。
・デッキビルドパック
2026/9/5(土)に新発売の遊戯王パック。
新テーマとして新たに3種発表された。
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