天赤二次 「ザナンザ生存if 夢小説」 作:ブドゥヘパ
夕食を終え、それぞれ温泉で一日の汗を流した二人は、静まり返った部屋のベッドへと滑り込んだ。
パチパチと小さく爆ぜるランプの灯りの中、ザナンザは隣で横になる私の背中を見つめ、昨夜の鍛錬場でシュワルトに怒鳴られた言葉を反芻していた。
『お前が一歩踏み出して抱きしめてくれるのを、アイラはずっと待ってんだよ』
(私は……ずっとアイラを傷つけることを恐れるあまり、逃げていただけだったのかもしれない)
覚悟を決めたザナンザは、静かに手を伸ばすと、私の肩をそっと抱き寄せ、こちらを向くように身体を引き寄せた。
「!?……ザナンザ、どうしたの……?」
突然の強い力に戸惑いながらも、私はその胸へ腕を回して抱き返した。
ざわつく胸の鼓動を抑えながら、ザナンザは耳元へ顔を寄せ、低く掠れた声で囁いた。
「今夜……君に触れても、いいだろうか。
……絶対に、君が嫌がるようなことはしないから」
熱を含んだその言葉の真意に気づき、息が跳ね上がる。
「ザナンザ……。わ、私……っ、ん……!」
私が言い淀み、答えを言い切る前に、ザナンザの唇が言葉を優しく塞いだ。
一度名残惜しそうに唇を離し、息を呑む私の瞳を見つめた後、今度は逃がさないように深く、熱い口づけを重ねていく。
皇族時代に培われ洗練された手練手管と、抑えきれない愛おしさが混ざり合った濃厚な口づけに、私は頭が真っ白になり、腰が抜けてしまいそうなほどトロトロに蕩けていった。
触れる指先が優しく私の服の裾へと忍び込み、一枚、また一枚と布地を滑り落としていく。
月明かりの下、完全に生まれたままの姿となった私を見つめ、ザナンザは感嘆の溜息を漏らした。
「……きれいだ…」
熱い眼差しで見つめられ、顔から火が出そうなほど真っ赤になりながらも、私は必死にザナンザの瞳を見つめ返した。
「………。ザナンザの身体も……私に見せて……?」
「……わかった」
ザナンザは静かに頷くと、身に着けていた衣類を一つずつ、粛々と脱ぎ捨てていった。
眼前に現れたのは、広い肩幅とそこに浮き上がる鎖骨、そして鍛え上げられたしなやかな筋肉。
あまりにも美しく男らしい体躯だった。
(こんなに……すごい身体をしてたんだ……)
あまりの尊さに、私は思わず両手で口元を覆う。
そして、月明かりの中で露わになった彼の「男性としての熱情」そのものを目の当たりにし、私はあまりの存在感に大きく目を見開くのだった。
「か、介護で何度か男の人のは見たことあるけど……こんなに大きいの、見たことないんだけど……!?」
あまりの存在感に私が思わず身を引いてたじろいでしまうと、ザナンザはそれを逃がさないようにそっと身体を寄せてきた。
「アイラ……怖がらなくていい」
優しく耳元で囁かれながら、首筋へ、そして胸元へと熱い唇と手が滑り落ちていく。
彼の指先は優しく、それでいて抗えない力強さで私の身体の輪郭をなぞり、心を甘く溶かしていく。
やがて、滑らかな指先が私の最も熱く敏感な秘部へと到達した。そっと浅くナカへと指が挿し込まれた瞬間、背筋を稲妻のような衝撃が駆け抜けた。
「あっ……! な、なに……これ……っ!?」
自分でも触れたことのない奥深い場所を暴かれ、経験したことのない甘い痺れが波となって全身を押し寄せる。抑えようとしても、情けないほど甘い声が口から零れ落ちてしまう。
ザナンザは秘部を愛撫する指の動きを緩めず、熱い息を私の耳に吹きかけながら、どこか掠れた低い声で囁いた。
「ここか……君の弱点は。……存分に可愛がってやろう」
「んぁ……っ、ダメ……ザナンザ、そこっ……!」
絶え間なく刻まれる巧みな指の動きと、秘められた弱点を的確に突く愛撫の奔流に、私の頭は一瞬で真っ白になった。
内側から湧き上がる激しい快感の波に耐えきれず、私は半ば叫ぶような声を上げながら、ザナンザの首に腕を回して必死にしがみついた。
身体がキュッと引き絞られ、熱い波が一気に弾ける。
「あ……あっ……!!」
波打つ快感の頂点へと押し上げられ、私は人生で初めて、甘く激しい「果て」を迎えたのだった。
汗ばんだ前髪をザナンザが手でゆっくりとかき上げ、整った顔立ちがあらわになった。
月明かりを浴びたその表情には、色気と私への愛おしさが滲み出ている。
激しい快感の余韻が残る身体は、まだふわふわと浮いているみたいで、私は浅い息を繰り返しながら彼を見上げていた。
「これなら交わることはせず、君を快楽に導ける。……嫌だったか?」
優しく額を寄せて尋ねるザナンザに、私は声が出ないまま、首を横に振った。嫌なわけがない。彼の手で感じたすべてが、あまりにも愛おしかったから。
「……ううん。……ザナンザは……?」
「……ん?」
私は胸に回した手で、彼の温かい肌をそっと確かめるように撫でた。
「私も……ザナンザを気持ちよくしたい」
消え入りそうな声で、でも真剣にそう告げると、彼は一瞬目を見開いた。そして、胸の奥から溢れ出す感情をこらえるように深く息を吐き出すと、私を優しく抱きすくめた。
「君のその気持ちだけで……私は十二分に満たされているよ」
「ううん、ダメ。私ばかりがこんなに……そんなの嫌」
そう言って、私は震える手でザナンザの腰元へとゆっくり手を伸ばした。目の前に迫る彼の熱量に息が詰まりそうになりながらも、覚悟を決めてその温もりにそっと触れる。
「あ……」
ザナンザの口から、低く掠れた声が漏れた。彼の手が私の手の上に重なり、動きを止めようとするけれど、私はまっ直ぐに彼を見つめ返した。
「教えて……どうすればいいか。ザナンザのことを……もっと良く知りたい」
私の真摯な瞳に負けたように、ザナンザは降参したように目元を緩めた。
「……君は、本当に……罪な人だ」
ザナンザは私の手を導き、ゆっくりと指を滑らせていく。彼が教えてくれるまま、ぎこちなく、けれど精一杯の愛を込めて触れていくと、いつでも冷静な彼が吐息を荒らげ、私の肩口に顔を埋めてきた。
「アイラ……っ、上手だ。……あまり、私を煽らないでくれ……」
耳元で響くザナンザの切ない声と、彼が感じてくれているという事実に、私の胸も熱く満たされていく。
ふたりの吐息が混ざり合い、夜の静寂の中で、私たちは互いの肌の温もりを暫く確かめ合っていた。
指先に触れる感触の変化とともに、先端からトロリと透明な蜜が溢れ出てくる。
私は興味本位で、それを少しだけ指ですくい、唇を寄せて舐めてみた。ほんのりと塩気を含んだ、不思議な味がする。
「……っ!?」
ザナンザの息が途端に跳ね上がるのも構わず、私は彼を気持ちよくしたい一心で、手でその熱さを優しく握り込んだ。上下にゆっくりと動かしながら、そのまま先端へと舌を這わせて舐め上げてみる。
「くっ……! アイラ、待て……っ!」
私のぎこちなくも真っ直ぐな手つきと舌使いに、ザナンザの忍耐は限界を迎えたようだった。彼の身体が大きく強張ると同時に、熱い塊が勢いよく溢れ出す。
私は思わず、弾け飛んだそれを両手でしっかりと受け止めた。
指の隙間から溢れる、温かく濃密な白濁。
初めて目の当たりにするその存在に、私はどこか引き込まれるように見入ってしまう。
(これが……命の素。
これが私の胎内に入れば、私はザナンザとの子を宿すことができるんだ……)
人体の神秘と、彼の一番深い部分に触れた感覚に包まれ、じっと掌を見つめていると――。
「……あまり、見るものではない」
後ろから回り込んできたザナンザの大きな手が、そっと私の目を覆い隠した。
視界が真っ暗になる中、耳元で聞こえる彼の吐息はまだどこか荒く、顔を真っ赤にして照れているのが手を通しても伝わってくるようだった。
ザナンザはお湯を沸かし、温かな布を固く絞ると、私の体を驚くほど手際よく、けれど慈しむように優しく拭ってくれた。
火照った体をさっぱりと清め終えた後、私たちは甘い気だるさに身を任せ、生まれたままの姿のままベッドの上で深く抱き合った。
(……こんなに美しい顔をして、甘い睦言を耳元で囁かれて気持ちよくされたら……女の子なら誰だって一瞬で堕ちちゃうよ。
ザナンザが私を一途に愛してくれている気持ちは信じているけれど……でも、こんなに素敵な人、うかうかしていたら誰かに取られちゃうかもしれない……)
ザナンザの腕にすっぽりと収まりながら、私は胸の奥で小さく焦りを混じぜた愛おしさを募らせていた。
一方、私をその腕の中にしっかりと閉じ込めるザナンザもまた、私の背中に回した手にじわりと力を込めていた。
(……あんなに懸命に私を喜ばせようとしてくれて可愛く反応されたら、男なら誰だって一目で堕ちてしまう。あの子が持つ愛らしさと健気さは、あまりにも眩しすぎる。……誰にも、この愛しいアイラを渡したくはない)
互いの皮膚から伝わる熱と鼓動。
交錯するふたつの独占欲と、深く確かな愛。
どちらからともなく腕を強め、私たちは互いの存在を確かめ合うように、力強くきつく抱きしめ合った。