【オーバー・ワールド・オンライン】-電子の旅人は星を見上げる-   作:御魚天国

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第一章∶汝、星輝を崇めよ
キャラクリエイト


『Welcome to 【Over World Online】』

『ようこそ、【オーバー・ワールド・オンライン】の世界へ』

 

『始めまして、私はこの世界に入るために案内をさせていただく、チュートリアルAIです!』

 

『まずはプレイヤーのキャラを作成しましょう!』

 

『それでは名前を決めてください!』

 

 →クロッカー

 

『名前は【クロッカー】でお間違えないですか?』

 

 →はい いいえ

 

『それでは性別を決めてください!』

 

 →男 女

 

『それでは種族を決めてください!』

 

 →ヒューマニ アニマ エルツリー …………

 

『それでは容姿を決めてください!』

 

 ……

 

 …………

 

 ………………

 

『この容姿で進めますか?』

 

 →はい いいえ

 

『それではジョブを決めましょう!』

 

 →おすすめ

 

『それではスキャンデータから、オススメのジョブを検索します!』

 

 検索中…… 検索中……

 

『決まりました! 貴方のオススメのジョブは……【旅人】です!』

 

『旅人は全てのステータスが平均で始まり、各種スキルの習得度も1.0倍で始まりますが、普通装備の制限を受けず、クエストの発生確率が1.2倍になるという先天特性を持ちます!』

 

『このジョブで進めますか?』

 

 →はい いいえ

 

『それでは最初の武器を選んでください!』

 

 →片手剣

 

『【片手剣】で進めますか?』

 

 →はい いいえ

 

『今までの選択に間違いはありませんか?』

 

 →はい いいえ

 

『では、開始の準備をします! それまで、プロローグを見てお待ちください!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーバー・ワールド・オンライン。

 

 それは日本の大企業、『モーティマス』が発表した一つのゲームである。

 

 元々AI開発を主にしていた企業である、モーティマスが突然発表したそのゲームは、VRMMORPG……即ち、仮想世界に人間の意識だけ入り込んで、その世界で作られた仮想の肉体、仮想の世界で、まるで現実と同じかのように動き、生活する……フルダイブ型のゲームを突然発表したのだ。

 

 類似品どころか前例すらない、前代未聞のゲームに最初は皆の反応は淡白なもので、『あの大企業モーティマス、遂に狂う!』『モーティマス、倒産か!?』などなど、好き勝手に言われたのだが、それに対して会社側の声明はこうだった。

 

『もう既に完成している』

 

 その声明通り、ゲームが発表されてから1ヶ月後、たった1週間だけのβテストを開始した。

 

 βテストは抽選形式で、当選した人間にはそのゲームをするための頭部装着型のゲーム機、『アストロイザー』と『OWO(オーバー・ワールド・オンライン)』のダウンロードコードが発送され、それらを用いることでプレイする事が可能だ。

 

 何故そんなことを知っているかって? 

 

 答えはシンプル。

 このゲームがどういうものか世間に知らしめるため、案件という形で配信者にもβテストを行わせたからだ。

 

 そしてその配信によって、そのゲームは世界中にその名を轟かせることになる。

 

 まるで現実と見間違うかのような景色。

 没入感なんてものを超越した、まさに目の前で起きている現象。

 

 世界初のVRMMOは確かにそこに存在していた。

 

 1週間後、βテストを終わらせたプレイヤーたちからは、『もう二度と他のゲームなんてできやしない』『一つ言えることがあるとすると、俺はあのゲームで生まれて、あのゲームで死んだ』なんて感想が次々と上がる。

 

 発売を待つプレイヤーたちの熱は最高潮を迎え、モーティマスは発売日の短縮を発表。

 βテスト終了からたった1ヶ月でゲームは発売された。

 

 そうしてゲーム機共々、初週売上500万を達成した稀代の神ゲーOWOは、サービスを開始したのだった。

 

 サービス開始から3ヶ月目。

 プレイヤー数は世界中で遂に2500万に達し、未だに増え続けているって話だ。

 

 そして俺もそんなゲームに惹きつけられて、遂に購入してしまった1プレイヤー。

 名前を天飛 刻一(あまた ときいち)、ちょっとした(へき)と趣味を持つ一般ゲーマーである。

 

 先にプレイしている友達曰く。

 

『OWOならお前の癖、満たせるかもしれないぜ』

 

 とのことだったため、始めてみました。

 

 今まで様々なゲームでその癖を満たしてき俺だったが、友達のあまりにも強い説得に始めざるを得なかった、と言うわけで。

 

 実のところ事前情報をほとんど仕入れていない。

 あそこまで強い説得されるのは初めてだったものだから、情報で見るよりも先に自分の目で見ておきたかった、というのが一番の理由だ。

 

 まぁ……もう一つ、理由としては俺の癖が関わって来るんだが──

 

『ゲーム開始の準備が整いました!』

 

 と、なんやかんや思考していると、サポートAIは声を上げる。

 

 どうやら最初のプロローグは流れ終わったらしい。

 

 ちなみにプロローグの中身は簡単なストーリーの説明で、主人公──つまりプレイヤーは世界を旅する冒険者の一人。

 そんな貴方が道に迷ってしまったことから始まる。

 

 ──と、中々の放り出しである。

 要は最初の選択もプレイヤーたる貴方が選べ、ってことなんだろう。

 

 野垂れ死ぬも良し、突っ走るも良し、助けを待つも良し。

 完全に『自由』ってわけだ。

 

『それではゲームを開始します!』

『どうか、素晴らしい冒険になりますように!』

 

 遂に全ての初期設定が完了したようだ。

 

『そして、どうか──』

 

 俺はAIの囁くような声に耳を傾けながら、目を閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴方がこの世界を()()()()()()()()()祈っております』

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