達也たちの見事な時間稼ぎにより真夜と再会した私は取り敢えずあの後どうなったのか聞くことにした。
「で、あの後どうなったのかしら?一応調べたから大漢が滅んだのは知っているけど」
「そうね。あの後私は重蔵叔父様に保護されて無事に姉さんやお父様たちのもとに帰ることができたわ。検査なんかを受けてこと皆に貴女に助けられたことや貴女が未来から来た存在だと言うことまでは説明したわ」
「よく信じてくれましたね」
「私1人の話じゃ信じて貰えなかったかもしれませんが叔父様も証言してくれましたから」
「ああ、あの人ね。一応手加減したから怪我とかしてなかったでしょ?」
「ええ。もう一度会ったら手合わせしたいっって言っていたわよ?」
「謹んでお断りするわ」
誰が好き好んで戦うかっての。
「そしてお父様は私を誘拐した報復の為に大漢を滅ぼしたわ」
「そうみたいね。そういえばあんたって七草の現当主と婚約していなかった?」
「弘一さんとの婚約は私を守れずに誘拐されたことや弘一さん本人の意思により解消されたわ。七草的には面子を守る為だったのでしょうけど」
「今でも好きなの?」
「いいえ。もうお互いにそんな感情はありませんわ。今は十師族として友好的な関係かしら」
なるほど。まあ、原作みたいにギスギスした関係じゃないのは良いことかしら。
「そして月日が経って私が当主になりました」
「そこよ。なんで姉である深夜さんじゃなくて妹のあんたが当主になったのよ?」
「お父様から遺言で真夜が当主になったのよ」
あれ?この2人の父親って大漢滅ぼした時に死んだんじゃ無かったかしら。
「先代当主って大漢崩壊の時に死んだんじゃ」
「?何を言っているのよ。お父様が死んだのは私が25の時よ。確かに原因はその時の魔法の過度な仕様によるものだけど、その時に死んだわけじゃないわ」
「そうなのね」
つまり原作よりは長生きしたってこと?確かにあの神は平行世界のようなものって言ってたけど……私が介入したから余計にかけ離れた?
「そう、…遺言でね」
あれ?四葉家の当主決めってもっと物騒なものじゃ無かったかしら?ここも乖離してる?
「そう言えば1ヶ月前かしら四葉の情報をハッキングしたのだけど」
「よくバレなかったわね」
「姉さん、碧䒾さんのハッキング能力ならバレずに情報を盗む事くらい可能だわ」
「ああ、あんたには見せたものね。それで聞きたいのだけど…達也に人工魔法演算領域の付与実験を行ったのはなんでかしら?」
「「「!?」」」
調べてのは1ヶ月じゃなくて1年前なのだけどね。まさか達也が原作と同じく人造魔法師になっていたのには驚いたわ。あれは原作でも真夜が企画したもので狂った復讐心から考えたものだったのだけど、ね。そして深雪も原作と同様の存在だった。
「真夜」
「ええ、分かっているわ。姉さん。達也さんは生まれながら分解と再生という魔法を持って生まれました」
「叔母上!?」
「叔母様、よろしいのですか?お兄様の秘密を」
「良いのよ、深雪さん。それにちゃんと話さないと」
「分解と再生ね。BS魔法師なのね、達也は」
「ええ。そしてその力はあまりにも強大で、脅威になりかねないものでした」
まぁ、実際問題。達也はその力を使って作中最強キャラとして確立していた。
「四葉、とりわけ分家の方では達也さんを殺そうとする者まで現れました」
「それで?どうして達也に実験をしたのかしら」
「貴女との約束でしたから。家族を、好きな人を、他人を大切にしてほしいという……貴女との」
「だから、私は真夜の計画に協力しました。達也を息子を守るために人工魔法演算領域、いいえ、仮想魔法演算領域を付与することを決めました」
「そのせいで感情を失い、人造魔法師として冷遇されることになってもかしら?」
「碧䒾、それは違う。確かに本家や分家の一部の人間は俺を魔法師どころか人間として見てない者もいる。だが、深雪や母上や叔母上のように俺のことを理解してくれている人たちもいる。だから」
「なんか勘違いしているみたいだけど別に怒っているわけじゃないのよ」
「「「え?」」」
何を驚いているのかしら?
「だって私が約束を破ったと思ったから怒ってたんじゃ」
「だから怒ってないって。理由を聞いただけだし、それに真夜は約束破ってないでしょ」
「そ、そんなはずは…!」
「達也を守るためにやったんでしょ?それに4人の会話を聞いていた限り真夜が達也たちを大切に思っていることはなんとなく感じ取れたわ」
「そんなことは結果論でしか…」
「じゃあ達也を見て不幸に見える?」
そう言われて真夜と深夜は達也に目を向ける。
「碧䒾にも言いましたが俺を理解してくれる人たちが少なくともいてくれる。だから叔母上に母上、俺は自分を不幸だなんて思っていません」
「本人もこう言っているし深夜さんも言っていたでしょ?達也を守るためだって。真夜も同じ気持ちだったから提案したことなのでしょ。手段は間違っていたかもしれないけど結果的には家族を守れたなら約束は破られてはないわ」
「じゃあ、なんで聞いてきたのよ」
「別にちょっと理由を聞きたかっただけよ」
「碧䒾さんって意外と意地悪なのね」
「そうかしら?」
まぁ聞きたいことは聞けたし良いんだけどね。
「そして達也さんから聞いた通り貴女に関して調べ始めました」
「ええ、それは聞いたわ。まさか調べられているとは思わなかったけど」
「もう一度貴女に会いたかったから」
「そんな乙女チックな理由で探されているとは思わなかったわ」
さて、聞きたいことは聞けたしそろそろおいたましないとね。
「時間も時間だしそろそろ帰るわ」
「あら、よかったら泊まってくださっても良いのよ」
「流石にそれは遠慮させてもらいます。それに両親が待っていますから」
「最後にいいかしら」
「何よ、真夜」
「これ私のプライベートナンバーよ。また、話をしてもいいかしら」
「良いわよ」
まぁ、個人的な友人関係なんだから貰ってもいいでしょ。
「達也と深雪はまた明日学校で。深夜さんもまた機会があれば。真夜も気が向いたら連絡するわ」
「ええ、これからも達也と深雪と仲良くしてちょうだい」
「さようなら、碧䒾さん。また明日学校で」
「またな。碧䒾」
「連絡待っていますね」
こうして思いがけない再会を果たした私は司波家を後にした。
「あ、そう言えば深夜さん離婚しているのに司波のままなのね」
まぁ、四葉であることを隠すためなんだろうけど四葉ならいくらでも情報の改竄くらい簡単だと思うんだけど…考えてもしゃあないか。