真夜side
30年と少しの時がかかったが私たち四葉にとっての恩人である碧䒾に再会することができた。
「達也さんに深雪さん。それから姉さんも今日はありがとう。碧䒾さんと再会することができました」
「いいのよ。まさか、彼女が本人だったなんて思わなかったけど」
「叔母様。彼女、碧䒾さんが話に聞いていた人物だったのは驚きでしたね。お兄様」
「ああ、そうだな。それで叔母上、彼女は魔法とは違う力を持っているのですね」
「ええ、そうよ。彼女は異能力と言っていたわ。CADなしで変な空間に移動させられたり、重力操作を行なっていたわ。干渉力が強いとかではないわ」
私は当時見たことを達也さんに話す。最初に干渉力が強いと言う仮説は否定しておく。
「ええ、そうでしょう。深雪のように感情による事象改変の兆しが見えませんでしたから」
「まぁ、お兄様ったら意地悪を言うのですね」
「ふふ、達也。あまり深雪を揶揄ったら可哀想よ」
「相変わらず2人は仲良しね」
「お母様や叔母様ほどではありませんわ」
「当然よね。私と姉さんは双子だもの。仲が良くて当たり前よ」
こんなたわいない会話ができるのは碧䒾があの時私を助けてくれたおかげなのよね。もし、助けられるのが遅かったらこんな風に穏やかな関係は築けていなかったかもしれないわね。
「それより今日は2人の入学祝いにご馳走を用意したから夕食にしましょう。姉さんも一緒に」
「そうね。今日の分の執務は終わっているから大丈夫よ。葉山も一緒にいいかしら?外で待たせているから呼んでくるわ」
「それなら俺が呼んできますよ」
「なら、私はお母様の手伝いをしますね」
ああ、私は今幸せな時間を過ごせているわね。
真夜said end
2度目の高校生活2日目。私は普通に登校し教室今はホームルームと呼ばれているみたいだ。時代の流れを感じるな。
「ここね」
私は中に入るとほのかと仲良くしている深雪が目に入った。
「おはよう、深雪。早速友達ができたの?」
「おはようございます、碧䒾。ええ、こちらは光井ほのかさんに北山雫さんです」
「初めまして柳河碧䒾と言います。深雪とは友達なの」
「初めまして私は北山雫です。碧䒾って呼んでいい?」
「いいわよ。私は雫って呼ぶわ」
「あ、私は光井ほのかです。私もほのかでいいです」
「ほのかね。雫同様私のことは碧䒾って呼んでいいわよ」
原作の主要人物とまた友達になることができたわ。そんなことを考えていると雫が質問してきた。
「碧䒾って今年の新入生次席だよね?」
「?そうなの?私はそんなこと聞いてないけど」
「でも、噂になってる」
「あ、私もその噂聞いたよ」
「「噂?」」
私と深雪が声を揃えて聞き返した。というかどんな噂が流れているんだ?
「うん。今年は総代と次席は方向性が違うが美人な上に次席は風紀委員に推薦されてるって」
「美人?」
「確かに碧䒾は美人よね」
「そうかしら?私より深雪の方が美人だと思うんだけど」
「司波さんはこう可憐って感じの美人ですけど碧䒾さんはこう凛々しいというか麗人みたいな感じがするっていうか」
そうなのだろうか。自分の容姿なんて気にしたことがないからよく分からない。
「それと2人は昔からの友人なの?」
「いいえ、碧䒾とはここに入学してからの友人よ。それと2人も私のことは深雪って呼んでくれて大丈夫よ。私も名前で呼ぶから」
「そう?それにしては深雪と親密に感じたけど」
「あ、それは私も思った」
ふむ。私としては普通に接しているだけだから気にしていないのだけど周りからはそう見えているのかしら。
というか周りに目を向けてみると出遅れたという空気が特に男子から感じた。
「それよりそろそろ自分の席戻った方がいいわね。オリエンテーションが始まるわよ」
私がそういうとちょうど放送が流れた。
「あ、ほんとだ」
「私と深雪は大丈夫だね」
「なら、私とほのかは席に戻りましょう」
「そ、そうだね」
こうしてオリエンテーションが始まった。担任がやって来て簡単にこの後の行動を説明された。
「大した実力もないのに魔法師になろうって図々しいよな」
「一般人は一般人らしくしてろって」
「……」
実にくだらない。入学できて有頂天になっているのか知らないけど他者を自分たちより下だと決めつけてくだらない優越感に浸っているなんて程度が知れるわね。
「おーい。碧䒾も一緒に行こう」
「わかったわ」
ほのかが声をかけてきたので4人で集合場所に向かうことになった。後ろを向くと森崎くんを含む何人かの生徒が声をかけられずに挙動不審だった。
というか、森崎くんそんなとこにいたのね。
「気の毒ね」
「碧䒾もそう思う?」
「雫もそう感じたのね」
「うん」
深雪はほのかと談笑しながら私と雫はたまに会話に参加しながら歩いていた。
専門教科の見学が始まり、先生が私たちに質問してきた。
「放出系統魔法の性質の説明ができる人はいますか?」
この先生、結構意地が悪いな。入学したばかりの新入生が答えらることができないってわかってて質問してくるなんて。
「はい、先生」
「森崎くんですか。どうぞ」
あー、なんだか考えていることが丸わかりだ。深雪にいいとこを見せたいって態度が現れている。
「放射線を操作する魔法ですか?」
「間違いではありませんが不正確です。それから質問に対する回答に疑問形を用いるのはやめるように。たとえ自分の考えに自信がなくてもそれを相手に見せるべきではありません」
おお、なんというか気難しい先生だな。言っていることは正論だけども…。
次に指名されたのは深雪だった。
「では……司波さんどうですか?」
「放出系統魔法は素粒子及び複合粒子の運動と相互作用に干渉する魔法です」
「簡潔にまとめられたなかなか良い回答です」
「ありがとうございます」
先生は入試の結果を知っているからわざと深雪を指名したのね。
「流石、深雪ね。達也から教わったの?」
「あら、やっぱりわかってしまいますか」
「深雪のお兄さんて頭いいんだね」
「ええ、お兄様は勉学も魔法も本当はすごい方なのよ」
「でもなんであの人が二科生なの?」
「ほのかは達也と面識があるの?」
「直接はないけど入試の実技試験ですごく無駄のない綺麗な魔法を使っていたから」
ああ、なるほどね。ほのか的には達也はすごい魔法師だって認識なんだ。あながち間違いじゃないけどね。
「ほのか的には達也とは仲良くしたい?」
「それはそうだよ。二科生だからって差別したくないしあんなに綺麗な魔法を使う人なかなかいないもん」
うんうん。ほのかはもうすでに達也にハートを撃ち抜かれているわね。
そんなこんなで見学は順調に進み、昼休みになった。森崎くんがやらかすんだよねー。