只今、お昼休み。私は屋上にやって来ていた。
「ゴタゴタに巻き込まれるのはゴメンだからね」
原作を知っている身だから分かる。今日1日だけで2回も面倒ごとが起きる。一回は回避しておかないと身がもたない。深雪が作り出す氷の世界に閉じ込められるのは勘弁してもらいたい。
「『人間失格』は触れないと意味がないし、大勢の前で闇色の
家に帰ってから考えたが結局は断る理由なんてなかったし、それに達也が入るのは確実だし所属していても問題ないでしょ。
そんなこと考えながら生徒会室に向かうことにした。
「ここよね」
確認した後にノックすると中から返事が返ってきた。
「はい、どうぞ」
「失礼します。1年A組柳河碧䒾、風紀委員のことできました」
「お、こいつが柳河か」
「ええ、そうよ。どうぞ、中に入って座ってください」
中にいたのは服部半蔵先輩を除いた生徒会メンバーと風紀委員長の渡辺摩利先輩だった。
「風紀委員の推薦に関してですが引き受けることにしました」
「本当ですか。では、先生方にもそのように報告しておきますね」
「では、私だけ風紀委員長として最初に自己紹介だけしておこう。委員長の渡辺摩利だ。風紀委員としての活躍期待しているぞ」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。渡辺委員長」
「では、今いるメンバーだけですが生徒会も紹介しておきましょう。関わることが多いですから」
ということで生徒会の紹介が始まった。
「じゃあ初めに会計の市原鈴音、通称リンちゃん」
「会長だけですよ。そういうふうに呼んでいるのは」
「そして書記の中条あずさ、通称あーちゃん」
「会長、お願いですから下級生の前でその呼び名はやめてくださいよー」
「ここにはいないけど副会長のはんぞーくんこと服部半蔵副会長。最後に私生徒会会長の七草真由美。これが今期の生徒会メンバーよ」
うん。七草会長のあだ名の酷さは知っていたけど実際に聞くとまあ恥ずかしいものだな。
「よろしく、お願いします。七草先輩に市原先輩に中条先輩」
中条先輩はあだ名で呼ばれなかったことが嬉しかったのか雰囲気が明るくなったような気がする。
そんなこんなで紹介が終わった所でチャイムがなったので教室に戻ることになった。
そして時間が過ぎ放課後。原作通りに事件は起きた。
「いい加減に諦めたらどうなんですか?深雪さんは、お兄さんと一緒に帰ると言っているんです。他人が口を挿むことじゃないでしょう」
「こうなったか」
「ど、どうしよう、雫に碧䒾」
「少し様子を見ましょう。もしもこれ以上騒動が大きくなったら私が介入するわ」
「落ち着いて、ほのか。碧䒾もこう言いてるんだし」
「う、うん。わかった」
さて、どうしたものかな。風紀委員になることを今日伝えたから仕事として騒動は収めるべきなんだろうけどただの口論ならこのまま見逃せるんだけどな。ていうか、騒動の中心の兄妹はピンク色の雰囲気を醸しし出しているんだけど。
「うるさい!他のクラス、ましてやウィードごときが僕たちブルームに口出しするな!」
あー、禁止用語使っちゃったよ。録音機がないから発言したって証拠がないから言い逃れされたら終わりか。あ、いや確か風紀委員の証言は証拠として扱われるんだっけ?
「同じ新入生じゃないですか。あなたたちブルームが、今の時点で一体どれだけ優れているというんですか?」
ああ、これはある意味挑発的な発言に聞こえるんだよね。
「美月が一番熱くなっているんだよね」
「あの人、見た目に反して度胸がる」
「雫、そんなこと言ってる場合じゃないよ」
「ああ、ほのか。絶対魔法は使わないでね。私、友達を取り締まりたくはないからね」
「なんで私だけ!?」
原作であなたが魔法を使おうとしているのを知っているからね。
そんなことを話している騒動の中心である森崎くんが特化型CADを引き抜き魔法を行使しようとしたがエリカが警棒型CADを使って森崎くんの手からCADを叩き落とした。
「すごい、あの動き一科生でも中々できる人いない」
「これで騒動終わるかな」
「雫にほのか。今から私が何をしても驚かず魔法は絶対に使わないでね」
2人に釘を刺しながら私はとある異能直を使う。
『舐めるなよ、ウィードの分際で!』
『身の程を知りなさい!』
ああ、逆上したクラスメイト数人が魔法を使おうとしている未来が視えた。
「燃やし尽くしなさい、
私は黒い炎を纏い先程視た未来で魔法を使っていたメンバーのCADを燃やした。
「な、なんだこれ!?」
「いやぁぁぁ、も、燃えてる!?」
「だ、誰か消してくれ!?」
「双方、そこまでにしなさい」
私はゆっくり前に歩いて行く。
「風紀委員として自己防衛以外での魔法の使用は校則以前に法律に違反する行為です。あと、その炎は魔法式しか燃やさないから落ち着きなさい」
「き、貴様は」
「クラスメイトの顔は覚えているみたいね。森崎くん」
「柳河碧䒾…」
「さて、ただの口論で終わるなら力づくで止めるつもりはなかったけど魔法まで使うのなら風紀委員である私が止めないといけないでしょ?」
「くっ」
はぁーなんか考えていることが顔に出てるんだけど。
「一緒に帰ることを断れたなら潔く諦めなさい。放課後を誰とどう過ごすかは個人の自由。クラスメイトであるあなたたちが彼女の行動や関係を制限することはできないわ」
私は闇色の辺獄烈火を解除して、異能力【天衣無縫】を使って未来を視る。
「ということで魔法は使われなかったし騒動も収めましたからこのまま解散でいいですか?七草先輩に渡辺先輩」
「本来何らそういうわけにはいかないが」
「いいじゃない摩利。魔法は使用されてない上に騒動は収まっているみたいだし」
「いや、だが柳河は魔法を使っていたろ」
「いいえ、彼女が使っていたのは魔法じゃありません。起動式の展開が確認できませんでしたから」
ここで会話に混ざってきたのは達也だった。
「ほう、君は起動式を読み取ることができるようだな」
「実技は苦手ですが分析は得意ですので」
「では、碧䒾さんが使ったのは一体…」
「ちょっと特殊な力ってだけですよ」
「2人揃って誤魔化すのが上手いようだ」
別に誤魔化してるわけじゃないけど。
「まぁ、いいじゃない。碧䒾さん、風紀委員としての初めての仕事ご苦労様です。ですが、なるべくなら騒動が大きくならないうちに収めてくださいね」
「会長がこうおっしゃていることと柳河が早めに収めたので今回は不問とする。早く解散するように」
「「「はい」」」
こうして騒動は無事に終息したのであった。