黒ずくめの組織の暗殺者がアポトキシンで幼児化した件 作:ummt
「梓さん……セッピー……」
子供の姿で抱きしめた身体は、どんな女よりも滑らかで温かく柔らかかった。
胸に顔を埋めただけで、こんなにも情欲とそれ以外の何かが湧き上がるとは……。
梓さんとセッピーしたい。
たくさんセッピーしたいけど、無理やりしたら梓さんは泣いてしまう。
梓さんを泣かせたくない。
気が狂うまでセッピーしたいけど、セッピーが終わったら何をすればいいんだろう……。
……セッピー……セッピーしたい、梓さんとしかしたくない。
抱きしめたい……抱きしめられたい、キスしたい……キスされたい……、撫で回したい……なでなでされたい……、笑ってほしい……笑って……。
「愛して……」
どうしたら俺のものになるのかな……。
梓さんが欲しい。
梓さんが欲しい梓さんが欲しい梓さんが欲しいセッピーセッピーセッピー。
「兄さん!! 自分を慰めているところ悪いんだけどさ!! 朗報だよ!!」
バタンと勢いよく部屋の扉が開いて、ヤンが封筒を手に持って満面の笑みを浮かべていた。
「……ノックをしろ」
立ち上がると、頭が軋むように痛んだ。
「したよ!! なんと、警察病院のガリアーノに依頼していた工藤 新一と江戸川 コナンの血液検査の結果が届きました〜!! 結果発表!! ドゥルルルル……」
腰を曲げて両腕を前に突き出しながらグルグルと回しているヤンに殺意を覚え、思い切り拳で殴りつけた。
「痛いっ!! 僕の脳みそにダメージ入ったらどうするんだよ!!」
「……結論から先に言え」
ヤンの前髪を掴んで足を宙ぶらりんにさせながら、頭に傷がついていないかを確認した。
「……撫でてくれるの? うれしいな」
封筒を奪って中身を確認すると『同一人物』であると確定下だけだった。
それとは別に『工藤 新一』の指紋採取の結果と記録が同封されていた。
「……工藤 新一の指紋、どこから入手した? ……工藤邸に忍び込んだのか? 帝丹高校にある備品の指紋は既に消えているだろ……。クッキリした輪郭線、最近採られたものだ……」
工藤 新一は江戸川 コナンであると確証していたが、今現在コナンであるのだから工藤 新一が現れることはあり得ない。
それを可能にするならばヤンが秘密裏に開発した成人化のTLPN0140を投薬したか、別の人間が同等のものを開発した。
または、俺がカバーできていなかった工藤 新一のみが入る部屋や触る物品があった事、つまり見逃し……ポカをやらかしたした事になる。
灰原……シェリーが開発をしたとして、阿笠博士のラボには調合や薬品製造に関わる大掛かりな設備が完備しているのか……把握できないとまずいだろうが。
「それはね? ヒ・ミ・ツ!! 兄さんとの楽しいゲームの」
思い切り拳で顔面を殴りつけ、書類を破り捨てた。
「俺は明日、江戸川と出かける。はぁ……。……余計なことをするなと言っただろ。……何度も同じ事を言わせるな」
、、、
「コンビニよりも先にガソリンスタンドがあるみたいでよかったですね。代用のタイヤを入手出来ますから」
毛利 蘭は『食事を追加で出してもらえないか聞いてあげるから』と止めたが、招待客の人数よりも多いんだ……用意がないものを提供させられないだろう。
コンビニでアルミホイルで巻かれたオニギリとマッチ、ミニ裁縫セットを念のため買った。
ゴムなら財布に忍ばせてある、何か起こっても脱出は可能……。
「……シャラク君、何かあったら私達を頼っていいんだからね?」
、、、
「何が近道だよ!! あのガソリンスタンドのおやじ……こんな道を教えやがって……」
……コイツは誰なんだろうか。
「お父さん、本当にこの道で会ってるの?」
娘の毛利 蘭すら気付かない巧妙な変装。
「わざわざスタンドの中まで連れ込んで『この辺りの道が分かる』って高っけえ地図まで買わせやがったんだ!! ……もし間違ってたらタダじゃ済まさえ!!」
……あの短時間で成り代わった事から、その道のプロであることは間違いない。
組織の人間……別組織の所属か……?
「でも、近道ってのは本当みたいだね。……右側に見えてきたのが僕達が行く『黄昏の館』でしょ?」
……どうだっていいか、そんなこと。
江戸川が気づいているかは分からないが、シャラクの姿で『お前は誰だ』なんて言えるわけがない。
自分がただの小学生ではないと自己申告、自白しているようなものだ。
「って、うおおっ!! 山姥!!」
車が急ブレーキをして、ハイビームに老女のシルエットが映し出される。
車の運転が出来ることから17歳6ヶ月の……いや、免許が無くても工作員なら運転は出来るか。
「……初対面の女性に対して随分なご挨拶だね」
老女は安楽椅子探偵の千間 降代……前にミッションで見掛けたな。
「貴方たちも黄昏の館に行くんでしょ? ……良ければ乗せていってくれないか?」
……恐らく、待ち伏せしていたのだろう。
黄昏の館に行くまでにはコンビニやガソリンスタンドがあり、交通量が少ないというわけではない。
近道も確認されること、立地から見てもルートは複数あった。
そこに米花町からの方向から来る者など何人も居たはずで、そのルートから来る者に手当たり次第声をかけていたんじゃないのか?
乗車しているのが『毛利 小五郎』かどうかを確認する為に……。
「後部座席に乗ってください。……はあ、荷物を異動しますんで……」
、、、
「どうしてさっきガソリンスタンドに寄った時にお手洗いを済ませなかったんだい?」
……見立てを聞くか。
「おばあさん、なんで知ってるの? 僕たちがガソリンスタンドに寄ったって……」
雨粒、綺麗だな……。
「簡単な事だよおチビちゃん。空っぽの灰皿とこぼれた吸い殻。そんなことが出来るの10kmほど先にポツンとあったガソリンスタンドだけよ」
梓さん、今何をしているのかな……。
プーシィを代打にしてしまったが、プーシィとて男だ……。
あんなにかわいい梓さんを目にしたら頭の中がセッピーで一杯になってしまうんじゃないか……?
『梓さんに手を出したら殺す。梓さんに不利益をもたらしても殺す。梓さんに虫が寄ったら殺せ』
そう言い聞かせたが、味見をしようとしていたらどうしたらいい。
殺さないと……梓さんに近づく男は殺さないと……。
プーシィに聞き取りをしなければ……不純な感情を抱いていたら消すしかない……。
使い勝手が良い駒だが、もし梓さんに気を持っていたなら潰さないと……。
梓さんは俺のものだ、俺のものになるんだから……。
梓さんは俺とセッピーする。
セッピー。
「私は千間 降代。あなたと同じ探偵よ。……眠りの小五郎さん」
、、、
「うお!? アルファロメオじゃねえか!! 渋いね!!」
高級車ばかり……自ら『地位かある』と示す、密偵を行う探偵としては如何なものか。
「おい、俺の女に触るんじゃねえよ……」
土砂降りの雨の中、闇夜から茂木 遥史が現れた。
傘を差しているのにタバコを咥えているのなら、長時間夜の雨の中を歩き回ったのか……。
何か、駐車場に気になる点や周辺に不審物でもあったのか。
「久しぶりね? 茂木ちゃん。あなたも呼ばれていたの……」
千間と茂木の二人は顔見しり……。
グルの可能性もあるな。
二人の雑談を聞きながら、雨音の弾ける音を聞いた。
……なんだ?
……古い屋敷のはずなのに、壁や床に傷が一つもない。
階段、玄関先の壁の感触と音が固い。
何処を踏んでも軋まないし、踏み込んでも平行のままだ。
全てがコンクリート造で出来ていて、ガワは張りボテでコーティングされている?
まあ確かに、この巨大な屋敷を維持するのは木製ではない方がいいんだろうが……。
「いらっしゃいませ。……茂木様、千間様……毛利様ですね?」
顔を見ただけでメイドが個人を判断したということは、顔写真と名前のリストが作られている。
……まあ、どうでもいいか。
「化け物屋敷……ってところかい?」