異世界帰りな最強魔女の気まぐれ観光 ~帰ってきた日本はニチアサヒロインが戦う世界でした~   作:龍翠

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ついに幹部戦だよ!

 

 アルバイト終わり。私は指定された居酒屋に来て、そして。

 

「それでさあ! ディザ……うちの社長がさあ! 無茶ぶりしてくるんだよお!」

 

 酔っ払いの相手をさせられていた。解せぬ。

 

「あたしだって……あたしだってがんばってるんだよ!? ていうか、最近だとキャス……副社長も失敗してんのにさあ! 不公平だと思わないかい!?」

 

 ディザスターが社長で、キャスティアが副社長ね。分かりやすい……と言っていいのかな。

 約束していた時間に居酒屋に一緒に入ったわけだけど、私はお酒を出してもらえなかった。見た目は未成年だからね。むしろ入店を許されただけ温情だと思う。

 仕方ないからとメルトが一人で飲み始めたわけだけど……。こいつ、めちゃくちゃ酒に弱かった。びっくりだよ。そしてめちゃくちゃ内部情報吐き出してるよ。

 こいつが幹部で大丈夫? 勇者くんと聖女さん、人選間違えてない? いや、内部情報と言ってもほとんどが愚痴だけどさ。

 

「あたしだって……あたしだってなあ……。うああああ……」

 

 泣いちゃった……。

 

「あの……」

 

 私が呆れていたら、店員さんが声をかけてくれた。少し気まずそうな顔だ。

 

「お母さん、大丈夫?」

 

 お母さん……お母さん!? え、待って、親子と思われてたの? 確かに私は若く見えるはずだけど、それでもメルトに私ぐらいの年齢の子供がいるようには見えない……。

 いや、待って。そういえばこの世界の人、わりと若く見えるな。桐子さんもぶっちゃけ二十代に見えるけど、実際には中学生の明菜ちゃんがいるぐらいだし……。

 いや、でも、親子はやだな。こいつがお母さんとか、勘違いでも嫌だね!

 

「親子じゃないです」

 

 なので否定したら、店員さんが目を剥いて驚いていた。そこまで驚く?

 

「え、うそ……。け、警察呼ぶ!?」

 

 今度は変な疑いかけられてる……。警察を呼ばれると私も困るんだよね。戸籍とかないからね! なので適当に誤魔化しておこう。

 

「いえ、知り合いではあるので大丈夫です」

「ほ、本当に?」

「ですです」

 

 店員さんにしっかりと嘘の説明をすると、とりあえずは納得してくれたらしい。でもちょっと心配そうにしながら仕事に戻っていった。

 とりあえず店を出よう。なんかろくなことにならない気がしてきた。ちくしょう、結局あまりおつまみ食べれなかったよ……。

 というわけで、泣きじゃくるメルトをつれて居酒屋を退店。そのまま近くの公園にやってきた。池の見える公園で、メルトを椅子に座らせて水を渡してやる。まったく。

 

「ありがとう……。あたし、何やってんだろうなあ……」

「ボクのセリフだが?」

「ごめんて……」

 

 なんか、すごくアホらしくなってしまった。いや、なんだかんだと愚痴を聞くのは楽しかったけどね。どうせなら私もお酒を飲んで、お師匠のことについて愚痴りたかったよ。

 勘違いしないでほしいのは、別にお師匠のことは嫌ってないということ。むしろ尊敬してるよ。ただそれでも、愚痴というのはどうしても出てきてしまうもので。きっとメルトも、ディザスターについて同じようなものなんだと思う。

 それはそれとして、すさまじく無駄な時間を過ごしたとは思うけど。

 

「スズラン、ありがとうなあ……」

「はいはい。まあ愚痴ぐらいまた聞いてあげるよ」

 

 危険物の探し方の話とかどこいった、とは思うけど……。まあ、うん。私は困らないからいいや。私は探さないし。だって私はあの子たちががんばるのを見たいだけで……。

 

「あれ」

「……っ!」

 

 そう思っていたら、魔力の流れを感知した。これは……あの子たちが変身したかな?

 それを感じたのはメルトも同じだったらしい。慌てたように立ち上がったその顔には、もう酔いの名残すら残っていなかった。

 

「ごめん、あたしはもう行くから……!」

「ああ、はいはい。気をつけてね」

「ああ! また飲もうな!」

「おん。いつでも付き合ってあげるよ」

 

 そうしてメルトは走り去っていった。

 ところであいつ、私が魔力に気付いていることに気付いていなかったみたいだけど……。陰陽師はそういうのは分からない、と思っているのかな? 実際の陰陽師はどうなんだろう。わからん。

 それはともかく。

 

「さあて! 見に行こうかな!」

 

 ニチアサバトルですよ! 今は夜だけど! 見に行くしかないよね!

 

 

 

 今回のバトルの舞台は、遊園地、だね。夜とはいえまだまだ人の多い時間だけど、結界の中だから誰もいない。いるのは、今も戦っている子たちだけだ。

 

「たああ!」

 

 明菜ちゃん……ティアフレイムが振り下ろした剣を黒マントの男、リッパーが避ける。その避けた場所に静香ちゃん……ティアアクアの魔法が飛んでいく。ちゃんと連携を考えてるね。

 

「ちっ……!」

 

 リッパーは持っている武器を振り回してその魔法をかき消した。

 リッパーの武器は……大きなはさみ? 身の丈ほどもあるはさみだ。その武器でどうやって戦うのか私にはわからんですよ。

 一人で奮戦するリッパーの側に、女が落ちてきた。上空からすごい勢いで。思わずといった様子で動きを止めるティアフレイム。そのまま攻撃すればいいのに。

 

「悪い! 遅れた!」

「遅すぎるぞ!」

「ごめんて!」

 

 そう言って、メルトは拳を構えた。ほうほう。あの子は徒手空拳ってやつなのかな。へえ。へえ。

 ティアフレイムもメルトのことを明らかに警戒してる。多分、リッパーよりも。

 確かに、徒手空拳っていうのは怖いんだよね。武器を持っている方がリーチも攻撃力もあるけど、もしも密着されたら何もできなくなる。相手のスピードが遅ければ怖くないけど……。メルトも幹部だ。悪い方の想定をするべき、と判断したかな?

 そしてそれは正しくて。

 

「おらあ!」

「うあ……!?」

 

 一瞬で肉薄されて、防戦一方に……というか、めちゃくちゃ殴られてる。

 

「フレイム!」

 

 ティアアクアが慌てたように魔法を使おうとして、

 

「おっと、お前の相手はこちらだ」

「な……!?」

 

 それをリッパーに邪魔された。

 あー……。これは、かなりやばいね。

 明菜ちゃんたちの、前衛と後衛に役割分担するやり方、確かに悪くはないんだけど……。相手が二人とも前衛で、しかもこうして後衛にまで相手が迫ってきた場合、もうどうしようもなくなる。ティアアクアじゃリッパーの攻撃は防げないから。

 それに、そもそも幹部の方が個人としての能力は高いからね。一対一の状態になったらあの子たちに勝ち目はなくなる。

 そして案の定、ティアフレイムたちが追い詰められた。

 

「くっ……!」

「そんな……」

 

 膝を突くティアフレイムたちと、余裕の笑みを浮かべる幹部たち。

 うーん。いいシーンだ! 幹部戦はこうでないと!

 




壁|w・)戦闘描写苦手……。
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