地球みたいなファンタジー世界で仮面ライダー 作:マル萎
ヒーロー、英雄
それは、子供が夢を見て、憧れる存在であり世界を救う者達の呼び名である。そして、俺もまたそんな彼らに憧れた。
弱きを助け強きを挫く、悲しみをその仮面に隠して戦う彼らに憧れた。 だからこそ望んだ。望んでしまった。
言うなら、身体が勝手に動いた。と言うべきか。
子供が車に轢かれそうなのを見て助けに動いただけなのだ。
チカチカと点滅する視界と共に走馬燈を眺めていると頭になにかの意思が流れた。【お前は何を望む】って
あまり動かない頭の中で浮かんだのは俺の
魂から望んだと言われればそれまでかもしれないがもう少し考える時間をくれてもよかったと思う。
当時はそんなことさえ考えれず消えた意識はその日、世界を超えて…
地獄が始まった
目が覚めて最初に見たのはこちらに拳を振るう異形、グロンギ。その存在を認識し、俺は死んだ。
再び目を覚ました時、少しだけ猶予があった。【死にたくない】その思いで俺の腰にベルトが巻かれ、白きクウガに変身が出来た、殺された。
3度目、これが夢なんかじゃないと気づいて逃げ出したがグロンギ…コウモリっぽかったからおそらくズ・ゴオマ・グだと思う。そいつが飛んで逃げ道を塞ぎ、殺された。
そこからは正気が消えた。みっともなく命乞いをした、白かったがクウガになって抵抗した、迫る拳に拳で返した。いずれも死んだ。
それから重ねること十何回目かで冷静さを取り戻し、最初からクウガになって抵抗を始めた。
更に数回回数を重ね、ようやく赤くなれた。その頃には何度も拳を交わしこちらの拳を叩き込むことができていた。
赤く、覚悟が決まったことで使い方が理解できた封印エネルギーを拳に溜めてズ・ゴオマ・グに注ぎ込み爆散させてその時は終わった。
そして、俺はその時になってようやく場所を理解した。おおよそ25mプールぐらいの広さのみしかない大地、その空に浮かぶ三つの月に太陽ひとつ。俺以外の人が存在しないどこかに俺は立っていた。
数日過ごして気付いたのはこの星にいる限り眠くならないお腹が空かない喉が渇かないとても、自分自身が人とは思えない状態となっていた。
四季は多分あった。けど日によって夏になったり冬になったり様々だった。
なにより重要だったのは、この星では定期的に仮面ライダーシリーズの怪人、グロンギ達が現れた。疲れていようが骨を折っていようが容赦なくその日はいつも訪れた。
幸運だったのは怪人を一度殺せたら死んでもその次の怪人から再会できた事だろう。
そんな日が続き、三年後。ン・ダグバ・ゼバを殺せた。この頃には発狂しきっており、殺すということにしか生きる目的を見つけられず、殺し尽くせば悪夢から逃れると信じていた。
そして、ン・ダグバ・ゼバを殺した時、ルーレットが現れ回り始めた。この悪夢から逃げられると、解放されると思い止まったルーレットを見て、音が聞こえた。【仮面ライダーストロンガー】と。
そして、気付くとクウガのベルトは使えなくなっており、新たなベルトが、仮面ライダーストロンガーのベルトが腰に巻かれていた。
呆けている暇もなく、いつの日かのようにこちらに拳を振りかざす怪人が目に入りこれまでの経験を元に殺そうとしたが、身体が動かなかった。まるで戦ったことのない人間の身体のように。
そして、俺は死んだ。
次に目を空けた時に気づいたが、どうやら全てが一度終わるとリセットされ最初からとなるらしい。
この時から、発狂しつつも頭の中にもう一人の自分、クウガとして戦えていた自分を作り出して発狂しながら正気を保ち始めた。
殺して殺されて殺して殺されての生活を続けてブラックサタン大首領を殺し、再び戦いが始まりようやく察せた、ここに救いと終わりは無いのだと。
そこから年は数えず、歳が増えることなく戦いに明け暮れて数え切れない程の発狂を終えた時に狭い世界が光始めた。
そして目の前が光りに包まれて、俺は知らない場所に立っていた。
現状を理解するより先に頭の中に人として生きる知識が流れ始めた。久しく使っていなかった言葉、発狂からの解除、至れり尽くせりの如く知識が流れ、戻ると思っていなかった人間としての意識を取り戻した。
涙が流れた、咆哮が飛び出た。久しぶりの自分自身の帰還に魂から救われた。
そうして、涙が流しきり、ふと気が付くと雪が振っていた。
雪には嫌な思い出があったが今は悪くないと思えていたが、どこか遠くから敵の、グロンギの存在を感じた。
その時、俺の意識が人間から
そして、雪の中を歩き出し
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ダンジョン
およそ300年前から生えていたと言われるが正確には分かっていない謎の洞窟であり人類の夢。
一攫千金や愛する者のため、その他にも様々な理由により人はその洞窟に潜る。
そして今、3人の少女が雪の中で敵から逃げていた。
ダンジョン配信者
ダンジョンに潜りその様子を地上の世界へと流す人々の総称。
世界にダンジョンの恐ろしさと恩恵、その両方を見せしめる方法である。
彼女達は10万人超えの登録者を持つ【あいうちゃんねる】の通称あーちゃん、いーちゃん、うーちゃん。本名はまたいずれ。
中堅の上澄みの強さを持ちつつ、現在新進気鋭と呼べるような状態なのだがそんな彼女達が逃げの一手を取りつつ逃げ切れない相手が今なお追ってきていた。
「はっ、はっはあ……っ…!何なのよあれ!!??」
「わっかんない!少なくとも誰も見たこと無いモンスターってのしか分かんない!」
「………ッく…あれは駄目。勝てる未来が見えない。」
それぞれ逃げつつ共通認識【勝てない】という言葉が頭を埋め尽くしていた。
「あーっ、もう!リスナー!分かった!?あれに近づいたら多分死ぬ!!何でも見えるいーちゃんが真っ先に逃げたってことは本当に不味いヤツ!ギルドで上位の人呼んで!私達には無理!!」
「……おー、よくっ……走りながら、言え…っ……たね。」
「はっはー!!肺活量はあたしの取り柄え!!」
「やっかましい!…ふっ、ふっ……足回せ!死ぬぞ!」
追従するドローン式のカメラは彼女らの漫才を流しつつも、彼女達は見えていないが心配や嘘と決めつけるようなコメントが流れていた。
そんなカメラには少しだけ、彼女らを悠々と歩きながら追う
「……!?!?危ない!!」
突如目を見開いたいーちゃんと呼ばれた少女がその場で他二人の首根っこを掴み雪に叩き付けた。
「ごっ!?」「べっ!?」
雪に叩き付けられ喉から声が漏れ出た2人は文句を言ってやろうと雪から顔を抜き、前を見て背筋が凍った。
目の前が炎に遮られている。木々は燃え、雪が溶け始めている。
いやおかしい、この場所は永遠と雪が振り続けるゾーンであり、そのせいか木はどんな魔法でも燃えなかったはずなのだ。
それなのに木が燃えるほどの火力が出されている。
ああ、つまり…つまりだ。あの怪物はいつでも彼女らを捕らえられたのにあえて逃がして…楽しんでいたというわけだ。
ならばできることは、
「戦闘用意!できるだけ記録を残して死ぬぞ!」
あーちゃんと呼ばれた少女が両手に盾を持ち、二人より前に立つ。
「……固定砲台よーし。」
いーちゃんと呼ばれた少女が杖を構え魔法陣を紡ぎ始める。
「うわーーん!!つよつよ彼氏欲しかったのに、
うーちゃんと呼ばれた少女が泣き言を言いつつも大剣を構える。
後ろを飛ぶカメラを見ず、彼女達は宣言する。
「よーし、総員我ら未成年だが、あの世で一杯やろう!」
「「おーーーー!!!!」」
一歩、また一歩と近づいてくる絶望を正面に見据えて各々の握った獲物に力が入る。
そして、なにか不可視の一撃を喰らったかのように怪物は横へ吹き飛んだ。
覚悟を決めていたはずの少女達の混乱を他所に、手に玩具のようなボウガンを持った一人の男が姿を現す。
「よう、ン・ダグバ・ゼバ。」
「
どこかの世界で戦わせられ続けた一人の男がこの世界に初めて姿を表した。
主人公/何百年くらい戦い続けれた狂人。現在ン・ダグバ・ゼバがいるため、クウガかアギト。もしくはジオウの世界かと疑ってる。
あーちゃん、いーちゃん、うーちゃん/小学生の頃からの付き合いで、あーちゃん以外はそれぞれ名前に【い】と【う】が入っている。
いーちゃんのみやってきた人間が目の前の怪人よりヤバいことを理解して意識飛びそうになってる。
白い怪物/ン・ダグバ・ゼバあるいは究極の闇をもたらすものにしてクウガのラスボス。大体最終フォームのクウガと同スペック。殺人ゲームにちょうど良さそうな人間を見つけて攫おうとしていたら、ついでに自分が気圧されそうになる戦士がやってきてご満悦。
なお、ン・ダグバ・ゼバを含めたグロンギはこの世界には存在せず、これらは生態系含めて名前が同じなただの似たような存在、生命体である。